ダダダダダダダダダ

ハァッハァッハァッ……

ハァッハァッ……

急げ……

急げ……

急げ!!!!!


ガチャッ!

「エシレバター買ってきたよ!!!」

■エシレバター
フランス生まれの発酵バター。成城石井みたいないいスーパーで売ってる。めちゃくちゃ美味いバターとして有名。

エシレ…?
一体…?

(逆光すご…)エシレバターだよ。めっちゃいいバターとして有名なんだ。
高いんですか?
高い。それ一個で、1000円ぐらいする。
高っ。雪印バターの4倍くらいしますね。

なんか2種類ありますね。ドゥークスと…デミセル…?
フランス語ですかね。どういう意味ですか?
分からん。でも多分、バターだから無塩と有塩のことだね。
どっちがどっちなんですか?
どっちだっけ……書いてあったけど忘れちゃった。

まぁとりあえず、今日はこのいいバターをみんなで食べてみたいんだ。「超熟」も買ってきたし。
いいですね。
こんないいバター、初めて食べるのでドキドキします。

じゃ、さっそく「ドゥークス」の方から……

むきっ…………

すうーっ………

ぬりっ………

じゃ、いっちゃいます。
いってみよう。

むぐ………

…………………………………………

こっち、「無塩」でした。
ドゥークスが無塩か。
美味しいんですか?
無塩だと、ちょっとよくわかんないです。クリーミーな気はしますけど…
そういうもんなんだな。

じゃあ僕、「デミセル」食べてみます。もうこんぐらいたっぷりつけて…

(1000円のバターなのに結構いくなあ……)

むぐ………




あれ……。僕、いつからこんな態勢でゴリラのドキュメンタリーを見てました…?

超熟に塗ったエシレバターを食べた後からだよ。
あ、そうか……。いや、めちゃくちゃ美味しかったです。確か……

あの後、トーストに塗ったエシレバターも食べて……
あれは凄かったですね。生の食パンより段違いで…

「モナコ公国の子女が食べてそう」……って、自然に思いました。
あれが朝食だったら毎日必ず早起きしますね。あと本当に凄かったのが……


あんぱん。
これは本当にヤバイです。法に触れる。
凄いですよね。バターの塩気が先にきて、急に塩がフッといなくなって、今まで食べたことのない「食の魔物」が口の中にドカンと押し寄せて、そいつがずっと口の中にいるんです。

思い出しただけで、笑っちゃうな。あんぱんにエシレバターは本当にヤバイ……
これ、バター単体だけでもどんどん食べれちゃいますね。
チンッ

じゃがいもがふかせたよ。
じゃがいもってレンジでふかせるんですか?

ふかせる。じゃがいもを濡らしたペーパータオルでくるんで、その上からラップをして、500Wで10分ぐらいかな。
じゃがバター、いいですね。

できた。ほくほくアツアツのじゃがいもに、エシレバターと塩のみ……
おお……

ほっふ…はっふぁ…んふぉっ…ふぉっ…ほっふほっふ…はっふぁ…んふぉっ…ふぉっ…ほっふほっふ…はっふぁ…んふぉっ…ふぉっ…ほっふほっふ…はっふぁ…んふぉっ…ふぉっ…ほっふほっふ…はっふぁ…んふぉっ…ふぉっ…ほっふほっふ…はっふぁ…んふぉっ…ふぉっ…ほっふほっふ…はっふぁ…んふぉっ…ふぉっ…ほっふほっふ…はっふぁ…んふぉっ…ふぉっ…ほっふほっふ…はっふぁ…んふぉっ…ふぉっ…ほっふほっふ…はっふぁ…んふぉっ…ふぉっ…ほっふほっふ…

……………
どう?
満点です。良いバターを使うだけで、こんなにじゃがバターって美味しくなるんですね。すごい。

僕、今まで生きてきて、あんまりじゃがいもって食べたことないんです。
そんなことあっていいの?
野菜全般があんまり好きじゃないんですけど、特にじゃがいもはあまり機会に恵まれず…
逆に難しいだろ、じゃがいもを避けて生きるの。
美味しいのかな、じゃがいもって。





あれ…? またこんな態勢でゴリラのドキュメンタリーを見てる…何でだっけ…

ジ……バ………
…そうだった。じゃがバター、本当に美味しかったです。

じゃがいもを食べて涙が出そうになったのは初めてです。
エシレバターって、素材の風味が強すぎない方が美味しく感じる気がしますね。

エシレって、「謙虚」なんですよ。
あ、分かる。主張はハッキリ言うけど、脇に寄る感じもあるというか。
でも譲りすぎず、一緒にてっぺんを目指そうと言ってくれる人みたいな感じなんですよね。
理想のパートナーってエシレバターのことだったのかもしれない。

ほうれん草のソテーとバターライスはどうだった?

ほうれん草のソテーも美味しかったですね。食べたことないけど、鉄板焼屋さんのソテーってこんな感じなんだろうなと思いました。
僕、ほうれん草もほとんど食べたことなかったんですけど、これならずっと食べててもいいなと思いました。

にんにくと醤油で味付けしたバターライスも美味しいけど…なんかここまで行くとエシレバターの意味が失われる感じがありました。
分かります。「これは普通のバターでも同じだな」って感じでした。
エシレバターの美味しさって、濃厚かつ繊細なものなのかも。

さっきからエシレバターを食べるたびに、白い毛糸のセーターを着た外国の女性が頭に浮かぶんですよね。
その人が「エシレ」ですか?
いや、その人は「クララ」なんです。
クララ。
緑の高原にいて、こっちを見て、静かに微笑んでいるんです。
クララは何か言っているんですか?
何だろう。何か伝えたがっているような感じはするんですが……
もう少し近寄ってみてもいいかもしれません。
うーん………あ、分かったかも。多分、なんですけど。
何と言っていますか?
「ここから出してくれ」


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