ありがとうインターネット!という気持ちを込めて、平成最後の春に開催した「第6回 オモコロ杯」。
おかげさまで、総計465本という今までのオモコロ杯でもっとも多くの応募をいただきました!
参加していただいた皆様、ありがとうございます!
さっそく第6回の優勝者、ならびに審査員特別賞を発表させていただきます。
優勝賞品は「Amazonギフト券10万円分」でしたが、
ここで賞品に関しまして、ひとつ皆さんにご報告があります。
「おいまさか」なのですが、激論を重ねた末、またしてもオモコロ編集部は優勝者を1名に絞ることができませんでした。
第4回、第5回と優勝者を1名に絞れず、賞品を分割して贈呈させていただきましたが、
第6回でまたしても結論を出すことができず……
優勝者が2人
となってしまいました。
つまり……
という部分を……
と、変更させていただくことをお許しください!
決して思考放棄や甘えではなく、「厳正な審査の結果の、甲乙付けがたし」であることをご理解いただければ幸いです。
前置きが長くなり失礼いたしました。
受賞者の記事はタップした先で閲覧が可能ですので、皆さんもぜひお楽しみください。
それではいよいよ、第6回オモコロ杯の結果発表です!
https://note.mu/hyosasa/n/n29ef958991e0
「魚がし日本一」から送られてくるLINEクーポンを3年間(!)記録し続け、その周期性を発見するという壮大なチャレンジ。時間の経過とともに、クーポンの起点となる寿司が移り変わっていき、3年目の大晦日にある出来事が……遙かなる時を越えて迎える意外な結末を見たあと、大河ドラマのような感慨を覚えます。岡田さんのこのエントリは、オモコロ杯の発表以前からすでに各所でウケまくっており、魚がし日本一から食べ放題のクーポンも届くという、見た人の顔が思わずほころぶ見事な大団円を迎えているのですが、熱量や構成、費やした時間など見事と言う他ない作品ですので、世間の評判に乗っかるわけでは決してないのですが、オモコロ杯としても「優勝」の栄誉をお送りしたいと思います!おめでとうございます!
https://www.ramuyasu.com/entry/catcher
「日本球界最高の捕手」として名高い、元・ヤクルトの古田敦也選手の現役時代の走行距離を調べるという「どんだけニッチなものをやるんだ」という調査(しかもめちゃくちゃ精緻に)から、コストをかけてその走行距離を越えに行くという、今の時代に全く評価されない無意味さに心を打たれました。古田に勝ってもないし、そもそも勝ったからって何も起きないし、この人は「損得」というものを越えたところで何かを表現しようとしている、と感じさせる気概が素晴らしいです。野球の豆知識と、無軌道な情熱が感動を誘う素晴らしい記事でした。細かい部分ですが、冒頭の「細かいスペースからキャッチャーがお送りします」という部分、本来「こんにちわ、キャッチャーです」とかシンプルにもできたはずなのに、「微妙なスペース」を足してくるあたりに“妙”を感じました。
以上のお二方が、第六回オモコロ杯の優勝者となりました。
お二人には「Amazon商品券5万円」をそれぞれお送りさせていただきます。
本当におめでとうございます!
そしてここからは、審査員5名による個人賞を発表いたします。
それぞれの審査員が「これはぜひ表彰したい!」と感じた記事やマンガに、好きな賞品をお送りします!
https://note.mu/uzo_inuoka/n/nf1fcb26f5a06
中間発表でも取り上げさせていただいた記事で、先に言っておくと画像の引用ルールに関してはめちゃめちゃなんですが、そういった常識は後で覚えたり整えたりしても良いと思う、ということでご覧ください。ただ徒手空拳で「刃牙で抜けた歯を数える」のではなく、導入でのきっちりしたレギュレーション解説、作品に対して愛がないと出てこないテーマ設定、いじるシーンの温度感の心地よさなど、「この語り手は信用できるっ!」という練度のまま、きっちり面白い視点で記事テーマに取り組んでいるのが素晴らしかったです。「歯が抜けてから新しい歯が生えるまでのスピード=複歯スピード」という、普通の人が気が付かないような細かい箇所もネタにしてくれるのが良いですね。ベタな発想で申し訳ありませんが、電動歯ブラシで歯を大切にしていただければと思います!
