前回はこちら!! 後で読んでもいいよ!!

 

 たぶん見間違いか勘違いだろうけど、それにしても今の何……という体験はないだろうか。

 

 2024年1月。熊本県某所の海へやってきた。何も為さぬまま年が明けて憂鬱なので、大量の海水を眺めて心を落ち着けようという算段だ。何があけおめだ。明けまして助けてくれ。今年も助けてくれ。

 

 海水最高〜! ずっと動いているから飽きないし! 舐めたら味がするし!「仕事何してるんですか?」とか話しかけてこないし!

 …………

 ……

 ……なんだ、あれは……。

 

 巨大なタイタンフォール2……?

 

 巨大なタイタンフォール2が向かってきている……?

 

 なんで?

 

 あ、消えた……。嘘のように消えた。何事もなかったかのように穏やかな海だ。

 は? 何? 俺がタイタンフォール2が好きすぎるから波とタイタンフォール2見間違えた? 見間違うことある? しかしこの穏やかな海を見ると巨大なタイタンフォール2が流れてきたなんてことは信じられない。

 なんか、まあなんかの気のせいだったんだろう。

 けど、なんだったの?

 

 こんなの。こんな体験。

 

 今のはただの作り話だが、世の中にはこんな感じで誰にも語られることなく埋まっている「99%見間違いか勘違いの怪奇・不思議エピソード」がめちゃめちゃある。

 どうでもいい話と怪談の間、ホラー未満のなんとも言えないエピソード。

 それらを集めてモヤモヤする。そういう記事だ。

 今回で6回目。今回をもって最終回とする。なんか、頃合いだと思ったので。

 全部は紹介できないことをご了承くださいね。紹介できなかった人はごめんね。
 最終回だからいつもよりちょっと怖いのも多めに取り上げているよ! もはや普通に弱めの怪談みたいなのもあるよ! 趣旨以上に怖いのはいつも通り最後にあるよ!!

 

 なんか見ちゃった話編。

 

カーテン

幼稚園生くらいの頃。
父方の大叔父が家具屋か何かをやっていた関係で家のカーテンを全てそこから買っていた。厚手で質はよかったもののことごとく趣味の悪い柄だった。

寝室のカーテンが特にひどくて、鳥・洋梨・草花など上品なはずのモチーフが最悪のバランスと色彩でデザインされていて、昼間に見ても不気味なほどだった。鳥の脚の描き方が下手すぎて流血しているように見えるのも怖かった。

そのカーテンの一番嫌いだった所は夜中になると模様が動くところで、寝付けない夜になんとなくカーテンを見るとウジャウジャと動いていて本当に気持ち悪かった。寝室には窓が三つあったのでけっこう目のやり場に困ったし、そんなことで母を起こすのも悪いと思って布団に顔をうずめて耐えていたけど、我慢できなくなったある日母にめちゃくちゃ頼み込んでカーテンを替えてもらった。

今改めてその話を母にしてみたら、私がそう訴えていたのも覚えていたらしい。
「姑のゴリ押しで趣味の悪い柄のカーテンを買わされて、買い替えるきっかけが欲しかったのでちょうどよかった」らしい。

 不気味〜、また不気味さが「子供の頃に見る変なの」って温度感なのがいいな。あと最終的に誰かが助かってる話になってるのもいい。

 

浮かぶ魚の骨

4、5歳の頃、夜中にふと目が覚めて何となく起き上がると、空中に魚の骨が浮かんでいる。
それも一匹ではなく、寝室の空間を埋め尽くすように所狭しと浮かびながら泳いでいる。

魚の骨はきれいに骨だけで身や皮は少しもついていない。よく見るときちんと閉じられたドアの隙間からウナギのような細長い骨が何匹も出たり入ったりしている。

両親の布団の上にもたくさん浮かんでいたが、起きる気配はない。妹の泣き声を聞きながら、呆然と座っていたがその後どうやって朝を迎えたのか覚えていない。

大人になり家族にこの話をしても誰も真剣に取り合ってはくれない。夢?そんな幼い頃の夢を45歳になっても鮮明に覚えているものだろうか。

zeth

 ホラー映画の心理描写みたいだな〜と思った。妹の泣き声は聞こえるってのがまた印象的だ。夢だったにしても、なんかの記憶が混ざってるにしても、実際そういうのが居たにしても一生忘れなさそう。

 

