エントリーNo.3 小山健(初出場)
またも初出場! お次は漫画家・小山健の登場です。友達に1人はいる顔(ボンボン派)をしていますが、一体どのような菓子盆ファイトを見せるのか? ちなみに選んだ飲み物は午後の紅茶レモンティーとややトリッキーです。
「午後の紅茶のレモンティーに目をつけた時点で『もう勝ったな』って思いました。だって午後の紅茶のレモンティーおいしいから」
●ハーベスト セサミ(東ハト)
●素材にこだわったしっとりバウムクーヘン(情熱価格)
●源氏パイ(三立製菓)
●しっとりミニマドレーヌ (ブルボン)
●ラシュクーレ(ブルボン)
●発酵バターが薫るショートブレッド (グリコ)
●不揃いホワイトチョコがけいちご (無印良品)
「菓子盆は砂漠、午後ティーはオアシスです。乾きの限界まで一度ノドを殺してから飲む午後ティーはまさにこの世の奇跡。最高の幸せへジャンプアップする仕組みになっています。
ずっと中くらいの幸せがつづく人生よりも瞬間最大風速的に最高の幸せを感じたいと思い、あえて菓子盆を踏み台にして飲み物にすべての重点を置きました」
~ 会場の反応 ~
「甘いものが多過ぎて絶対に午後ティーと合わないと思う」
「最初見た時に『なんか気持ち悪っ』と思ったけど、見てると『意外と悪くないかも…』という気になってきて、今また『気持ち悪っ』になってきた。なんだか不思議な盆ですね」
「これぞ『小山健の盆』という気がする」
午後の紅茶レモンティーという少し変わったチョイスをした小山健さんの盆。
盆の上では見慣れたはずの菓子が姿を変えて見える「異化」がたびたび起こります。今回の小山さんの盆はめずらしいキノコの盛り合わせに見えました。なんかモコモコしてる。統一感があると言えばそうなのですが、何か一つカラフルなものが欲しいです。
内容は、砂漠で遭難してる人がやっとの思いで見つけたら発狂に追い込まれそう。喉の水分を極限まで奪おうという意図だけで構成されています。恐怖しました。レモンティーを楽しむための意図的な作盆だそうですが、なんだかレモンティーを流し込むためだけに盆と菓子を用意したようで残念でした。
あと、午後の紅茶のレモンティーは単体で甘いので、しょっぱいものがあってもよかったのでは?
水分を奪う装置と化してしまった菓子盆にピシャリと酷評。どこまでも冷静で厳しいジャッジです。
エントリーNo.4 ARuFa
本気で取り組んではいるもののキモすぎる菓子盆しか作れない問題児のARuFa。選んだ飲み物はエナジードリンクのRAIZINだそうです。この時点でどう考えてもヤバいだろ。
「エナジードリンクとあわせることによって、食べると元気の出る菓子盆を目指しました」
●フルーティカクテル(ハリボー)
●カリカリトリプルコンソメ(セブンプレミアム)
●アボカドーザ(グリコ)
●から付落花生(東北ヒロヤ)
●よっちゃん丸(よっちゃん食品工業)
●たべるにぼし(藤沢商事)
~ 会場の反応 ~
「ラリった漁師が見る幻覚じゃねえか、いい加減にしろ」
「漁師にLSDをやらせるな」
「そもそもエナジードリンクと食べ物を合わせたいという欲求が異常。こういう奴が人肉の味にも興味を持つ」
「ミッドウェー海戦」を表現した抽象画かと思ったら菓子盆でした。ARuFaさんがチョイスした飲み物は「RAIZIN」。なぜ?
何度も言いたくないのですが、どうしてARuFaさんはカラフルなグミを散りばめるのでしょうか。「彩り=グミ」という認識で放り込んでいませんか? そろそろそのプログラムはアップデートしたほうがいいと思います。
今回はさらにサイドに煮干しが横たわっているので異様さが際立ちます。ARuFaさんの手にかかると、栄養価の高い煮干しも「干からびた魚」と表現したくなります。悪しき異化効果にかけてARuFaさんの技術はピカイチです。
ちなみに、盆のRAIZINとの相性は最悪でした。煮干しの生臭さとエナジードリンクの甘さ・炭酸感が混じり合って何ともいえない未来的な不快感を味わいました。元気を吸い取られた気がします。
この記事をご覧になっている方の中で、ARuFaを救ってくれるお医者さまはいませんか?
エントリーNo.5 永田(二代目王者・初代イベント王者)
5人目は現在唯一の二冠王者・永田。飲み物は王道の牛乳をチョイス。ちなみにこのポーズは「幽☆遊☆白書のラストシーンで桑原がしているポーズ」とのことです。だから何なんだ。
「みなさんは世界で一番、牛乳に合うお菓子は何かご存知ですか?」
●花のくちづけ(春日井製菓)
●ポリコーン(坂金製菓)
●ばかうけ 青のりしょうゆ味(栗山米菓)
●サクサクしっとりチョコ(セブンプレミアム)
●とろもっち(サークルKサンクス)
●コーヒー風味ビスケパン(ヤマザキ)
「世界で一番牛乳に合うお菓子、それは、ばかうけなんですよ…! そもそも醤油と牛乳って相性が良いんですが、ばかうけのそれはまさに奇跡。お互いがお互いを高め合う、至高の存在なんです。ぜひご賞味あれ…」
「それから牛乳には普通にパンが合うよな、と思ったんでパンを入れました。菓子じゃないけど、まあ、いいかなって。
花のくちづけは、牛乳を飲んだ後の口の中のネバついた感じを解消するためにあります。ミルクすもも味のキャンディなので牛乳の後味を殺さずにリフレッシュすることができるのです」
~ 会場の反応 ~
「ばかうけと食べてみたけど、確かに合う。世界一ではないけど」
「僕は食べたけど、合わないと思いました」
「黒ギャルの尻みたいなコーヒーパンの方が合うし美味かった」
牛乳に合う菓子。なんとなくの”正解”がわかっているため、選ぶには勇気がいる題材です。あえて牛乳を選択した永田さんがどんな答えを出してくるのか気になっていました。
空気を含んだチョコレート菓子はわかります。フルーツ味のキャンディーも、意図はわかります。出された盆上に並ぶ菓子にひとつ、目を見張るものがありました。それは「ばかうけ」です。牛乳にばかうけ……?
言われるがまま、半信半疑で交互に食べてみました。すると、意外にもかなり口に馴染むことがわかりました。ばかうけの程よいしょっぱさを牛乳の甘みが溶かし、後味がサッパリと美味しい。こんな食べ合わせを永田さんはどこで知ったのでしょうか。流石です。ただし好みは別れるようで、人によっては「ない」と断じていました。
しかし、装飾を最小限に抑えて「ばかうけ×牛乳」に賭けたチャレンジ精神は賞賛に値すると思います。
チャレンジ精神が評価され、なかなか好評のようです。王道とチャレンジ、そのバランスを取ることが菓子盆選手権で最も大事なのかもしれません。