2023年3月某日……

 

ストーム叉焼ってマジック:ザ・ギャザリング(以下MTG)やってるよね。MTGで『一番好きなカード』ってある?

 

え?急に言われると難しいですね……「アレ」かなって候補はありますけど、全然レアなカードとかじゃないですよ?

まさにそういうの! 高いカードじゃないけど、これすっごく好き!ってカードあるでしょ?

そうですねぇ……強さとか値段とか関係なしの「好き」ですね、そのカード。

 

いいじゃん!でさ、一緒にそのカードをPSAに出してみない?

 

PSA鑑定ですか!?あれって希少で高いカード出すんじゃ……

そういうの一旦置いといてのやつ!自分の好きなカードを大事にする為に保護ケースに入れて貰おう!って感じで!

……なる程、ちょっといいかもしれませんね。自分だけの大切なカードって感じで

よしやろう!バーグの中でも声かけて、PSAやってみたい人探すから、皆で一緒に鑑定してもらおう!

 

やるからには出したいですよね、PSA10。

よっしゃー!PSA10目指すぞ!

 

……みたいなやりとりが実際にはチャット上で行われた為、今日は自分の好きなカードを携え、PSA鑑定に挑む男達が集いました。

 

 

〜登場人物紹介〜

ストーム叉焼……筆者。プレイしているのは主にMTG。統率者戦というルールのデッキを組み始めた結果、金銭の痛覚が鈍り始めた。

みくのしん……プレイしているのは主にポケモンカード。パック開封が大好きだが、近年の過熱したブームで全くパックが買えず、未だに「回収ネット」が入ってるデッキを崩せずにいる。

長島……当メディア運営会社バーグハンバーグバーグ社長。実はスポーツ系トレーディングカードのコレクター。ブロスで紹介記事を書いていた事も。(https://omocoro.jp/bros/kiji/280391/

ここまで当然のようにカードの鑑定サービスである「PSA」という名前を使っていましたが、そもそも鑑定サービスとは何か、PSAとは、の説明から入りましょう。

 

PSA鑑定とは?

世の中には価値の高いカードが沢山あります。遊戯王カードのようなカードゲームもですし、スポーツ選手のトレカなどもそうです。

 

そしてカードが印刷物である以上、黎明期から現在に至るまで付きまとうのが「偽カード」です。高価なもので数十万、下手すりゃ数百万、数千万なんてカードがある世界。悪い人が悪い事を考えるのも当然です。

 


(偽造防止として様々なトレカで採用されているホログラムシール)

勿論現代のカードには偽造対策も施されていますが、それでも素人目には区別の付きづらい偽造カードが出回るのは避けられません。

大金叩いて手に入れたカードが偽造カードだった……なんて目も当てられませんし、「流通しているカードが偽造かもしれない」という状況では市場自体が萎縮してしまいます。

 

(以下PSA公式サイトより引用)

そこで「ウチが鑑定して本物か確かめます!」というカード鑑定会社が存在している訳です。そしてPSA(Professional Sports Authenticator)はその中で一番有名な鑑定会社です。

また、同時に「このカードがどれくらい綺麗か判別します!」という「グレーディング」サービスも行っています。いくら本物とはいえ、角が折れていたりするカードと傷ひとつないカードには当然価値の違いが生じますからね。

 

(同上)

 

PSAではカードのグレードを1~10でランク分けし、一番完璧な美品に「Gem Mint」と呼ばれる「10」を与えます。

パックをバリッと開けて、そこから出た新品ピッカピカのカードが10……

 

とはなりません。

PSAのグレーディングは、流通後に生じた傷や凹み等だけではなく、印刷時に生じたであろう傷や印刷ズレなど、「そもそも綺麗に作られたカードか」まできっちり鑑定し、「このカードは美品です」という判定を与えます。場合によってはパックから出た直後のカードが「8.5」とか鑑定される事もあるんですね。

だからこそ「PSAでグレーディング10」と判断されると、「これは本物」「これは美品」という客観的なお墨付きが貰え、そのカードの価値と愛着を高めます。

パックから出ている時点でほぼ100%本物なのは確定なのですが、グレーディングとなると最早エンドユーザー側からしたらどうしようもない「印刷の質」まで関わるからこそ、PSA鑑定で最高評価の「Gem Mint 10」が与えられた時の喜びもひとしおです。

