東京都中野区にお住まいの宇波一郎さん(31歳)からのご依頼です。
南くん、はじめまして。
どうしても気になることがあり依頼させていただきました。
話は7年前にさかのぼります。
私は当時、東京の新宿区に住んでおり、1つ年上の兄は神奈川の藤沢市に住んでいました。
学校を卒業してから兄とは一度も会っていなかったので、久しぶりに連絡し、会う約束をしました。
待ち合わせ場所は、ふたりの中間距離ぐらいでということで「川崎駅はどうだろうか」と提案したところ、なんと兄は「電車の乗り方がわからないから藤沢まで来てくれ」と言ったのです。
半信半疑のまま、仕方なしに藤沢まで会いに行ったのですが、遅刻するわ、話は盛り上がらないわ、おごりの約束も結局割り勘にされるわで散々な目に遭いました。
その一件で兄に対して嫌悪感を抱くようになり、すっかり疎遠になってしまったのですが、今頃になり「電車に乗れないというのは、実は嘘だったんじゃないか」と思うようになりました。
もし嘘なら、なぜ兄はそのような嘘をついたのでしょうか。
どうかお願いです。私のかわりに兄に会って、真相を確かめてきていただけませんでしょうか。

「ということで……まずは依頼者に話を聞いてみたいと思います」

「では、さっそく行ってみましょう」

ガッ…

「痛いっ……!!!」

「……うっ……ううっ」

「ちっ、ちよみっ!!! だいじょうぶか……!!!」

「あっ……!!!!!」

ぐっ……

びりぃぃぃ…

びりりりりいぃぃぃぃ…

「うあぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」

「よし、これで血は止まった! 危なかった……!!!」
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ありがとう、南くん…… |
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ちよみっ!!! 痛くないか!? |
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……うん、だいじょうぶ。 |
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一旦おうちへ帰ろう! |

「……はぁ……はぁ…………」

「うぐぅ……!!!! 足が痛いっ……」

「くっ……くそっ!!!!」

「南くんがんばれ! がんばれがんばれ〜〜〜!!!」



「ちよみ、あのチェアーに座って」


「ごめんな。俺がついていながらこんな怪我させちゃって……」
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……ううん、それよりも南くん。 依頼者に会いに行かなきゃ。 |
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ああ、そうだな……。早く行かないと! |
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うん、わたしはもうだいじょうぶだから。 |
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わかった。じゃあ俺ひとりで行ってくるから。 ちよみはここで休んでてくれ! |

「よし、依頼者に会いに行くぞ!」

「わたしも行くわ!」

「……おまえ、その脚じゃ無理だろ」

「わたしも行く! 行く行く行く行く! 行く行く行く行く行く行く行くぅ〜〜〜〜〜!」

「わかった……わかったよ」


「よし、入ったっ!!!」












