カップラーメン
お湯をかけて3分ではなく、焼酎をかけて24時間待ったシロモノがこちら。
深夜の歌舞伎町で「ゲロの募金箱」を抱えて立っていたら、こんなのができるかもしれないという状態です。
もう見た目だけで嫌な予感がビンビンです。
あえて余計な吟味はせず、一気にいきます。
そっちのほうが楽だから。
「うっぐ……」
カップラーメンのジャンキーな醤油味が、アルコールと合わさり、互いの臭みを最高レベルにまで高め合っています。
お前らが高め合わなくいいから。そういうのは、ハンターハンターのゴンとキルアの関係だけで充分だから。
ここまできたらこうするしかないことは分かっていました。
TVチャンピオン大食い選手権の決勝の種目がこれだったら、さすがのジャイアント白田も死ぬと思う。
スープ(焼酎)をたっぷり絡ませて、一気にすすります。
「ぼむへい」
アルコールをたっぷり吸った麺が口中の皮膚を刺激して、自然と吐き出ました。
ラーメン屋のどんな廃棄物よりもまずい一品でした。
「カップラーメンに使うのは、お湯。カップラーメンに使うのは、お湯。」
強く強く、自分の中で唱えました。
ジャンプ
たまたま、手元にあった、読み終わりのジャンプ。
いつもなら資源回収に出すところですが、もしかして、”食材”としての可能性が残っているのではないか……?
アルコールで溶けた脳みそに、まともな思考はできません。
こちらが、おそらく世界初となるジャンプ焼酎。友情、努力、勝利が溶け込んでいるはずです。
ページの色が染み出し、色味は綺麗なピンクに。
さしずめ”ロゼ” といったところでしょうか。
今までの人生、僕の舌に認識されなかったジャンプの紙の味が、はじめてインプットされる瞬間です。
「あ、懐かしい」
幼い頃、喜び勇んでジャンプをめくったときの、懐かしいインクと紙の匂いが広がり、少年時代の思い出がフラッシュバックします。
「懐かしいな……ジャンプもそうだけど、ウチの近くの本屋は、ジャンプの隣にエロ本が置いてあったから、その表紙たちをなるべく長く見たいがために、わざとジャンプを探すフリをしていたっけな……」
「このインクの匂い……学校の裏の空き地によく落ちていたエロ本とも似ているなあ。雨や土でぐちゃぐちゃになっているところもあれば、くっついているところもあって読みづらかったなあ……あれ、どんな本だっけなあ……」
さらに深い記憶を掘り起こすために、具材も食べてみようと思います。
具合が悪くなりました。
やっぱりなんですけど、どうやら雑誌は焼酎に漬けてはいけないようです。
いや待て、結論を急ぐな。
もしかすると「コミック乱・鬼平犯科帳特集」なら、いけるかもしれない……
〜後日〜
ダメでした。
【結論】
雑誌は焼酎に漬けちゃダメゼッタイ!!!
(おわり)
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