S女から見た貢ぎ豚

 

 

セブ山:

 気を取り直して、S崎さん本人について少し掘り下げさせてください。

 

 

S崎さん:

 はい、お答えできる範囲でよければ。

 

 

セブ山:

 S崎さんご自身はおいくつですか?

 

 

S崎さん:

 25歳です。

 

 

セブ山:

 お若いですね。貢ぎ豚の存在は、何をきっかけで知りましたか?

 

 

S崎さん:

 Twitterで「#貢ぎ豚っていうタグがヤバい!」みたいなツイートをたまたま見かけて、興味本位で検索をしてみたら、そのタグがあまりにインパクトが強すぎて興味を持ってしまった、という感じです。

 

 

セブ山:

 そこからなぜ自分もS女を始めようと思ったのですか?

 

 

S崎さん:

 検索して知っていくうちに「基本的にはDM上のやり取りだけで女の子側にお金が入る」というのを知って、「私でも出来るかな」と思ったことです。 匿名でアカウントを作ればバレることはなさそうと思ったことも理由の一つです。

 

 

セブ山:

 S女歴はどれくらいなんですか?

 

 

S崎さん:

 2年前から始めましたが、仕事が忙しく半年アカウントを放置したことがあるので実質1年半ほどですね。

 

 

セブ山:

 その1年半の間にS女として合計何人の貢ぎ豚を相手にされてきましたか?

 

 

S崎さん:

 ざっと50人弱でしょうか。もちろん一度にというわけではなく合計するとそれくらいです。

 

 

セブ山:

 多い時で何匹くらいを同時並行で相手にしていましたか?

 

 

S崎さん:

 ひとりひとりに対する虐めを疎かにしたくなかったので「一日に相手するのは2人まで」と自分の中で決めていました。 また、優先的に相手をする貢ぎ豚は、貢ぎ額と態度を基準に決めて、日替わりで相手をしていたので、最大で14匹でしょうか?

 

 

セブ山:

 多頭飼いですね…! さきほど「半年アカウントを放置した」とのことでしたが、半年間放置しても貢ぎ豚とはまた連絡が取れたのですか?

 

 

S崎さん:

 半年前と同じS女アカウントで「久しぶりにやろうかな」みたいな短いツイートをしたら、熱心な貢ぎ豚たちからすぐDMが届きましたよ。

 

 

セブ山:

 それは、どんなメッセージでしたか?

 

 

S崎さん:

 「お久しぶりです、●●です。お相手して頂けますか?(Amazonのコード添付)」が一番多いパターンでしたね。 「相手して下さい」だけのDMは無視してAmazonのコード付きのメッセージにのみ返事しました。

 

 

セブ山:

 なるほど、「本気」の豚しか相手に受け付けなかったわけですね。

 

 

S崎さん:

 貢がない豚は、貢ぎ豚ではないので。

 

 

S女は儲かるのか?

 

 

セブ山:

 S崎さんは今までいくらくらい貢いでもらったのですか?

 

 

S崎さん:

 えっと、現金振込とAmazonギフトカード合わせて80万ちょっとですね。

 

 

セブ山:

 「一度に入金されたお金」で今までで一番額が大きかったのはおいくらですか?

 

 

S崎さん:

 6万円です。

 

 

セブ山:

 貢いでもらったお金は何に使っていますか?

 

 

S崎さん:

 化粧品、スキンケア用品、服、美容家電、日用品…… とにかく色んなものを買いましたね。

 

 

セブ山:

 金額的には「貢いでもらったお金だけで生活していく」には難しいかなと思ったのですが、なかにはそれだけで生活してるS女もいるのでしょうか?

