ブレイク前夜〜世界へ羽ばたくビートルズ〜
4人はイギリス国内で地道な路上ライブを重ねていった。
たしかな演奏力とパフォーマンスに、足を止めて聞き入る観客も多かったという。
そんなある日、路上ライブをしていると、それを見ていたイギリスの何かすごく有名なレコード会社「UKレコーズ」の社長に声をかけられる。
こうして4人は「UKレコーズ」への所属が決定し、それを機にバンド名を「ビートルズ」に改める。
ちなみにビートルズの由来は、「ビート」と「ピストル」をかけ合わせたもの。ピストルのようなビートを刻みたいといった思いから名付けられた。
その後、ビートルズは精力的なライブ活動を行い、人気を不動のものにしてゆく。そしてついに1stシングル『ゲット・バック』をリリース。
同作は、イギリスの有名なヒットチャートで初登場19位を記録した。
それに続いてリリースした2ndシングル『ハロー・グッド・バイ』は、イギリスの有名なヒットチャートで1位を獲得。イギリス国内で爆発的な売上を記録した。
これを皮切りに、ビートルズの知名度は瞬く間に世界に広がってゆく。
知らぬ者などひとりもいない〜ビートルズの全盛期〜
リリースするすべての曲が500万枚以上の大ヒットを記録し、全米ナンバーワンヒットを連発したビートルズは、若くして一躍スターの座にのぼり詰める。
「ビートルズの名を知らぬものなど世界中探しても1人もいない」といわれるほどに、その人気は留まるところをしらなかった。
ビートルズは、全員歌えて、全員作曲できるという今までにないバンドだった。
メインボーカルはジョンとポールだが、なかにはジョージやリンゴが作曲しボーカルを務める楽曲も存在し、それぞれの個性が曲に表れている。このようなスタイルが、人々をいつまでも飽きさせず、虜にし続ける魅力へとつながっていったのだろう。
とはいえ、世界的に有名になった曲はいずれもジョンとポールの作曲によるものだ。ポールが作曲した『ヘイ・ジュード』は、誰もが一度は聞いたことがあるだろう。
ヘイ・ジュード/ビートルズ
ビートルズは驚異的なペースで新曲を発表していくなか、ライブやコンサート、テレビ出演もこなす多忙な日々を送る。この頃の彼らについて、我々日本人の記憶に残るのはやはり「ビートルズの来日」であろう。
この来日は、新聞各紙が号外で取り上げるほどのビッグ・ニュースとなった。来日による経済効果は1000億円を下らないといわれている。
髪型をマッシュルームカットに統一したり、衣装を揃えたり、音楽だけでなくビジュアル面にも力を入れたことが功を奏したのだろう、ビートルズは日本でも絶大な人気を得た。
しかしその成功の裏側で、ギタリストのジョンは自分を見失っていた。
「僕はいったい、何のために歌っているのだろう。もうイマジンできないよ」
世間が騒げば騒ぐほど、それと反比例するようにジョンは自分の殻に閉じこもっていった。酒に救いを求め、次第に、ドラッグにおぼれてゆく。
すっかり落ちぶれてしまったジョン。
そんな彼を救ってくれたのが、のちの妻となるオノヨーコであった。
「ぼくたちはビートルズをあまりよくしらない【後編】」へ続く!
※ この物語は勝手な想像で作られています。実在の人物及び団体等とは関係ありません