メニューを考える

さて、コースターはいわば飛び道具。あくまで絡め手だ。というわけで、ここからは桃太郎にちなんだ食べ物や飲み物を作っていく。

 

ところで、コラボカフェのメニューは、大きく「世界観再現型」「特徴連想型」に分けられることをご存知だろうか。ご存知でないと思う。僕が考えた分類なので。

 

「世界観再現型」は、劇中でキャラクターが食べた食事を再現したり、肉料理をモンスターの肉に見立てたりと、まるで作品の世界に入った気分になれるのが特徴だ

凝ってるお店だと、内装もファンタジーの酒場みたいになっていたりする。

 

一方の「特徴連想型」は、キャラクターの性格や能力、外見などをモチーフにした料理を指す。多くのコラボカフェはこっちですね。

 

 

「世界観再現型」を作るのはめちゃめちゃ大変そうだから、今回は後者の「特徴連想型」のメニューを作っていく。よ~し。人生何事もやってTRY。勘と勢いで頑張るぞ。

 

 

カレーをつくろう

 

食欲ガン無視のキッツイ色こそ、コラボカレーの神髄である

 

 

サンリオカレー総選挙の教えにならい、桃太郎らしさを表現するピンク色のカレーを作ることに決めた。

 

ベースとなるのは北海道発祥のホワイトカレー

今年頭に吉野家でも販売され、「美味くもないけど不味くもない」という禅問答みたいな食レポが席捲したあのホワイトカレー。あれを作る。

 

 

バターで炒めたガラムマサラと小麦粉を牛乳で伸ばし、味付けは塩とコンソメ。具のイカを加えたら、仕上げに生クリームでコクを足していく。

 

 

こちらにトマト缶で色を付け、ルゥは完成。

 

 

さあ、あとはご飯を桃の形に盛り付け……

 

 

あくまで桃の形です

 

 

 

 どろどろの熱いやつを回しかけて

 

 

 

【The Best in Japan 桃太郎カレー】

 

まあまあそれらしくなったんじゃないだろうか。やっぱり美味くもないし不味くもなかった。ゆめかわ禅問答。

 

こんな感じでやっていきたい。

 

 

パンケーキをつくろう

パンケーキも定番メニューのひとつ。こちらは、鬼と桃太郎の関係性をイメージして作ってみたい。

 

 

がんばって茶こしで粉砂糖を振っているあたり、無知の豚屑であることが読み取れる。この無知の豚屑って、ハンターハンターの悪者が使った悪口なんだけど、字面のパワーがすごくて読んでて爆笑してしまった。意味は「おばかさんのパンピー」。

 

 

【桃太郎&鬼の仲直りパンケーキ】

 

季節の桃から作ったジャムといっしょに、「コラボカフェのパンケーキって、蟹より可食部位わかりにくくない?」という疑問への回答を練り込んだ一皿だ。

(料理のことを「皿」って呼ぶと、なんとなく高尚な気がしてきませんか? たとえそれが、豚屑の手から生み出されたものであっても……)

 

可食部位~とはどういうことかというと、オシャレなパンケーキに乗ってる「食べられる飾り」って、気合入り過ぎて本当に食べていいのか迷ってしまう。だって、9割方食べられると分かっていても、残りの1割を引いてマジの飾りだったら恥ずかしすぎるから。

 

例えば、最近よく見るのが、キャラクターのイラストを転写した「プリントウエハース」や「プリントもなか」

 

 

ほぼ紙じゃん。

 

口に入れるのをためらうビジュアルだ。頭の中で「食べられる物」と「食べられない物」の引き出しを開けたり閉めたり、エロゲの主人公みたいな優柔不断を発揮してしまう。いや、エロゲの主人公にはなってみたいですが。

 

そこで代わりに用意したのが……

 

 

ジャギジャギに切ったマジの厚紙です。

 

 

うん。

 

紙だ。

 

このジャギジャギ感は大量生産のウエハースでは出せないだろうから、一枚一枚、手作業で切り取った紙であることは明らか。ごちゃごちゃ考える間もなく頭の中の「食えない物」の引き出しに無造作にダンクできる。

 

他にも…

 

 

こちらの「鬼の髪の毛」の部分。一見すると銀の糸くず? 銀紙? 何にせよ食べちゃいけないもののように見えるが、その正体は……

 