新品なのにそんなクオリティに差が出る事ないだろって?いや……あるんですよ……アメリカ印刷のコレクターブースターとかさ……

 

そしてもう一つの大事な点が、「カードを保護ケースに入れてくれる」というもの。PSAで鑑定して貰ったカードは、鑑定結果と紐付けられ、専用のケースに入れた状態で返送されます。このケースは超音波溶接なる技術で完全に密封されていて、すり替え防止と同時にカードを傷や湿気から防護します。

やむを得ない事情でケースからカードを取り出す場合、金槌なりペンチなりで叩き割り、物理的に不可逆な破壊をする必要がある程堅牢なので、真贋チェック以外にも愛するカードを保護したいが為にPSA鑑定を行う場合もあります。

まとめると「『PSA』というカードの真贋鑑定と綺麗さを測定してくれる会社があるよ!」というお話。PSAの鑑定は商品価値を高める為に行われたりもするのですが、今回は単にそれぞれお気に入りのカードをPSA鑑定してもらおう!という回です。なんか貴重なカードが目白押しとかそういう回ではないのでご了承下さい。

 

話が長くなりましたが、やるぞ!

 

ストーム叉焼・MTG

ではまずは俺から。俺が選んだのはMTGからです。

鑑定するからにはちょっと見栄えのするカードの方がいいかなと思って一応こういうカードも持ってきたんですが……

 

《戦慄衆の将軍、リリアナ/Liliana, Dreadhorde General》の日本語イラスト版です。

 

あ、なんかこの人のイラスト見たことあるかも!

これはMTGでも屈指の人気キャラクターのリリアナ・ヴェスのカードで、そのイラストを天野喜孝先生が手掛けたバージョンです。ファイナルファンタジーのイラストの人、と言えばわかりやすいですかね?

高校生の頃、友達と原画展行った事ある!カッコいいよな〜!

通常のイラストと区別する為に「天野リリアナ」なんて呼ばれます

 

人気キャラ×人気イラストレーターという事もあり人気も高騰して、初期版のフォイル版なんかは5~60万円とかするらしいです。これは光ってないので1万円とちょっと位ですが……

そんでも結構するな……

 

手持ちのシングルカードだとこれが一番高額なんですが……でも、やっぱり鑑定出すなら値段とかじゃなく本当に好きなカードを出したいと思います!

 

で、本命のカードはこっちです

 

《最後の言葉/Last Word》というカード。MTGには「打ち消し」という相手が使ったカードを無効化する呪文(魔法)があるのですが、《最後の言葉》は「究極の打ち消し呪文」

究極?

 


言い忘れてましたが、今日の記事はオタクがろくろ捏ねてる画像が無限に登場します

この呪文は対象のカードを「打ち消し」、そして「この呪文は打ち消されない」と書かれています。(現行オラクル基準。当時の記載はちょっと違います)。つまり《最後の言葉》を無効化する手段はごく限られているので、相手の呪文を「ほぼ絶対に打ち消す打ち消し呪文」です。

じゃあめっちゃ強いカードって事?

いや、全然そんな事はないです。今となっては上位互換なカードもあります。

でも、俺が好きなのはこのカードのフレーバーです。「Last Word」は「遺言」とも取れますが「トドメの一言」という意味もあります。

このカードが強いのって「自分が勝ってる時」なんですよ

 

カードゲームで敗北目前という盤面、最後の1ターン。

 

引いたのは勝負を振り出しに出来る、あるいは勝利出来る逆転の一手。カードゲームの醍醐味ですね。

漫画の主人公がやるみたいな奴ね!

