人生で初めて心霊スポットに行ってみたところ、「怖い」というよりも「早く帰りたいから、さっさと怖いこと起きてくれ~」という気持ちになった。
この記事は、そんな心霊スポット探訪というものを、「訪問先の選定」から「実際に訪れた先で何が起きるか」、「何を感じるか」などの観点でまとめたものである。
✅心霊スポットに行ってみたい
✅心霊スポットに訪問する動画などをよく見るので、その裏側に興味がある
✅心霊スポットに行きたい気持ちはみじんもないが、行っている人たちはどんな気持ちなのか知りたい
などの人はぜひ最後までお読みいただければ幸いだ。
先にネタバラシをしてしまうと、この記事では特に怖いことは起きない。
怖そうな場所の画像は載るが、そこに何かが映ってるとか、変な声がするとかいったことは一切ないので、ホラーが苦手な人も安心してほしい。(実はこの記事自体がフェイクドキュメンタリーで、何らかの仕込みがある、といったこともない)
↑こんな感じの怖そうな画像は出てくるよ!
こんなことを言うと怖いもの好きな諸兄にはガッカリされそうだが、「怖いものが見れそうだぞ」と期待させておいて何もないのも不誠実だと思うので、やはり最初に宣言しておく。
怖いことが起きないかわりに「心霊スポットに行くとどういう気持ちになるのか」「どんな問題があるのか」を書き残しておくので、参考にしていただければと思う。
心霊スポットに行く予定がある人はもちろん、今後YouTubeなどで心霊スポットに行ってみる系の動画を見る際にも、この記事が補助線の役割を果たせるはずだ。
ちなみに、この記事はYouTube動画にもなっている。
動画の方は少し趣旨の異なる旅行記的なものになっているが、心霊スポットの空気感はより感じやすくなっていると思うので、ぜひ併せてご視聴ください。
フィンランドの心霊スポットに行く!
フィンランドに行くことになった。
詳しい経緯は本記事には関係ないため割愛するが、せっかく飛行機で13時間もかかる国まで行くので、何か趣味にまつわることをやってみることにした。
オカルト、ホラー好きとして以前からやってみたかった「心霊スポット探訪」である。
フィンランドの心霊スポット事情
フィンランドの場所はここ。
フィンランドは自然災害と無縁の国だ。
「フィンランド人の大半は、地震を経験したことがない」と言われるほどである。
そのためか、国内には日本人の感覚では信じられないほどに古い建物がたくさん残っている。13世紀に建てられた城郭や、18世紀に建てられ現役で使われている教会など、挙げていけばキリがない。
そして古い建物ともなれば、幽霊話も付きもの。「Finland haunted place(フィンランド 霊に憑りつかれた場所)」などといったワードでざっとGoogle検索してみただけでも、国内に多くの心霊スポットが存在することがわかった。
まずクリアすべき問題は、どのスポットに行くかということだ。
今回筆者が求めているのは、記事の撮影ができる場所であること。
条件として、
✅合法的に立ち入って撮影ができる
✅他の人が入ってこない(きづらい)クローズドな場所である
✅幽霊の目撃談がある、もしくは幽霊が出そうな”いわく”がある
✅自力で辿り着ける場所にある
などを満たす必要がある。
まったく風土を知らない初めて訪れる国で、自力でそんな場所を見つけるのは難しい。
とりわけ四つ目の「自力で辿り着ける場所にある」が難点となった。ネットで見つかる心霊スポットは、得てしてフィンランドの首都・ヘルシンキから遠い場所にあり、長距離列車で3時間も4時間もかけて辿り着く必要があった。
残念ながらスケジュールの関係で遠征は難しかったため、できるだけ近場で探さなければならなかったのだが、思うように良い場所が見つからない。
困ったときは、詳しい人に聞いてみるしかない。
ということで、ツアーガイドに頼ることにした。
ガイドが教えてくれた心霊スポット
頼れそうなガイドを探してあれこれGoogle検索を繰り返した結果、ヘルシンキ市内で外国人向けにツアーガイドをしているカッリさんという人物とコンタクトを取ることができた。
日本からメールを送り、先述の条件を伝えたところ、とある場所を教えてくれた。
いわく、
カッリさん:街の中央部に「カタヤノッカ・ホテル」っていう場所があるよ。もともと監獄だった建物を使っているホテルなんだ。地下階に古い雑居房があって、幽霊が出るって噂があるんだよ。そこに行ってみたらどうかな?
調べたところ、カタヤノッカ・ホテルとやらは非常に行きやすい場所にあった。
地下の雑居房であれば、立ち入って検証することもできそうだ。条件にも合う。
しかし、「ぜひここで撮影をしたいのでツアーを組んでほしい」と伝えたところ、残念ながらカッリさんとは予定が折り合わなかった。筆者がフィンランドを訪れる数日のあいだ、彼はピンポイントで街を出ているらしい。
カッリさん:とりあえず、行ってみたらいいと思うよ。
そう言われ了承したが、少し不安が残る。言葉がどれほど通じるかもわからない海外で、現地のスタッフと直接、撮影の交渉ができるだろうか……。
とはいえ、カッリさんの親切は身に染みた。ツアーが組めない時点で筆者は彼の客ではなくなったというのに、太っ腹にも撮影にうってつけの心霊スポットを無償で教えてくれたのだ。
こうして、少しの不安は残しつつも訪れるべき心霊スポットは決まった。
『カタヤノッカ・ホテル』の雑居房へ行ってみよう。
ちなみに……



