内輪ネタ。クラスや友人間など、ごく狭いコミュニティでしか通じないギャグやノリのことだ。学生時代友人の間だけで流行っていた意味不明なギャグなんかの記憶がある方も多いだろう。
新しいコミュニティに入るときにこれのせいでめちゃめちゃ馴染みづらかったりする悪しき面もあるが、同時に「自分たちにしかわからない笑いの共有」を通して友情を高めたりする素敵な面もある。
あらためて思い出すと何が面白かったのかさっぱりわからなくても、あの時あの場にいた人間はゲラゲラ笑っていたような内輪ネタ。一つ一つは本当に意味不明でくだらないかもしれないが、大量に集めたらなんか面白いんじゃないか。
そう思ってTwitterで内輪ネタを募集したらこれがまあ集まるわ集まるわ。そういうわけで、特になんか良いなと思った内輪ネタを紹介する記事を書くことにした。いっぱいあるので全部は紹介できない事をご了承ください。
ちなみに俺(ナ月)が学生の頃にあった内輪ネタは
誰かがその場にいるやつを一人指差して「せ○とくんがいる!」と叫び、皆で「導いてやらなきゃ!」「導いてやらなきゃ!」と大騒ぎして最終的に「せ○とくんミミガー」と言いながら手の甲で合掌する。
というものだった。
今思い返すと本当に最初から最後まで意味がわからないが、当時は死ぬほど笑っていた。本記事はこういう全然わからない話がしこたま出てくるので覚悟してほしい。
変な先生やエピソードが内輪ネタになったタイプ
『エピソード型』
めちゃんこ先生
高校の時、「とても」を「めちゃんこ」と言う先生がいて(例:めちゃんこお腹空いた)、その先生をめちゃんこ先生と呼び、とてもをめちゃんこと言い換えてめちゃんこめちゃんこ言うのがめちゃんこ流行りました。
ちなみにめちゃんこのインパクトが強すぎて先生の名前がまったく思い出せません。
ニコ
微笑ましいしなんとなく可愛い。めちゃんこ。
市営やん
「市営やん」というツッコミ。
由来は修学旅行の自由行動時間に行った函館にある「函館市営谷地頭温泉」から。
この温泉が何とも言えない微妙なクオリティだったことから、
修学旅行以後、教師の理不尽な発言や友人の馬鹿らしいエピソードなど、日常で何かを批判したり嘲笑する時、あるいは言い表せない微妙な感情を表現するための言葉として、「市営やん」というツッコミが多用されることとなった。
無記名
悪口としての温度感が絶妙。市営。大抵良くはないもんな、市営。
ウェーイw知識知識ぃw
ある日の古文の授業。和歌が題材だったのですが、「有名な歌の一部を借りる技法」についての質問で僕が当てられました。「本歌取り」をド忘れした僕は「オマージュ」と言い換えて発言。すると先生は「君は点は良くないけど教養とか知識はあるんだね」と。
それから僕は「知識人」を自称するようになりました。はじめは少し難しい問題が解けたりした時に「まぁ知識人だからなw」という程度でしたが、次第にこのノリはエスカレート。僕が何か答えるたびにみんなが「ウェーイw知識知識ぃw」とはしゃぎまわるように。
友人「あれ、四時間目って物理だっけ?」
僕「そうだったはず」
みんな「ウェーイw知識知識ぃw」
友人「昨日4回シコったせいで頭痛え」
僕「俺6回シコったけど元気やぞ」
みんな「ウェーイw知識知識ぃw」
また、なにか気に入らない事やミスがあったりすると「not知識」とも言っていました。
友人「待って今日問題集忘れたんだけど」
僕「not知識じゃん」
僕「は?ハイドロポンプ3回外したんだけど?not知識じゃん」
やがて僕達は知識界隈と呼ばれるように。実は京大生と阪大生を擁するガチ知識人の集いになってしまったのですが、僕は京大でも阪大でも無い大学を中退しました。
知識人
不思議と「知識」がバカワードに思えてくる。
わしもじゃ〜っ!