 

それを「打ち消し」して無効化するのがこのカード。《最後の言葉》相手の一番大事なカードを潰すのが一番得意なんです。まさに「トドメの一言」。このカードが輝く瞬間とカード名が噛み合ったこのフレーバーが大好きなんです。

 

そして、何よりも「フレーバーテキスト」がいいんです。フレーバーテキストとは「カードの効果には影響を与えない文章」です。

ラストワードのフレーバーテキスト、日本語版はこれです。

 

「いつか、誰かが私を打ち負かすだろう。 だがそれは今日ではないし、お前にでもない。」

 

……効果とも噛み合ったこのフレーバーテキスト。MTGにおける「最高のフレーバーテキストは?」という問いにこれを挙げる人は多いですし、俺もその一人です。カードとしての価値はたいした事ないですし、このカードが出た時俺はMTGをプレイしてすらいませんでしたが、一番好きなカードは?と聞かれたら、俺はこの《最後の言葉》を選びます。

 

……すみません、1人でずっと喋っちゃってました

大丈夫。好きなんだなっていうのが伝わったから。

イラストとかじゃなくて、「意味」が好きなカードって事なんだ。

 

値段的には数十円のカードなので複数枚用意してきました。PSAに出すんだから少しでも綺麗なやつを出したいので……

 

どれが一番綺麗かな……

鑑定出す前に自分で鑑定しちゃってんじゃん

 

みくのしん・ポケモンカード

次は僕で!決めきれなかったからバインダーごと持ってきました!

あ!ちょっと待って!

え、なんですか?

 

これ写しちゃって大丈夫かな?!

だめなの!?

ディズニーもそこまで厳しくはない。

 

よいしょよいしょ……

 

じゃん!どうどうどう〜〜〜!?

ドラゴンボールのバインダーじゃん

ここまで全部違う

 

こういうバインダーにコレクションする時って、色で揃えたり発売順で揃えたりすると思うんですけど、僕はもうお気に入りになった順番に入れてってるんですよ!

見事にバラバラだ

 

ちなみになんだけど、これに入ってるカードって結構高いものなんですか?

いえ!市場価値的にはそこまでです! ちょっと値段するのもあるけど、いわゆる帽子リーリエみたいなカードはないですね!

帽子リーリエ……ポケモンカード拡張パック「コレクション ムーン」に封入されていた「リーリエ」のSR版の通称。高いカードの代表格として名前がよく挙がる。イラストの帽子から。ポケカは人気キャラのSR版が桁違いの値段に高騰しがちで、リーリエはキャラ人気、値段共にその代表格。

本当に好きなカードを詰め込んだファイルだ。

 

まずはこのホーホーかなー!

わー!いーなーこのホーホー!

この修行してる感じとすげー高いところで「大丈夫か!?」というのもあるけど、なんだか涼しそうで景色もめっちゃいいだろうなぁ〜!ここでおにぎりと水筒に入ってる麦茶飲んだら美味いだろうなぁ〜!って思って好きなんですよね!

 

ポケカって「ポケモンって人との関わり」を描いてる事もあって、見てると「ポケモンのいる世界」を感じるのがめちゃめちゃいいんだよね……

 

ちなみに長島さんはポケモンってどれくらいわかりますか?

全然わかんない。あ、ピカチュウ位ならわかる。

 

ピカチュウのカードは結構ありますよー!高価なカードって訳ではないですけど……

 

うわ!このピカチュウ懐かし!

これは昔のカードの復刻版です!この頃のピカチュウ丸くてかわいいよな〜〜!なんか背景が紫の神秘的な感じもめちゃめちゃいいよな〜!

昔の裏面のポケカ弟とやってたなぁ……1つのスターターデッキ2つに分けて……

旧裏面……ポケモンカードゲームは2001年頃にカード裏面のデザインが変更されている為、それ以前と以降のカードを混ぜて遊ぶ事は(基本的に)出来ない。2001年までの古い裏面の事を「旧裏面」と呼ぶ事もある。20年以上前の話なので現役で遊んだ人は少ないかもしれない。は?20年前?気絶しそう。

 

一応「このカードを出したい!」って候補はある程度絞ってきてて……

 

まずはこのカード!このブーバー大好きなんだよなー!カンダシンジ先生のイラストがたまらないんだよ!

お気に入りのイラストレーターさんとかあるんだ?

ポケカって色んなイラストレーターさんのタッチでポケモンが描かれてて、そこも好きなんですよ!『ちいかわ』ナガノ先生も自分のタッチでポケモン描かれてたり!オモコロでも活動しているキューライスさんのイーブイも!

ゲーム本編の統一された感じとも違う、多種多様な感じもポケカの魅力ですね。

 

次は闘エネルギー!

でた!

