こんにちは。終わっている部屋から失礼します。

ディック・パウンドさん。ハルマゲドンはここで起きてましたよ。

 

 

今年の夏もアレがありませんでしたね。

 

 

アレの事ですよ!

 

 

コミケがなかったんですよ!!!

 

 

 

 

コミックマーケット(以下コミケ)とは東京ビックサイトで催される日本最大の同人即売会。

夏と冬に開催され、日本全国、世界からもオタクが集結します。前回開催時は累計参加者数が73万人を超える程の盛り上がりなので、同人に興味がなくてもその存在は知っている人が多いと思います。

 

 

「同人」とは?という話をすると大論争間違いなしになってしまうので超簡単な説明で許して欲しいのですが、現在の主流は「商業の流通に乗せない作成物、及びその作成をする事」というニュアンスでの使用です。(この一文で既に無限の突っ込み所が生まれる程複雑な文化な事はご了承ください)

要は個人で本やCD、グッズ等を作ったものを「それください!」とやりとりするのが同人イベント。それの一番デカイのがコミケです。

 

 

皆さんが隙を見せたので発生2Fの自分語りを差し込みます。ガードさせてこちらが有利です。

 

一番最初にコミケに参加したのは確か2012年のC82。(第82回)それ以来毎年お盆と年末には必ず有明に足を運んできました。

夏は激熱、冬は極寒と人間が生存するには最低最悪の環境ですが、そこに集うのは身銭を切って己の解釈をぶつけに来る狂ったオタクと、身銭を切ってオタクの自己表現を浴びに来た狂ったオタク。ここにいるのは狂人のみ。コミケは狂気渦巻くバトルロイヤルバーリトゥード(なんでもあり)なのです。

(注・「ルール無用の無法地帯」のような表現ですが、コミケや同人イベントには守らなければならないルールは沢山ありますし、そもそもバーリトゥードにも守らなければいけないルールはあります)

 

 

そんな狂気に当てられて、俺も数年前に友人と同人サークルを結成。

ゲームのイベントの解説本を頒布したり、友人の作ったHな本の売り子をしたりしました。

わざわざこんな地獄に足を運んでまで、自作の本を手に取りに来てくれた嬉しさは他の何にも代え難い代物。出ちゃいけない脳内物質が出ます。あの興奮と喜びを知ってしまえば、人はもう同人から脚を洗えなくなってしまうでしょう。

 

 

 

そんな!!!!

 

 

 

コミケが!!!!

 

 

 

 

ずっと開催されてない!!!!!

 

 

理由はもちろんお分かりですね?COVID-19とかいう感染症がありとあらゆるイベントを破壊したからです!!!!

 

オリンピックの都合で普段の8月ではなく2020年5月に開催予定だったC98は中止!C99も開催延期!最後に開催されたコミケは2019年12月のC97!!!都合1年半もコミケが開催されていない異常事態となってます!!!!

 

 

というか俺C98当選してサークルスペース貰ってたのに!!!!2021年のGWに開催予定だったC99もダメ元で申し込んだけどやっぱり延期だし!!!再度日程発表されたけど2021年12月末!!!仮に開催出来たとしてもC98の応募締め切りは2020年1月上旬だから最後の申込みからほぼ2年だよ!!!2年経ったらもう書きたい物も変わっちゃうよ!!!

そりゃ同人イベントは他にもあるし、WEBと通販で完結させる「エアコミケ」なんて試みはあるよ!?でもビッグサイトの狂気の堝でしか摂取できねぇ栄養素があるんだよ!!

 

 

 

すみません取り乱しました。

 

ですが俺はもう限界です。

 

 

 

 

なので、もうコミケをやります。

 

 

俺1人で、コミケをやります。

 

 

大丈夫です。有明のランドマークの占拠を宣言するテロリストになった訳ではありません。

要は俺一人でコミケの要件を満たせばいいんです。

 

 

コミケには大まかに分けて「一般参加」「サークル参加」があります。

(スタッフとして参加する方法もあります)

 

一般参加者の行動の流れは
待機列で並ぶ→目的のサークルスペースまで行く→お金と引き換えに頒布物を受け取る

サークル参加者の流れは
頒布物を作る→当日サークル設営をする→スペースに訪れた参加者に頒布物を渡す

となります。

 

 

一般参加者の最終目標は「頒布物の入手」、サークル参加者の最終目標は「頒布物の受け渡し」。コミケにおける両者の目的は、どちらか一方の存在だけでは達成されない事を示しています。

 

 

じゃあ両方やります。

 

頒布物を作って外で並んでサークル設営して頒布物の授受をやります。

 

俺は本気だ。もう止められんぞ。

 

同人誌を作ろう

 

まずは頒布物の作成。たとえ俺しか参加しないとしても、頒布する物がなければダミーサークルです。
(ダミーサークル……コミケ等の同人イベントでなんらかの利益を得る為に活動実態のないサークルで参加するゴミカス共の事)

 

 

Wordに本文をバチバチ打ち込んで

 

 

PDFにしてキンコーズに持ち込んで

 

 

色々やると

 

 

みょん

 

 

出来ます。

 

 

 

今回は「芋煮は醤油味こそ本物という評論のコピ本。

 

左が原本で右がコピ本

 

なんか設定をミスって写真が著しく汚くなりましたがご愛嬌です。

オフセット印刷だけが同人誌じゃない。紙に印刷して二つ折りにしたらそれはもう「本」という名言もあった気がする。

 

そしてコミケはアニメやゲームの同人誌ばかりの空間じゃありません。こういう本だってOKです。

この本はジャンルコードで言うと600番の「評論・情報(批評・イベント・飲食物・郵便・医療・育児・体験談・ギャンブル・競馬)」に該当します。(C99準拠)