フィンランドへ行く前に、隣国・エストニアの心霊スポットも3つほど同時に訪れてみた。
雰囲気はあったが、まったく何も起きなかったので、当記事では割愛させていただく。
気になる方はぜひ動画の方をご覧いただきたい。
カタヤノッカ・ホテルへ

それから数日後、筆者はフィンランドへやってきた。
写真は首都・ヘルシンキの中心地であるカンピ駅前。この時点で既に22時だが、空はまだ薄ら明るい。
この日はまだ、5月の初旬。フィンランドは、同時期の日本と比べるとずいぶん日が長いのだ。
さすがに心霊スポットに明るい時間に行っても面白くないので、暗くなるまで待ち、宿泊していたホテルを出る。
中心地からトラムに乗って20分ほど。
古いアパートが立ち並ぶ区画に、そのホテルはあった。

正式名称は『ホームホテル・カタヤノッカ(Home Hotel Katajanokka)』
1837年に「ヘルシンキ刑務所(Helsinki County Prison)」としてオープンし、現在の建物は1888年に建設されたものだという。歴史ありすぎ。
2002年に刑務所としての役目を終えると、改装工事を経て2007年から現在のホテルとしての営業を開始したとのこと。意外と最近まで監獄だったのだ。

ホテルの外周をまわってみる。少し写真が暗くてわかりづらいかもしれないが、背の高い壁がぐるりと敷地を囲んでいる。かつては、さぞ堅牢な刑務所だったのだろう。

建物は想像していたより遥かに大きく、全景が掴めない。数百人は収監できたのではないだろうか。

窓には鉄格子がはめられていて、監獄時代の意匠をそのまま残していることがわかる。当時のことを想像してしまい、妙な迫力を感じる。
時間のせいか周囲も含めほとんど人の往来はなく、一人でうろついているとだんだん心細くなってきた。
これ以上、建物の外を見ていても仕方がない。
中に入ってみよう。
看板。反射して文字が変な写りになってしまった。
先述の通り、特に撮影のアポは取れていない。
宿泊客でもない外国人が中に入って、問題の雑居房を撮影できるのだろうか……。
もしここで立ち入り許可がおりなかったら、この記事もここで終わりだ。どうにかして交渉しなければならない。
筆者の拙い英語が通じなかったときにも備えて翻訳アプリも準備し、緊張しながらフロントへ進む。
フロントデスクには、『ビッグバン・セオリー』の主人公・レナードに似た、タンクトップ姿の小柄なお兄さんがいた。
便宜上、ここではレナードと呼ぶことにする。
(筆者)ちょっと聞いてもいいですか? 僕は宿泊客ではないんですが……
どうぞ! 何かな?
にこやかに応じてくれたレナード。悪い感触ではない。
とあるガイドさんから、ここの地下に古い雑居房が残ってるって聞いたんですが……
うん、確かにあるよ!
そこで幽霊が出るって噂も聞いたんですが、本当ですか?
出る……かもね。地下の雑居房でおかしな声が聞こえたっていう話は聞いたことがあるよ。
