お茶、うまいよなあ……

ご挨拶が遅れました。ライターの寺悠迅です。僕も人並みにお茶は好きなつもりですが、お恥ずかしながら全く詳しくない。そして選び方もわからない。

それでもお茶が好きだと胸を張って生きていきたい。好きってそれくらいカジュアルでいいはずだから……

 

……というワケで、こちらのティーバッグセットを購入してみました。

玉露・合組・産地別煎茶 ティーバッグ10袋セット

販売元は、お茶や海苔などの乾物で有名な山本山。創業はなんと元禄3年(西暦1690年)。老舗中の老舗です。信頼できすぎる。

 

そんな山本山が誇るブランド茶が10種類も楽しめる本品! 僕としては歓喜の雄叫びに喉を枯らすばかりなのですが……!

 

同じようなお茶の写真が続いたら、読者は途中で気ぃが狂うかもしれない……!

ので! 合間合間に『山本山みたいな言葉』を挟んでいきます!

 

山本山といえば、かつて『上から読んでも山本山、下から読んでも山本山』というフレーズのTVCMで一世を風靡しました。

 

【バーグハンバーグバーグ】

広告制作会社。「オモコロ」「オモコロブロス」などのおもしろ記事を掲載するWebメディアも運営している。
領収書を切るとき、恥ずかしかったらBHBでもいいらしい。

山本山みたいな言葉』の雰囲気はご理解いただけましたね? 飲んでくれよ。待ったの気持ちも、お茶も。

それでは! レッツ! 語ッ句語句!

 

 

かけがわ

まずは静岡県産“かけがわ”から。

 

素人なりに美味しいお茶をいただくため、小袋裏面の淹れ方に忠実に従います。吾輩の辞書にビギナーズラックとかいう戯言は載っていない。

 

ちなみにティーバッグはナイロン製です。ちょっと良いものな気がして、ちょっと嬉しい。

 

うまい。明朝体のうまい。

そうだ。”美味しいお茶”ってこういう感じだった。飲む前は曖昧だったお茶への認識が、急に周波数がビタッと合った感じがする。

たった数十秒浸しただけとは思えない確かな味。後味に嫌味のない渋味が残る。更に濃いめに淹れて練りきりとか食べたい。

 

【サンバビバサンバ】

松平健の『マツケンサンバII』に登場する歌詞。なんだかわからんがとにかく楽しそうではある。

 

 

さやま

お次は埼玉県”さやま”

 

記事を書き始める前は「お茶の違いなんてわかるものかね」と不安な部分もありましたが、杞憂でした。かなり違う

お茶の味がしっかりしているのに、軽やかで飲みやすい。渋味に当たるものは少なく、味わいのある苦味といった様相。

甘味を合わせるなら、香りの強くないシンプルな甘いお菓子が欲しい。すあまとか、ういろうとか。

「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」とはよく言ったものですね。

 

十万石幔頭

埼玉銘菓。漢字ごとに区切って読むと回文になっている。狙っていたとしても偶然だとしてもすごい。すごすぎる。

 

 

やめ

お次は福岡県”やめ”

 

あっ、開封した時点でちょっと違う! これまでより甘い香りがする!

 

淹れてみるとお茶の色が輝いていて綺麗です。明らかに透明度が高い。

味は渋味がほとんどなくて……これは……渋味以外のお茶の味が強い?

乾いた石の表面に水滴を垂らしたかのように、舌に潤いがじゅんと広がる。もしかして、これがお茶の「うまみ」ってやつ? 飲み比べることで初めて知覚できたかも。

一番煎じももちろん美味しいけど、二番煎じの方がよりうまみが強くて個人的には好みです。

 

【ダンスロボットダンス】

ボカロP「ナユタン星人」のオリジナル曲。一部動画界隈[要出典]では「名詞A-名詞B-名詞A」の単語構成を『ダンスロボットダンス構文』と呼んでいる。

 

 

ちらん

鹿児島県”ちらん”

 

とにかく香りが良い。八女茶の後だからか渋味を感じる。とはいえ決して強いものではなく、「しみじみ」に相当する渋味。

絵に描いたようなお茶色で、個人的には、「お茶」と言われればこれを思い出すくらい馴染み深い味がする。実家のような安心感*

*後で確認したところ、実家では実際に知覧茶を好んで買っていたそうです。本当に実家なことがあるか。

 

【バーンブレイバーン】

ロボットアニメ『勇気爆発バーンブレイバーン』に登場するブレイバーンの強化形態。イサミィーッ!!!