乳母車

子供会で肝試しに参加した時のこと

肝試しの内容は「自然公園の遊歩道をグループになって歩き、途中でお札を取って公園を一周してスタートまで戻ってくる」という単純なものでした。
順番が回ってきたタイミングで1本の懐中電灯を渡され、私のグループも揚々と出発しました。懐中電灯で道を照らしながら歩いていると、スタート地点から数mの道端に何かが置いてあるのが見えます。

それはよく見ると経年劣化で白く日焼けした布が掛けられた編みかごの古い乳母車でした。
暗闇の林に佇む乳母車は小学生の私たちには馴染み浅くとても異質に映り、あまりの不気味さに誰も近づくことが出来ず数分その場から動けずにいました。
その場をなんとか切り抜けその先の仕掛けにもビクビクしていたのですが、木の影から大人が驚かしてきたり画用紙工作の妖怪が木に吊るしてあるだけ…といった具合でまさに想像していた子供会の肝試しで拍子抜け。

肝試し終了後に別のグループだった友達に「スタート近くの乳母車が一番怖かったよね」と話しかけると「そんなものは無かった」と言われました。 子供会役員の大人に聞いても「乳母車のことは知らない」とのことでした。

あけび

 乳母車がそんなところにポツンとあるのが不気味とも言えるし、ただの乳母車がなぜか異様に不気味に見えるとも言えて怖いぜ。

 

ピカチュウ

幼少期からポケモンが好きで、幼稚園の時に買ってもらったポケモンのレゴブロックのようなもので小学生になっても遊んでいた。
そのレゴもどきはピカチュウの顔がプリントされた黄色いコンテナのようなものに入れて収納していたのだがある日、そのピカチュウがウインクした。
見間違いでしかないと思うがあの可愛いウインクは今でも記憶に残っている。

その数週間か数ヶ月か前に父方の祖父の葬儀があったので母親は「おじいちゃんが来たのかもなぁ」と言っていたが祖父のことは嫌い寄りだったので可愛いピカチュウを祖父に乗っ取られていたとしたら凄く嫌だなぁと思った覚えもある。

おさかな

 ピカチュウになれば孫に好かれるかもしれないと思えばまあ、やるかも。

 

白い巨人

 大体小学校2、3年くらいの話。
 田舎の小学校だったので窓の外から山の斜面が見えた。その山の斜面には赤い屋根の小屋みたいなのがあった。授業中暇で、窓から小屋を見てたらその周りをでかくて白い人が走りながらぐるぐるまわってた。

 だんだん皆も気づき出して、授業どころじゃない感じになってきた。先生に「あれ見える?あれなに?」って興奮気味に聞いたら、先生は騒ぐ生徒を止めるでもなく、走ってる白い巨人を見ながら「うん」とか言ってた。冷静だったのが怖かった。
 その後は普通に授業して普通に皆んな帰った。

 ちなみに、他のクラスからそういう人が見えたって話は聞かなかったから、多分うちのクラスだけの局所的なパニックで先生とかはみえてなかったのかなーって思う。

無記名

 でも見えてなかったら「うん」なんて言うかな……。

 

無人

子供の頃、道路を走る車の中にいくつか運転手のいない無人の車が混ざっていた。

母親に「道路を走る車の中には人が乗っていない車もあるの?」と聞くと「そうだよ」と答えられた。
大人になった今はそれが有り得ないことだとは理解しているし、多分あの頃の母親は受け答えがめんどくさくて適当に答えたんだろうなとも思っている。

しろしろ

 今後子供の相手をすることがあれば、子供が何か変なこと言ったらどれだけあり得なくても一回は見てみようと思う。大人、色々見逃してるかも知れない。

 

自販機おじさん

就活生の頃、面接のために上京したところ、駅でおじさんが自販機の下に潜り込もうとしていました。
小銭漁りのような格好ですが、頬や胸をべったりと汚い床につけ、自販機の下の数センチの隙間に腕どころか肩甲骨あたりまで吸い込まれているように見えました。
一番驚いたのは、そんな異様な状況にも関わらず、大勢の通行人が誰1人として視線をおじさんに向けないことです。
私だけに見えた何かだったのか、TOKYOの人たちのスルースキルが異常なのか今でもわかりません。

もけ

 東京の人ってどれだけ変な人がいてもスルーするよね。ちょっと怖いくらい。

 

