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――「もし”No”とか『インチキ』みたいな意地の悪い言葉が書かれていたら、すぐに画廊を出て行ったよ。でも”YES”だったから僕は『これはいけるぞ、心温まる気持ちにさせてくれる初めての美術展だ』と思ったんだ」

 

 

 

 

 

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1966年11月9日、ある世界的に有名なカップルが初めて出逢います。

ジョン・レノンとオノヨーコです。
ジョン・レノンは言わずと知れたロック・スター。

一方オノ・ヨーコはコンセプチュアル・アート、パフォーマンス・アートの先駆者として前衛的な作品を発表していました。

 

 

その日ロンドンで、ヨーコの個展『未完成の絵画とオブジェ』のプレビュー・ショーを訪れたジョンは、ヨーコのある作品に惹かれます。

「天井の絵」と名付けられたそれは、部屋の真ん中に脚立が置いてあり、それに登ってぶら下がった虫眼鏡で天井に書いてある文字を読むというものでした。

 

 

「もし”No”とか『インチキ』みたいな意地の悪い言葉が書かれていたら、すぐに画廊を出て行ったよ。」とジョンは後に語ります。

天井に書かれた文字は”YES”でした。

この作品がきっかけとなって二人は出逢い、ご存知のような関係に至るのです。

 

 

 

クレオパトラの鼻が低かったらという喩え話がありますが、1966年11月9日、もしジョンがあの個展を訪れなかったら?

そこに運命が待っているとも知らずに、ジョンはその日をどう過ごしたのでしょうか。

少しだけ覗いてみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

1966年11月9日 9:00

 

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わああ~

 

運命の日だとも知らずに、朝から浅瀬をすごい走っているジョン。

いったい何がそんなに楽しいのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1966年11月9日 12:00

 

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もしもし、アンチョビとサラミのピザをタバスコたっぷり多めで、それから・・・

 

 

ポール・マッカートニーの家にイタズラ電話をかけるジョン。

まだ出逢いが訪れる気配はありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1966年11月9日 13:00

 

 

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鳥を見つけたジョンレノン「鳥だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1966年11月9日 14:00

 

 

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「あなたを愛しています エミリーより・・・」

 

 

ポール・マッカートニーの郵便ポストに嘘のラブレターを入れるジョン

このことが原因でのちにビートルズは解散します

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1966年11月9日 16:00

 

 

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あ~

 

 

スターなのに何もしないジョン・レノン

もう4時になってしまいました

そろそろヨーコの個展のことに気付かないと辻褄が合わないですが

大丈夫でしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1966年11月9日 16:01

 

 

 

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そうだ、オノヨーコの個展に行こう

 

 

よかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1966年11月9日 17:00

 

 

 

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おヨーコの個展に行くよ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1966年11月9日 17:30

 

 

 

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おヨーコの個展に行くんだよ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1966年11月9日 17:50

 

 

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この階段を登って・・・

ヨーコの個展に行くんだよ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1966年11月9日 18:00

 

 

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あった

 

 

ついにヨーコの個展に辿り着いたジョン

けっこう夕方ですが大丈夫でしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1966年11月9日 18:02

 

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「レノン一枚」

 

プレビューショーなのにチケットを買う律儀なジョン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1966年11月9日 18:05

 

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素晴らしい

 

順路の看板を作品と間違えているジョン

そんなことでヨーコと出会えるんでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1966年11月9日 18:10

 

 

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あ、あれは・・・

 

何かを見つけたジョン。ついにヨーコと出会うのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1966年11月9日 18:10

 

 

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脚立だ!ワー!

 

 

ヨーコの作品を見つけました。

頑張れ!あと一息だ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1966年11月9日 18:11

 

 

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登れた~

 

ここで痛恨のミス・・・

登ったことで満足してしまいました。

これではヨーコの作品に感銘を受けて恋に落ちる手はずが狂ってしまいます。

どうしたものでしょう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1966年11月9日 18:12

 

 

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それは登って喜ぶやつじゃなくて、虫めがねで天井の・・・

 

ついに現れました、オノ・ヨーコ。

脚立にのぼってはしゃぐジョンをやさしくさとします。

テレビでも流れた、あの作品の説明をする有名なシーンは

「それ乗ってはしゃぐやつじゃないから」という内容だったようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1966年11月9日 18:15

 

 

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どれどれ、虫めがねで天井を・・・ん、これは!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1966年11月9日 20:15

 

 

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イエスだって!!!!??????????

 

 

びっくりしすぎて2時間気絶してしまったジョンレノン

その間脚立はヨーコが支えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1966年11月9日 20:15

 

 

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「バカが登った」とか「騙された」とかそんなこと書いてあると思ったけど

「イエス」だなんて、すさんだ心が洗われるようだ・・・

脚立を登っただけで自己肯定されるなんて思ってもみなかったよ。

何だろうこの包まれる感じ、お母さんっていうか?

 

 

 

ヨーコの作品にひどく感銘を受けるジョン

体中に電撃が走るような感覚が終わると、既にヨーコに惹かれ始めていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1966年11月9日 20:16

 

 

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愛してるよ、ヨーコ。

私もよ、ジョン。

 

 

そして一分と経たずに二人は愛し合ってしまったのでした。

いやいや、外国の愛ははやいですね!これだから外国の愛は。

それでは、皆さんにもそんな運命の恋が訪れることを願って。

 

 

 

 

 

 

 

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fin