「マジスカスクエアガーデン」というユニット名を見た瞬間に「これはしんどいやつかなあ……」と思ったのですが、「やり切ってる感」が想像以上でとても良かったです! 「ドンキで買ったコスプレ着て『ウェ~イ!』みたいなノリが来るのか?」かと思いきや、「トランペットを欲しがる黒人の少年」みたいな「静」の笑いがあるコスプレが飛び出して来るのも最高! 居酒屋でも使えるギフトカードを贈呈するので、ぜひみんなで歌舞伎町に還元しに行ってください!
https://araihama4.hatenablog.com/entry/2019/04/04/141346
画風、展開、インターネット的なモチーフ選びに惹き込まれました。すごいと思います。最後のほうは正直よくわからないんですが「すごい」と思ったので選びました。よくわからないものを評価して評価されようとしてると思われないか、という思いもありますが、すごいと思ったので仕方ないです。なんとなく安眠できてなさそうな気がするので、雑音を発生して安眠に導くホワイトノイズマシンを贈ります。これからもネットを通じて顔も知らぬ他人に怖い人だと思われるリスクを取っていってほしいです。
https://yoroizaka.hatenadiary.com/entry/2019/04/03/003005
「空を飛びたい」という導入から、試行錯誤を繰り返して目的を達成しようとする記事なのですが、記事のカロリーが非常に高く、読了する頃にはヘトヘトになってしまいました。しかしそれが素晴らしかったです。一つひとつのネタを見ると確かに強度の弱いものもあるのですが、その手数や散らかった構成からは、楽しんで記事を書いている感じがし、ギラギラの初期衝動を感じられてよかったです!「この人はこの一本の記事に自分の持ってるユーモアを全て出し尽くして衰弱死してしまうんじゃないか?」とも思いました。この原石の才能をもっとキラキラに磨いてほしいという願いから、『スワロフスキークリスタルを使用したティアラセット』をお贈りいたします。
https://note.mu/biwahara/n/n5d67927ec387
モグラの本当になんでもない日常のひとコマ…の4コマ。かわいいけどかわいすぎず、ちょっと伝わりづらいけど、読んでる側がなんだなんだ?ともっと覗きたくなる絶妙な描き方で、なかなかできることじゃないと思いました。主張がなく、ギラつきがなく、共感の押し売りもなく素朴で安心します。モグラのお金がない感じも小さい書き文字も全部愛しいので毎日読みたい。パン屋の話は笑いました。贈り物は生活必需品のいいやつがいちばん間違いないという考えがあるので、最高級ボックスティッシュをたくさんお送りします。
個人賞を獲得された皆様、おめでとうございます! プレゼントのセンスは完全に各審査員の感覚にゆだねております!
他、高い評価を得ましたが、すんでのところで受賞には届かなかった佳作20作品をご紹介させていただきます。
佳作
■【まんが】桜庭六蔵の最期(ジュピターゼニガメ)
http://jupizeni.hatenablog.jp/entry/2019/03/05/003709
首がだいぶ曲がっていたので笑いました。行き当たりばったり感はありますが、ネタの独特な温度感がよかったです。
■【架空のエッセイ】ヘルシーバーガー(電気こうたろう)
https://note.mu/ie_nekozou/n/n6f3058e45293
架空であるぶんなんでもアリなのですが、「ギリギリこんな世界はどこかにあるかも」と思わせるリアリティの制御が抜群にうまいですね。
■【閲覧注意】はかせのオ●ニー大百科(状態)
http://bababainbaibain.blog.shinobi.jp/diary/20190306
いくらなんでもバカすぎる。
■【漫画】そしてうんちを忍ばせる(はらつかう)
https://13157af.hatenablog.com/entry/2019/03/15/203854
あまり言語化されることのない感情をすごく丁寧に写し取っていて、読んでいてとても気持ちがいいです。
■石を食べよう(LOVE終太郎)
https://loveowataro.hatenablog.com/entry/2019/03/20/125556
画像加工が上手で、文章も読みやすかったです。石独特のビジュアルを活かした写真がもっと見たかったですかね。
■住んでるマンションを退去したら被告人になった話(しりひとみ)
https://note.mu/sirisiri/n/n997a1beb317f
対応できる彼氏がすごい!! でもその凄さを冷静に伝えられる作者もまた、確かな実力があると思います。
■アパートに出現する鳥に関する注意喚起(バーチャル炊飯器)
https://vsuihanki.blogspot.com/2019/03/blog-post.html
なぜこんなことをやろうと思ったのかさっぱりわかりませんが、無駄なところに異常な手間がかかっていて迫力があります。
■飛び出し坊やを妄想で大図解してみた(いずこ)
https://izukosan.hatenablog.com/entry/2019/03/24/225151
画力が高く、それを効果的に見せることができていて良いですね。後半はもう少しコンパクトにできたかもしれません。
■食べたことないおでんを作る2018(タカノ)
https://jyadou-life.hatenablog.com/entry/2018/10/20/120000
