むかしむかしのギリシアに
評判の料理人テセウスがいました。
テセウス
彼が作る名物料理は、オリンポスの神々も一目置くと言われていました。
その名物料理は「チゲ」。
チゲ
チゲは、ギリシア世界の様々な食材が使われた辛いスープですが、テセウスのチゲには秘密がありました。
テセウスはチゲを作るたび使う食材を変えたのです
アテネの人たちは、幸せそうにテセウスのチゲを語ります。
「おととい、私が食べたチゲは、ネギの代わりにニラが入っていたわ」
「昨日、俺が食べたチゲには、タラの代わりにバラ肉が入っていた」
𝑮𝒍𝒂𝒎𝒐𝒓𝒐𝒖𝒔...
あるとき、
一人の哲学者がテセウスにたずねました
チゲの豆腐やニラ、食材をひとつひとつ別の食材に換えていき、ついには全ての食材が置き換えられたとき、それはチゲと言えるのだろうか?
テセウスには、「それはチゲだ」と言える自信がありました。
まず、テセウスは材料の豆腐をアサリに変えました。
これにはアテネの美食家たちも大喜び。
「これはチゲだ、これこそがチゲだ」口々に言いました。
𝑭𝒂𝒃𝒖𝒍𝒐𝒖𝒔...
気分を良くしたテセウスは次に、ニラを麺に変えました。
街を守るギリシア兵たちは大喜び。これを従える百人隊長が言いました。
「これはチゲだ、στρατόςチゲだ」
哲学者は黙っていましたが、テセウスは言いました。
𝑴𝒂𝒈𝒏𝒊𝒇𝒊𝒄𝒆𝒏𝒕...
「辛いスープも変えてしまいましょう」
テセウスは料理を出しながら言いました
「これはチゲです」
しかし、哲学者はこう返します
「これはチゲではない」
テセウスは反論しました。
「なぜです、変わらずにんにくもアサリも麺も使っているではないですか!
変わったのは辛いスープだけだ!」
「アテネの人たちはどうか?」
哲学者は周りを見回しました。
美食家たちは首を振り、百人隊は守りを固めました。
No machine-readable author provided. MatthiasKabel assumed (based on copyright claims)., Scutum 1, CC BY-SA 3.0No machine-readable author provided.
誰一人としてテセウスのチゲをチゲと認める者はなく、失意の中テセウスはひっそりと息を引き取りました。
テセウスが最後に遺した言葉は小さな碑に刻まれています。
Ακόμα, το jjigae είναι jjigae
それでもチゲはチゲだ
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舞台はアメリカ・アイダホ!
西部開拓時代!
ボンゴレ野郎テセウスの遠い子孫!
彼の遺志を継ぐ料理人がここに!
今度のテセウスが作っているのは、な、な、な、なんと〜!!!?
な〜〜〜〜に〜〜〜〜〜!!?
クラムチャウダー!!?
それとも?
フィッシュ&チップス!!?
「NO!!!」
This is …
チゲ!
そして、舞台は再びギリシアへ・・・
遺志は
時代を超えて
受け継がれる・・・!
見てね〜〜!!!