こんにちは! ライターのギャラクシーです。あ、上の写真の右が僕です。

左は母のスミコなんですが、ここでひとつ、みなさんに質問をさせてください。みなさんは―

 

母親のことが好きでしょうか?

 

おそらく大半の人が「好き」と答えるでしょう。僕も母のことが好きです。

しかし母親というのは、(恒星間の宇宙船パイロットでもない限り)大抵の場合 年上です。そして人間である以上“寿命”からは逃れられません。

もし……その日が来たら? 僕はその悲しみから立ち直れないことでしょう。

 

そこで僕は考えました。

 

データ化したらよくない!?

 

母が生きてるうちに、その精神や知識、情報のすべてを吸い出してコンピューターに入力したとしますよね? で、そのコンピュータに対して僕がなにか質問すると、「母の知識の中から」答えを出力してくれるとしますよね? そしたら、会話が成立してると言えませんか?

 

つまりコンピューターの中に“母”が誕生するのです。素晴らしい思いつきではないでしょうか?

僕は、人工知能『マザーコンピューター』を作ることにしました。

 

 

なおこの記事は、誰でも簡単に対話形式のAIチャットボットを作れるサービス『Repl-AI(レプルエーアイ)』の提供でお送りします。

 

 

 

人工知能『マザーコンピューター』を作る

 

人工知能というのは、最近よく聞くAIのこと。車の自動運転や、将棋の名人を破ったりしているアレです。

 

当然、僕には何の知識もないため、自分では作れません。そこで、同僚であり電子工作の専門家であるマンスーンに製作を依頼することにしました。

こんなややこしいこと、引き受けてくれるかな……?

 

 

 

「マンスーンくん、お願いがあるんだけど、僕の母親を人工知能『マザーコン……」

「わかりました」

 

 

絶対わかってない顔ですが、とりあえず引き受けてくれました。

 

人間一人を丸ごとデータ化する……しかもそれが母親となると、適当なものは作れません。「おまえはこの程度の人間だ」(ドドッ)と母に言っているようで(ギュアアアアアア)失礼だからです(ガガガガガン!)

その点、マンスーンが作ってくれるなら一安心(ドガガガガガガガガガガ)と言えるでしょう。

 

 

(ガッガッ!カンカンカンカン!)

 

 

「マンスーンくん、念のため聞くけど……それ、AIを作ってるんだよね?

 

 

「そうですけど?」

 

 

そうらしいです。

 

ハード面の製作は順調みたいなので、並行してソフトの方……母のデータを入力していきましょう。

実家に電話して、母には100を超える設問に答えてもらい、回答をひとつずつ入れていきます。そうして、「こう聞かれたら、こう返す」というのをソフトに覚えさせるわけです。

 

 

 

ひとつ設問を入力するたびに、着々と、コンピューター上の“母”が形成されていく。

 

ヒトが歴史に姿を現してより数千万年、我々はついに、生命をデータ化することに成功したのだ……!!!

 

 

 

 

それではご覧ください。

 

 

 

これがッッッッ!!

 

 

 

人工知能『マザーコンピューター』だッッッッ!!!!

 

 

 

 

ドォォォーン!

 

 

 

 

 

 

(コポコポォォ……)

 

 

 

フルメタルボディの内部には、あらゆる演算を超高速処理する「脳型CPU」を搭載。音声入力に対応し、こちらの質問に“母として”返答してくれる……それが『マザーコンピューター』。

 

一体どのようなものなのか……?

 

 

 

『マザーコンピューター』起動!

 

 

母親を丸ごとデータ化した人工知能『マザーコンピューター』。この中に……本当に“母”が……?

さっそく色んな質問をぶつけて確かめてみたいんですが、自分の母親がちゃんと再現できているかどうか、判断するのが僕一人だと贔屓目で見てしまいそうです。

 

 

そこで―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

母のスミコ自身にもチェックしてもらうため、関西から新幹線で召喚しました。

どういう意図なのかは電話で説明したんですが、20回くらい「何が?」と言われた挙句、結局まったく理解しないまま来てくれました。

 

 

さらに万全を期すため―

 

 

 

姉(左)と、弟(右)にも来てもらいました。

 

父はすでに他界しているので、一家すべてが会社に集合したわけです。

さあ、『マザーコンピューター』は、“母”なのか、それともただの機械なのか? 判断してもらいましょう!

 

 

 

(ブゥゥ……ン!)

 

起動するとスクリーンに、ポリゴンスミコが表示されます。

みんな、これが僕らの……新しいお母さんだよ……

 

 

「ではさっそく、音声入力で、母に関する質問をしてみてください」

「このマイクに向けて喋ればいいのね? えーっと、じゃあ最初はジャブとして……」

 

 

Q:あなたの名前は?

 

『スミコ』

 

 

「おぉぉ……!」

 

 

 

Q:出身地は?

 

『大阪市西淀川区』

 

 

 

Q:夫の名前は?

 

『ミツハル』

 

 

 

一瞬で“母として”最適な解答を返してくれる『マザーコンピューター』。その動作を見て、家族もやっと「どういう意図なのか」を理解した様子。素直に感動していました。

ちなみにこの『マザーコンピューター』、画面表示だけではなく、音声でも解答を出力してるんです。動画でご覧ください。

 

 

 

動画を見るのは面倒くさいという人のために、一応スクショでもお送りしますね。

 

 

Q:夫・ミツハルとの馴れ初めは?

