こんにちは。オモコロ編集部です。

クレーンゲームってあるじゃないですか? ないですか? ありますよね?

 

アームで景品を掴んで出口まで運ぶハラハラ感が醍醐味のクレーンゲームは、少年少女たちに夢とスリルを提供してきました。

 

 

…ただそんなクレーンゲームの景品ですが、

 

 

 

ごめんなさい。愚かにもそう思ってしまったんです。

これはクレーンゲーム景品のPR記事なので、こういうこと言うとクライアントさんに怒られるかもしれないんですが…

 

クレーンゲームの景品って、マンネリに陥ってないですか? 

 

 

我々のアイデアでまだ見ぬ景品をつくれるんじゃないか…?

 

 

というわけで、クレーンゲームの未来を一方的に憂う人間が集まりました。

彼らにはそれぞれが考案した「クレーンゲームの景品」を発表しあってもらいます。

 

 

そして…

 

なんとバンダイナムコ アミューズメントの景品販促担当の方にジャッジしてもらいました。

上の光景、なんかすごいですね。 

 

それではさっそく始めて参りましょう!

『オリジナル景品選手権』開催です!

 

1人目 モンゴルナイフ

1人目のプレゼンターはモンゴルナイフ。

週末はいつもゲームセンターでクレーンゲームに興じて過ごしているらしく、最近は上達しすぎて景品獲得の喜びが完全消失したそうです。

 

 

私が提案したいのは……この子です!

 

 

 

 

 

ふーん

 

まあ、ぬいぐるみだねえ。

さほど可愛くないという点を除けば、全然いいと思います。

商品名…いや、この子の名前は…

 

 

MY ベスト FRIEND

モコちゃん

 

しょうもなさそっ。

知育玩具?

 

このままでもキュートなモコちゃんですが…ある仕掛けがあるんです。実演してみますね。

 

 

ウィーン…!

あ~! モコちゃんが捕まっちゃう!

モコちゃんが捕まってしまう~~!!!

 

 

ガシッ

 

 

あっ!!!モコちゃんが捕まりましたよ!!!!!

どうなっちゃうの~~~~~~~~~!? !? !?

捕まったモコちゃんは果たしてどうなってしまうというの~~~!? !? !?

 

一人でずっとやかましいな

 

 

 

ズリュリュリュッ

 

 

モコちゃん捕まっちゃったね~~♡

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グロっ。

 

 

内臓ですね。

ほら、雨穴さんの最初の発言を「内臓ですね」にさせないでよ。怖いじゃん。

 

 

 

モコちゃん頑張って~~~~~!

気持ち悪いほど伸びるな。

シューティングゲームの敵みたい。

口が開いてるときしかダメージが通らないんだろうな。

 

 

というかこれ、とれないんじゃないですか…?

はい。とれないですね。あと下アゴに馬鹿みたいな量のおもりを入れてます。

馬鹿みたいな量のおもりを入れんな。

1人目から型を破りすぎ。

 

私、クレーンゲームをやりまくったせいで、もはやこう思っちゃうんですよね。

「景品がとれたところで何? それで何が得られるの?」

景品だよ。

もう目に見えるモノは必要ない。必要なのは、そう……

 

「感謝」だけ。それだけが地球を動かすカギなんです。

異常に元気のある居酒屋の社訓みたいで嫌だな。

お金をくれたお客さんにモコちゃんが感謝を伝える。それだけでいいじゃないですか。

 

モコちゃんは取れませんが、周囲にあるこれは頑張れば取れますよ!

なんですかそれ?

え? ちょっとぉ~、言わせないでくださいよ!

 

 

モコちゃんも生きてるんですよ。お腹いっぱい食べた後にすることといえば…フフ…当然…ククッ…

大丈夫かな、この人。

 

フフッ…ハァハァ…

 

ハァハァ…すみません。ウケすぎて泣いちゃいました。

なんなんだこの人は。

情緒めちゃくちゃだな。

 

 

トップバッターから「とれない景品」を提案したモンゴルナイフ。その発想の転換はともかくとして、かわいらしいぬいぐるみが真っ二つに割れて中身が飛び出すという猟奇性は強い印象を残しました。

 

2人目 ヤスミノ

2人目のプレゼンターはヤスミノ。

クレーンゲームは好きですが、人見知りで景品の位置調整を店員さんに頼めないのですぐ諦めるそうです。

 

クレーンゲームの景品といったらもうこれでしょう。

 

 

「フィギュア」……これを外すわけにはいきませんね。

たしかに王道ですね。どこにでもありますし。

 

フィギュア技術は日進月歩、絶えず進化し続けています。今はプライズのフィギュアでもびっくりするようなクオリティのものが多いですよね。

ただ、何万円もする高級フィギュアに比べると、かけられるコストに限界があるのもまた事実……。

まあ、それは仕方ないよね。

すみません、その問題……全部解決してしまいました。

 

 

 

ひとまずパッケージをご覧ください。

 

 

 

僕のオリジナルキャラクター「八丈野(やえの)あかね」ちゃんです。いや、もっと正確に言うなら八丈野あかねタソ……ですかね?

