付録:ネタバレ略史
人類史はネタバレとの戦いであり、ネタバレの理解の歴史でもあります。
ここでは駆け足ではありますがネタバレと人類の略史を見ていきましょう。
先史時代のネタバレ
フランス:ラスコー洞窟絵画
最古のネタバレと信じられているものは後期旧石器時代の洞窟絵画です。
「渓谷に鹿めっちゃいる」とか
「草原にバッファローめっちゃいる」とか
「ドラゴンとかその手のはいない」とかが
普通にネタバレされ、初めて狩猟に赴く新米狩人をマジでガッカリさせてたと考えられています。
これらは社会的に敬われていた年長者やシャーマンによるネタバレであると広く一般に信じられています。
ネタバレ問題への提起
文献として残る最古のネタバレ問題への提起を行ったのは、イソップ童話のイソップとされています。
イソップはある作品の中でネタバレへの警鐘を鳴らしています。その作品は「王様の耳はロバの耳」です。
王様の耳がロバの耳であるとネタバレした理髪師が処罰されるという内容。作品を通してネタバレの問題提起したイソップの先見の明は、とても紀元前6世紀の人間の見識とは思えないほどです。
ミダス王。作中の王様だが
紀元前8世紀フリギュアに実在した
ネタバレに対する法整備
人類の精神は、古代以降、ネタバレとの戦いに向けられているとおわかりいただけたと思います。
近代以降「その惑星は地球」などの”暴露”を経験してきた人類は、ひとつの基本姿勢を見出します。
我々は知らない、
知ることはないだろう
ベルリン大学教授の生理学者エミール・デュ・ボア=レーモンが掲げた標語です。
「我々は知らない、知ることはないだろう」
(ラテン語: Ignoramus et ignorabimus)
ネタバレにNOを明確に突きつけたスローガンは、安心して新作を心待ちにしたい勢を強く勇気づけました。
一方で、この主張は相対する勢力の主張を浮き彫りにしました。見た作品の感動を共有をしたい勢の主張です。
我々は知らねばならない、
我々は知るであろう
「我々は知らねばならない、我々は知るであろう」
(ドイツ語: Wir müssen wissen — wir werden wissen)
ドイツの数学者ダフィット・ヒルベルトは、ケーニヒスベルクで行われた講演において、前述の言葉を参照して
「彼らの言う我々 ”ネタバレ勢” の主張にも一定の理がある。作品の感想は共有されるべきだ」としました。
両者の主張は、ときにぶつかりお互いに洗練されながら、法制化され現在のネタバレトリアージへと繋がっていきます。
そして 2022年4月
国際法ネタバレトリアージ
が成立しました。
運用資料
国際法うんぬんはウソですが、ネタバレトリアージは、まあまあ役に立つと思って作成したので続く運用資料は、ネタバレにまつわる冷たいすれ違いを解消する目的において自由にお使いください。
プロテクトレベル・バッジ
こちらも自由にお使いください
〜 Fin 〜