 

 

スチールウールだ。大正解。明らかにTHE 金属な見た目だから余計な葛藤は不要だし、台所のサビもゴッソリ落ちる。

 

 

鬼の金棒に見立てたアーモンドポッキーもポイント。「どうみても市販の駄菓子やんけ!」というお菓子が乗ってるのもコラボカフェあるあるだ。

 

 

 

 

ドリンクをつくろう

最後は、メインキャラクターをイメージしたコラボドリンクを作っていく。

 

【桃太郎のピーチソーダ】

 

例えば、桃太郎のドリンクはパンケーキにも使った桃ジャムのソーダ。明らかにストローを通らないサイズの果肉が沈殿している。

 

こんな感じでやっていきたい。続いてドリンクを作るキャラクターは、

 

 

かわいい~ウサちゃん♥

 

ではなく、犬。

 

 

 

そしてこちらはわたがし。

 

元気な犬をイメージしたコーラに、インスタ映え抜群のわたがしをこんもり乗せれば……

 

 

【ここほれ!わんコーラ】

 

2杯目にして、絶対に声に出して読みたくない忌み語(いみご)を産み落としてしまった。

 

「ここほれ! わんコーラください」

 

「コーラおひとつですね」

 

「ア、ハイ」

 

みたいなやりとり、想像するだけで恥ずかしくて死にたくなるし、実際にやられたら毎晩布団の中で思い出すだろう。

 

 

 

ちなみに、わたがしを掘ってコーラに溶かすと、空気が入ってめちゃめちゃシュワシュワする。「違う昔話じゃない?」という疑問など、泡のように浮かんでは消えるうたかたの夢だ。

 

 

続いて、の体色がおしゃれなキジのドリンクがこちら。

 

 

【ファッションリーダー雉ソーダ】

 

あらあらまあまあ、恥ずかしい名前をつけるのに抵抗がなくなってきましたね。こうして人はゆるやかに死んでいく。

 

緑色のメロンソーダと、小瓶に入った赤色青色の液体……。賢い皆さんならなんとなく想像がついたんじゃないでしょうか? そう、こちらは「混ぜることで味が変わる」ギミック付きの飲み物

 

 

 

どばばー(どんな味になるのかな?)

 

 

 

ちょろろー(わくわく)

 

まあ、小瓶の中身はガムシロップなので「メロンソーダが甘くなるか薄くなるか」の二択なんですが。虚無にわくわくできてコスパ最高。

 

次、猿。

 

 

 

 

次。

 

最後は、一番迷った鬼のドリンク。こちらはキャラクターの性格をモチーフに作ることにした。といっても、鬼の性格なんて作品によってばらばらだから、僕がサイコーだと思うオリジナル設定をもとに考えた。

 

 

 

【鬼厳選豆のコーヒー ~ポリッピーを添えて~】

 

なんとなくだけど、「豆が好き(でもアレルギー)」という設定の鬼は人気が出る気がしませんか? 「恥ずかしがり屋なサキュバス」とか「寒がりな雪女」とか、逆張りしたキャラクター設定はエッチで最高だから。これはコラボカフェあるあるでもなんでもなく、ただの性癖です。そしてポリッピーはマジでうまい。

 

 

 

 

さあ、あとはプロジェクターでアニメを上映すれば……

 

 

 

 

桃太郎コラボカフェ、完成!!!!!!

 

 

 

 

うめ、うめ。

 

 

 

HAPPY!!!!!!

 

ご覧のように、好きな作品のコラボカフェを妄想で作ると動く石像に憑依されるくらい楽しいことがわかった。大好きなキャラクターや物語をイメージしながら料理を作るのはすんげえワクワクすっぞ。

皆さんもぜひご自宅で挑戦してみてはいかがだろう。

 

ちなみに、「あるある」さえ押さえればどんなものでもコラボカフェになるんじゃない? と思い……

 

 

 

 

 

 

ゲシュタルト心理学のコラボカフェも作ってみたのだが、怪しいカルト団体の食堂みたいになってしまった。題材は選んだ方がいいかもしれない(教団名は『ルビンの杯』、教義は「レーシックだけはやめとけ」です)。

 

それでは

 

 

 

 

さようなら。

 

 

(おしまい)