援交がバレたらどうなるの?
セブ山:
いよいよ援交がバレた時の話を聞いていきたいのですが、どういうふうに家族や警察にバレたんですか?
Aさん:
ある日、突然バレました。 その日、学校から帰って来て、家でゴロゴロしてたら急にインターフォンが鳴って、画面を見たら警察官が2人立っていました。
セブ山:
わぁー、怖いなぁ…
Aさん:
ママが玄関に出ていって「なんだろう?何か近所で事件でもあったのかな?」と思っていたら、警察の人に呼ばれて…
セブ山:
その時点では、まだ「援交がバレた」ってことに気付かなかったんだ…
Aさん:
そうなんですよ。 で、「ちょっと外で話を聞かせてもらっていいかな?」って言われて片方の警察官に連れられてパトカー(覆面)に乗らされました。
セブ山:
そっか、2人いるのは、もうひとりが家族に事情を説明するためか。
Aさん:
覆面パトカーの中で警察官の人に「心当たりある?」って聞かれました。誤魔化そうとしたとかではなくて、まさか援交がバレるって夢にも思ってなかったので「わからないです」って答えました。
セブ山:
(ごくり…)
Aさん:
じゃあ「〇〇っていう掲示板わかる?」って言われて、そこではじめて「あ、私が書き込んだ掲示板の名前だ! 援交のことがバレたんだ!!」って気付いて、その瞬間「終わった」と思いました。
セブ山:
うわぁー…
Aさん:
もうどうしようもないと思ったので「わかります」って答えたら、「だよね」って言われて、そこからいろいろ話をしました。
セブ山:
どんな話したの…?
Aさん:
もう頭が真っ白になっていたので何をきかれたのか何を答えたのか覚えていないんですが「何人とやったの?」とか聞かれました。スマホだけ「しばらく預かるわ」と言われて持っていかれました。でも、その日はそこまで詳しいことは聞かれずに、家に帰されました。
セブ山:
家に帰りたくねえ~~
Aさん:
そうなんですよね… 家に帰るのはイヤだったけど、帰らないわけにはいかないから…
セブ山:
ど、どうだった…? 家に帰ったら…
Aさん:
家じゅうヤバい空気でした。
セブ山:
そらそうだ… えっ、ちなみにAちゃんの家族構成は?
Aさん:
両親と私の3人家族です。
セブ山:
ひとりっ子かぁ… 親はどんな感じ? 泣いてる? 怒ってる?
Aさん:
ママは泣いてたかも… でも、号泣してるっていうよりは目に涙をためて言葉を失っている感じでした。
セブ山:
うわぁ… ツラい… そのあと、どんな会話したの…?
Aさん:
いろいろ聞かれたと思うけど私も頭が真っ白になっていたので覚えていないんですが、まず最初に言われたのは「今まで(援交以外でセックスの)経験あったの?」って聞かれました。
セブ山:
まず、そこなんだ。「なんで援交なんかしたのー!?」じゃないんだ。
Aさん:
親は私が男性とデートしたことすらないと思っていたので、衝撃だったんだと思います。 状況の理解が追いついてないので、まずはそこから確認したかったんじゃないかな…
セブ山:
そっか… 娘が「男とデートすらしたことない」と思っていたところからの「実は援交してました~」のカウンターパンチはダメージでかいね… 脳、揺れるわ… 立ってられないよ…
Aさん:
私は、恥ずかしさとか悲しさとかが入り混じってる気持ちでいっぱいで、もうどうしたらいいのかわかりませんでした…
セブ山:
その後、親との関係とか、親からの干渉どうなった?
Aさん:
束縛は強くなりました。「男と会うのはもうやめなさい」って。 最初のうちはGPSを持たされたりもしました。それはすぐ解除されましたけど。
セブ山:
じゃあ、あんなに固執していた「ネットで出会った知らない男と会う」っていうことも必然的に辞められたんだ。
Aさん:
いえ、そのあとも男の人と会うのはやめれなくて… その日はじめて会った人とその日にエッチしちゃったりはその後も全然ありました。
セブ山:
おいおいおいおいおいおい
Aさん:
そのことがママにバレていたけど、その時は何も言われなくて…、誕生日に長文のお手紙をもらいました。
セブ山:
どんな手紙? 怒りの手紙?
