コラボカフェ、楽しい~~~~~っ
コラボカフェとは、アニメなどをモチーフにした飲食店のこと。ご飯を食べられて、グッズも手に入って、アニメの世界観にひたひた浸れて、オタクの欲求ピラミッドの腰のあたり(3段目くらい)まですんなり達成できる。
店舗数は年々増えているそうで、ファミリー層やティーン女子をターゲットにしたコラボも多く見かけるようになった。いまや人気作品がコラボカフェになるのはごく自然な流れ。もはや、コラボカフェ=知名度のバロメータといえるだろう。
……本当に?
2行で手のひらバッタンキングして申し訳ない。だって、みんなが知ってるあの覇権アニメがコラボカフェになっていないから……。
その作品とは……
『桃太郎』
子供のころ、『桃太郎』が大好きだった。
子供部屋の本棚には『浦島太郎』も『かぐや姫』も『さるかに合戦』も揃っていたけど、『桃太郎』だけは別格だった。それは、桃太郎だけがわかりやすく「仲間と共に悪と戦うヒーロー」だったからだと思う。浦島はバッドエンドだし、かぐや姫は女の子だし、蟹は蟹だ。僕は無職だ。助けてくれ。
でも考えてみると、無職の僕が深夜アニメの「才能にも仲間にも恵まれた独善的な主人公」を見てもご都合主義とか思わず普通に楽しめるのは、桃太郎に似たものを感じて安心するからかもしれない。
僕は今でも、桃太郎に支えられて生きている。伝えたい、ありがとうの気持ち。コラボカフェという形で。
コースターを作る
はじめまして。戸部マミヤと申します。
まずはコラボカフェの顔となるキービジュアルを作ってみる。
「コラボカフェあるある」を踏まえて、桃太郎・鬼・おじいさんには執事風の制服を着せ、お供の動物には巨大な食べ物とたわむれてもらった。
普段はいがみ合っているライバルが、お店を盛り上げるために協力したり。
物静かで紳士的なキャラが、しゃらくせえポーズで紅茶を注いでいたり。
こういう構図よく見ますけど、冷静に考えると普通に汚いですね。
おいしい食事だけでなく、こうしたキャラクターの意外な一面まで味わえるのがコラボカフェの魅力だ。
そして、そんな普段とは違う彼らの様子を形に残したコースターは、コラボカフェの定番グッズ。これらは、食事を注文したお客さんにプレゼントするノベルティになる。(ここでいう「お客さん」とは、つまり僕のことです)
一般的なコラボカフェでは、貰えるコースターの絵柄は店員さんがランダムに選ぶことがほとんどで、自分の好きなキャラのグッズが手に入るとは限らない。(ここでいう「店員さん」とは、つまり僕のことです)
僕はお店の雰囲気や料理を楽しみたい派なので問題ないのだが、キャラグッズが目的のファンには死活問題だろう。「推し」のコースターを求めて何杯もドリンクを注文し、飲みきれずに放置して帰る様子がネットで炎上……なんて悲しすぎる。
以前コラボカフェ狂いの友人に教えて貰ったのだが、そうした事情に配慮して客同士の「グッズ交換」をOKしている店も多いんだとか。
といっても「この缶バッジをキーホルダーと変えてくれんかのう」みたいな会話交渉を伴うトラディショナル・わらしべ・スタイルの物々交換ではなく、そのやり口はあくまで機械的。
こういう暗黙の了解みたいなルールがいくつもあって、トラブルを避けて交換ができるようになっているそうです。すげえ……めちゃめちゃ合理的じゃん。