なぜ昔のオタクみたいに言い直すんだ。

 

 

でも、絵はめちゃくちゃいいじゃん!

プロのイラストレーターさんに描いてもらいました。

かなりクオリティ高いですね。

 

そして……これがフィギュア化したものになります。ご覧ください。

 

ん?

 

これ…

 

 

なんか…

 

 

下手じゃない?

 

 

 

 

 

……。

 

 

みなさん、今こう思われたんじゃないでしょうか。「クソカスの素人が中途半端なフィギュアを、よくもまあいけしゃあしゃあと見せれたもんだな。厚顔無恥の猿。でくのぼうのふかし芋」と…

そこまでは思ってない。

初めて作ったにしてはよくできてると思いますよ!

勘違いしないでください。これが理想としている形態なんです。つまり、僕が提案したいのは……

 

『ロークオリティ・フィギュア』です。

 

 

ほう…?

なぜわざわざ「ロークオリティ」にする必要が?

まず第一に「話題化」です。ぶっちゃけ『ロークオリティ・フィギュア』、めちゃくちゃインターネットでウケます。

たしかにあんまり出来の良くないフィギュア、インターネットで話題になりがちではある。

景品がハイクオリティで当たり前になった昨今、あえて粗雑な景品を出すことで目立つことができるんです。

 

 

第二に、「劣化感」は現代のトレンドなんです。たとえば、あえてVHSの質感を取り入れた映像や、使い捨てカメラのフィルターなどもクールなものとして扱われていますね。その波はフィギュアの世界にもやってくるはず。製作コストも大幅に削減でき、多角的なメリットが期待できます。

思ったよりちゃんとプレゼンしてる…!

雨穴さん、どうですか?

 

 

 

かわいいですね。

こういう巨人との出会い、フランスの芸術アニメで見た。

今回はオリジナルキャラですが、ゆくゆくは既存の人気キャラの「ロークオリティ・シリーズ」を出したいです。

好きな作品のフィギュアがあえてでも低品質だったら普通にイヤでは?

 

 

クオリティの向上が著しいプライズフィギュアをあえて下手にするというアイデアを提案したヤスミノ。「フィギュア」という定番のチョイスと、思いのほかしっかりとしたロジックの構築で、手堅く攻めてきました。

 

制作が間に合わず後ろ側はびんぼっちゃまスタイルになっていましたが「これもあえて」と言い張っていました。

 

3人目 加藤

3人目は加藤。

ゲームセンターにはよく足を運ぶそうですが、クレーンゲームは全くしないとのこと。しないのに今回の企画に参加している狂人です。

 

僕が提案するのは「これ」です。もう分かるでしょ、みなさん。

 

 

 

 

? ?

 

 

 

…もうわかりましたね?

 

 

これが「幸せ」です。

 

 

? ? ?

 

幸せですか。

幸せってこんなメカニカルな感じなんですか?

このプレゼン、やばいかもしれない。

 

 

あの、そもそもなんですけど、クレーンゲームってお金を入れてるのにとれないのおかしくないですか?

そもそもすぎますよ。

だから僕はとれなくても「幸せ」になれる物体を作ってきました。

全然さっきから要領を得ないんですが…結局なんなんですか、これ?

 

これは幸喰(さじき)と言います。

 

 

? ?

 

 

チベットの「マニ車」をご存じですか?

 

 

回転させた数だけお経を読んだことと同じ効果がある、というやつですよね。

それとだいたいおんなじです。これを回すと「幸せになりたい」と唱えたのと同じ効果が見込まれます。

 

よく見ると、ここに「幸」と書いてありますね。

画素の粗さよ。

 

つまりこれをアームで掴んで回転させることで、どんどん幸せが来るんです。

かなり脆弱なロジックですね。

ふつう景品をとれなかったら残念ですが、これは逆にとれないことで幸せになれるという優れもの。

試しに回してみますか? モンゴルナイフさん。

え?

 

……。

 

カラ……カラ…

 

なにこれ~~~~? どういう気持ちになればいいの? ?

感じるでしょう? 幸せを。今、感じてるでしょう。どんどんたまってますよ、幸せ。

やばいセミナーみたいになってきた。

ちなみにこれってとれるんですか…?