Aさん:
いえ、悲しみの手紙です。手紙4枚くらいずっとママの悲しみが綴られてました。
セブ山:
それはもう、ただただAちゃんが悪いよ… でも、なんで男と会ってまたセックスしちゃったことがバレたんだろう?
Aさん:
鎖骨あたりにキスマークがついていたからバレたみたいです。
セブ山:
この言葉だけは言わないでおこうと思っていたけど、もう言うわ… お前、バカかよ…
Aさん:
はい…すみません…
セブ山:
俺じゃなくて、ご両親に言ってあげて… ちなみに今は家族関係はどう? 家族の関係は変わっていない?
Aさん:
しばらくはヤバい空気があったけど、今は大丈夫です!
セブ山:
それを聞いて少しだけ安心した…
警察とはどんなやり取りがおこなわれるの?
セブ山:
そのあと警察とはどんなやり取りがあるの?
Aさん:
相手の男を逮捕するために事情聴取をさせてくださいと言われて、それからしばらくは定期的に警察の方が車で向かいに来ました。
セブ山:
それでどこへ行くの?
Aさん:
現場検証に行きました。「このホテルで間違いない?」とか。
セブ山:
ホテルの中に入って現場検証するの?
Aさん:
中には入らないです。でも、部屋の間取り図を書いたりはしました。あと、援交する前に立ち寄った薬局とか。薬局のレシートを警察の方が調べてきて「この日、買ったのはこれで全部?」「ゴムの他にも飲み物も買ってますけどこれで間違いない?」とか確認されました。
セブ山:
その日(援交当日)の足跡をすべて検証してまわるんだ。
Aさん:
はい。そして、そのひとつひとつすべてに書類が作られていて、一枚ずつハンコを押すんです。
セブ山:
面倒臭いね。
Aさん:
はい、面倒臭かったです。めちゃくちゃ時間を取られるし。でも、ぜんぶ私が悪いから…
セブ山:
そうだね。援交がバレたら、限られた高校生活の中の、貴重な放課後の時間がどんどん削られていくわけだ。
Aさん:
でも、それ以上に、一番イヤだったのは、ハメ撮り検証です。
セブ山:
は、は、はめ、は、ハメ撮りィ~~!?
Aさん:
相手(援交おじさん)の携帯の中に入っていたハメ撮り動画が私本人なのかどうかを確認させられました。
セブ山:
そもそも援交した時にハメ撮りされてたの!?
Aさん:
はい… 目隠ししていたからハメ撮りされていることに気付いてなくて…
セブ山:
目隠ししてたの!?
Aさん:
向こうのリクエストで…… 追加料金払うからって言われて断れなくて…
セブ山:
どれだけ押しに弱いんだよ!! え、なに、そのハメ撮り動画を警察官と一緒に見るの?
Aさん:
いえ、動画じゃなくて紙に印刷されてるんです
セブ山:
どういうこと?
Aさん:
ハメ撮り動画を数コマずつ紙いっぱいにぶわーって印刷されていて、めちゃくちゃブ厚い資料になってるんです。
セブ山:
それは、もう、笑っちゃうわ…
Aさん:
そのブ厚い資料、一枚一枚にハンコを押すんです。「これは私です」って一筆書きながら。
セブ山:
それって…モザイクは…?
Aさん:
ないです。モロです。おっぱいもアソコも丸出しです。
セブ山:
…………。
Aさん:
あ、でも、サイズは小さいですよ。大写しではないです。
セブ山:
それって、女性の警察官が立ち会ってくれるの?
Aさん:
いえ、男性の警察官でした。
セブ山:
神よ……
Aさん:
それは恥ずかしかったし、おっぱいもアソコも丸出しの写真に一枚ずつ「これは私です」って書かないといけないのが苦行すぎて、その時は心から「もう絶対に援交なんかするもんか」と思いました。
セブ山:
ホント、するもんじゃないね…… 援交なんて…… 警察とのやり取りはいつまで続いたの?
