ワンアイデアだけで記事を書く危険性について
「秩父の方に御花畑って駅がある」
巷にはワンアイデアだけで敢行された記事が溢れていて、めちゃくちゃバズってたり、面白い記事がある。
「これだ!」という1つのアイデアが思いついて、その勢いだけで書ききったような記事。
そんなアイデア、浮かんだことがなかった。
0→1の思考が苦手なのかもしれない。基本的に起こった出来事を組み立てて書く方が圧倒的に多かった。
だからこそ憧れていた。ワンアイデアだけでその勢いで書き切りたいと思った。
だから曇っていたのかもしれない。
「酔いつぶれて御花畑駅で目覚めたら死んだと思うんじゃないか」
これを思いついた時、自分は神に選ばれたとさえ思った。天才かもしれないと思った。通り魔よ、あの時殺してくれ。
タイムマシンがあったならすぐにでも止めに行くし、タイムマシンが無いのなら冷静な判断力がほしい。
誰かとかぶってないかネットで調べたところ、ななな何と、誰も書いていないアイデアだった。
他のライターに先を越される前に!!とすぐにライターの山下ラジ男に撮影の手伝いを依頼し、深夜、真冬の秩父で撮影を敢行した。そんなに急がなくても誰も書くわけがないのに。
彼も撮り始めるまでは結構乗り気だった。
御花畑駅で終電を逃す、そのワンアイデア以外頭に無かった。こいつ俺が何も考えてないって知ったらビックリするんだろうなって、この時なんとなく感じた。
「チチンブイブイ! チチブ!」って言って、魔法の杖みたいなので元に戻る終わってるストーリーだけ考えてたけど言わなかった。言わなくてよかったしやらなくてよかった。
実際に終電逃した時の絶望感を味わいたかったから、何も調べないで突撃した。スマホの電源は、たくさんタップしてゾンビを倒すゲームとかしてたら無くなってた。
「撮影なんだけど、終電で秩父に来てほしい」という非情なお願いをして合流し、下手なデートの進行みたいに「とりあえずその辺歩こうか」と言った時、「え?」と言われたのを覚えている。
そして撮影が40分くらいで全部終わって、マジでどうしようと、全然違う絶望感が襲ってきた。彼には悪いことをしたが、結果的に少し仲良くなれた。死んでみるもんだ。
辺りを死者のようにさまよって、営業してるラーメン屋を見つけ、閉店の1時まで暖をとる。
その後歩いてたらすき家を見つけて、勝ったと思ったら2時閉店だった。あと見たこともないファミレスがあって、そこも2時閉店だった。
終わった。
気温は氷点下を切っていた。マジで死ぬんじゃねって感じになった。
ファミマで温かいコーヒーを買って歩くも、すぐにぬるくなる。山ラジの口数も露骨に減る。
だからこそ、ネットカフェを見つけた時のあの感動、喜びはひとしおだった。寒くて疲れてるのにテンション上がりすぎて2時間もダーツをした。なぜか2人とも飲み物すら飲まないくらい熱中した。
翌朝、一緒に西武秩父駅前の温泉に行った。
祭の湯(公式サイト:http://www.seibu-leisure.co.jp/matsuri/)
めちゃくちゃ良かった。最高だった。
寒くて本当に死にかけていたんだけど全回復した。
以上が、僕がワンアイデアだけで敢行した結果である。
書かないまでも机に向かっていた時に考えて、出した結論がある。
散々なことを書いたけど、温泉がたくさんあって良いところでした。
(おわり)
【あわせて読みたい】