昔、KFCのカーネルおじさんの公式LINEにメッセージを送ると「わしもじゃ~っ!」と返ってきたのですが、当時からの友人と呑むと絶対にそのワードが出て来るしめちゃくちゃ面白いです。文字だと全然面白くないですね。
無記名
引用元がコアであればあるほど良いよな内輪ネタは。
倫理の先生
通っている高校の倫理のおじいちゃん先生で、自分がいかにダメな大人かを話しているようなちょっと変な先生がいて、テスト返しのときに解答のプリントを作らない先生だったので口頭でテストの解答を言っていたらだんだん急に口調?というか勢いが盛り上がってきて最後にはついに
「俺は…本当は暴れたいんだっっ…!!でもこの体じゃぁできないっっ……」
みたいなことを言ってみんな困惑してました。いつもニコニコしていて穏やかな先生が急にそんなことを言い始めたのですごく耳に残っているしそもそも先生がそんなこと言うのもおかしくてある1人の子がその先生の口調で何かを責めたり否定するような構文が仲間内で流行りました。
例えて言うなら息はめちゃくちゃ吸ってるのに小さな音しか出ない楽器みたいな声でした。
例として「あ~倫理つまんねえな~」みたいなのに対して「そぉ~んなことないだろぉ……!!!」とか某議員の「違うだろぉ~っっ!!」の倫理の先生バージョンもあって、倫理の先生の真似がめちゃくちゃ流行ってました。
穏やかな先生が急に変なことを言い出したのとその言い方が面白いっていうのでめちゃくちゃ伝わり辛いんですけどここに書きます!
大寝坊キメ太郎
先生が怖すぎる。
与式ッ!!
数学の先生が『与式』を言うとき勢いが良すぎて『与式ッ!!!!!』とハジけた言い方をしていたため印象に残り、友人間で与式を『いいね!』のニュアンスで用いては笑っていました。
「今日ミスドいかん」『与式!!!!!』(大ウケ)って感じでした。
にんじん
SNSでいいねつけるときに叫びたい。
強い仲間意識や友情が生んだタイプの内輪ネタ
『ハイコンテクスト型』
オイシ
高校生の頃、当時放映されていた朝食りんごヨーグルトのCMのフレーズを言わせ合う、という内輪ネタがありました。そのCMは、美味しくてしかも乳酸菌がお腹にも良い、一挙両得なヨーグルトを食べた外国人のかわいい男の子がちょっと舌たらずな片言で「おいしい話じゃん!」と大きな声で言う、というものでした。
自分達がやっていたのは、仲間うちで一挙両得、一石二鳥であるような場面になったときに、そのフレーズを誰かに振って大声で言わせる、というものです。
例えば、小銭が欲しいのにお札しか財布になく、コンビニにお金を崩すために立ち寄った友達に対して、「あれ、これってお菓子も買えるし、お金も崩せて…?」とけしかけ、けしかけられた方は大声で「オイシイハナシジャン!」と叫ぶ、というのが一連の流れでした。
これはプロレスの技のように、振られたなら、いついかなる場合でもちゃんと大声で応えねばならないという不文律が敷かれていました。そのため、振り合いはエスカレートしていき、どのような場面であっても「あれ、そのセーター、お洒落もできるし、しかもあったかいってことは…?」などと無理矢理 一石二鳥を見いだす力技が横行。
その中で、ルール違反すれすれのカウンターとして「オイシイハナシジャン!」を圧縮して「オイシ!」とだけ発するというものも誕生し、最終的には振りも簡略化されて、「あれ、それって…?」「オイシ!」という短いやり取りが突発的に起こるのを楽しむ、という内輪ネタになりました。他にすることも無かったので2年弱賞味期限が続きました。
丘泉
内輪ネタが生まれるまでがわかりやすい。こういうの身に覚えがある。
手すき
学生劇団にいたのですが、本番前にセットを組む時や終わってからバラすときなどの忙しい時に「手が空いたから何か手伝います」という意味で「手すきでーす!」と周りに呼びかけることがありました。
飲み会などで店が忙しそうな時にキョロキョロしてから「手すきでーす!」と言うと高確率でウケました。
メリケンサック
専門的な内輪ネタ超面白いな……各業界であるんだろうな。
キツネの嫁入り
中学時代、仲良し男子グループ十数人で常にノリと勢いだけで行動していたので、こうした内輪ネタには事欠かないのですが、特に印象深い物の一つに「キツネの嫁入り」というのがあります。
コレは、休み時間中窓の外を見た時に、雨雲は特に見えないのに雨がパラついている天気雨、いわゆるキツネの嫁入りの状態になっている時に発動するノリです。件の十数人、あるいは他のクラスの男子も無理やり混ぜて全員で肩を組み合い、大掛かりな円陣の形をとります。そしてリズムに合わせてピョンピョンと円陣ごと回転しながら「キッツッネッのっ嫁入り~!キツネの嫁入り~!」と全員で歌うのです。音階で言うと「ソッソッソッソッラララソ~、ミミミミレレレド~」といった具合です。ただそれだけです。