テーマがハッキリしていて世界に入り込みやすかったです。イマイチだった品も過度に貶したりしていないので、気持ちよく読めました。
■プロ野球選手の「有言実行率」を調べてみた(まこすけ)
https://ameblo.jp/mamoani/entry-12450656821.html
「継続は力なり」とはこういうことですね。ちょっと意地悪な発想も、これだけのデータ量に裏打ちされていれば説得力が段違いです。もう少し見せ方をストレスなく工夫できたらと思いました。
■トマトをイチゴに成型する(佐藤成行)
https://media.dmm-make.com/item/4437/
かなり大変な工程を踏んでいるにも関わらず、これだけ軽い読み味の記事に仕上げているのはすごいです。トマトが苦手なのにやろうと思ったのもすごい。
■グルメやスイーツだけじゃない!もう一度みなとみらいを歩いてみませんか?(tyauzo)
https://sabotten-tyauzo.hatenablog.com/entry/2019/04/05/000545
ただの街歩きで終わらせない「仕込み力」が凄まじい労作でした。記事のテーマをもう少し明確にすると、よりよくなりそうです。
■淫乱巨乳ナース 夜のお注射の巻(森なつめ)
浪人してしまった人や夢を諦めてしまいそうな人達へ贈る漫画を描きました。
『淫乱巨乳ナース 夜のお注射の巻』
(続) pic.twitter.com/gBZjPpBMZQ
— 森なつめ (@natsumemori) 2019年3月29日
テンポがよく、読後感も爽やかでよかったです! この人の描くいろんな変人が見たいと思わされます。
■家で気軽に居合切りがしたい(KAI)
https://kai777.hatenablog.com/entry/2019/04/06/161928
アイデアを実行するため、かなり丁寧に舞台を作り込んでいるのが最高です。失敗も含めておもしろく読ませる力がありますね。
■短歌30首(伊舎堂)
https://note.mu/gegegege_/n/nb7f055a6faa7
文字の前で「これはなんだろう」と読者に考えさせる引力とユーモアの両方がある短歌でした。そのぶん、読み手に要求するスキルも必要とされるのが難しいですが。
■ガチボチバトル(NEO浅漬け)
https://note.mu/agogo/n/nd37ea0223480
あるある感のすくい取り方がとても絶妙ですね。小さいお便りコーナーに目をつけるあたりが最高です。もっと発展したネタも見てみたいです。
■やったか?(メカと渓谷)
http://daijoyu.xxxx.jp/topic-016/
かなり予想外の角度からボケが来るのでスリリングですね。読み手をポカーンとさせるギリギリのラインですが、好きでした。
■美少女に乳首を吸われたい(交サ点)
https://kosatenchang.hatenablog.com/
絵面で嫌がる人もいそうな記事ですが、直球のバカ記事でよかったです。オチがめちゃくちゃすぎる。
■乙女ゲームの王子様を独占したいのでAIに人体錬成してもらう(ニシオ)
https://ura.onishime.net/entry/my-prince/
ちょっとした小道具にも手がかかっていて読みやすかったです。出来上がった画像でもっとメチャクチャやってみてもよかったのかもしれません。
■【両親無職】生きづらすぎるので催眠療法で過去に行ってきた【神社生活】(イツキ)
http://itsuqi.hateblo.jp/entry/2019/04/06/005915
前半部分で語られた半生がかなり壮絶すぎて後半の印象が少し霞むレベルだったのですが、全体的に興味深いレポートでした。
第6回オモコロ杯、史上もっとも多い465作品のご応募をいただきました。参加者の皆様、誠にありがとうございます。
応募作を拝見して感じたのは、「すごい!みんなメチャクチャちゃんとしてて面白い!」ということでした。
応募点数も多く、アベレージも高い。第一回の時から比べると、応募作品のボリュームやクオリティが歴然と上がっていることを感じます。
「これは負けていられないな!」という気持ちもありつつ、オモコロが10年以上に渡って配信してきた表現のエッセンスのようなものが、読者の皆様にしっかり届いているのだという喜びを感じます。
そしてこうした催しができるのも、日夜オモコロを生暖かく見守っていただける読者の皆様一人ひとりのおかげです。本当にありがとうございます。
インターネットが生まれた「平成」という時代が終わり、この先にきっと今は想像もできないような未来が待っていることでしょう。
オモコロというメディアの雰囲気や関わるクリエイターも、開設当初から比べるとだいぶ変わってきたかもしれません(下ネタの割合も減り続ける一方です)。
しかし続けるということは、ある意味で変化を恐れないことだと思っているフシが僕個人にありますので、今後も変わることを恐れず、それでいて「Webのおもしろ文化」というカルチャーに根付いた記事やマンガその他もろもろを、今後とも皆様にお届けしていければと思っています。
参加者の皆さま・読者の皆さま、元号が変わり令和の時代となりましても、オモコロを何卒よろしくお願いいたします。
オモコロ杯にご参加いただき、誠にありがとうございました。
オモコロ編集長 原宿
※10連休中もオモコロは通常どおり更新いたします!