バンコク
港から高速バスでバンコクまで戻ってきた。なんかすげえムワンとしてる。湿気。リゾートはもっとカラッとした暑さだった。
バスから降りた時汚ねえネズミが目の前を横切った。
歩いていたらすげえくせえ臭いがしたから何だと思ったらドリアンを売っていた。
ちなみにドリアンを買ってしまうと電車やタクシーに乗ることが出来なくなり、ホテルにも入れなくなるらしい。トラップすぎる。
スパイスに飽きて日本食居酒屋みたいなところ行ったら、普通にあまり美味しくない日本の居酒屋みたいな感じ。サクッと食べてちょっと街歩きして、マッサージ店にいくことにした。
行く途中、長身の美女が3人くらいで道行く人に声をかけており、その前を通ったらガッシリ腕を掴まれた。女性にあるまじき怪力でマジで振りほどけない。
有名なタイのニューハーフだと思うが、見た目完全に女性だったから現地の人はどうやって判断してるんだろう。身長は180cmくらいあった。右腕を切り離してなんとか逃げた。
そしてフットマッサージの名店みたいなところに行ったんだけど、案内された待合室では狩野○孝さんとか三○郎さんとかの、“リアクションが大きい人”のサインが無数に飾られていて、すごい不安と後悔が押し寄せてきた。サインがあって不安になるって初めて。
ビクビク待っていたら俺の2倍くらいの体格の女性が指をポキポキ鳴らしながら近づいてきて「終わった」と思った。
「Aaah!! Sorry! Aaah!! Pain!(痛み) Pain!(痛み)」
「No more pain!!(もう痛みは要らない) I’m fragile!(私は壊れやすい)」
「Woooooo! stop! stop!! My foot is glass!(私の足はガラスです)」
永遠とも言える60分だった。
痛む足を引きずり、タクシーでホテルまで向かう。
Taxi Driver File No.4 「疾風のプラサート」
ティアドロップのサングラスをかけた若い男。
わりと繁華街で車通りも多いんだけどブオオオオン!と急アクセルを踏み発進。
運転が荒いとかのレベルじゃない。3車線の道路を走っていたが、少しでも隙間があると必ず追い抜く。
制限速度とか無いの?とかの疑問すら置き去りにする速さ。他の車をレースゲームみたいにドンドン抜いていく。
すげえ怖かったけど超早く着いた。
ホテル近くに着いた。早く着いたし場所も一発で理解してくれたし優秀だった。
若干わかりにくいのですが電線が地上スレスレくらいまで垂れ下がってるので、痛む足で避けて歩かないといけません。
道路には大きくて痩せた犬が点々と寝ているのでそれも避けます。リゾートに帰りたい。
再びサイアムへ
翌朝、そういえば夜しかここにいないなと思ったので、付近を散策してみた。
ほどよい異国感があって、なんか良かった。
ふいにすごくいい匂いがするので振り返ったら、市場近くの屋台でおばさんがパッタイというタイの焼きそばみたいなやつをジャッジャと焼いていた。
あまりに旨そうな匂いなので買いそうになる。が、屋台の周りには5匹くらいデカい犬がいたので諦めた。
そろそろ土産とか買わないとねと、初日にも訪れていたサイアムへ向かう。ショッピングと言えばここみたいな感じらしい。
ホテルにタクシーを呼んでもらい、コーヒーを飲みながら待つと10分ほどで来てくれた。
Taxi Driver File No.5 「謝罪のタナブーン」
ハゲているおじさん。
「Where are you from?(お前どこ中?)」と聞かれたので「Japan」と答えると、日本語で「オオ、ニホンネ。コンニチハ!」と言ってきた。
日本語が通じるのかと一瞬思ったが、その後は何を言っても「コンニチハ!」しか言わない壊れたPepper君みたいになってしまった。
そして何十分も経って全然サイアムに着かず、「Know the destination?(どこ行くかわかってる?)」って聞いたら
「ゴメンネ! ゴメンネ!」と言いながら20分くらい走り回って、やっと着いた。+100バーツくらいかかったし、当然の顔してチップも取られた。
時間かかったけどとりあえず着いたので、近くの小さなレストランで昼食を摂った。