 

コミケは、何を表現をしてもいいのです。

 

 

 

待機列に備えよう

 

次に一般参加サイドの開場まで屋外で待機する準備をします。

 

夏のコミケでは灼熱地獄、冬のコミケでは極寒地獄と工業製品の耐久試験みたいな環境に晒される訳ですが、慣れてくるとこの拷問みたいな時間を過ごす事で季節の移り変わりの実感が伴う風情もあります。最近コミケがないせいで時の流れが速く感じる……

 

 

 

しかし、冬はともかく夏の待機列は下手すりゃ真面目に命の危険が伴います。

30度を超える炎天下、場所によってはアスファルトの上で直射日光を浴びながら何時間も待つ事になります。万全の準備が大前提です。

 

 

 

まず最低限必要なのは水分と塩分。何を持っていくかは自由ですが夏コミでカフェインを含む飲料の摂取はやめたほうがいいと思います。

 

 

 

そして究極にして最強の耐暑グッズ……

 

 

空調服です。

 

 

空調服とは、ファンで衣服の中に空気を循環させ、汗を気化させ身体を冷やす装備。元々はエアコンの使えない場所での作業着ですが、我々一般人も購入する事が出来ます。

 

また、デザインも昔は長袖のシャリシャリしたナイロン素材のものだけでしたが、今となっては半袖タイプや綿素材の空調服もあります。

 

空調服といっても「エアコンの代わりになるぜ!」ってほど強力ではないんですが、毎ターン10ダメージ受けるような炎天下でも毎ターン1ダメージしか受けなくなる位心強い効果があります。サムスのバリアスーツみたいなもんですね。メトロイドドレッド発表おめでとうございます。

 

 

「無課金向け攻略記事と言いながら完凸SRを紹介する」みたいな違和感は重々承知なんですけど、マジで世界が変わるのでおすすめです。何度も使ってりゃ元が取れます。

 

俺も元が取れる位使い倒す予定だったんですけどね。

 

 

後は1人コミケ当日を待つばかりです。

 

待機列で待とう

当日

 

 

今回は始発組を想定します。ビッグサイトへアクセスする際のメジャーな駅「国際展示場」に一本目の電車が到着するのがだいたい5時半頃と言われているのでそこから待機列に並びましょう。

※始発組……一番早い電車でビッグサイトに向かう人達。広義では近隣のホテルに泊まって最速で向かう人も含む。徹夜禁止ルールは守れて偉いけど駅構内走っちゃダメ。

※徹夜……一般参加で始発組より早くビッグサイトにいる人達。語り尽くせない程の問題があるので絶対にダメ。

 

 

7月ともなれば、朝5時半の段階でも相当明るいですね。

 

 

そして第一回ソロコミケ、待機列はこちらです。

 

 

 

家の裏の空間です。

 

 

怒らないで聞いてほしいんですけど、いい歳した成人男性がド早朝から屋外に居座って通報されないのってこういう所しかないんですよ。

 

 

 

クッション代わりのバッグを敷いてよし、と。

流石にコミケの待機列に玉砂利なんてありませんが、砂利の上に長時間座る場合はあるのでちょっとした敷物は用意した方がいいですね。

 

 

そして空調服はパワー全開。全身を風が駆け抜けます。中に速乾性のシャツを着ているので汗をかいた側から気化していき、肌はサラッサラのまま常に涼しいチートモード。

こいつさえあれば何時間だって屋外に居られますよ!

 

 

……

 

 

 

……んー。

 

 

 

 

 

……クピ……

 

 

 

 

 

書く事なくなっちゃったな。

 

万全の準備をした結果、なんのトラブルも起きなくなってしまいました。

 

 

 

夏コミの一般参加、屋外の待機列で並んでいる間は最も過酷な時間で、毎年何人かぶっ倒れて救護される程です。

 

 

なんですが、その過酷さ最大の要因の「暑さ」を「空調服」という最強のアイテムで物理的に解決した結果、熱気との死闘を繰り広げる様をお伝えする事も暑さをやり過ごす生活の知恵的なお役立ち情報を語る事も出来なくなってしまいました。万が一体調悪くなっても10秒で家戻れるし。

 

なので数時間に渡り「ただ時間が過ぎるのを待つ」様をお届けする事をお許し下さい。

 

 

 

絶対の強さは、時に人を退屈させる。

 

 

2.5時間後

 

明るくなってきました。

 

 

太陽も登り気温も高くなってきますが、暑さに関しては空調服のおかげで全然平気です。

 

 

 

ただ、生臭い室外機の風を浴びながら、

「何やってんだろう俺」

という自問との戦いを繰り広げる事となりました。

 

本来のコミケの時はイベントを控えたワクワク感が正気を麻痺させてくれるのですが、それがない今日は「屋外でただ何時間も待つ」という行為の虚無感をダイレクトに味わってしまいますね。

 

 

 

2時間後

 

10時になりました。開場の時間です。

 

 

30度を超える炎天下に何時間も居た訳ですが、それを感じない程に空調服の効果は絶大です。

コミケ戦士の皆さんは購入をご検討ください。

 

注意・空調服を使用すると体感殆ど汗をかいていないように感じますが、実際は汗がすぐ蒸発してるだけでガッツリ水分と体力を使っていますので水分・塩分補給は必須ですし疲労も溜まっている事に留意しましょう。

 

 

パチパチパチ。

開場の時間になると待機列の皆が拍手をするのがお約束です。
(マナーとかじゃなく自然とそうしてる人が多いだけです)

遠くの方から拍手のウェーブが迫ってきて、

「あ、もう開場したらしいな」と察する感じ懐かしいですね。

 

 

 

それでは入場しましょう。