俺はマッククルーだ。
しかし…
あいつの言葉がひっかかるな。
「マックなんてものは、もう存在しないのに。」
あいつ、一体なんだったんだ。
そんなはずないだろ。マックがないなんて…
…「一致する情報が見つかりませんでした」?
いや、他にも証拠はある。
以前マックを撮った写真があるはずだ。
ほら、あるじゃないか。
…。
ない…。
分からない。
マックは…ない…のか?
俺はマッククルーじゃない…?
俺は今まで何をしてきたんだ?
マッククルーって…なんだったっけ?
なぜ俺はこんなことをしていたんだ?
何ひとつ思い出すことができない。
いつからこんなことをしていたのかも。
「あの…」
「すみません、さっきの人ですよね?」
「よくわからないんですけど、なんか気になって。マッククルー…?でしたっけ」
「マッククルーってなんなんですか?」
そうだ。
マックがなくても、俺がマッククルーであるということは変わらない。
マックは虚構だったかもしれないが、それでも俺がマッククルーだったことは確かなんだ。
もし俺がマッククルーじゃないというのなら、
いまこうして、声をかけているこいつは一体なんなんだ?
これこそが俺がマッククルーであるという証明じゃないのか。
俺は…
そして
今日からお前も
マッククルーだ。
バトンはつながっていく。
マッククルーは終わらない。
穏やかな夜に身を任せるな。