サメット島へ
タイのサメット島をご存じだろうか。観光ガイドブックにも中々載っていないリゾートで、CGみたいなビーチに囲まれ、夜間営業のお店が多く夜遊びも楽しめる。行き方はわかりづらく、ホテルも情報があまりない。
行き方は、エカマイってとこから高速バスに乗り、ラヨーンってとこのバンペーという港に向かってそこから船だ。全体的に力が抜ける地名の連続に、多くの邦人が散っていく。
早起きしてバスで無事にラヨーンには着いたのだがパンペー港がどこだかわからず困惑した。海の匂いがするので近くなのは間違いないのだが、建物が密集していてわからない。船の出港時間も近づく。焦る。
そしたらなんていうか、「The 海」みたいな、黒くなったシルバーズ・レイリーみたいな奴がずっと立ってるだいぶ異彩を放つ空間を見つけた。
「絶対アイツ”海”知ってるわ」という確信のもと近づくと、彼はニカッと笑い、親指を後ろにクイッとやって
「Sea? Overthere.」
と案内してくれた。かっこいい。
船の許容人数よりライフジャケットの方が3倍くらい積んである不安漂うボートに乗って海を漂う。
30分くらい乗ると、サメット島だ。
島に着くと個性的な黄金の女性像が歓迎してくれる。
強そう。この像めちゃくちゃデカイし、片乳を隠すポーズが何の意味があるのかはわからない。よく見たら隠れてなかった。
入島料というのを200バーツ払い、島内へ。タイ人は50バーツでいいらしいので、タイ人とよく間違えられる人はここが人生最大の見せ場。
島内はソンタオと呼ばれる相乗りタクシーで移動できる。運賃を乗客全員で割るタクシーで10人くらい乗れるんだけど2人で乗るとすごくお金とられてびっくりする。
この島にはいくつかビーチがある。2つ立ち寄った。
サイケオビーチ
賑やかなビーチで比較的人も多い。
近くにコンビニやマッサージ屋など含むかなり充実した商店街もあり便利。
砂浜にレストランがあったので昼食に立ち寄った。
トムヤムクンが当然のようにメニューにあり、「昨日の店は本格志向で口に合わなかっただけなのでは」と勘違いした僕らはまた同じ過ちを繰り返した。
隣の席でヨーロッパ系のお姉さんが何故か1人で白米に醤油かけて食べてたので、このスープいりますか?って言いそうになった。
80バーツ程度で売られていた南国っぽいカクテルを注文し、辛くて酸っぱい口の中を癒やすことにした。見た目と裏腹に度数がストロングゼロの倍くらい強く、1杯でフラフラに酔った。男2人で来ててこのタイプのストローになる意味もわからない。
「今、火曜日の昼だぜ」なんて言いながら砂浜でお酒を飲んでる時間は幸せだ。月末に10連勤くらいすることになるとかきっとわかっていたんだけど考えないようにしてた。今この瞬間の幸せだけを享受して生きていきたい。
島にはちょいちょい猫がいた。それもかわいい猫だ。
病気犬が徘徊するあの町と違う。ここはリゾートだ。ヨダレダラダラした犬がいない。かわいい猫がいる。これがリゾート。
こちらのビーチは夜になると砂浜に沢山のBarがOPENするので、夜に人気が高い。
お祭りで見かける光るブレスレットみたいなのも売ってて、その隣にストラップみたいな感覚で干したイカとかも売られている。(臭い)
音楽もガンガンかかっており、お酒も飲みながら歩ける。「海外感」はかなり味わえるはずだ。
ファイヤーダンスなんかも始まってめちゃくちゃ盛り上がる。
が
なんか想像してたやつとだいぶ違ってめちゃくちゃ火を飛ばしてくる。普通に焔が飛んでくる。意味わかんない。
「ファイヤーダンスはじまるって」
「へー」
みたいに見てたのに
「うおおおおおお!?」と逃げ回った。昔の4コマ漫画みたいに。
直接砂浜に座るタイプのバーもあった。カラフルに光るアクリルのキューブがテーブルのようになっており、ビーズクッションが沢山置いてある。
心地よい気候に波の音を聴きながら飲むコカコーラを、最高以外の言葉で表すことが出来るだろうか。やっとコカコーラが飲めた。
海の開放感からか、Barから流れるちょっと落ち着いたBGMからか、ポツリポツリと普段話さないような話をした。将来の話や昔好きだった子の話とか、ちょっと照れくさいけどいいなと思った。いつもは踏切の制御システムについて延々聞かされるだけだったから一層良かった。
楽しく南国感あるバカンスを楽しみたいならこちらのサイケオビーチがとてもオススメだ。グアムやサイパンにも行ったことがあるが、大差を感じない。マリンアクティビティもあった。
アオ・プラオビーチ
こちらはとても落ち着いたビーチ。賑やかなサイケオビーチの反対側になるのでとても静か。
海が綺麗すぎて驚く。なにこれ。こんな海あるの?どこまでが透明なの?
あまり人もおらず遠浅で波も穏やか。圧倒的リゾート感を楽しむことが出来る。
客層も欧米人が多く、リゾート感に拍車をかける。
このブランコは左右の紐の長さがちゃんと合ってなくて、2漕ぎくらいで普通に落ちそうになる。落ちた。
コンビニなどは近くに無いが、ジューススタンドとかはあるのでコーラは買える。ココナッツにストローが刺さったあれも売ってる。
穏やかな海にちょっと入れば普通に魚がいっぱい泳いでいるので、シューノーケリングとか一生してられるわと思った。
ゆっくりと泳ぐと、魚たちも合わせるように、近くをゆっくりと泳いでくる。
その幻想的な光景に、思わず手を伸ばす。
普通に噛み付いてくるタイプの魚で、不意な痛みに嘘だろって思った。
ホテルはこちらのビーチ近くでとった。
オーシャンビューどころの騒ぎじゃない露天風呂までついててテンションは上がりきった。指が痛い。
ネットで男2人って入力して予約したんだけどこのタイプのベッドだった。お国柄?
大量のフルーツがサービスで運ばれてきたんだけど全部味が薄かった。
ホテルはプールが付いていた。リゾート感が止まらない。限界突破してる。しかもプールサイドにベッドとマッサージ師までいる。
踏切オタクの手塚君がGo Proで撮った写真。普段インスタに踏切の写真ばかりあげる人だからなめてたんだけどこんな絵葉書みたいなの撮れるのね。
あと、こちらのビーチは夕陽を楽しめる。
そもそも海が綺麗だから夕陽が素晴らしくないはずもなく、見とれている人が多かった。
砂浜の変な模様みたいになってるのは全てカニの穴だった。
小さいカニが沢山いて、小さい穴からもぐら叩きみたいにヒョイヒョイと顔を出していたので、そっちに完全に夢中になっていたらなんかいつの間にか夕陽は沈んでた。
夕飯をビーチ近くのレストランで食べた。
これが世界で一番美味しい料理という肩書きを持つ、マッサマンカレーだ。
一番美味しいカレーじゃなくて、一番美味しい”料理”という強すぎる肩書き。
一口食べた瞬間に「うっまあ!!」って笑顔になるくらいうまかった。もしタイに行く機会があったらぜひ食べてほしい。これだけでも。
犬の町へ戻る
ホテルから直通のスピードボートが出ていて、ある程度好きな時間にポンペー港に送ってくれるらしい。
全然戻りたくない。ずっとここに居たい。時間ギリギリまで海やリゾートを楽しみ、無念のボートに乗った。
「また来たい」と心から思えるくらいに、いいところだった。
(3ページ目に続く)