思い返すに、恐らく天気雨が降っていた時に俺が言った「キツネの嫁入り」という慣用句(?)が他の誰にも伝わらず、周りにこの単語を浸透させようとした結果歌と踊りという人類最古の文化に行き着いた物だと思われます。無論、天気雨というのはそうしょっちゅう降る物でも無いので、この行事(ノリ)が行われたのも恐らく2~3回だけだったと記憶しています。
箸が転んでも面白い年頃とは言いますが、あまりに下らな過ぎて供養の場も無いのでここにしたためさせて頂きます。
光チン
演奏してみたら思いの外キャッチーなメロディだった。なんでも流行らすには歌だ。
友達
仲良い4人グループで遊んでる時、あんまり楽しくてうるさいもんだから、私達友達じゃなくなろう、そしたら静かになれるから、という事で静かになろうゲームみたいなのを駅までやろうねって話した時、1人が「じゃあ、改札ピッってやったら友達になろう」って言い出した。
意味がわからさすぎて楽しくなった。
Web科の犬
そいつめちゃめちゃ可愛い。
膝
学生時代、座って話している際などに人に感謝や好意を表すために「膝を温めておきますね」と言いながら相手の両膝を両手で覆うのが流行っていました。
み
要らなさすぎる親切。敬語なのがまた良い。
“汚”(お)
以前勤めていた職場内での話です。仲の良い二歳年下の先輩がいたのですが、その方に自分が大の風呂嫌いであることをぽろっと漏らしてしまったことがありました。
清潔感を求められる飲食関係の職場だったのにも関わらず、2日3日お風呂に入らず出勤するのは当たり前。実際その日の私も2日お風呂にはいっていませんでした。(すみません)年齢や経験の差に縛られず懇意にしてくれる先輩に心を許しすぎていたのかもしれません。気付けば口を滑らせていました。
ですが仕事に真摯に向き合い、真面目でストイックな先輩に話すことではなかったと瞬時に後悔しました。やばい終わった、嫌われる、怒られる…!と身構えたのも束の間、大きな声で笑いながら「え!汚な~!!!やば~!!!」と笑い飛ばしてくれたのです。
「イヤ~!汚染される!」と小学生のような軽口をたたきながら「やだ!もお~〇〇(私の名前)さん、それって”汚”(お)じゃん!」とけらけら笑いながら私をなじるのです。
その「”汚”(お)」の言い方が妙にふたりのつぼに入ってしまい笑いが止まりませんでした。それからは先輩が私に風呂に入ったか都度確認し入っていなければ「〇〇さん、”汚”(お)」と耳元で囁いてきたり、「イヤ~!”汚”(お)!!!来ないで~!」と叫びながら逃げる先輩を笑いながら追いかけ反撃するなどして楽しく過ごしました。
“汚”と言われてもまったく嫌な気持ちにならなかったのは、私が認めざるを得ないほど実際不潔だったというのもありますが、先輩の叱咤と許容の絶妙なバランスのとれた”汚”の言い方があったからだと思います。不潔な私に風呂に入れと言わずにいてくれた理由は未だにわかりませんが…
今でも久々に会うたびに「〇〇さん、”汚”(お)!」と挨拶がわりに言われます。(今はもう毎日お風呂に入ってます)その度に世界一短いふたりだけの合言葉ができたあの時を思い出して、あの時と変わらずにふたりでけらけら笑い合っています。
あんかけお揚げ
「お」をすぐ「汚」と認識できたあたり本当に仲良い。
事実の確認
大学の文芸サークルで、
誰かが失言をすると窓を指さして
「ベランダがありますよ」という流れがありました(飛び降りろの意)
「事実の確認」って言ってました。
あと、手をキツネの形にして「強く生きろ!」って言って励ます、みたいなのもありました。
きんとと
ただの事実の確認だもんな。ベランダがあるってだけだもんな。
サムズアップ
1番仲の良い友達と話す際、1つの話題が終わるたびにサムズアップしてお互いの顔を微笑みながら見つめ合うという内輪ノリがあります。見つめあった後じわじわきてひとしきり笑った後違う話題に移ります。他の人にその様子を見られると多分引かれます。
さかな
洋画みたいで好き。やりたい。
もはや完全に意味がわからない
『意味不明型』
素数
素数の番号を見つけた時、踊りながら「素数!素数!」と言いながら踊る
ああああ
バカのプッチ神父。
ソメイヨシノ
うれしいときやかなしいときに語呂の良さからななかわかりませんが、「嬉しみの極みのソメイヨシノ」「悲しみの極みのソメイヨシノ」と気持ちの最上級表現として使っていました!