 

 

S崎さん:

 私は貢がれた金額だけで生活しようとは全く思ってなく、ゆるくお小遣いを稼ごう程度にしか考えていないのですが、貢がれた金額だけで生活しようとしている方はひょっとしたらいるかもしれません。

 

 

セブ山:

 なるほど、なるほど。

 

 

S崎さん:

 ただ、最近は「S女もどき」がかなり多いらしいので貢ぎ豚サイドも貢ぐことにかなり警戒している様子です。

 

 

セブ山:

 「S女もどき」というのは…?

 

 

S崎さん:

 S女のフリをして近付き、お金だけ貰ったらさっさとバックレる人たちです。

 

 

セブ山:

 たしかにきっちり契約書を交わしたわけじゃないし、相手もどこのだれかわからないわけだし、そういうこともそりゃ起きますよね。 そういう人たちについてS崎さんご自身はどう思いますか?

 

 

S崎さん:

 あんまり理解できないですね

 

 

セブ山:

 やはり、そこはS女としての職務を全うしていないからですか?

 

 

S崎さん:

 いや、そうじゃなくて、バックレてアカウントを次々に作るのは面倒だからです。 バックレずにちゃんと貢ぎ豚の相手をして、専属の貢ぎ豚を作った方がコスパ良さそう、と思ってしまいます。

 

 

セブ山:

 なるほど、そっちですか…!

 

 

S崎さん:

 話が少しそれてしまいましたが、貢ぎ豚界隈では現状そういった感じなので、S女一本で生活するレベルまで貢がせるのは大変じゃないかなと思います。

 

 

S女の日常生活

 

 

セブ山:

 先ほどのお話の中で「ゆるくお小遣いを稼ごう程度にしか思っていない」とおっしゃっていましたが、S崎さんの普段のご職業は何ですか?

 

 

S崎さん:

 私自身は、××××で××××をしています。

 

 

セブ山:

 えっ!? いや、かなりお堅い仕事じゃないですか!!!

 

 

S崎さん:

 実は、そうなんですよね。

 

 

セブ山:

 もしかして、S女をすることによって仕事の「ストレス発散」の効果があったりしますか?

 

 

S崎さん:

 仕事のストレスは、解消出来ている気がします。

 

 

セブ山:

 なるほど、でも、そのご職業だとS女の活動がバレたらヤバいのでは…?

 

 

S崎さん:

 そうですね、けっこうヤバいです。

 

 

セブ山:

 ということは、家族や友達など身近な人にS女をやっていることは話したりはしていないということですか?

 

 

S崎さん:

 はい、今のところセブ山さんしか(私がS女をやっていることは)知らないです。

 

 

セブ山:

 今までバレそうになったことや、怪しまれたことはありませんか?

 

 

S崎さん:

 今のところ無いです。Amazonは元々使う頻度が高かったので、荷物が届くことが急に多くなったということもありませんし、家族は中身までは知らないので、怪しまれてすらいません。

 

 

セブ山:

 なるほど、そうなるとS崎さんは実家暮らしってことですよね? 貢ぎ豚を虐めるための「ボイスメッセージ」はどこで録っているんですか?

 

 

S崎さん:

 ボイスメッセージは部屋でこっそり小声で録っています。

 

 

セブ山:

 小声で大丈夫なんですか? 貢ぎ豚さん達たちは大声で怒鳴りつけてもらいたいのでは?

 

 

S崎さん:

 いえ、ささやき声のほうが「耳元でしゃべられている感」が増すみたいで、貢ぎ豚にも好評です。

 

 

セブ山:

 なるほど。 ちなみに、S崎さんご自身は、そういったSM的なことは過去に彼氏としたことはあるのですか?

 

 

S崎さん:

 腕をタオルで縛られたり……くらいは、ありました。

 

 

セブ山:

 ということは普段のS崎さんは、実際のところSですか? Mですか?

 

 

S崎さん:

 えっと、Mですね……!

 

 

セブ山:

 Mなんですね! じゃあ、無理してS女を演じることにストレスはありませんか?