ボルトでガッチリ固定されてます。

とれないの2人目だけど大丈夫なのかな。

 

ほらもっと回して、回して。

ひぃ~~~~

あらら、ありがたくて泣いちゃったねえ。幸せになりすぎたかな…?

こうなったらもう、いよいよだな。

 

 

 

加藤はかなりやばい思想の持主みたいな景品を作ってきました。

 

めちゃくちゃ怖いのでやめてください。

 

4人目 ダ・ヴィンチ・恐山

続いてのプレゼンターは、ダ・ヴィンチ・恐山。

クレーンゲームをやることそのものよりも「クレーンゲームをやる人」を眺めて、成功するかどうか心の中で密かに賭けるのが好きという嫌な人間です。

 

「クレーンゲーム=子ども向け」のイメージが強いですが、私は大人向けの景品を増やしていくべきなんじゃないかと思います。

たしかに、ゲーセン利用者の年齢層も上がっているらしいですね。

そう。だから「大人がみんな大好きなモノ」を景品にするのがいいのではないでしょうか。大人がみんな大好きなモノといえば……

 

 

『おしぼり』ですよね。

 

おしぼり……。

「私おしぼり嫌いなんだよね~」って人見たことありますか? いないでしょう。

いや、嫌いな人はいないですけど、わざわざクレーンゲームでおしぼりを取りたくはないなあ。

 

もちろんわかってます。そこで私は、おしぼりにゲーセンならではのプレミアム感をプラスしました。

 

 

それが……こちらの……

 

 

100倍でかいおしぼりです。

 

どうですこのサイズ。

大きいですね。

 

ちなみに正式名称は…

 

 

『おおしぼり』です。

ちょっとうまい感じのネーミング腹立つな。

よくゲーセンに、パッケージが巨大なお菓子の景品がありますよね。あのワクワク感を大人向けに表現してみました。

 

 

なんといってもこの「おおしぼり」。通常のおしぼりよりもはるかに大スケールで楽しめるんです。

 

 

はぁ~、やっぱり寒い冬はアツアツの濡れおしぼりに限るな~。

 

 

セイッ!

開けるだけで痛快~。

居酒屋に忍び込んだいたずら妖精?

 

 

クゥ~ッ、気持ちいい~。顔どころか全身まるまる拭けちゃうもんな~。

 

 

これはもうアレだな~。アレやっちゃうな~。

 

 

コレコレコレコレ!!

どれよ???

人間誰もが一度は夢見る「アツアツおしぼりに全身くるまれたい」という欲求もこの通り。

まったく思ったことないな。

普通に窒息しませんか?

おしぼりと同じように湿らせてるから、めちゃくちゃ重いです。

 

 

クレーンゲームによくある「でかい商品」にスポットを当てた恐山。必要性はともかく、インパクトはかなり大きくモノとしての存在感はピカイチでした。

 

単体だと普通のおしぼりに見えるという知見も得ました。

 

 

5人目 雨穴

そして最後のプレゼンターは雨穴。

クレーンゲームについての印象を聞くと「キャッチするよりされるほうが好みです」と言っていました。よくわかんないけど怖。

 

…。

 

 

 

なんかわからないけど緊張するな。

 

景品の中で、

私が好きなのは、

 

『食品のフィギュア』です。

おお。見た目と反してかなり真っ当ですね。

その食品のフィギュアの中でも、今までなかったものを考えたところ、

 

「まんが飯」になりました。

まんが飯」というと、原始人が食べてる骨付き肉みたいなやつですか?

結構そういうグッズはありそうだけどな。

 

いえ。本当のまんが飯というのは、どういうものなのか。それは「質感」の再現なのではないでしょうか。

質感?

 

 

 

これを作りました。

 

 

まんがのラーメンです。

 

 

すげえ!!!!

 

すご!!!!まんがの絵だ!!!

なんか目がおかしくなったみたいだ。

 

これが文字通りの「まんが飯」です。

なるほどね~。漫画のテクスチャを再現した「まんが飯」。

 

表面は漫画で使用されるスクリーントーンで再現しました。

 

海苔は漫画の技法である「カケアミ」を使い、らしさを出しています。

 

 

また、スクリーントーンの種類を変えて濃淡を表現してます。

 

 

すごすぎる。

すごい。

もうすごすぎてあんまり言うことないな。

 

雨穴さんが持つと完全に色彩が失われた世界に来たみたいだ。

触れたものから色を奪う怪人。

「シンドラーのリスト」の逆。

 

 

…圧倒的な発想とクオリティを見せつけた雨穴。悪夢に出てくる人みたいな見た目と裏腹にかなりちゃんとした景品を仕上げてきました。

 

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