「それが遊星のバイク、Dホイールってやつか」
「あ、はい。」
「それでどうやるんだ、ライディングデュエルってのは?」
「はい、まず遊戯さんにはこのデュエルメタルラックを使ってもらいます」
「デュエルメタルラック」
「そしてデュエルメタルラックの下の段にカード、上の段に遊戯さんのスマホをテレビ電話モードにしてセット。あとは普通にデュエルをするだけです」
「なるほどな、読めたぜ。
つまりオレのスマホで撮ったフィールドの映像が遊星のスマホに送られ、
それを遊星はスマホと同期したタブレットの画面から確認。
反対に遊星のフィールドの情報は遊星の胸につけたスマホのカメラからオレのもとに送られるというワケだ」
「たった一瞬でそこまで……流石です、遊戯さん」
「早く始めようぜ!」
「わかりました、では準備してくるので遊戯さんはここで待っていてください」
「お待たせしました。そっちは準備OKですか」
「ああ、始めようぜ!!」
デュエル!!
ライディングデュエルアクセラレーション!!
「これが、ライディングデュエル…」
「オレの先攻、ドロー!!カードを一枚伏せターンエンド!!」
「俺のターン!!屍を貪る竜を召喚、ターンエンド!!」
「・・・」
「…遊戯さん?」
「…」
「もしもし、遊戯さん?」
「あ、終わったのか?」
「あ、はい。遊戯さんのターンです」
「カメラが全然映ってないぜ、もうちょっと左に向けられないか」
「こうですか?」
「そんな感じだな」
「ならオレのターン!!エルフの剣士を召喚」
「エルフの剣士?を召喚で大丈夫ですか?全然見えないんですが」
「オレのiPhoneの画面にはバッチリ映っているぜ!!」
「あ、すみません画面変わりました。ひどい遅延だ。それにブロックノイズもすごい・・・あれ、ダメだ?遊戯さん!俺のタブレットの画面が消えました!一度中断しましょう、遊戯さん!!」
「…」
「もしもし!遊戯さん!!」
「どうした遊星」
「遊戯さん、俺の声ちゃんと聞こえてました?」
「いや、髪の毛が多くて邪魔だしバイクの音でかき消されるから耳を澄まさないと全然聞こえなかったぜ。あと遊星。お前のカメラ、あのあともずっと明後日の方を向いていたぜ」
「すみません、片手運転だととれる姿勢に限界があって」
「さらに言えば満タンだったバッテリーも一瞬で半分まで削られたぜ。遊星、本当にこれがお前の言うライディングデュエルなのか!?」
「遊戯さん、とても申し上げにくいんですが……
これはライディングデュエルではありません…
ライディングデュエルは現代の技術では実現不可能でした!!」
「おい遊星、話が違うぞ」
「すまない遊戯さん、理論上はこれで上手くいくはずだったんだが」
「ライディングデュエルが聞いてあきれるぜ!!」
「岩石の巨兵を召喚!!」
「モンスターが実体化?なぜ急に?」
「悪いが、たった今からこのデュエルは闇のゲームになったぜ!!」
「闇のゲーム!!ということは俺のモンスターも・・・」
「バーバリアン2号を召喚!!」
「やはり!!俺のモンスターも実体化しバイクと合体した」
「「バトル!!」」
「うわぁぁぁぁ!!硬い…」
「さらにオレのターン!!
岩石の巨兵で
遊星にダイレクトアタック!!」
「ぐわぁぁぁーーーーー!!」
「どうした遊星、そんなもんか!?」
「すごい…遊戯さんはこの絶望的な状況でデュエルを楽しんでいる……」
「そして今の攻撃で俺は大幅にライフを削られた、このままでは次の遊戯さんのターンで俺の負けだ」
「だがこのターンで俺が残りのパーツを引き青眼の白竜3体連結を召喚することが出来れば……
4500×8=36000ダメージで俺の勝ちだ」
青眼の白竜3体連結は8回連続で攻撃することが出来る。
「俺のターン!ドロー!来い!ブルーアイズ!!」