○○エネルギー……ポケモンカードゲームにおいてポケモンの「わざ」を使う為のカード。闘エネルギーはゲームでいうかくとう、じめん、いわタイプ。

 

カードゲームに「グー」のカードなんてあるんだ!ってずっと好きなカードなんだよね!こんなのPSAのホルダーに入れたらすっごく力強いでしょ?

いいね!誰もやってないかもねそんな事!

 

最後はこのパラセクト!まずポケモンとしてのパラセクトが大好きで!こんな笑顔っぽいのに下の虫は死んじゃってるんですよ!すごくない!?

ポケカって1つの弾に全部のポケモンが入ってる訳じゃないんですけど、僕が始めた弾にパラセクトが入ってたのすっごく印象に残ってて。そしてこのフォイル加工もすっごく綺麗!

 

フォイル……カードが光る加工の事。いわゆるキラカードの事。

 

うーん……鑑定に出すのどれにしよう……ちょっと決めきれない!後でもう一回考えさせて!

 

PSAは鑑定料もそこそこする為、今回は1人1枚厳守というルールでやらせて頂きます。

 

長島・スポーツトレカ

今回僕が持ってきたのは野球NBA全米バスケットボール協会のトレーディングカード。ちょっと絞りきれなくていっぱい持ってきてしまったんだけど……

我々が持ってきたのは「TCG(トレーディングカードゲーム)」ですけど、長島さんは「TC」って事ですね

 

まずはこれ、松井秀喜選手のカード。僕はどこの球団を贔屓していたかというと「松井秀喜選手の居るチーム」。だから松井選手が日本にいた時は巨人のファンだったし、ヤンキースにいる時はヤンキースのファン

松井秀喜……1993年~2012年、国内外で活躍したプロ野球選手。当時は野球を知らない人でもその名前位は知っている程の人気があった。愛称は「ゴジラ」

 

そんな松井選手のルーキーカードを持ってきました。ルーキーカードっていうのはデビューした年に発売されたカードで、ファンの間で一番価値があるとされてるのがこれ。こっちが日本(NPB)でデビューした時のルーキーカード。

松井わけー!

 

そしてこっちがアメリカ(MLB)のルーキーカード。

日本版と比べて鳴り物入りですね。『GODZILLA』って二つ名入り。

 

……そういえば、ルーキーカードって「デビューした年」のカードなんですよね?新人のカードってその後活躍するかってわからなくないですか?

 

そこなのよ!例えばこれは個人的に好きなバスケットボール選手のルーキーカードなんだけど……

 

え?!もうPSA鑑定されてるじゃん!!

これは鑑定されたものを買ったヤツね!で、この選手はデビュー時点で相当期待されてたんだけど、実際の活躍はあんまりだった。結果、このカードもあまり人気はない。僕は好きな選手なんだけどね……

 

ルーキーカードの価値は選手の活躍次第だから、発売された時点ではまだわからない、って事なんですね

成績は微妙だけど顔がかっこいいから人気、みたいなのはない?

ない。スポーツ選手のかっこよさってパフォーマンスの高さだから。

パックから引いた時点ではまだ価値がわからないって面白いですね。TCGは発売しばらくで概ね評価が定まってて、何年も後になって急激に価値が上がるってあんまりないですから(あるにはあります。《金粉のドレイク/Gilded Drake》とか)

正解は一年後、どころか十年後の可能性まであるんだ……

 

次はNBAのカード。

まずはカーメロ・アンソニーって選手のシリアル付き直筆サイン&ジャージ入りルーキーカード。

これって312/750って事は、750枚しか刷られてないって事ですか?

そういう事!ポケカやマジックだとそういうのない?

ポケカは僕ちょっとわからんすね……

MTGはこの前の兄弟戦争というパックでシリアルナンバー入りのカードが刷られましたけど、そこまで盛り上がった感じはありませんでしたね

(この時点でのストーム叉焼は、後に『MTG×指輪物語』のコラボが発表され、とんでもないカードが出る事をまだ知らない)

 

ちなみにこれ、サインはプリントですか?

いや、全部手書き。

このカードだったら750枚分?!凄いな……

 


この記事通して人のカードに触れないように努めるみくのしん

これユニフォーム入ってる分重さ違う?サーチしようとしたら簡単じゃないですか?

