美味え(うめえ)
お茶ってつくづく凄い。緑茶だけでも物凄い種類があるし、紅茶や烏龍茶など、同じ茶葉とは思えないほど味わいの幅も広い。
暑い日には冷たいお茶をグビグビ飲みたいし、寒い日には温かいお茶をほっこり飲みたい。食事やデザート、仕事中にも運動中にも飲んで良いものだ。草から抽出した液体にここまで任せてしまっていいのか、人間。
星野抹茶【池の白】という旨味爆裂の抹茶
自分はよくお茶の専門店やカフェに行ったりしますが、こういう専門店に行く度に珍しいお茶や見たことのないお茶に出会うのが面白いんですよね。お酒みたいに種類や銘柄も多く、嗜好品としておすすめです。
今まで色々なお茶を飲んできたつもりではいますが、まだまだ世の中にある知らないお茶を試してみたいぞ、という感情が湧き出てきました。
そんな感情を友人のライターと一緒に吐き出したいと思います。今日はそういう、お茶会の日。
〜お茶会メンバー〜
【めいと】
お茶犬のグッズを未だに愛用している。お茶が好き。
【宮本牛乳】
抹茶アイスからほうじ茶アイスに行き、抹茶アイスに戻ってきた。
お茶が好き。
日本:碁石茶
というわけで今日は色々なお茶を飲もうと思ってます。まずは日本のお茶から、こちらは高知県の「碁石茶」です。なんでも「幻のお茶」と呼ばれているとか。
全然知らないですね。パッケージで「珍茶」と銘打ってるの、凄い。
製法が特殊なので希少性が高いらしいです。カビで乳酸発酵させてるので、乳酸菌がたっぷり含まれた発酵茶になっててめちゃくちゃ体に良いとのこと。
天日干しの風景が碁石みたい、といった名前の由来
複数枚の茶葉が3cm角くらいでギュッと固められており、扱いやすい。やかんに何個か入れて煮出すだけで完成です。
あいよ!うんざりするくらいの猛暑なのでアイスで飲みましょう。
見た目も香りも麦茶に少し近いですね。どんな味か…
お〜 なんか飲んだことのない味がする。酸味も少しあるけど奥に“何か”がいるな。
確かに酸味はあるけどグビグビいけますね。発酵って感じはあるけど思ったより酸っぱくないです。
美味しいけど、隠れてる味のレイヤーがある気がする。ホットでも飲んでみますか。
あ!ホットだと酸味がハッキリしますね。なんか飲んだことあるような、無いような。会ったことない親戚みたいな味。
こっちの方がより発酵って感じがしますね。酸味に覚えがあるというか。なんだろう、ずっと幻影を追いかけている。
これ…梅酢の味が近いかも。
あ〜!確かに梅酢、近い!しっくりきました!梅は一切入ってない筈だけど、酸味がそうさせるのか。不思議なお茶だ。
でも健康茶と考えればめちゃくちゃ美味しいですね。毎日嫌にならずに飲める!
飲みやすい健康茶として高評価!
ちなみに煮出すと茶葉がほぐれて完全な葉っぱになります。普段こんな大きい葉っぱで茶を淹れることがないのでテンション上がるね。
韓国:五味子茶(オミジャ茶)
続いてこちら。韓国の「チョウセンゴミシ」という実を使った「五味子茶」というお茶ですね。特徴としては、飲む人のその日の体調とかで感じる味が違うらしいです。
占いみたいだ。
これも漢方的な扱いで飲まれているらしく、美容や健康に良いお茶ですね。「酸味・苦味・甘味・辛味・塩味」の5つでどれかの味を強く感じるとのことですが…
こんな知育菓子みたいな色のパウダーに5つの味が…???
粉末なのでお湯を注ぐだけで簡単に完成!そのままいちごゼリーが出来ちゃうかと思った。
飲んでみましょう!浮いてるのは果実なのでそのままどうぞ。
お、甘酸っぱい!見た目や香りに反さず、ベリー風味のハーブティーみたいな味わいです。辛味とか塩味は全然感じないですね。
え、嘘!甘い!!!酸味全然感じないですよこれ。
え!本当に違うんだ。味の感じ方で体調の判別とかあるんですか?
諸説はありますが、酸味を強く感じる人は肝臓が弱ってたり、ストレスや眼精疲労の症状が強いっぽいです。
眼精疲労は、確実にあります。
甘味は胃が悪かったりお腹回りの症状が多いですね。最近暑さと忙しさでロクな食生活してないから当たってるかも…… 面白茶だ。
後日、別の友人にも飲んでもらったところ、甘さを一切感じなくて酸味だけを感じる人や、少し苦みを感じる人などもいました。楽しすぎかよ。
個体によってはアーモンドなんかも入ってました。まったくお茶の味と合わなくて面白い。
台湾:客家擂茶(はっかれいちゃ)
続いて台湾の「客家擂茶」を作ります。ざっくり言うと穀物なんかを沢山砕いたものとお茶を一緒にいただく「食べるお茶」ですね。
なるほど。お茶会ですり鉢って基本的に出てこないので何事かと思いました。材料って決まってるんですか?