小1から中1まで通った通学路に家が突然出没した。気づいたのは小4のときで、いつものように歩いていたらあった。

新築とかじゃなくて、自分の家より年季が入ってた。じゃあそれまでそこに何があったの?と聞かれれば記憶が定かじゃないけど、でも確実にその家はなかった。

それ以降も引っ越すまでその家の横を通り続けたし、住んでる人も見かけた。
その度に、なかったよな……小4までは……、と思っている。今も違和感がある。

いまとば

「うわー! 俺の子供の頃にもなんかこんなことあった気がする!」ってみんなも思ってると思う。あれ何なんだろうな。

 

小学校高学年の頃の話です。
その時使っていた寝室からは寝室の入り口から勉強机と机の上にある文房具や鉛筆立てなどが見えました。
普段はぐっすり眠れるのですがその夜はなぜか目が覚めてなんとなく机の方を見ると鉛筆立てがしっかりと燃えていてびっくりしました。
炎がまわりを照らして明るかったのを覚えています。
これが2週間に1回くらいの頻度で2ヶ月起こりました。その時々によって炎の色や大きさが違って綺麗でした。
夢だとしても同じような夢を何度も見ることはなかったので夢じゃなかったのかもなーと思っています。

りんごのアフロ

 1回ならまだしも何度も起こっているということは、錯覚にせよ何にせよそう見える何かしらのことが起こりはしているよな……。

 

空き缶

子供のころに空き缶で出来た5~6階建てぐらいの建物があった。

56

「そんなわけねえだろ感」と「もしかしたらあるかも感」がちょうど同じくらいの変な話で良いな〜。

 

メトロノーム

私が中学生の頃の話です。吹奏楽部でパートごとに別れて教室で練習をしていたとき、先輩が「怖い話をしよう」と言い始めました。
私は怖いエピソードは持っていなかったので先輩が集めた怖い話を聞いて同期と一緒に笑いながらその話を聞いていたのですが突如メトロノームが本体ごとガタガタと揺れはじめました。
棒の部分がカチ、カチ、となったのではなく本体ごとガタガタガタガタと勢い良く揺れたのを今でも鮮明に覚えています。

先輩と同期と悲鳴を上げながらホルンの練習部屋まで避難して事の顛末を話しましたが誰も信じてくれませんでした。私はちょびっと泣きました。

今思うとメトロノームは教室にあった机の上に椅子をおいて更にその上に置いていたので諸々のバランスが悪かったのかなとも思いますが明らかに「メトロノームだけがガタガタと揺れていた」のが不思議でした。

使わせてもらった2年生教室の担任の一人に「視える」タイプの人がいると噂で聞いたことがあるのでその人が連れてきたのかなとも思います。
先輩も同期も高校まではインスタで繋がっていましたがいつの間にか消えていたのでもうあの頃の話ができないのが残念です。
何だったんだろう本当に。

この記事読んでたら急に思い出しました。

 見たのが一人じゃないってのがワクワクする。絶対に何かしらは起こっているので。なんだったんだろ、急に中のバネがぶっ千切れたら揺れたりするだろうか。

 

生茶パンダ

中学生の頃、PSPのちょっとホラーテイストのアドベンチャーゲームのソフトを中古で買った。

夕食後自室のベッドに寝っ転がり、ゲームを進めるうちに面白い場面に差し掛かった。
誰かに共有しようとPSPをベッドに置き、携帯で画面を撮影した。
画角の問題で写真にはベッドとPSP、そして床に置いてあった段ボールが写っていたが、その段ボールの陰から生茶パンダ(白地に薄い黄緑色の模様)が「家政婦は見た」のようなポーズでこちらを覗き込んでいた。

なんだか怖くなって友達に見せる前にデータを消してしまったので真相はわからないが、そもそも生茶パンダのぬいぐるみなんて持っていなければぬいぐるみがそんなポーズを取れるわけもない。
当時付き合っていた彼氏にその話をしたところ「ぬいぐるみの霊ってゴミ捨て場とかからついてきちゃうから」と返され、なんとなく不快な気持ちになりその後別れた。

サブ六十八

 恋人に生茶パンダの霊の相談された時の模範解答ってなんだろうな。

 

目ヤニ

私が2~4歳の頃の話です。
母親と布団で寝ていたのですが、夜中に目が覚めてしまい、暇なので隣で寝ていた母親の顔をじっと見つめていると目ヤニが虫のように動いていました。
暗かったのですが、すぐに目が慣れてきて、じっくりと観察したので間違いないです。目ヤニは動きます。