 

 

S崎さん:

 ストレスは無いですね、割り切って演じてる仕事感覚です。

 

 

セブ山:

 なるほど、そこは完全に切り離して考えているんですね。

 

 

S崎さん:

 そうですね、お金を貰ったからには、きっちり虐めて馬鹿にしないと、と思っています。

 

 

セブ山:

 インタビュー前に少し想定していたのは、S女をすることによって、他者に必要とされているという「承認欲求」を満たしている側面もあるのではないか?と仮説を立てていたのですが、このあたりどうでしょうか?

 

 

S崎さん:

 あははははは!

 

 

セブ山:

 え!?

 

 

S崎さん:

 それは無いですね。 貢ぎ豚は気持ち悪いので、そんな人に求められてもなァという感じです。

 

 

セブ山:

 貢ぎ豚さんたちに聞かせてあげたいですね…(きっと泣いて喜ぶ)

 

 

女だとウソをつけば僕も貢ぎ豚を飼えるのでは?

 

 

セブ山:

 お話を聞いていて思ったのですが、たとえば、僕が女性のフリをして、貢ぎ豚から貢いでもらうことって可能なのでしょうか?

 

 

S崎さん:

 うまく誤魔化せば出来ると思いますし、実際に男性がS女のフリをしている人もいるようです。

 

 

セブ山:

 やっぱり!

 

 

S崎さん:

 でも、男性だとバレた方はよくツイートで晒されています

 

 

セブ山:

 えっ…! それはどんな晒され方ですか?

 

 

S崎さん:

 わかる範囲ですべての個人情報を晒されてますよ。

 

 

セブ山:

 個人情報…! それって、騙されたことに貢ぎ豚は怒っているのですか? それとも悲しんでいるのですか?

 

 

S崎さん:

 貢ぎ豚は、めちゃくちゃ怒ってます。

 

 

セブ山:

 貢ぎ豚も怒ることあるんだ!

 

 

S崎さん:

 逆に、最近では「ブヒブヒ詐欺」も増えています。

 

 

セブ山:

 ブヒブヒ詐欺!?

 

 

S崎さん:

 あっ、すみません…! 私が勝手にそう呼んでいるだけなのですが、貢ぎ豚のフリをして、散々虐めてもらったあと、貢がずに逃げ出す豚のことです。

 

 

セブ山:

 なるほど、たしかにブヒブヒ詐欺だ。

 

 

S崎さん:

 そういうこともあるので、軽い気持ちで飼おうとしたりするのは、やめておいた方がいいかもしれません

 

 

セブ山:

 まさか、本物のペットを飼う時と同じ教訓に行き着くとは…!

 

 

S崎さん:

 ちなみにブヒブヒ詐欺だと判明した際は、顔写真や銀行口座、住所、名前まで晒されているのもよく見かけます。

 

 

セブ山:

 えー! マジで全部の個人情報じゃないですか!

 

 

S崎さん:

 私は貢ぎ豚の職業や年齢くらいしか聞きませんが、S女によっては本名や住所を言うように指示したり、免許証の写真を送るよう指示する人もいるみたいなので、貢ぎ豚がバックレた際に、いろいろと晒す材料があるようです。

 

 

セブ山:

 すごい世界だ…! これぞインターネット…!

 

 

S崎さん:

 なので、S女も貢ぎ豚も、中途半端な気持ちで踏み込まない方がいいと思います。

 

 

貢ぎ豚とは何なのか?

 

 

セブ山:

 なかなかインパクトの強いお話を聞かせていただいて、ありがとうございました。

 

 

S崎さん:

 いえいえ

 

 

セブ山:

 最後にSさんが印象に残っている貢ぎ豚からのメッセージや要望などを教えてください。

 

 

S崎さん:

 いろいろありすぎるのですが、一番と言われるとやっぱりアレかな……

 

 

セブ山:

 ぜひお聞かせください。

 

 

S崎さん:

 私の名前を自分のチンポに油性マジックで書き、彼女とセックスする際にわざわざそれを見せて別れたことを、オナニーしながら動画で報告されたことですかね。

 

 

セブ山:

 ちょちょちょまってまってまってまって

 

 

S崎さん:

 「別れたので一生お仕え出来ます!」って叫びながら床にブチ撒けてました。

 

 

セブ山:

 うわあああぁ、無理だぁ、理解が追いつかない…!