サーチ……パックを開ける事なく中身のレア封入を特定する行為の事

パック触れば分かるから、基本的にこういうカードはショーケースの中に入ってて店員さんに取って貰う形式で売ってるね。まあ、箱ごと買うのが確実だけど。

 

昔の遊戯王カードとかデュエマとかは手で触れる位置で陳列されてたから、小学生はよくサーチしてましたね。後ろの糊付け部分ペラっとめくって、バーコードと絵の位置が他のとズレてたらレア入りとか。

(レアカード入りのパックは別のロットで作られてるのでは?という推測から生まれた風説)


こんなかんじ

 

ストチャーの所そんなんだった?僕らは「レアカードは滑りが違うから!」って指でパックをシャカシャカ!ってサーチしてた同級生はいました

(パックがくちゃくちゃになるのでやめましょう。でも当時結構やってる子供はいた)

うわ懐かし!


こんなかんじ。お店のでやるのはやめよう

万引き防止でレジでの引き換え方式が増えた今、可愛い子供のおまじないみたいな「サーチ」にはノスタルジーを感じますね。ただ最近のサーチはデジタルはかりや金属探知機を利用した身も蓋も無いヤツが主流です。フリマサイトでパックを購入する際は色々覚悟しましょう。

 

次はこのケビン・ガーネット選手のカード。シリアル&ジャージ入り。

シリアルナンバーで人気の番号は3つあるんですよ。一番最初、一番最後、そして背番号と同じ番号。これは背番号と同じシリアルナンバー入りのカードなんですよ。

うわ熱っつ!

スポーツ選手のカード界隈は知らないですけど、背番号と同じナンバーのカードがヤバい事はわかります!

これもユニフォーム入りのカード……ユニフォームの位置によって価値が違ったりします?

例えばブランドロゴがかかってる部分だと価値があるとされるね。

それからユニフォームって一色じゃないでしょ?この部位は青でここは白、みたいなのがあるから、僕はお気入りの選手は2色分揃えて持ってたりする。

 

……これ、もしかするとスポーツのトレカってPSAで結構有利なんじゃないですか?

ん?どういう事?

PSA鑑定って「カードの綺麗さ」の鑑定じゃないですか。傷がないとか印刷の綺麗さとか。ユニフォームの布とか手書きのサインとか、一つ一つバラバラなのが当たり前だから高評価出やすいんじゃないですか?

ああ、他のカードより評価基準が少なくて減点要素が減るって事ですね

 

それがね、サインによって変わるらしいのよ。あんまり形が綺麗じゃないと減点されるという噂も。

え?!そんなの選手の手元が狂ったらアウトって事!?

実際、過去にはあまりにもサインが適当過ぎて問題になった選手も居た。それは報酬未払いがあって……って話らしいけど

他ならぬ選手自身の手によってカードの評価が変動し得るのか……すげぇ世界だ……

 

……あの、ところでこれらのカード、話聞いてるとかなり希少そうなんですけど、市場価格で5万円超えてたりしないですか……?

 

PSA鑑定は輸送・鑑定時の保険の兼ね合いから、カードの相場によって鑑定料が違います。

今回は一番下のグレードである1円~50000円のカードを持ち合いましょう、という打ち合わせをしていました。

 

『ベケット』って雑誌見て確認はしてあります。一枚だけギリギリだったと思うけど、他は100ドルとかだから問題ないはず。

え?カードの相場が乗ってる本があるんですか?

 

そう。このカードは最低何ドル、最高何ドルみたいな感じで載ってる本が発行されてるの。

 

バック・トゥ・ザ・フューチャーのビフが持ってたスポーツ年鑑?

 

チャットで相場価格の事を「ベケ値」って言ってたから何の専門用語?と思ってたんですが、ベケットに載ってる値段って意味だったのか。このカードの相場はこれ!って発表してる機関があるってすごいな……(ポケカやMTG等はカードショップやフリマサイトの相場で申請します)

 

鑑定に出そう!

全員のカードが出揃ったところで、いよいよPSA鑑定に送り出す為の作業に移ります!