 

 

うじ

京都府”うじ”

 

まず、茶葉の時点からバツグンに香りが良くて驚きました。そして淹れてまた驚く。とにかくまろやか!

一口目がとても甘い。甘さが去ったあとに軽い渋味が来る。この甘さが”うまみが強い”ということかも。そして舌の上で転がした時の芳ばしさときたらもう……!

お茶の色も透き通っていて、鮮やかな若竹色です。だのにこの写真の下手さときたら……

 

【ナイト・エニグマティック・ナイト】

サイバーパンクニンジャ活劇小説『ニンジャスレイヤー』のエピソードタイトル。「ブッダがある男をジゴクから助け出すため、切れやすい蜘蛛の糸を垂らした。ナンデ?」「ゲイのサディストだから」で有名な、スカム禅問答の出処でもある。

 

 

かわね

“かけがわ”に続き、お茶大国二度目の登場。静岡県“かわね”

 

写真ではわからないかもしれませんが、他のお茶より緑色が濃いです。

一口目はあまり渋みを感じなかったけど、飲み進めるごとに渋みが折り重なっていく感じがします。雑味のない渋みが段階的に増していって、どんどん味が変わっていく。面白い。

単品で飲んでも美味しいけど、なにかお菓子と合わせていただきたくもなる。主演でもバイプレイヤーも輝く。そんな印象。

 

【温泉津温泉】

島根県大田市にある温泉。読みは反復ではないが、書きは反復になる不思議な言葉。

 

 

合組煎茶 – 山本山

やってまいりました。老舗山本山が自信をもってお届けする合組煎茶シリーズ

合組(ごうぐみ)とは、香りや味の違う様々な産地のお茶を組み合わせる、言わばブレンド茶のこと。お茶屋の腕の見せ所です。

 

その合組煎茶、第一の刺客として訪れるのが“合組煎茶 – 山本山”。格好いい。奥義に自分の名を冠するやつじゃん。

 

えっ!? なんかお茶なのに海苔みたいな香りがする。いや山本山が海苔問屋も兼ねているからってそんな冗談を……とかじゃなくてマジで。

 

一口目が明確に甘くて笑っちゃいました。今までで一番甘いまである。

うまみも強い。お茶特有の渋みもほどよい余韻として残る程度にある。

凄いのは、こんなに美味しいのに、ほっと落ち着ける仕上がりになっていること。山本山の看板を背負うだけのことはあるわ。バランス感覚がすごい。

ちなみに、”やめ”と同じで二番煎じが更に美味しかったです。うまみが強いお茶は二番煎じを気に入る傾向にある。

 

【ドームですよドーム】

ゲーム「アイドルマスター」より、天海春香のコミュに登場するセリフ。星野源もライブで言ったらしい。なお、より正確な表記は「ドームですよっ!ドームっっ!」。

文頭と文末で同じ単語を繰り返すことで、より強い印象を持たせることができる。これを『反復法』という。例に「能登かわいいよ能登」「教えはどうなってんだ教えは」等。

 

 

合組煎茶 – 上喜撰

山本山合組煎茶シリーズ二の矢 – “上喜撰(じょうきせん)”

100gの茶葉で買うと、合組煎茶 – 山本山の1.5倍ほどの価格。すなわち山本山の……上位モデル!