ゴスロリ子
日本人は桜に感情を重ねがちだからな。
麦ご飯
小学校二年生くらいのころに流行していたネタで、クラスメイトになにか不運が起きると「どんまい麦ごはん」とみんなしきりに言っていた。「どんまい」という言葉になぜか「麦ごはん」とつけていましたが、その理由はまったくわかりません。なおこのネタは学年が上がった途端誰一人として使わなくなりました。
ほにほー
意味はわからないけど声に出すと不思議と気持ちいい言葉。
肉奴隷
大貧民の最下位が肉奴隷という呼称でセクハラに耐えなければいけない
ポメラニ・アン
最低すぎるけど負けた奴が悪いよな。
家庭保護ライオン
小学校の頃、友達をいじる文化が発展していき「いかにオリジナルの言葉でいじるか」という風潮が生まれました。
その結果、どのような経緯かは忘れてしまったのですが友人Aをいじる言葉として「家庭保護ライオン」という言葉が生まれ、クラスを超えて流行しました。
友人Aも含め今でも仲がいいのですが、誰も家庭保護ライオンの由来は覚えていません。
あつ
本当になんでなんだ。
let it be
中学生の時にグループの誰か1人が「あー!もう怒った!めっちゃ怒った!!!!!!!」っていったら必ずBeatlesのlet it beを流すというノリがありました
とても潤う愛
なんで。
ミッフィー
中学時代、部活の仲間内である日突然ミッフィーが「神」と等しい存在になり(詳しい経緯は当時その場にいた誰1人覚えてません)その日からミッフィーを見かける度に皆で「ミッフィー様だ……」「崇めよう……」などと言ったりミッフィーの絵本を「聖典」と呼んでいた
ミ民
宗教って急な神の啓示から始まるからそういうのだったのかもしれない。
トンコンワン
『トンコンワン』
クラスの少し変わった少年(授業中いなくなったりする)A君が考えた架空のアニメ
トンコンワンにはテーマソングがあり、なぜかクラス内で大流行して、みんなで歌いながら下校していた。
【トンコンワンのテーマソング】
トンコンワンの朝は
ハムエッグで決まりさ
こいつを食べたやつが
そいつが今回の犯人だ!!!
短いし何が面白いのか不明だけど当時の私たちには大人気だった。
成人式でひさびさに集まったみんなでこれをA君の前で歌ったが、A君は恥ずかしそうにハニカムだけで歌ってくれなかった。寂しい。
マサキマサユキ
絶妙にゴロが悪い歌詞で最高。
エスカレーター
女子校時代、「エスカレーターに挟まる女の真似」と称して教室のドアに顔面を挟んで遊んでいた。今思うと何が面白かったのか全く分からないし、エスカレーターじゃなくてエレベーターだろ。でも当時は笑いすぎて友人らと過呼吸になりながら必死にドアに顔面を挟んでいました。
あ~きなこ食べたい
全部がバカで最高。
ガトーショコラ
同級生の股間を「ガトーショコラ!」と言いながら強くつかむ。されるといたい。周りはめっちゃ笑う。
精神おじさん
今後一生ガトーショコラ見るたびにこれ思い出すな。
以上、みなさんから頂いた内輪ネタを紹介してきた。極めてローカルな文化だから面白いものではあるのだけど、そのまま内輪に留めておくにはもったいない面白さではないか。何なんだよガトーショコラって。
皆さんもこれを読んで「そういえばうちも内輪ネタがあったばい」と何か思い出したらぜひこのフォームから教えて欲しい。記事がウケたらまた紹介するかもしれない。