トムカーガイという、トムヤムクンのココナッツミルク版みたいなのがあって、「トムヤムクンは刺激が強すぎるが、こっちならマイルドで日本人向けなんじゃないか」という考えで3度目の過ちを繰り返した。スープに入ってるニラみたいな葉っぱは食べると強めの後悔をする。
あとデザートが本当によくわからなかったんだけど、なんかココナッツミルクに棒状の氷が入ってて、それとなんか人工のフルーツみたいな、なんかお菓子みたいなのがうじゃうじゃ入ってたんだけどアレまじでなんだったんだろ。見た目は苺なんだけど食べると穀物みたいな不思議なやつ。タイは見た目と味が合ってないものが多い。
そのままサイアム駅前の大型ショッピングモールに行った。ららぽーとみたいなのをイメージしてくれるとそれが近いと思う。
「本物すし」という、絶対日本人が名付けてない店名の寿司屋を見つけた。
ここでは、その店名にちなんで数々の「本物すし」を提供しており、
なんと本格的なロブスターステーキが楽しめる。本物とは。
あとは小僧寿しのパチモンみたいなのを見つけた。こっちのがマスコットがかわいい。
サイアム駅周辺はお土産屋が多く、僕も職場に渡すドライマンゴーなどを適当に買った。
食べ物だけじゃなく、こう、形に残る物も欲しいなと思って置物屋みたいなところに入ると、
安易な気持ちで足を踏み入れたことを後悔する作品の数々に触れることができる。これが一番マイルドな木像で、もっとエグいのが沢山あった。オスのゴリラ同士のやつとかあった。どこに需要があるんだ。
心がやられたので一服しようと、手塚くんを残して灰皿を探す旅に出た。
バンコクは煙草に関してかなり厳しい。電子タバコは持ち込むだけで重罪。
街中に灰皿とかもほとんどなく、ホテルとかも吸っちゃいけないらしい。歩きタバコなんか当然NG。タイの法律はよくわからないけど四肢くらいはもぎ取られると思う。
「エアコンがついているお店は禁煙」というものすごいジレンマがあり、快適さか喫煙を選ぶことになる。
なので街中で見つけるととても嬉しい。灰皿はこういった線香タイプがほとんどなので、バイク事故で死んだ愛煙家の親友に捧げるスタイルで厳かに吸い殻を立てる。
ちなみにサメット島は点々と灰皿が結構あって、そういった意味でも最高だった。帰りたい。俺の実家サメット島にならんかな。
おみやげも買って、マッサマンカレーをもう1度食べて、煙草も吸えて、とても満足。
帰国の飛行機がだいぶ早朝なので、早めにホテルに戻ることにして、タクシーを捕まえた。
Taxi Driver File No.6 「変態のピヤポン」
ハゲているおっさん。
行き先を告げ走り出すと、何年前から持っているんだというボロボロのチラシみたいなのを見せてきた。
ガッツリババアが3人くらい下着で扇情的なポーズをとっているピンク色のチラシ。
その右のババアを指差して左手で輪っかを作り、右手の親指でその輪の中を上下するという学校で習っていないボディランゲージを披露してきた。
当たり前みたいに「Go?」と聞いてくるので「No No No No No!」と強めに言い続けたらホテルに向かった。すごいテンション高かったのに一言も喋らなくなった。そして、最後のタイの夜は更けていった。
また行きたい
この行きたいは「いきタイ」とかけているわけじゃない。
帰国して一ヶ月ほど経つが、今すぐにでも行きたいなってくらいに良かった。
1月~2月がベストシーズンと呼ばれ、気温は25℃~30℃くらいなのでシャツ1枚でとても過ごしやすい。
南の島感とリゾート感を両方楽しめて、アジアな町感も楽しめる。ご飯もすごく美味しい。トムヤムクンは好き嫌いがある。
Wi-Fiもレストランや公共施設にはたいがいあったからなんとかなった。英語も高2くらいのレベルなんだけどなんとかなった。
ちゃんとスケジュール立てる旅行はダルいからぼんやりと立てた。そっちのが楽しい。
サメット島が最高すぎて、プーケットとかパタヤとか寺院とか観光名所一切行ってないんだけどめちゃくちゃ楽しかった。その後10何連勤(2社で働いている為です)くらいしても後悔が無いくらいに。
あの島の魅力が少しでも伝わったならいいなと思います。
「南の島もいいけどアジアンリゾートもいいな~そんでご飯おいしいとこがいいな~過ごしやすい気候で~」なんて方はぜひ。とてもオススメです。
(おわり)
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