アブラムシみたいな目ヤニがうごうごと母の瞼の隙間を移動し、目頭のところでストンと止まり、そのまま動かなくなりました。

翌朝、母親に「目ヤニって虫みたいに動くんだね」って話したら「あーうん。まあ、そうだね」みたいな適当な返事をされましたが当時は純粋に目ヤニは動くものだと信じていました。

無記名

 なんかの虫が顔にいたって方が納得いくけど、それはそれで気持ち悪いな……。親も「あーうん」じゃないんだよ。お前の顔に何かいたんだよ。

 

チンパンジー

子どもの頃、母の隣で寝ていた時の記憶です。

夜中になんとなく目が覚めてしまい、隣で眠っている母の顔を見ました。
母は横向きになって寝ていたので、顔が正面から見えます。

その時突然、母の上唇がめくれました。
上唇の裏側のピンク色がハッキリ見えます。
(鼻がむず痒い時にやるような)口を鼻側に近づけたとかそういう感じではなく、口は全く動かさないまま、上唇だけがめくれ上がっている状態です。
チンパンジーがよくやるあれです。

母の上唇の裏側と、めくれた事で見えた上の歯を眺めながら、私は「?????」と不思議でした。人間がこの状態になっているところを見た事がなかったので。
今となっては夢だったのだろうと思っていますが、不思議な記憶です。

みりん

 自分で上唇だけを動かすってできるんだろうかと思ってちょっとやってみたけど、無理だな。でも母は案外できる人だったのかも知れないし、今からでも「ちょっとやってみて」って言ってみるのもアリ。

 

ばあちゃん

10歳の頃、正月で母方の実家に遊びに行った時、子供が遊ぶ用にブロックなどのオモチャが集められた和室で3つ上の兄と遊んでいた。
上半分が障子で下半分が磨り硝子になっている引き戸に誰か黒い影が見えた気がして兄に「今誰か通った?」と聞くと「ばあちゃんが通った」と返され納得して遊びに戻りました。

お昼になり居間に呼ばれおばあちゃんの姿が見えなかったので母に聞くとおばあちゃんは朝ご飯を食べてすぐに友達の家に出かけた、まだ帰ってきていないと言われると兄は嘘だ嘘だと半狂乱。
どうやら兄が引き戸ごしに姿は背丈ももんぺの色もハッキリ見ており祖母だと確信していたらしい。
私は、ん?誰か通ったかな?ぐらいにしか見てなかったので怖くは無かったですが13歳の普段素っ気ない思春期の兄が泣きながらそんなわけ無い!と取り乱す姿がとても印象的でした。

大人になってからその話をするとやっぱりばあちゃんだったと思うんだよなぁと言ってました。私がというより兄が体験したエピソードって感じですが。

たろう

 大人から見れば13歳なんて子供だけど、10歳から見た13歳って十分しっかりしてるし、しっかりしてる人が取り乱してるのって相当怖いよな。

 

仕事帰り、大阪のとある商店街を彼氏と二人で喋りながら歩いてた。

前方からおじさんが来たんでぶつからんよう避けようと思いチラッとおじさんの方をみたら、耳たぶが金たまだった。
ホントに金たまかはどうかは知りませんがマジで耳たぶが金たまくらいデカかった。 膨らんでたし…

「めっちゃ福耳やなぁ」と思ったくらいでスルーしてたけど彼氏が「耳たぶが金たまのおっさんおらんかった!?」て時差で言ってきたから絶対いた。

神様やったんかもしれません。

ごう

 まあ、実際に金玉だったとしてもなんとなく縁起が良い気はするな。

 

魔法

子どもの頃にサーカスを観にいったときの話です。
小さな人形を連れていったのですが、グレーチング(雨水を流すために網になってるところ)に人形を落としてしまいました。

親が近くのスタッフさんを呼んで取れないか相談すると、スタッフさんが箒を持ってきて宙を掃くような仕草をしたところ、人形がふわりと浮かび上がってきました。
本当にただのスタッフジャージを着たスタッフさんだったので、サーカスの人はみんな魔法が使えるのか、と感動したのを覚えてます。

道化師

 何かのトリックにせよ記憶違いにせよめちゃめちゃカッコいい。

 

 聞こえちゃった話編。

 

悲鳴

小学4年生の放課後、友達と二人トイレで女子トークに花を咲かせていた。

ふと会話が途切れた瞬間、女の子の声で「きゃーーーっ!」と叫び声が聞こえた。
外からじゃなく、確実にトイレの個室の中から聞こえた悲鳴だった。
でもトイレには私たち以外誰もいなく、個室のドアも全部開いている状態だった。