PSAの鑑定はアメリカで行われますが、我々がカードを送るのはPSA日本支部です。アメリカへの送付は日本支部で一旦集積し、引き受けてくれる訳ですね。

※注意※

この記事の撮影は2023年3月に行われたものです。2023年の7月より、申請作業が一部簡略化されている為、今ではやらなくていい作業が含まれております。

「記事書くのサボって先延ばしにしてるからこんな事になるんだぞ」と思われるかもしれませんが、どうしようもない事情があることが後ほどわかりますので一旦飲み込んで下さい。

また、2023年3月提出の今回では問題は生じておりませんが、当記事は現在のガイドラインに則っていない部分もありますし今後もガイドラインが変更される可能性がありますので、もし今後PSAに鑑定を依頼する場合はご自身で公式サイトの送付方法を確認し、その他己の信ずる情報を信じて作業を行ってください。

 

まず、鑑定に出すカードの名称やパックの情報などを、専用の書類に記入していきます。

自分の分は自分で書こう!

書き損じたら全員分書き直しですからね!

こえー!

※いきなりこの作業が不要になりました。現在ではオンライン申し込みが可能で、その際にWEB上で書類作成を行い、印刷する事が可能なようです。

 

鑑定に出すカードを透明なスリーブに入れ……

※今回筆者は普段使っている横入れのインナースリーブを用意しましたが、現在のガイドラインでは『二重スリーブ、ジャストフィット(ピッタリサイズ)のスリーブ、ハードタイプ(デッキシールド等)のスリーブ、横入れタイプ、カラースリーブ・キャラスリーブ、OPP袋(テープ付きスリーブ)、上下逆さまの向きでカードをスリーブに入れる、などの提出方法は不可』『縦入れタイプで両面透明のスリーブ』との記載がありますので、これに従って提出してください。本当に不安であればPSA用として売られているものを使うといいかもしれません。PSA用を謳っていても特に公式商品という訳ではなさそうですが……

 

「カードセイバーⅠ」という専用のカードローダーに入れます。(これは公式に指定されたものです)

また、フリマサイト等でカードの売買をする際、スリーブに付箋を貼り付けてローダーから取り出しやすくする配慮が行われる事がありますが、PSAに提出する際はやらないようにして下さい。

 

続いてそのカードローダーにラベルを貼り、

 

申請用紙の番号と用紙の何番目に記載したカードかを記入していきます。

※この作業も不要です。ラベルは貼らなくてもよくなりました。ただし、カード送付の際、先に作成した書類に記載の順番にカードを並べないと5%の手数料を取られます。

 

うわ……どうしよう。やっぱり鑑定に出すのこっちにしようかな……

え!?今から!?

決断するなら早めにお願いします!全員書き直しになるんで!

ウソウソ!でもそれ位悩んでるんだって!まぁ本気で出したくなったら後で個人的に出します!

 

いよいよ梱包作業に入ります。

 

カードローダーに当て紙として適当なサイズに切ったダンボールを添え、

輪ゴムで固定。

 

その後は気泡緩衝材やらクッション材やらと一緒に箱詰め。

 

ハートのクッション材で俺達の想いも込めましょう

 

決まった方法はありませんが、とにかく「カードが動かない」「箱に衝撃が加わっても傷つかない」ように梱包しましょう。

 

緩衝材の紙で箱を埋めて……

 

そしてダンボールをガムテで封印。

……あ!!!!

どうした!?

 

すみません……書類入れ忘れました……

こういう凡ミスには気をつけて。

 

ちゃんと書類を入れて(こういう事故防止の為にチェックシートもあるので活用しましょう)

 

 

後はPSA日本支部指定の住所に郵送します。

※現時点では全てのプランにおいて期間を設けず随時受け付けとなっていますが、撮影時は募集期間が定められており、それ以外の期間に送付しても鑑定して貰えませんでした。鑑定依頼数の増加により、今後再び同様の制限がかかる可能性もありますので、鑑定に出す際は公式サイトを確認して下さい。

 

無事に発送が出来ればまず日本支部からメールが届き、その後不備が見つからなければ鑑定完了後にPayPalでの支払い請求が届きます。これに入金が完了し次第、鑑定されてケースに封印されたカードが帰ってきます。

※この請求書にカードのグレーディングが記載されているので、開封するその瞬間まで鑑定結果を知りたくない方はご注意下さい。

 

>>そして……<<