割と穀物類ならなんでも良いらしくて、その辺で手に入りそうな豆をメインに用意しました。文化としては客家(はっか)という民族の「おもてなしの茶」らしいので気持ちを込めて作ります!
今回使う材料は「大豆、ピーナッツ、カシューナッツ、クルミ、アーモンド、小豆、黒ごま、白ごま、緑茶葉、緑茶粉末」。全部すり鉢に入れて、ひたすら砕きます。
ひたすら
ひたすら
お茶が飲みたいだけなのに
汗が止まらん。
冷静に考えると人の家で「おもてなしの茶」を作ってるの、押しつけがましいですね。
※撮影場所は宮本牛乳の家
ある程度混ざったらそのままお湯を注ぎ、更に混ぜます。感触がトロっとしてきたら完成!
食感のアクセントとして最後にあられをふりかけてみました。めいと流客家擂茶、お試しあれ……!
過酷な作業から“おもてなしの心”、伝わりました…!いただきます!
なるほどなるほど…… うっす〜〜〜い味がします。
甲斐がなさすぎる!
トロっとしてて食感は良いんですけどね。味をつける前の味というか… “健康”の味ってこんな感じかも。
結構緑茶も多めに入れたんですけどね。豆の味が強いのかな。
あ〜確かに。自然由来っぽい味がしていいけど、物足りなさが凄いですね。塩味か甘味が欲しい。
塩振ったらだいぶ美味しいです!穀物の旨味が引き立って、お茶の味とも不思議とマッチする。
砂糖も入れたらかなり美味い!デザートとして考えても僕好きですこれ。栄養価も高いし、素体としてのポテンシャルが凄いな。
なんか聞いたことないような奥地の村で出してほしい。おもてなしをされて遠くに来たなぁって感じたい。
作る手間が良いですよね。ただ素体は気持ちの味。後は塩味か甘味に振り切った方が良い。
ちなみに入ってる小豆がめちゃくちゃ硬かったです。
すいません。砕くしお湯入れるし大丈夫だろと思って下処理を放棄しました。
(小豆硬すぎワロタ)という顔
小豆をそのまま食べると歯が持っていかれるので気をつけよう!
チベット:バター茶
続いてチベットで飲まれていると噂のお茶、「バター茶」を作ります!
自分の中でなんですけど、あんまりバター飲料でヒットって見ないし、お茶とバターの組み合わせも見たことないから怖いですね。
本当はバターを撹拌したり、茶葉をめちゃめちゃ煮詰めたりしないといけないらしいんですけど… 途方もない時間が必要なので今回はミルクティーにバターを溶かすだけの簡易レシピにします。
「はったい粉」?ってのは何に使うんですか?
はったい粉は「ツァンパ」を作るために使います。
はったい粉も知らないのに…
スーパーの”粉”のコーナーに紛れている。僕も今回の企画がなければ存在を認知していなかったかも
「はったい粉」は大麦を炒って挽いた、いわゆる“大麦粉”ですね。含まれている栄養素や扱いやすさから根強い人気で、最近「日本はったい粉協会」も創立しています。
ニッチすぎる。
「ツァンパ」はこの大麦粉にバターと紅茶を加えて練り上げた、お団子みたいなものです。チベット人の主食とのこと。
お茶菓子的なものかと思ったら主食くらいのものなんですね。楽しみ!
材料を入れたボウルに紅茶を注いで練り上げます。水分量の調整が難しいので少しずつ注いでいくのがいいかも。
淹れたての紅茶ではなく少し冷ました紅茶で練る方がいいかもしれません(あっっっっっついから)
バター茶は煮立った紅茶に牛乳と砂糖、バターと塩を加えて混ぜる。塩気がどう作用するか…
出来ました!
素朴な見た目なのにどこか異国感がある。
バターの香りもそんなにしないな。まずはツァンパから食べてみます。
あ〜〜〜食感は少しゆるいけど、甘くないきなこ棒だこれ。補給食って感じがする。
確かに食感は結構ゆるめ。きなこ無しのきなこ棒ですね。
棒。
微かにバターの風味はあるのかな。団子というより焼く前の洋菓子生地みたいな。焼いたら美味しそうですね。
バター茶もあんまりバター感じないな… 追いバターします!
あと現地では黒コショウなんかも入れるらしいので、追加してみました。なんか美味しそうな見た目かも。
お!黒コショウのスパイス風味でチャイみたいな味がします。これは結構いける。
お茶というよりスープみたいな感じですね。現地では乾燥が凄いので「水分、脂肪分、塩分」とかを効率良く補給する為にガブガブ飲むらしいです。効率の、茶。
ツァンパにも追いバターと追い砂糖を加えたらかなりいけます!
もうそれは量次第でほぼケーキになっちゃうのでは?
素の味がもったりしすぎてて…… 食べれなくはないですけど、大量にはいらないかも。
でもなんか一番異国っぽいというか。情緒を感じました。遠い国ではこれを日常的に食べてるんだなぁって。
後日家で焼いてみたら、少しさっくりした食感になって美味しかったです。口内の水分は、枯れる。
僕が買ってきたお茶は以上です!ここからは僕達のオリジナルレシピを作りましょう!