おお! ちなみに、あなたは何か超常現象を体験したことはありますか?
僕自身は、幸運なことに無いね。まだ勤め始めて1年と少しだからかな。
あなたの同僚から聞いたことは?
同僚からじゃないけど、宿泊客からは「変なことが起きた」って聞いたことはあるよ。シャワーの水がひとりでに流れたり止まったりした、とかね。
なるほど……。そしたら、雑居房に行ってみてもいいですか? しばらくそこに滞在して何が起きるか確かめてみたいんです。
どうぞどうぞ! あの扉の奥に階段があるから、下に降りればすぐに見つけられるよ。上の階には昔の写真も展示してあるから、よかったら行ってみて。あと、ここの歴史をまとめた資料もあるから一枚持って行って。
ありがとうございます!
というわけで、思いのほかノリノリで案内してもらえた。拍子抜けだ。
彼の口から恐怖体験の一つも聞き出せれば最高だったが、残念ながらそれは叶わず。
しかし、建物内を探索する許可を得られたのは僥倖だ。もしかしたら、同じ目的で訪ねてくる人が結構いて、こういった対応には慣れているのかもしれない。

これが、フロントでもらえた資料だ。全部英語か、面倒だな……。内容については後述する。
それでは、雑居房へ行ってみよう。
ホテル内を探索し、古い写真を発見

監獄時代の意匠をそのまま残していると思われる通路を進む。
以前訪れた、北海道の網走監獄を少しだけ思い出した。ただ、施設内はかなり清潔に保たれており、監獄のような嫌な空気は感じない。次回フィンランドに来た際は、ここに泊ってもいいかもしれない。

レナードに言われた通り、上階には監獄時代の写真が展示されていた。





今とは、漂う雰囲気が随分違う。どの写真からも荒んだ空気が立ちのぼってくるかのようで、ここが本当に監獄だったことをあらためて実感させられた。

そしていよいよ、地下の雑居房へと向かう。
階段を下りるごとに、心なしか空気が冷えてきたような気がする。

地下階はレストランがあるようだが、深夜のためか営業しておらず、フロア全体に人っ子一人いない。
そういえば、この建物に入ってからまだレナード以外の人を見ていないことに気付く。外周を見た限りでは、かなり広い建物のはずだ。それなのに、こうも人の気配がないと、やはり少し心細さを感じてしまう。
そして……

問題の雑居房はすぐに見つかった。
入り口横のプレートには「Group cell 19th century(19世紀の雑居房)」の文字が。
ここまで見てきた清潔でモダンなホテルの内装と、明らかに趣の異なる空間が奥に広がっているようだ。
さっそく、中に入ってみよう。
雑居房にてゴーストハント

……何これ?
入ってすぐの光景が、これである。
見ての通り、床は岩盤が剥き出しになっていて、部屋というよりは洞窟のようだ。
天井も極端に低い。フィンランド人男性の平均身長が180センチを超えていることを考えると、彼らにとってはかなり手狭な空間なはずだ。

