後編です。今回も引き続き、オモコロライターの原宿、カメントツ、ダ・ヴィンチ・恐山がおすすめ映画&ドラマの珠玉の1分をご紹介していきます。
今日のメンバー
無職の時、親の作ってくれたチャーハンを食べながらたくさん映画を観た。その微妙にパンチがない味は今も忘れていない。
そこそこの映画好き。好きな映画は、現実と妄想の境目が曖昧になって主人公の自我が危うくなる映画。
映画大好き漫画家。外連味と暴力とエロがたくさん出てくるのが良い映画だと思っている節がある。ベスト映画は「300〜スリーハンドレッド〜」
全裸の男が闇に沈む!
後編の最初はまず私から紹介します。
真夜中の街で妖艶な美女が、道行く男たちに声をかけては闇に消えていく…。一枚ずつ服を脱ぎながら誘う美女。男たちは彼女の正体に気付かないまま、飲み込まれ、そして姿も形も無く、衣服だけが残されている。謎の美女の正体は、地球外生命体であった。慈悲のかけらも無く男を捕食し続けていた彼女だが、ある事がきっかけで間的な感情を持ち始めるのだった。それは、更なる恐るべき惨劇の始まりでもあった―。
私のおすすめは、映画『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』です。
主演、スカーレット・ヨハンソンだ。
BGMをほとんど使わず、間を重視した静かな作りが特徴です。
眠くなりそう。
飽きてきたら適当にシークバー飛ばせばいいんですよ。
おい、仮にもオススメ映画だろ。
主人公のスカーレット・ヨハンソンは人間の女に擬態した生命体で、たぶんエイリアン。ストーリーはわりと単純です。行きずりの暇な男をナンパしては”捕食”していく、ある意味日常モノ。
より地味な『寄生獣』みたいな。
そうそう、まさにそんな感じ。私がおすすめしたい1分はここ、19分30秒目からです。
黒い空間をヨハンソンが服を脱ぎながら歩いてる。ナンパした男も服を脱ぎながら後を追ってる。男のパンツ情けない柄だな。
あ……後を追う男の足元が沈んでいく……
キューイーン……キューイーン……
…………。
男、完全に沈んだ。なんだこれ。
「キューイーン、キューイーン」みたいなBGMが耳に残る。能っぽい。
いまので罠にかかっちゃったわけですね。このあと全く同じ流れが数回繰り返されるんですけど、だんだん音楽が流れるだけで面白くなってくる。「やっと沈むぞ~」って。
沈んだ後は……?
それは自分で観て確かめてください。
全然どういうことかわからない。
ヒートアップするオタクの議論がめんどくさい!
次の僕のオススメの1分は『ビッグバン・セオリー』の第2話からです。
エミー賞 & ゴールデングローブ賞などを次々受賞し、アメリカでも大人気の超話題作! IQは驚異的に高い草食系オタク四人組とお隣のキュートな女の子が繰り広げる、全米で高視聴率の大ヒット・ロングランコメディ。
これは海外ドラマなんですね。
そう。観客の笑い声が入るタイプのコメディドラマだから、すごく気楽に見られるんだよね。漫画描きながら音だけ聞いてても面白いし。
オタク4人組の部屋の隣にリア充系の女の子が引っ越してくる話か……いいねぇ……。
好きなのはここ! 第2話、2分10秒から! 隣の部屋の女の子が『スーパーマン』の話題を振ってきたあとの会話。
オタク1:
「あのシーンは科学的に間違いがあること、わかってる?」
女の子:
「ええ。人は飛べないことでしょ?」
オタク1:
「いや飛べるのは仮定してだ。ロイスは初速度9.8メートル毎秒毎秒で加速落下している。スーパーマンは鋼鉄の腕二本で、さっと彼女を受け止める。ロイスはこの時点で、だいたい193キロになってる。腕に当たればすぐさまロイスは三等分になってるはずだ!」
コイツめんどくせ~。
『空想科学読本』を読んでた頃の自分、完全にこんな感じだった。
オタク2:
「けどちょっといいか? 君が言ってることはぜんぶ仮定を前提としたことだ。『スーパーマンには飛ぶ力がある』っていうね」
オタク1:
「マジで言ってるのか!? それは確立されてることだ。スーパーマンには飛ぶ力がある。ビルを飛び越える跳躍能力の延長で、その力の源は地球の黄色い太陽だ」
オタク2:
「おかしいと思わないか? 夜はどうやって飛ぶ?」
オタク1:
「それは月からの太陽反射光とクリプト人が皮膚に保存できるエネルギーを利用する!」
ルームメイトの男もめんどくせ~。
もう女の子はほったらかしで議論してる。
海外のオタク事情を覗き見られる感じが新鮮だし、ショートコメディだからずっと流してられるんですよ。
確かに。平日夜7時のNHK教育みたいな感じでダラダラ見られる。
こういうのは吹き替えで見るのがいいね。
わけのわからないアングルで見るイグアナが面白い
最後はこの映画からオススメします。ヴェルナー・ヘルツォーク監督の『バッド・ルーテナント』です!
アベル・フェラーラ監督、ハーヴェイ・カイテル主演で1992年に製作された問題作「バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト」を、鬼才ヴェルナー・ヘルツォーク監督、ニコラス・ケイジ主演でリメイクした衝撃の犯罪ドラマ。舞台はハリケーン襲来後のニューオリンズ。囚人を救出したことで表彰され、昇進した刑事、テレンス・マクドノーだったが、彼には裏の顔があり…。荒廃した街 ニューオリンズを舞台に、最悪な男が、静かに躍動する。
知らない映画だなあ。
ニコラス・ケイジが主演の刑事ものなんですね。
うん。ただ、こいつがヒドい悪徳刑事でさ、横領はするは一般人を殴るわドラッグには手を出すわでとにかくメチャクチャなやつなんだよ。
うわぁ。
犯人を追っかけながら自分も別件の悪いことしまくるんで観てて混乱するんだけど、とくにわけわかんなかったシーンがここ。43分目からの1分!
お、刑事たちが張り込みしてるところにニコラス・ケイジが来た。
え? なんかイグアナがいるんだけど。
なにこのアングル。
ニコラス・ケイジ:
「なんでイグアナがいる?」
張り込みしている刑事:
「そんなものいない」
ニコラス・ケイジ:
「いるだろ」
張り込みしている刑事:
「いないだろ」
ニコラス・ケイジ:
「イグアナだろうが」
なんだよこの押し問答。
数十秒間、美しい音楽とともにイグアナ越しに
ニコラス・ケイジを映し続けるカメラ。
監督が自らカメラを回して撮っているらしい。
実はイグアナはドラッグ中毒で見えてる幻覚なんだけど、シーンとして意味がわからなすぎて衝撃的だったね。しかもこのシーンは監督が現場で思いついて自分で撮影したらしい。
これは本編も見たくなった。好きなシーンだけ何度も見返せるのいいなぁ。
いかがでしたか?こんな感じで、おすすめの映画のちょっとした瞬間を紹介し合うのにHuluはめちゃくちゃちょうどいいです。
2週間無料で試聴をすることができるので、みなさんも暇をしている友達とぜひやってみてください。
次回はシモダ、まきの、凸ノが登場!5月3日(火)に公開予定!