燻製とは、煙をたいて食材をいぶし、風味をつける調理法のこと。
燻製と聞くと、素人にはなかなか手が出しにくい世界というか、上級者向けの調理法というイメージを抱きがちですが、意外とそんなことはありません。
自宅で簡単にできますし、思ったほど時間もかからずに美味しい酒の肴が出来上がります。皆さんもやってみてはいかがでしょうか。
我が家にあるちっちゃい燻製器
こちらはキッチンコンロで完結するお手軽な燻製セット。サイズもドカ盛り丼くらいの大きさなので、一度でちょうどいい量のおつまみができます。
燻製器にはどデカイBBQセットのようなものもありますが、自宅で楽しむ分にはこれくらいで十分。
僕は「明日から連休だ! うっひょー!」と心身が最強になった週末などに、これを使って燻製パーティをやることにしています。
鍋底にスモークチップと呼ばれる木片を敷きます。どうやら、こいつが煙を出すらしい。
いろんな種類があるそうですが、我が家では一番ベタな「さくら」のチップを使っています。
まずはブロックベーコンを燻していきます。
聞くところによるとベーコンは初心者向けだそうで、誰でも簡単に燻製できるんだとか。
この燻製器は網が2段あるので、「居酒屋で1-2品頼んだ」くらいの量を一度に燻すことができます。
ちなみに、燻製肉の中でもベーコンは鉄板(燻製なのにね)ですが、他にウインナーもオススメです。
材料を並べたらフタをしないまま、強火で4-5分ほど加熱します。
この段階ではあまり匂いもしません。不安になってつい長めに熱したくなりますが、自分を信じてください。
しばらくすると煙がたち始めるので、そこで初めてフタをします。
鍋のフチにチロッと水を流し込み、そのまま3-4分加熱。
なんで水を注ぐのかは、よく分かっていません。煙が逃げないように密閉しているんでしょうか。
その後、火を消して3-4分ほど余熱調理したら完成です。
フタを開けるところは燻製におけるサビの部分なので、我が家では毎回キッチンに妻を呼んで両者立会いのもと行います。
ごめんください
(CV.大塚明夫)
10-15分ほど火にかけただけなのに、劇的に美味しくなるのでなんだか得した気分になります。コストとリターンがいい意味で全く釣り合ってない。グルメ界のバグか?
こだわろうと思えば、もっと手間暇をかけることもできるのでしょうが、自宅のおつまみを作るのならこれくらいで十分。
気を良くしたので、次は海鮮系を燻していきます。
水分の多い食材は、水気を残したまま燻製すると仕上がりが酸っぱくなるので注意が必要です。事前にキッチンペーパーでよく拭き取っておきましょう。
お酒を飲んだり、つまみ食いしながらやるのにちょうどいい作業量。家の中でBBQやってるみたいで楽しいです。
平日には絶対やりたくありませんが、週末にはこれくらいの時間が愛おしいんですよね。
ちょうど1ターン目のベーコンたちを食べ切った頃に、次の分が出来上がりました。
ごめんください
(原作:石ノ森章太郎)
見切り品のような安い食材でも、燻製すれば旨味が飛び級して最高のおつまみになります。ゲームバランスがおかしすぎる。次のアップデートで弱体化補正がかかると思う。
燻製チーズもいける
いろいろ試しましたが雪印6Pチーズは燻しても溶けずに美味しく仕上がります。見た目がホットケーキみたいになって、少し面白いです。
市販の燻製チーズは満遍なくスモーク風味がついたオトナな味がしますが、自宅で短い時間でサッと燻製したものは、「外はスモーク、中はチーズ」みたいな仕上がりで、個人的にめちゃ好みです。
一口目は老成したスモーキーな味わいで、噛むごとに甘みが浮かび上がり、最後はまろやか〜に食べ終わるという、ベンジャミン・バトンみたいな数奇なチーズになります。
終盤になると、お腹も満ちてくる上にスモーク風味にも慣れてくるので、次の日の作りおきをしてお開きにしましょう。
最後はじゃがいも・卵・胡椒・マヨネーズを燻製。
こいつらをぶちのめして……
燻製ポテサラだッ!
「燻ッ!」と香るオトナなポテトサラダです。冷蔵庫で冷やして次の日のおかずにしましょう。
翌日は舌が燻製を忘れているので、食べると改めて口内がキャンプ場になります。美味しいよ!
自宅燻製は、程よく手間がかかり、程よくお手軽にできるので、レジャー気分で楽しめます。
また、換気扇の真下で調理できるので、煙の匂いもそこまで気になりません。カレー作る時と変わらないレベルだと思います。お隣さんの腹を減らす程度の匂いは発生するので、そこだけ注意が必要かもしれませんね。