原作の恐山です。
同僚の加藤さんに先ほどの原稿を見てもらいました。

 

 

 

 

 

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「はー、哲学ねえ」

 

「個人的には、もっと哲学が身近になってほしいと思ってるんですよ」

 

 

 

 

 

 

「ふーん……哲学って何やってんだか全然知らないんだけど、どのへんが面白いの?」

 

「そうですね……」

 

 

 

 

 

 

「みんなが信じている固定観念を疑って、場合によっては論理で覆してしまうところが面白いですね。たとえばプラトンが考えた「イデア」っていう言葉があるんですけど。」

 

「北欧家具?」

 

「それはIKEAですね。プラトンによると、私たちのいるこの世界は本当の世界じゃないらしいんですよ。」

 

 

 

 

 

 

パクッ

 

 

 

 

 

 

モグモグ……

 

「たとえば、私たちは馬を見たときに『馬だ』ってわかるじゃないですか。でも、世の中にいる馬はどれも一匹一匹、違う生物ですよね。
なんでそれを同じように『馬』とくくって認識することができるんだろう? とプラトンは考えたわけです。」

 

 

 

 

 

 

「そこでプラトンは発想を転換しました。私たちの世界の上位には『イデア界』という世界があって、そこに『馬そのもの』すなわち『馬のイデア』が存在すると考えたのです。棒に2つの方向から光を当てて壁に影を映すところを想像してみてください。」

 

 

 

 

 

 

「2つの影は別々のものですが、もとをたどると1本の棒ですね。これがイデアです。この世界にいる馬は、イデア界から馬のイデアを分け与えられることで、馬だと分かるようになるのです。」

 

 

 

 

 

 

「なぜ私たちがイデアを感じ取れるのか?」

 

 

 

 

 

 

「ゲホッ! ゲホッ!」

 

「それは私たちの魂も生まれる前はイデア界にいたからです」

 

 

 

 

 

 

ペロ…

 

「私たちはこの世に肉体を持って生まれたときにイデア界の記憶を失っており、理性を使うことによってその記憶を『思い出す』のです」

 

 

 

 

 

 

「もちろん現在、このプラトンの理論を本気で信じている人はいないでしょう」

 

 

 

 

 

 

「でもこのように抽象化された概念と実物との違いを初めて言葉にしようとしたという意味で、プラトンの影響力は絶大なんですよ。」

 

 

 

 

 

 

「哲学のおもしろさ、伝わりました?」

 

 

 

 

 

 

「甘~い」

 

 

 

 

以上です。

 

 

 

(おしまい)

 

 

 

 

 

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