エントリーNo.6 リックェ(初代菓子盆王者)
6人目は初代王者のリックェ。画像を見ているだけで、スケベしか頭にないカメラマンからエアカメラでピントを合わされるアイドルの気持ちを疑似体験できました。貴重な体験をありがとうございます。
「日本の菓子盆はもてなしの心。上質な時間を提供する心遣いと聞いておりますから、英国の文化『アフタヌーンティー』にも通じると感じ、菓子盆に取り入れてみた次第です」
リックェが選んだのは紅茶だそうです。一体どのような菓子盆を見せてくれるのでしょうか?
●ショートブレッド(ウォーカー)
●ショートブレッド チョコチップ(ウォーカー)
●ダークチョコレート(リンツ)
●鬼ひび塩レモンあられ(岩塚製菓)
●ミルクケーキ(無印良品)
●オールレーズン(東ハト)
●ナッツ&フルーツ(Family Mart collection)
「それでは菓子盆の解説に入らせて頂きます」
~ 会場の反応 ~
「ちょっと待て」
「脳がフリーズした」
「そんなのアリかよ」
「ショートブレッドは伝統的な英国のビスケットでございます。チョコチップとプレーンを用意いたしました。どちらもバターたっぷりでサックリした食感でございますから紅茶によく合いますかと。
ああどうかクッキーとお呼びにならないでください。英国ではあくまでビスケットでございます」
「とはいえ、菓子盆はもっと気安いものですから、あまり堅苦しくなってはおもてなしとは呼べません。ですので、どちらのコンビニエンスストアでも手に入るTohatoのオールレーズン、無印良品のミルクケーキもございます。
ファミマコレクションのナッツ&フルーツは、色どりだけではございません。紅茶にはフレーバーティーというものがございまして、フルーツ・ナッツ類がそのフレーバーベースに使われておりますから、こちらも紅茶にあわないはずはございません」
「また、今回の選手権ではわたくしの提供順は後半でしたので、それまでに参加者の皆様はお菓子を多く召し上がっているはず。塩味や酸味をご所望されると思いまして、さっぱりとした口当たりの塩レモンあられも、配しております。こちらも合わせてお召し上がりください。
長々とした解説、失礼いたしました。紅茶のおかわりご用意ございますので、ごゆっくりどうぞ」
~ 会場の反応 ~
「ヤバい金持ちの息子とその執事にしか見えない」
「坊ちゃまの命令1つで、こいつの目が赤く光って人体を破壊し尽くすんだろうな」
「いや、盆は素晴らしいんだけど、なにこれ?」
リックェさんが選んだのは「紅茶」。ペットボトルではない、茶葉から出す紅茶です。しかし、そもそも菓子盆はどちらかといえば「和」のグッズ。すでにお茶会文化が発達しているイギリス流のもてなしと噛み合うのでしょうか?
そんな懸念は実物を見て吹き飛びました。なるほど、確かにこれは日本の菓子盆です。なのにしっかりと英国風。ぴんと背筋を伸ばしたくなる感じと、テレビでも見ながらくつろぎながら楽しみたい感じが、互いに矛盾せずに同居しています。
この安心感を作り出しているムードメーカーが塩レモンあられ。彼のおかげで盆のドレスコードが解除されてカジュアルな雰囲気を作ってくれています。紅茶との相性もよかったです。
また、紅茶の銘柄が菓子の質に合わせて選ばれていることから、テーマの「飲み物に合う菓子盆」をしっかりと意識していることがわかります。ぶれない軸を感じさせてくれました。
これまた高評価! リックェのコスチュームについては一切触れられなかったので、恐山はこれをなかったことにしようとしてるのかもしれません。なんという好判断でしょうか。
エントリーNo.7 原宿
最後はオモコロ編集長の原宿です。悪ふざけのゴミカス盆しか作らないのに、なんでこんなツルンとした素朴な目をしてるのか、不思議でなりません。ちなみに飲み物はコーラを選択しました。今回こそは真面目にやってくれ!
「盆を出す前にまず審査員のダ・ヴィンチ・恐山に、この仮面をつけてもらいます」
「それからこの帽子もかぶってください。それでは、僕の盆はこちらです」
●国産和牛サーロイン
●ガーリックスライス
●バター
「完成、『ダ・ヴィンチ・恐山USA』です」
「背景にテキサスの荒野を合成すれば、よりUSAっぽさが増します。コカ・コーラのCMに起用されたみたいデショ?」
~ 会場の反応 ~
「これ以上、盆を汚すのはやめてくれ」
「そこそこ良い肉を使うな」
「びっくりドンキーじゃん」
肉はおいしかったですが、破門です。
通算5回目となる破門でした。破門のギネス記録に手が届くかもしれません。
優勝者決定!
これで第五回菓子盆選手権、「飲み物に合う菓子盆」がすべて出揃いました。
果たして飲み物お菓子王の栄冠は誰の頭上に輝いたのか?
審査員のダ・ヴィンチ・恐山から、優勝者を発表いたします!
今回の菓子盆選手権の優勝者は……
リックェさんです!!
第五回優勝はリックェ! 繊細な盆と豪腕なパフォーマンスで勝利をもぎ取りました。これでリックェは二冠! 栄誉ある三冠王が生まれる日も近いかもしれません。
今回のテーマは飲み物に合う菓子盆だったので、これまでで最も「味わい」を強く意識した選手権になりました。
それぞれ選んだ飲み物が違うため、盆を比べることにどれだけの意味があるかはわかりません。そこで、優勝者を選ぶにあたっては「その飲み物を選ぶ必然性がどれだけあったか」を大きな基準の一つとしました。
モンゴルナイフさんの盆は麦茶にぴったりな清涼感があり、永田さんのばかうけは牛乳と思わぬ調和を奏でていました。同じ盆でも飲み物が違えばアプローチの仕方も千差万別です。
その中でもリックェさんの作品は紅茶を楽しむための盆であり、盆を楽しむための紅茶でもありました。制約を利用して逆に盆の可動域を拡張してくれたリックェさんの作品が、今回の優勝にふさわしいと判断しました。
変な寸劇を定番にするのはやめてください。
ちなみに今回、王者リックェの使用したティーセットと衣装は全て自前だそうです。自前でそんなもん持つな。
ダ・ヴィンチ・恐山も自前のドクロステッキを持って記念撮影。最終的にはこの2人でエンタの神様に出て欲しいですね。
執事に何かを耳打ちする変態坊ちゃまの写真。写真で一言(「ボケて」とか)でご自由にお使いください。
さて、明らかに進んでは行けない地雷原に歩を進めてしまった感のある菓子盆選手権ですが、今後も活動を広げて参ります。
年内に第二回となるイベントをやる予定ですので、こちらも是非ご参加頂けると幸いです。
今後のテーマとして、「7色使用必須のレイン盆」、「アイスを使った涼味盆」、「菓子を食べた後のうんこを盆に出す(原宿発案)」などの企画も検討中です。
それではまた、第六回の菓子盆選手権でお会いしましょう!
(おしまい)