私たちは一瞬固まったあと、二人ともダッシュで逃げ出そうとして廊下に繋がるドアに向かったが、同時に通り抜けようとしたため挟まって詰まってしまい、中々逃げ出せなかった。

脱出したあと、怯えながらドアに挟まってる自分たちのおかしさが怖さを上回って笑い転げた。
今になるとドアの軋みだったのかなーとも思ったが、全ドア開いてたんだからんなわけねーべな なんだったんだろー

あらんらんらん

 かなり怖かったと思うけどすぐに笑い転げられるのが友達といる小学生〜って感じで良い。友達といる小学生は無敵。

 

擦れ

小学生くらいの頃、夜寝る前にトイレで漫画本を読んで長時間使って親に怒られるというガキだったのですが、ある時からトイレで漫画本を読んでいると扉の向こうの廊下を箒で掃くような何かが擦れる音がずっと聞こえるようになり、怖すぎて出られなくなることが多々あったのですが、懲りずにその後も漫画本を持ち込んでいたので今思うとバカすぎるなと思いました。

はるちゃん

 かなり怖いけど、まあ音だけだしな〜と舐めてしまう感じもわかる。当時残穢とか読んでなくてよかったね。

 

呼び声

1年前くらいの話です。
いつも通り出勤しようとマンションの廊下でエレベーターを待っていると、背後から「〇〇ちゃん!」と私の名前を呼ぶ小さい女の子の声が聞こえました。
私の名前は同じ名前の人に出会ったことがないくらいには珍しく、そして、私がいたのはマンションの7階の廊下です。
7階には私の部屋を含めて3部屋しかなく、単身者向けのマンションのため、まず子供なんて見たことがありません。 
マンション下の道路にいる人の声が聞こえたにしても、あまりにもはっきりと背後から名前を呼ばれたため、直感的に振り返ってはいけないと思い、何事もなかったかのようにエレベーターに乗り込みました。

そして、「まあ聞き間違いだろう」と自分を納得させながらエレベーターを降りた瞬間、すぐ隣りにある駐輪場からけたたましく警報音が鳴り始めました。

このマンションに住んで3年くらい経ちますが、駐輪場の警報音を聞いたのはその1回きりです。
立て続けにびっくりすることが起きて、めっちゃ怖ぇ〜〜〜〜と思った記憶があります。
なんとなく口に出すのが怖くて誰にも言ってなかったのですが、それ以降特に何も起きていないのでただの偶然だったのだと思います。

はなくそ太郎

 怖〜。ちょっとした異常が連続で起こるとめっちゃ怖い。「直感的に振り返ってはいけないと思った」というの踏まえると全部の出来事が「注意を引こうとしてる」ように思えてくるな。

 

二階からの音

高校生の頃の話です。その日は休日だったと思うのですが、家族は全員出かけていました。

リビングでひとりの休日を満喫していた時、ふと天井の隅のあたりから「ドーン!」といった音が繰り返し続いていることに気づきました。
タンスのように大きなものを倒した音で、最初は特に気に留めなかったのですが、ふとした瞬間に「これはおかしくないか」と自覚してしまいました。

リビングは一階だったので、二階で何か大きなものを繰り返し倒しているようなイメージが浮かびました。
しばらく経っても音は止まず、すっかりパニックになった私はひとまず携帯で友人に電話をかけました。
話しているうちにおさまるのではないかという淡い期待はすぐに打ち砕かれました。

「二階から音がっ \ドーーン!/ ぎゃーっ!」「大丈夫?」 といったやりとりを繰り返すこと数分。
おそらく友人にはその音も聞こえておらず、ますます恐怖心も膨らんでいきます。
埒が明かないと判断し、同じ町内に住む祖父母に助けを求めることにしました。
数分後には祖父母が車で駆けつけてくれ、私はそのまま祖父母宅に避難しました。
その際に祖父母が一緒に二階の様子を見に行ってくれたのですが、特に何かがいたわけでも、倒れていたわけでもありませんでした。
祖父母が家に入った時にはもう音も止んでおり、結局あれがなんだったのかもわからずじまいです。

後にも先にもこのレベルの訳がわからない出来事に遭遇したことはなく、たまにふと思い出します。

ねぎのこ

 この結局何だったのか全然わからなくてモヤモヤする感じ最高。

 