右を向いてみると、まだ奥がある。
写真では逆光でほとんど真っ暗にしか見えないが、ダクトが伸びる奥にはまだ空間が続いているようだ。
室内はセントラルヒーティングが効いているようで、ひどく暑い。
奥へ進む前に、まずはフロントでもらった資料を確認してみることにした。
A4用紙の表裏にまたがる長い資料のため、気になった箇所だけをいくつか紹介する。
✅1837年に刑務所が開業する以前も、1749年から「Crown Prison」という別の監獄だった。
✅大戦中は空爆により建物が破壊され、死者も出た。
✅著名な作家や詩人も収監されていたことがあり、獄中から新作を発表していた。
✅戦後は戦争犯罪者として政治家が多数収監された。
✅戦後~現代では刑務所というより拘置所として使われていた。
残念ながら、幽霊にまつわる記述はなかった。
気になるのは最後の「拘置所だった」という点だ。つまり、裁判を待つ被疑者や被告人が、一時的に身柄を拘束される場所だったということだ。となると、この場所で亡くなった人はほとんどいないのではないか?
だとしたらなぜ、幽霊が出る場所として扱われているのだろう。
もちろん歴史の長さを鑑みれば過去に人死にはあったのだろうが、どちらかと言えば「監獄」というイメージに引っ張られて心霊スポット扱いをされているような印象を受ける。
ちなみに、事前にネットで調べた限りでは、下記のような噂もあるようだ。
✅かつて収監されていたラヴィーニアという女性が、監獄内で自ら命を絶った。それ以来、彼女の姿や囁き声が見聞きされている。
✅部屋のドアノブが、深夜にガチャガチャされる。
✅写真を撮ると、古めかしい服を着た女性が写り込むことがある。
いずれも真偽は不明である。
ただ、幽霊=女性というイメージは日本とフィンランドで共通しているようで興味深い。
それでは、最奥まで行ってみよう。

この日のために購入したGoProを片手に、奥へと進む。

途中、建具が打ち捨てられているのが見えた。特に気になるものは無いので、そのまま奥へ奥へ進んでいく。

天井がどんどん低くなり、ほとんど這いつくばるようにして奥へと進む。真っ暗で、どれほど奥行きがあるのかわからない。バイオハザード7に出てきそうな景色にしり込みしそうになるが、とりあえず進む。

暗闇の中を進む。足元はゴミだらけだ。肝試しに来た人が、捨てていったのかもしれない。マナーが悪い。

少し進むと、すぐに行き止まりにたどり着いた。そんなに広くはないようだ。ごみが捨ててあるばかりで、特に目立つものはない。

入り口を振り返ってみる。なんとなく、距離感が伝わるだろうか。

簡易的な図にすると、こんな感じ。
今いる奥の空間が一番「出そう」なので、ここにしばらく滞在してみることにする。
よく見る心霊スポット探訪系YouTubeでは、この手の一人検証はだいたい30分を基本としている印象があるので、筆者も30分ここで過ごしてみようと思う。
以下が、その記録だ。
~5分

さすがに暗すぎて何も見えないので、スマホのライトを付けて動画を回してみる。
室内は荒れ果てており、とてもここで複数の囚人が寝起きしていたとは思えない。解体工事を途中でやめてしまったような印象も受ける。

GoProを設置して、引きの画も撮影しておく。あとでわかったのだが、思いのほか光源がなく、ほとんど闇しか撮れていなかった。暗視カメラを用意するべきだったようだ。
そして、とにかく空気が悪い。
カメラに映り込むほどに埃が舞っており、せき込みそうになる。呼吸を浅くして耐えるほかなさそうだ。

スマホのライトで周囲を照らしながら、耳を澄ましてみる。
特に、変な気配を感じたり、音がしたりということはない。
仮に何かが起こった場合、部屋から出るには狭い通路を這いつくばって戻らなければならない。何かあっても咄嗟に逃げられない、というのは少し怖い。
そのまま、待機を続ける。
~10分

引き続き何も起きない。
試しに写真を撮ってみることにした。
肉眼で見えない何かが、写真には写るかもしれない。フラッシュをONにして、スマホで何枚か撮影してみる。


うーん……。何もおかしなものは写っていないようだ。

真っ暗な状態で、フラッシュが焚かれる一瞬だけ明るくなるのは少し怖かった。その一瞬で何かが見えたらどうしよう、という心理が働く。
~15分
飽きてきた。
あまりに何も起きないこともあり「もう帰るか……」と邪念が湧き始めたが、最初に30分と決めたのでもう少し粘ることにする。
今度は、フラッシュを焚いて自撮りをしてみる。

