「はははは」
「・・・だろ?だからオレは言ったのさ、『もっと腕にシルバー巻くとかさ!』って、それなのにアイツは……」
「ははは、わかります。それより遊戯さん、新しい映画観ましたよ」
「先週公開されたばかりなのにもう見てくれたのか、嬉しいぜ。あ、その伏せカードを攻撃するぜ」
「俺のメガザウラーの守備力は2300、そして遊戯さんのブラックマジシャンの攻撃力は2500、よってメガザウラーは破壊され俺のフィールドはがら空き。流石だ、遊戯さん。しかし本当にいい映画だった、映像はきれいだしストーリーや演出も往年のファンのツボを押さえていてもう最高としか言いようがない」
「ああ、相棒も頑張っているみたいだしな。ターンエンド」
「カードドロー……レッドヘカテ―を召喚してターンエンド。ええ、それだけじゃなく海馬さんや城之内さんも大活躍でしたから。それにまさかあの伏線が・・・」
「おっと!その先は何も言うな、遊星!」
「……!!」
「たとえ今回の映画がどんな驚きの秘密を隠していようが観賞前に映画の内容をオレが知る権利はない!オレのターン、ブラックマジシャンでレッドヘカテ―を攻撃!さらに砦を守る翼竜でダイレクトアタック!」
「ぐあぁ……すみません。つい興奮してしまって」
「…お前のターンだぜ、遊星」
「はい、モンスターを一枚場に伏せてターンエンドです」
「ただ、これは物語の核心に迫るものではないのですが、個人的に物足りなかった部分が一つだけあって…」
「物足りない!?製作総指揮・高橋和希の映画でそんなことあるはずないぜ、聞かせてみな!!」
「ただしネタバレだったらぶっとばすぜ」
「それは絶対に大丈夫です」
「あの、遊戯さんたちってバイクに乗らないじゃないですか。俺、その一点だけがどうしても気になって」
「バイク…?いや、バイクなら本田君の後ろに何回か乗せてもらったことがあるぜ」
「いや、リアシートとかそういう意味じゃなくて…
どうしてバイクに乗ってデュエルしないんですかってことです!」
「バイクに乗ってデュエル?オレはそんな無意味で危険な真似はしないぜ!」
「そんな!バイクに乗りながら行うデュエルはライディングデュエルと言って俺達の世代はみんなやっていることなんですよ!?」
「俺、遊戯さんがライディングデュエルしているところがどうしても見たくて、今回の映画でももしかしたらと思って期待してたんですけど…」
「お願いです!!一回だけ俺とライディングデュエルしてください!思っているほど危険ではないですし、スピードが与えるエモーションがきっと遊戯さんを満足させてくれるはずです!!」
「なるほどな、そこまで言われると流石に少しは興味が湧くぜ」
「よかった、では早速やりましょう。バイクは俺が用意します、遊戯さんはどんな…」
「だが!!」
「……!?」
「最初は遊星がやってるのを近くで見るだけにするぜ!!」
「…わかりました。じゃあ俺はライディングデュエル、遊戯さんは普通に座ってデュエルする。これでどうですか?」
「いいだろう受けて立つぜ!!それと・・・」
「今の俺のターンで手札にエクゾディアが揃ったからオレの勝ちだぜ!!」
「凄い…これが伝説のデュエリストのタクティクス…」
~不動遊星・装備紹介~