ペッパーくん

不思議エピソードと言っていいのかはわかりませんが… 中学生の時近所の眼科にいるペッパーくんが、「院長が男の子の養子を欲しがっています」とよく言っていました。

家族もそこの眼科に通っていたのですが、誰も聞いたことがないそうです。当時は院長がユーモアで設定したフレーズだと思っていたのですが、私の聞き間違いだったのでしょうか。今でも疑問に思っています。

ぽんちゃわ

「言わせていてもまあおかしくはない」加減と「なんでそんなことペッパーくんに言わせるんだ」加減が絶妙だ。聞き間違いだとしても、何と聞き間違えたらそうなるんだ……。

 

コツン

5歳くらいの頃、夜に兄と父と3人でお風呂に入っていたら、お風呂の窓にコツン、コツンと何かが当たる音がした。

窓の外を確認した兄と父は「小さい女の子が石を投げてる」と言っていた気がする。自分は怖くて湯船から出られなかった。

記憶が曖昧で、浴室にいたのは兄だけだった気もするし、兄はあまり怖がっていなかったような気もするので、外から父が石を投げて、グルになって俺を怖がらせようとしていたのかもしれないけど、8歳の兄と話を合わせて5歳の息子を本気でビビらせようとするような大人はそれはそれで怖いです。

トム

 嘘をつくにしても「5歳の子供を怖がらせよう」と思った時にそんな嘘をつくだろうか。マジでいたと考える方が自然な気がする。マジでいたとしたらそれも怖すぎるけど。

 

笑い声

高校生の時、お盆に祖父母の家に泊まった時の話です。
食事や風呂など全てを済ませて、あとは寝るだけの状態で、お布団に潜ってイヤホンをしてYouTubeを見ていました。

すると、女の人の笑い声が耳元ではっきり聞こえてくるので、なんか変わった動画だなとか思いつつなんだか不思議な気持ちがしたのでイヤホンを取ると、さっきよりも大きな声で笑い声が耳元に聞こえてきました。

その時は何故か怖いとかいう感情はなく、うるさいなぁ位の感覚でした。
ご先祖さまが帰ってきて一緒にYouTube見てたのかなぁと思うようにしています。

ちなみに粗品のチンチロの動画見てました

 怪談でよく聞く怪奇現象ではあるけど、なんかシチュエーションがゆるくてちょうどいいな。

 

ため息

中学生の時、新聞配達のバイクの音で目が覚めた日がありました。
バイクから降りて歩く音、家のポストに新聞を入れる音などが聞こえたあと、 「はぁ」 という溜め息のような低い声が僕の耳元で聞こえました。
他の音はちゃんと窓の外からだったのに、あの低い声だけははっきりと耳元で聞こえました。
怖すぎてすぐ布団を頭まで被ったので分かりませんが、気のせいだと思いたいです。

抜殻

 配達の人の働きたくなさが耳まで届いたのか、あるいは耳元にめっちゃ疲れている何かがいたのか……。

 

タイミング

小学生の時の話です。

学校が終わって家に帰ると母親が買い物に出掛けており、家の中は無人。
鍵を持っていなかった私は玄関前で母の帰宅を待つ羽目になったのですが、さっそく飽きた私は当時好きだった曲に合わせてリズミカルにドアをノックして遊び始めました。
単なる暇潰しではなく、もしかすると母がベランダ(玄関の反対側にあった)とか音が届きにくい位置にいて私の帰宅に気づいていないのかもしれない→うるさくすれば出るかも!と考え、「出ろ!出ろ!」と念じながらドアを連打。

すると、突然家の中から 「タイミングが違う」 と母ではない女の声が聞こえました。
驚いた私は硬直。 えっ、お母さん?いるの?と声をかけるも、その一言きりで声の主は沈黙。

少しして買い物から帰ってきた母にそのことを伝え、二人でおっかなびっくり家の中を調べるも人が侵入したような痕跡は無し。ベランダの窓もしっかり鍵がかかっていました。

あの声は何だったんでしょう。
近所のお宅から聞こえたにしてはずいぶんはっきりと、ドアのすぐ反対側から普通の会話レベルの声量で聞こえたように感じました。

というか正体不明の存在にリズム感の無さを指摘されたくない。
ちなみに当時母子家庭だったので父親が浮気相手を連れ込んだ線は無いです。

それはそうとご近所迷惑でしたねごめん

 怖。しっかり怖いんだけどドラマーの亡霊としか思えない発言が良すぎる。ドラマーの亡霊人んちの玄関で何してたんだ。

 

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