Aさん:
数ヶ月続いた後に「相手の男性が逮捕されたのでこれで終わりです」って伝えられて、終わりました。「今後はもうしちゃダメですよ」と注意を受けて解放されました。
セブ山:
放課後に友達と遊べない日々が続いたみたいだけど、学校や同級生にはバレなかったの?
Aさん:
部活を休んだりはしていたけど、もともと休みがちではあったので、怪しまれたりバレたりはなかったです。
セブ山:
そっか、学校や同級生にバレなかったのがせめてもの救いだね。
どうして援交はバレたのか?
セブ山:
でも、どうして警察にバレたんだろうか?
Aさん:
掲示板に書き込む時にコミュニケーションアプリのIDを書いていたのでそこからバレたみたいです。
(※コミュニケーションアプリとは、LINEやカカオトークといった無料のチャット&通話アプリのこと)
セブ山:
ああ、そっか! コミュニケーションアプリはスマホの電話番号と紐づけられてるから!
Aさん:
そうなんですよ。そこから電話会社に問い合わせが行って、私に辿り着いたみたいです。
セブ山:
なるほどなぁ 警察はそうやってネット上の怪しい掲示板とかもちゃんとチェックしてるんだなぁ。
Aさん:
そうみたいです。
セブ山:
じゃあ、逆にいうと掲示板にコミュニケーションアプリのIDを書き込まないとバレない?
Aさん:
いえ、結局、遅かれ早かれバレていたと思います。
セブ山:
なんで?
Aさん:
警察官が男性のフリしたり女性のフリしたりして書き込んでいるからです。
セブ山:
そうなのか…!
Aさん:
さっきお話した家がお金持ちのお嬢様っぽい子は、それにひっかかって援交がバレたらしいです。
セブ山:
そっか、そういう対策もちゃんとしているから、援交はいつか絶対にバレるんだね。
Aさん:
はい、アプリのIDを書き込む書き込まないといった話ではなくて、援交はいつか絶対バレます。
援交で得たお金は何に消えた?
セブ山:
援交で得たお金は合計7万円くらいあるけど何に使ったの?
Aさん:
欲しかった携帯ゲーム機を買いました。あとはアイドルが好きなので、コンサートのチケット代とか会場までの交通費とかに消えました。
セブ山:
そうか、じゃあ手元に残っているのは携帯ゲーム機だけか。
Aさん:
いえ、それも親にハンマーで壊されたので、もう何も残っていないです。
セブ山:
なになになに!? どういうこと??
Aさん:
ママに「(援交で得たお金は)何に使ったの?」ってきかれて「携帯ゲーム機を買った」って言ったら「持って来なさい」って言われて渡したら、何も言わずにお庭に持っていってハンマーで壊しはじめました。
セブ山:
うわぁ… でも、親の心理わかるな… それは、もう、そのゲーム機を壊さないと気持ちの整理が付かない…
Aさん:
ママがハンマーをパパに渡して「あなたも壊しなよ」って言って、ふたりでお庭でガンガンやってました
セブ山:
その時、Aちゃんはどうしてたの…?
Aさん:
見てられなくて、私は部屋にこもってゲーム機が壊される音を聞きながらジッとしてました。
セブ山:
人生の中でそうそう無いよ… そんなツラすぎる時間…
Aさん:
でも、壊し終わったあとにママとパパが電気屋さんに連れて行ってくれて、別のメーカーの新しいゲーム機を買ってくれました。
セブ山:
せめてもの救い…
ネットで知り合った「知らない人」と会うということ
セブ山:
そんな経験をしたAちゃんですが、今後もツイッターで知り合った男性とリアルで会ったりはするの?
Aさん:
うーん、来年の春には大学生になるから、学校で男の子に接するし、もうそういうことはなくなると思います。
セブ山:
大学で男の子と出会うのは親御さん的にはいいの?
