こんばんは、ライターのギャラクシーです。今日は東京都新宿区・四谷に来ております。駅で言うと丸の内線「四谷三丁目駅」です。
前回、祐天寺というお寺で、怪談『累ヶ淵(かさねがふち)』のお話をして、供養のための塚を見て頂きましたが……
【前回】
今回はその記事を読んだ読者からリクエストがあったので……
四谷怪談ゆかりの神社を訪ねてみることにしたのです! 四谷怪談というより、お岩さんと言ったほうがわかりやすいかもしれませんね。目の周辺が腫れ上がっている、あの幽霊です。
というわけで今回も、昔ながらの風情ある「“怪談”スポット」として、四谷於岩稲荷田宮神社をご紹介しましょう。都内にあるので、サクッと行けちゃいますよー!
四谷怪談(お岩さん)ってどういう怪談?
四谷怪談の舞台は江戸の雑司ヶ谷四谷町(現・豊島区雑司が谷)。歌舞伎や落語など様々なバリエーションがありますが、ここではもっとも有名と思われる「東海道四谷怪談」を、かなりかいつまんでご紹介しましょう。
※東海道四谷怪談は、歌舞伎狂言の作者・鶴屋南北が四谷怪談をもとに作った物語。お岩さんの一般的なイメージ(毒薬により目が腫れている)がこれ。
東海道四谷怪談
主人公・岩は、夫・伊右衛門の不行状を理由に実家に連れ戻されていた。伊右衛門は義理の父に岩との復縁を迫るが認められず、辻斬りの仕業に見せかけ殺害。
そんなことはつゆ知らず、岩は伊右衛門と復縁する。
ところが、岩は産後の肥立ちが悪く、病がちになったため、伊右衛門は岩を厭うようになる。ちょうどその頃、家柄の良い娘に慕われていた伊右衛門は、邪魔になった岩に毒を盛り、岩の顔は醜く崩れてしまう。岩は悶え苦しみ死んでしまうのだった。
伊右衛門は慕われていた娘と結婚するが、婚礼の晩に幽霊を見て錯乱し、娘とその父親を殺害、逃亡する。その後、岩の幽霊に苦しめられて狂乱、死亡したのだった。
以上が東海道四谷怪談です。めちゃめちゃ省略したので詳しく知りたい人は本などで調べてください。
毒のせいで、醜く腫れ上がった顔の岩が、櫛で髪をすくシーンがハイライトですね。こっわ。昔の怪談って大体「男がめちゃクソひどいやつ」なんですが、江戸時代ってこんな感じだったの!?
新宿・四谷於岩稲荷田宮神社へ
さて、東海道四谷怪談を読んで頂きましたが、いかがでした?
東京にはお岩さんを祀っている寺社がいくつかあります。そのうちのひとつが、今回お訪ねした『四谷於岩稲荷田宮神社』なんです。
四谷於岩稲荷田宮神社
住所:東京都新宿区左門町17
最寄駅:地下鉄丸の内線「四谷三丁目駅」徒歩8分
四谷怪談は実在した岩と伊右衛門をモデルに書かれた創作ですが、ここは実際のお岩さんを祀った神社。
新聞などで取り上げられた記事がスクラップされてました。
右下の記事が読めるでしょうか? 「実在のお岩は貞女の鑑」という見出しが書いてあります。そうなんです。実際の二人は仲睦まじい夫婦だったんです。特にお岩は、良家でありながらお金に恵まれなかったお家を支え再興させたそうで、めちゃ良い妻だったらしいです。
お守りがもらえます。
良妻賢母だったお岩にあやかって金運や縁結びを祈願したり、怪談のお岩にあやかって結婚相手の浮気防止を祈願したりする人も多いようです。
中学の頃、オカルト好きの先輩に「お岩さんの怨霊だけはガチでやばい」と聞いたことがあるので、我々もお賽銭を入れて二礼二拍手一礼してきました。どうか祟りがありませんように。
ちなみに道を挟んだほぼ向かいには、同じくお岩さんを祀っている『於岩霊堂 陽雲寺』もあります。
ちょっと話がややこしくなるので詳しくは書きませんが、現在は有名なものだけでも四谷に2つ、中央区新川に1つ、合計3つの寺社がお岩さんを祀っています。
というわけで今回は四谷怪談(お岩さん)ゆかりの神社を訪ねてみました。みなさんも恋人や結婚相手の浮気防止を願いに行ってみてはいかがでしょうか。
他に行って欲しいところや、怪談スポット情報などありましたら、ぜひコメントをお寄せください。
ただし、怪談スポットは強力な霊気によって祟りに遭う可能性もあります。霊力のないみなさんにおかれましては、騒いだり周囲に迷惑となる行動はお控えください。
では、さようなら~!
(おわり)