 

『職場結婚。交際を申し込んできたので断ったところ、ショックで3日間会社を休んだため、かわいそうになって付き合うことにした』

 

 

Q:初体験の相手は?

 

『……………………………………』

 

 

『……………………………………』

 

 

 

 

 

家族大ウケ

 

「製作者の僕は、ギャラクシーさんのお母さんのことを知らないんですが……どうですか? 母親っぽい?」

ここまでの解答に間違いはないですね」

「職場結婚ってことは知ってたけど、初体験がお父さん(ミツハル)だったとは知らなかったよ」

「お付き合いした当初は、お父さんも若かったからいつも求めてきたけど、結婚するまではダメって言うたんよ。婚前交渉はふしだらやからね。『そのかわり結婚したら何回でもどうぞ』ゆうてな」

「『マザーコンピューター』のおかげで、知りたくなかった情報を知ってしまった」

 

 

「続いて、“母親らしさ”と言えば、こんな質問はどうでしょう?」

 

 

Q:『母の得意料理は?』

 

「得意料理なんてあった?」

「予想がつかない」

「……」

 

 

『肉ピーナッツ揚げ』

 

 

なぜか爆笑する弟と姉

 

「あったわ~。懐かしい! 確かに、母の料理といえばコレですね」

「これは……どういう料理なんですか?」

「豚肉に砕いたピーナッツをまぶして揚げた、私のオリジナル料理やね」

「正直に言うと『香ばしさの押しつけ』って感じの料理で、全然好きじゃなかった。なのに、毎日弁当に入ってた」

「同じくあんまり好きじゃなかった。あれ得意料理だったのかよ

「やっぱり料理の話を聞くと“母親感”出るね。じゃあ続いては、子供の頃のこんな思い出が『マザーコンピューター』に共有されているか聞いてみてもいいでしょうか?」

 

 

Q:飼っていたウサギが死んだ時、どんなことをした?

 

『………………………………』

 

 

『湯をぶっかけたら生き返った』

 

「あったあった」

「まだ子供だったから、私も泣きながらお湯かけたわ」

「どういう状況!?」

「大事に飼ってたウサギが、ある寒い朝、カチカチになって死んでたんよ。悲しくてねぇ。なんとか生き返らへんか?と思ってお湯をかけたら……『ヂュンッッッ!!』って叫んで走り回り始めた。ウサギはお湯をかけたら生き返る

「めちゃめちゃガサツなザオリク」

 

 

せっかく姉と弟が来てるんで、『マザーコンピューター』が二人のことをどれくらい知ってるかもチェックしてみましょう

 

 

Q:姉が子供の頃、クラスの男子につけられたあだ名は?

 

『王さま』

「事実です。ある日、泣きながら帰ってくるから『どうしたん?』って聞いたら、『男子にヒゲのうぶ毛が濃いから”王さま”ってアダ名つけられた』って」

「その記憶は消去してほしい……」

 

 

 

Q:弟が子供のころ、ズボンの裾からよく落としていたものは?

 

『うんこ』

「事実です。小学校入学頃まで、常にカチカチのうんこをポロポロこぼしながら行動してました」

「『マザーコンピューター』って、嫌な記憶だけ教えこまれてない?」

「ここまで、事実ではない解答はなかったね。じゃあ、最後の質問いきましょう。……これを聞くのはちょっと恥ずかしいなぁ。えーっと……」

 

 

 

Q:『子どもたちのことを愛してる?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そらそうや……。あんたらには苦労もさせられたけど、母親なら誰だって自分の子がかわいいんよ。それは『ママーコンピュウター(?)』とかいうのも同じや。これからも家族で助け合っていこうな」

「うん……」

「そやね……」

 

 

涙ぐむ姉

 

 

「最後にちょっと良い話になった。さて、『マザーコンピューター』との会話、どうでした? これは、“母”でしたか?

「母」

「母と言うてもエエんちゃう?」

「母やね」

「母です」

「じゃあ満場一致で『マザーコンピューター』は母ってことで、いいですね!?」

「もちろん! 今後は『マザーコンピューター』をお母さんとして、仲良くしていきましょう!」

「よろしくね『マザーコンピューター』」

「よろしく~」

「こちらこそ、よろしくお願いします」

「あれ? この場合、私はどうなるの?」

「…………誰?」

 

「うそん」

 

 

 

まとめ

というわけで今回はAIによって母を再現し、人工知能『マザーコンピューター』を作ってみました。

その頭脳に使用したのは、プログラミングの知識が不要で、誰でも簡単にAIチャットボットが作成できる『Repl-AI(レプルエーアイ)』というサービスです。

 

 

例えば、「このゴミは何曜日に出せばいい?」という問題に対して、「燃えるゴミは月曜に」「ペットボトルはリサイクルの日に」といった感じで的確に答えてくれるチャットボットが作れるってわけです。

 

 

ちなみにオモコロの姉妹サイト「ヌートン」では、このRepl-AIを使って実際にヌートンのチャットボットを作ってみるという記事を公開していますので、作り方が気になる方は是非。

 

 

まとめると……

 

・お問い合わせ対応業務の効率化を図りたい人

・使ってもらえないFAQページをひたすら更新している人

・単純な返答で済む複数の質問に一瞬で答えたい人

 

自分の会社でこんな事に悩んでるならオススメですよ! ぜひAIチャットボット『Repl-AI』を使ってみてくださいね。

 

 

(おわり)