フラッシュの眩しさにビビって変な顔になってしまった。

お、後ろに何か映っている……? すわ怪異か!と思い明度調整をしてみると……

ホコリでした。
※赤い点はGoPro。
~25分
空気が悪い。
屈んでいるせいか、腰が痛くなってきた。

この窓の向こうから、犬の鳴き声がした。「怪異か!?」と思ったが、多分犬だ。フィンランドはなぜか犬を飼っている人が多い。

また気まぐれに動画を回してみるが、何も起きない。漂っているのはオーブではなくホコリである。
「これ、いわゆる”撮れ高”はあるのか?」とだんだん不安になってきた。
~30分
何も起きなかった。
せめて変な物音の一つも収録したかったが、本当に何も起きなかった。
気持ちはもう少し粘りたいところだが、これ以上は腰が限界だ。
煮え切らない気持ちで、雑居房を後にした。
後日

帰国後に、PCの画面上で撮影した動画を見返してみた。
音量をマックスにして、わずかな異音も異変も見逃すまいと隅々までチェックする。
正直、この時間はちょっと怖かった。
もしかしたら現地で気付いていなかっただけで、恐ろしい何かが自分の背後に忍び寄っていたかもしれない。
そう思いながら映像を見ていると、独特の緊張を感じる。
しかし、何度見ても、映像には何も映っていなかった。
心霊スポット突撃をしてみてわかったこと
というわけで、初の心霊スポット突撃は、不完全燃焼のまま終わってしまった。
しかしこの経験を通しての学びも多かったため、最後にそれらを書き残して記事の締めとさせていただく。

まずはこれ。
正直、最初こそ暗さに恐怖を感じたが、それ以降は「空気が悪い」「腰が痛い」に思考の大部分を持っていかれて、怖がるどころではなかった。
さらにだんだんと、何も起きない現状に「焦り」を覚えるようになる。
あれこれ手を広げて撮影場所を探し、GoProまで購入してやってきたのに、撮影できた超常現象がゼロとなるとかなり厳しい。
これが心霊系YouTuberの動画だったら、間違いなくお蔵入りになるだろう。
そうなると、
「せっかくここまで来たんだから何か起きろ!」
「何か一つでも起きれば帰れる!」
という二つの感情のために、普段なら絶対見たくないはずの怪奇現象を”待ち望む”心理状態になる。

これは単純に、空気が悪すぎるからだ。
使い捨てマスクの一枚くらい持っていくべきだったと、30分のうちに何度も後悔する羽目になった。
思えば心霊系YouTuberの「オウマガトキFILM」のメンバーは常にマスクをしているが、あれは廃墟探索においては理にかなっている。
逆に同じくYouTuberの「ゾゾゾ」のメンバーはマスクをしている印象がない。落合さんの肺が心配だ。

あんまり恐怖を感じなかったかのようなことばかり言ってきたが、明確に「怖いな」と感じる場面は確かにあった。
具体的に言えば、フラッシュを焚いて写真を撮った瞬間と、後日に動画のチェックをしている時間だ。
ただ心霊スポットに行くだけではなく、その模様を記録してホラーコンテンツを作ろうと思ったら、上記のように撮影者自身が「怖い」と感じる場面を増やしていく必要があるのだろう。
具体的には、今回で言えば
✅せっかく「ラヴィーニアという女性の霊が出る」という前情報があったのだから、名前を呼んでみる
✅ウィジャボード(こっくりさんの欧米版)を持ち込んで、幽霊との対話を試みる
✅幽霊の声を聞ける(とされている)スピリットボックスを持ち込む
などを行い、わかりやすい山場を増やしていくのが良かったのかもしれない。
いずれにせよ、最初にその心霊スポットの”いわれ”をもとに、「こういう画を撮りたい」「これを見せたい」と決めたうえで撮影に臨むべきだったと思う。
場合によっては、リアクションを大きくすることで「何かが起きている」と思わせるという演技力も求められるかもしれない。
それを「ヤラセ」と呼ぶか「演出」と呼ぶかは作り手側の巧拙と、観る側の判断に委ねられるのだろう……。
というわけで、最後は「どうせならオバケが見たい!」という方のために、オバケのフリー素材をそっと置いてお別れです。

最後までお読みいただきありがとうございました。
(おわり)
動画版
本が出ました! よろしくお願いします。

加味條
ヨッピー
ZAWA
JUNERAY
めいと
インターネット性善説ドラゴン
オモコロ編集部
岡田悠
たかや

雨穴