 

 

S崎さん:

 貢ぎ豚の中でも1位2位を争うレベルでわたしに陶酔していたので、「ついにここまでやったか」と呆れ半分、「まあ、この貢ぎ豚ならやっても不思議じゃないな」と妙に納得してしまいました。 もちろん引きましたが。

 

 

セブ山:

 それに対して何て返信したんですか?

 

 

S崎さん:

 「その無様なおちんぽ、よーく見せてみ?」「まさか見られただけでまた勃起してんの?」「おちんぽもお財布も捧げないとオナニーすら出来ない豚になれてよかったね(笑顔の絵文字)」みたいな感じですかね。

 

 

セブ山:

 くぅ~~~~

 

 

S崎さん:

 でも、チンポに他の女の名前を書いているのを見せつけられたその元彼女さんの気持ちを考えたら、笑えませんよね。

 

 

セブ山:

 可哀想すぎますよね。もし、この記事を見ていたら、どうか強く生きてください…! あなたには世界一幸せになってもらいたい…!

 

 

S崎さん:

 他にも、一人でラブホに行き、私の名前を何度も叫びながらオナニーしている動画を撮ってきて、それを見てほしい見てくださいと泣く動画を送ってくるというのもありました。

 

 

セブ山:

 動画を見てほしいと泣く動画…! すごい二重構造になってる…!

 

 

S崎さん:

 家族に聞こえるように大声で喘ぎながらオナニーしている動画を送ってくるというのもありましたね。

 

 

セブ山:

 わぁ、これは精神的にキツい…! 家族に迷惑かけるのはなぁー…!

 

 

S崎さん:

 あとは、貢ぐ額を増やす為に、今より月収の高い仕事に転職する豚もいましたね。

 

 

セブ山:

 …ん? それは、結果的にいいんじゃないですか?

 

 

S崎さん:

 虐めてもらうために、人生の軸である「仕事」も変えちゃうんだ、という意味では少し引きました。 

 

 

セブ山:

 たしかに…! でも、結果的には豚さんにとってもS崎さんにとっても良かったのでは?

 

 

S崎さん:

 そうですね。 そういう意味では、貢ぎ豚は自己啓発なのかもしれませんね。

 

 

セブ山:

 貢ぎ豚は自己啓発…!

 

 

 

 

 

 

インタビューは以上です。

 

 

まとめ

 

この記事は、「貢ぎ豚」を推奨するものでも、糾弾するものでもございません。

 

あくまで、広いインターネットの世界には、こういう人たちも存在するんだよという文献に過ぎません。

 

それを踏まえた上で、あなた自身が、自分の頭で「インターネットとの関わり方」を考えるきっかけになれば幸いです。

 

 

 

インターネット動物行動学者として、ひとこと言わせていただくならば、「ネットとリアル」という明確な線引きはなくて、ネットもリアルの一部です。

 

ネット上でのお遊びと割り切っているつもりでも、どこかでリアルにはつながっているものです。

 

あなたが日常生活を失いたくないとお考えならば、軽率な行動は控えるようにご忠告だけしておきます。

 

もし、DMで誤爆してしまい、相手に知られたくない個人情報が漏れてしまったら?

 

もし、貢ぎ豚が「脅されて振り込まされました」と警察に駆け込んだら?

 

さまざまなリスクがあることを承知した上で、インターネットサファリパークを楽しみましょう!

 

 

ところで、最後にひとつ、あなたに質問なのですが……

 

 

あなたが立っているのは、檻のこちら側ですか? それとも、向こう側ですか?

 

(おわり)

 

 

 

 

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