Aさん:
大学生活の中で普通に出会って、普通に仲良くなるのはいいと思います。たぶん、ネットで知らない人と出会うっていうのが親は嫌なんだと思います。
セブ山:
それはたしかにそうだね。そうやってネットを介して「簡単に会える人」って、結局はそういうヤツらなんだよ、きっと。
Aさん:
でも、今まで会った人の中には、いい人もいたんですよ。
セブ山:
いい人ももちろんいるとは思うんだけど、そっちが基準になってるから同じ間違いをくり返しちゃうんだよ。 インターネットで出会う人は「クズ」を基準にしないといけない。
Aさん:
たしかに、そうかも。
セブ山:
インターネットで運命の相手に出会った人もいるはずだから、あんまり強くはいえないけど、そういう人たちはたまたま運が良かっただけで、インターネットにはカスしかいない。
Aさん:
セブ山さんがそういうなら、そうなんですね、きっと…
18歳未満のあなたたちへ
セブ山:
ツラかった思い出を赤裸々に語ってくれて、今日はどうもありがとうございました。
Aさん:
いえ、こちらこそありがとうございました。なんだかんだ楽しかったです。
セブ山:
最後に今のAさんにお聞きしますが、援交したことを後悔していますか?
Aさん:
はい、後悔しています。
セブ山:
その後悔は、警察とのやり取りがめちゃくちゃ面倒臭かったからですか? それとも、両親を悲しませてしまったからですか?
Aさん:
もちろん、そういった援交がバレた後の大変さやツラさもあるのですが、たとえ援交がバレなかったとしても、自分の中に「援交した」という事実は残り続けるので、絶対にしない方がいいです。 ふとした時に思い出して、自己嫌悪に陥ったり、ますます自分に自信が無くなったりしました。どうして、そんな簡単なことにあの時気付かなかったんだろうと後悔しています…
セブ山:
なるほど、援交で得られるお金以上に失うものの方が多いんですね。
Aさん:
はい、そういうことです。
セブ山:
でも、援交をしようとしている子、今まさに援交している子たちは18歳未満なので、あんまり難しいことや説教臭い言葉を言っても心には伝わらないかもしれない。
だから、あえて、こう結論付けさせてください。
Aさん:
たしかにコスパ最悪でした。
(インタビューは以上です)
【まとめ】親はどうするべきだったのか?
というわけで、援交バレした女の子のインタビューはいかがだったでしょうか?
僕もいい年齢なので、どちらかというと親御さんの立場で一連の話を聞いてしまったんですが、Aちゃんのご両親は一体どうすれば援交を防げたのでしょうか。
もっと親子間で会話があったら? 女子高に通わせなかったら? 男の子もいる塾や習い事に通わせていたら?
いろいろと考えましたが、どれも表面的なことでしかなく、結局のところ、問題は親御さんの「ウチの子は大丈夫」という思い込みにあったのではないかと思いました。
これはAちゃんの親御さんを非難しているわけではありません。どこの家庭でも起こりうることだと言いたいんです。
ご両親の目にはAちゃんは「ちゃんと門限を守って、清く正しい高校生活を送っている」というふうに写っていたはずです。でも、その裏では、Aちゃんは想像の遥か上をいくことをしていました。
我が子を愛して、我が子を信じていたからこそ、「ウチの子は大丈夫」という思い込みが強くなり、小さな変化や違和感に気付けなかったのではないでしょうか。
「だから、もっと子どものことを疑え!信じるな!」と言ってるのではなく、我が子を見守る自分の目を疑うべきだと僕は思いました。
「私は子どものことをちゃんと知っている」「私はちゃんと子どもを見ている」という我が子を愛する気持ちが、皮肉なことに、我が子を見守る目を濁らせてしまっているのではないでしょうか。
「これだけ子どもと向き合っているのだから大丈夫」と思っている時こそ、実は子どもの変化に気付いてあげられていない瞬間なのかもしれません。
自分の目を疑い、我が子のことは全力で信じてあげてください。
…と尾木ママのような言葉で締めさせていただきます。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
(おわり)
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ネットに悪口を書き込むヤツらに反応することはいかに不毛な行為なのか?