 

うまい。そして渋い。そこそこ強めの渋みを感じるのに後に残らない。

初撃が強めで、その衝撃が持続するかと思えばサッといなくなってしまう。さっぱりしている。初撃の正体はおそらく香り。香りが儚く、味が濃い気がする。

この感じ、お出汁だ。鰹のお出汁のようなうまみの強さだ……!

合組煎茶 – 山本山とは全く違う。面白すぎるぞ、合組煎茶!

 

【ポケットモンスタートレーディングカードゲームポケット】

ポケモンカードゲームを原作としたスマートフォン向けアプリを、フルで詠唱するとこうなる……と言いたいところだが、正式名称は”Pokémon Trading Card Game Pocket”なので実際はこうはならない。

 

 

合組煎茶 – 天下一

 

山本山合組煎茶シリーズ、終の矢。“天下一”

 

茶葉の香りが淡い。淡いのに、芯がしっかり通っている。何気ない立ち姿にも巨木の影を見る、武道の達人のような安定感だ。

そして、うまみが強い。うまみの強いお茶は舌触りが違う感じがする。渋みの代わりにうまみが舌に残り続ける。初めての感覚だ……これが天下一の実力か……

これまでのうまみが強いお茶は二番煎じの方が好ましい傾向にあったものの、これは一番煎じが圧倒的に美味しく感じた。不思議だ……お茶はわからないことだらけだ……

 

【素数階乗素数】

p を素数として、p# ± 1 の形で表される素数。素数階乗素数とは別に、素数階乗、階乗素数もある。何の何の何?

 

 

元祖玉露 – 山本山

 

元祖玉露 – 山本山。突然パッケージが黒基調になってパワーが凄い。ほとんど印籠。

高級茶として有名な『玉露』ですが、何を隠そう元々は山本山の商品名にして発明品。ラーメン屋や饅頭屋のそれとは違う、本当の”元祖”なのです。

 

玉露に用いる湯温は格別に低く、時間は長い。低い温度でじっくりとそのうまみを浸出させるのだとか。

 

開封した瞬間に段違いの香りがする。濃い。強い。なのにお上品。

これまでも海苔を彷彿とさせる香りのお茶があったが、あくまで思い浮かんだのは乾燥した板海苔。これは特に濃厚。まるで海苔の佃煮です。

 

出汁??? うまみが、うまみが強すぎる。これまでの煎茶とは文字通り別物。別格。

飲み慣れたお茶は心が休まるが、これは心がざわつく美味しさ。あまりに美味しく、これを説明しなければならない責任感に脳みそがフル回転する。

飲む前はさほど香らないが、口に含んでから香りが爆発する。淹れる前と後で変わらぬ新鮮な香ばしさがある。

渋みが全くない。渋みの代わりにうまみが舌に残り続ける。

普段お茶に感じる”渋み”とは、舌に滲み入る独特の刺激だが、これは一度で受容しきれなかったうまみが舌に残留して、味蕾を刺激し続けているような感覚。強い光で目に焼き付きが起こるそれに近い。

このうまみの強さを表す新しい日本語を考えたほうが良いと思う。……ありそうだな。茶の湯千年の歴史には。

 

【羯諦羯諦波羅羯帝】

般若心経の一節。「行こう悟りの境地へ行こう」のような意。ほとんどスパリゾートハワイアンズのCMソング。

 

 

あがり

お茶って素晴らしい。どれも唸ってしまう美味しさでした。10種類も飲み比べてみると、自分でも知り得ない己の好みの傾向を知れて面白かったです。

 

ちなみに、個人的に一番良かったのは『合組煎茶 – 山本山』です。

お茶ってやっぱり『ほっとする美味しさ』であって欲しいんです。美味しすぎると落ち着かない。合組煎茶 – 山本山はその点のバランスが抜群でした。

 

すみません。写真間違ってました。こっちが合組煎茶 – 山本山です。さっきのは上喜撰。

 

みなさんも、たまの休日にはゆっくりとお茶を味わってみてはいかがでしょうか?

そう、

などに……