こんなセリフを聞いたことありませんか?

 

街を歩いているとラーメン屋、焼肉屋、カレー屋など様々な飲食店のダクトからいい匂いが漂ってきますよね。

そんな美味しそうな匂いを嗅いだ時、ついつい言ってしまう「匂いだけでご飯3杯食えるわ」というセリフ。

あくまで例えとしての言葉ですが、白飯が大好きな僕は「本当にこのダクトの下で匂いを嗅ぎながら思う存分ご飯を食べたい」と思ってしまいました。

 

しかし実際に店舗のダクト下でご飯を食べるのは色々と危険です。

焼肉屋のダクトだからってそれが本当に焼肉の匂いだという保証はどこにもないですし、店員が急にふざけてションベンを鍋で煮詰め始めたら大変です。(あと衛生面的に)

 

あぁ…自分だけのダクトがあれば……

 

 

というわけで、匂いでご飯を食べるための個人用ダクトを作りました。だって無いなら自分で作ればいいから。

ちなみに実際にダクトに使用されているフードを購入して取り付けています。

 

裏側の蓋を開けるとこんな感じで排気はPC用の冷却ファンを使って行います。あと設計上はキレイな直方体になる予定だったのですが木材を組み合わせたら何故か歪みました。地球には重力というものが存在するらしい。

 

ずっと匂いが出てても部屋が大変なことになりそうなので、距離センサーを設置してダクトの下にいる時だけファンが動くようにマイコンで制御しています。

 

モワ〜〜〜〜〜

 

これで思う存分ダクトご飯を堪能したいと思います!!

 

 

まずは美味しそうな匂いといえばこれ!というわけで熱々の肉とたれをダクトの中に設置して焼肉屋のダクトご飯に挑戦。

 

「あ〜〜匂いするね」

 

「あ〜〜するよ〜〜」

 

「はふっ」

 

“匂い”を掴んで…

 

“匂い”をご飯にバウンドさせて…

 

「はふっ」

 

やってみて初めてわかったのですが、ダクトご飯は自分との戦いです。

目の前にあるのはただの白米でしかないため、美味しく食べるには脳内でいかに匂いの元を脳内で実体化させるかにかかっています。匂いから少しずつ輪郭を作り、今まで食べてきた食の記憶を頼りに「ここにある」と思い込ませる『いかに自分を騙せるかのゲーム』なのかもしれません(いや食事がしたかったのだが?) お前を騙せ!世界を騙せ!

 

続いてはカレーです。

こちらも店の前を通るとかなり匂いがして空腹を刺激してくるダクトご飯の代表格なのではないでしょうか。

 

たっぷりとご飯をルー(の匂い)に絡ませて……

 

いける!!

 

次は二郎系ラーメンでやってみることにしました。豚骨醤油とニンニクの匂いできっとご飯がすすむはず!

 

いい匂い過ぎてしばらく嗅ぎ続けてしまいました。豚骨醤油スープとニンニクの匂いは心を落ち着ける効果があるのかもしれません。

二郎系ラーメンの匂いがするお香を売って欲しい。切実に。

 

めちゃくちゃご飯が進みました。

 

僕はご飯と同じくらいピザポテトが好きなので世界で一番いい言葉だと思っているピザポテトでも試してみます。

 

いままでのと比べたら微妙でしたが、チーズの匂いで少しだけご飯が進みました。

 

 

続いて部屋の隅に放置されていたいつから洗ってないか分からない靴下。

 

 

 

 

 

気を取り直して油性マジックを6本束ねた物体

 

なんだか癖になりそうでした。

 

次はキッチンハイター

 

あっ、プールの匂い。好きなんですよねプールの塩素の匂いが。

小学生の夏休み、午前中はプールに行ってキャラクターが印刷されタオルを腰に巻いて水着に着替えて……家に帰って冷蔵庫にあるものを適当にぶち込んだ母親特製のチャーハンを食べたな…。それで午後は友達とミニ四駆とハイパーヨーヨーで遊んで……。

そういえば5,000円もしたベアリング付きのハイパーヨーヨーをK君に盗まれたっけ……。

今になって「返して」って連絡したらどんな顔するんだろ……。

してみようかな……。

 

 

 

 

 

まるごとソーセージ

8×4(エイトフォー)

紙パックのリプトン

 

 

あっ、これは高校生の頃の匂いだ……。

あの頃はとにかく安くてボリュームのある菓子パンばかり食べてたな…。

体育の授業が終わったあと、女子からの視線が気になって8×4を使ってたっけ…。

あと、好きな女の子がリプトン飲んでたから僕も真似して飲んでたんだよな…。

 

いま…なにやってるんだろ…。

 

 

※追記

編集部で事実確認をしたところ、本ライターは男子校を卒業しておりました。更に「ちょびっツ」の同人誌を読んで口癖が「ちぃ覚えた」のオタクだったため8×4も使用しておらず、飲んでいたのもリプトンではなく「もも水」でした。

 

 

何だか昔を思い出してノスタルジックな気持ちになってしまったので、最後にこれを嗅いで終わろうと思います。

 

 

いつから洗ってないか分からない

靴下たくさ〜〜ん。

 

 

 

 

  

オ゛

オ゛

オ゛オ゛

オ゛オ゛オ゛

オ゛

  エ゛

   ェ゛

     ェ゛

             ェ゛

 

                     

(おわり)