エントリーNo.3 はじめ

 

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三人目は女性ライターであるはじめ。女性目線からの菓子盆プロデュースに注目が集まります。はじめの菓子盆はこちら!

 

 

 

 

 

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●マイクポップコーン(バター醤油)

●おかき

●のりまき

●コアラのマーチ

●扇チョコバウム

●スティック型こんにゃくゼリー

 

 

 

 

 

 

 

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はじめ

「菓子盆の前では誰もが平等である。……という名言があったかどうかはさておき、この菓子盆のテーマは『ザ・ワールド』。間口の広さを意識しました。日本人なら煎餅、外国人ならポップコーン。コミュニケーションにおいて挨拶が重要なように、菓子盆もまずは入り口の親しみやすさが大切です」

 

 

 

 

 

 

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「ソシャゲの話で終始しがちなクソみたいなコミュ障たちの会合にも、コアラのマーチのかわいい絵柄や、色付きゼリーで話題を提供。一瞬だけリア充になれたかのような気分に」

 

 

 

 

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「手違いで意識高い系が紛れていてもご安心を。好奇心を刺激するような見慣れないお菓子(左奥のチョコバーム)を置くことで、興味を惹かれずにはいられないでしょう。知ってる人は少ないと思いますが、これはエースベーカリーという会社の『扇チョコバウム』で、これまで私が食べてきたお菓子の中でもかなり美味しいです。どうです? 食べたくなってきませんか?」

 

 

 

 

~ 会場の反応 ~

 

 

「なんか小うるさいババアの匂いがする」

 

「連れ込み宿の女将がサービスで置いていきそうな菓子盆」

 

「その女将の歯は何本か抜けてる」

 

 

 

何も悪いことはしてないのに、なぜか「歯の抜けた連れ込み宿の女将」というイメージが付いてしまったはじめの菓子盆。審査員はどう評する?

 

 

 

 

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菓子盆を通じたコミュニケーションを重視していますね。たとえばコアラのマーチって、箱から直接食べてるといちいち絵柄を見ないですよね。でもお盆に並んでいると「ウインクしてるやつ食べちゃお」「あっズル~い」みたいなやりとりができるわけです。

 

しかし、全体的にソワソワと安心できない感じがするのはなぜでしょう? 扇チョコバウムなどに顕著ですが、有無を言わさず「自分だけが知っている良さ」を差し出されるせいで、もてなされるほうが緊張するのです。ひとんちで変なカバーのついたドアノブを握った時のような居心地の悪さをどうしても感じてしまいました。

 

 

 

特に大きなミスを犯しているとは思えませんが、なかなか評価が伸びません。この辺りが菓子盆の組み合わせの難しさでしょうか。

 

 

 

 

 

エントリーNo.4 ARuFa

 

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4人目はARuFa。今回の参加者の中では一番の若手になりますが、

 

 

 

 

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まだ24歳なのに、銭湯の脱衣所にいるジジイみたいな服を着ているのが怖いです。そんな服のセンスが終わってるARuFaの菓子盆はこちら!

 

 

 

 

 

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●アルフォート

●キャラメル&チーズポップコーン

●えび満月

●バウムロール

●レーズンサンド

●ハイハイン

●最中

●干し芋

 

 

 

ARuFa

「菓子盆を作るに当たり、みんなが喜んでもらえるようなお菓子を選びました。甘さとしょっぱさのバランスを考えて、僕の好きな『ハイハイン』も入れました」

 

 

 

とのことですが、ハイハインって赤ちゃんが食べるお菓子では……? そんな幼児用のおやつを菓子盆に入れる? しかもそのすぐ隣に年寄りが食べそうな最中を置く?

 

 

 

 

 

~ 会場の反応 ~

 

「これはものすごく怖い。全部がちぐはぐな印象。共感能力に欠けた人が作った菓子盆」

 

「ハイハインの真っ白さが死体、干し芋が卒塔婆に見える。あと、そもそも最中って袋むいて出さなくない?」

 

「すべての人間に好かれようとして、逆に誰の興味も引けない菓子盆」

 

 

 

ARuFaのあまりにもバランスを欠いたパフォーマンスに、会場は恐怖に包まれました。果たして審査員も恐怖を感じたのでしょうか?

 

 

 

 

 

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記事を読んでる人は、「なんでみんな怖がってるの?」と思ったかもしれません。すみません、上の写真をもう一回見てください。……おかしいんですよ、これ。「実物を見て悲鳴があがる菓子盆」を初めて見ました。

 

まず赤ちゃん用の死んだばかうけみたいなアレを入れる異常さに目が向きがちですが、全体的におかしい。アルフォートのような「溶けモノ」を直(じか)に配置するセンスも問題ですし、干し芋と最中をキャラメルポップコーンの隣に置くというボーダー感覚の欠如もかなり深刻です。誰に何を食べさせたいのか、まったく見えてこない。重心がどこにあるかわからない。

 

もちろんお菓子の一つ一つは美味しいものですよ。しかし、どんなおぞましい絵画も綺麗な絵の具を混ぜあわせて描かれるのです。半年後に「連続殺人鬼が作った菓子盆がマジで怖すぎワロリンヌ」という記事が哲学ニュースあたりでまとめられていると思います。

 

 

 

恐山も仮面の下でやはりゾッとしていたようです。将来ARuFaが犯罪を犯したら、この画像だけ一人歩きして「意味が分かると怖い画像」まとめに載っていてもおかしくありませんね。ARuFaの内面に不安が募ります。

 

 

 

 

 

エントリーNo.5 リックェ

 

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続いては、一瞬「カビたおにぎり」が画面に映ったかと思わせる面魂の怪人リックェ。ARuFa以上の「ホラー菓子盆」が誕生してしまう可能性も否定できません。そんなカビたおにぎりが、人間のフリをして制作した菓子盆はこちら!

 

 

 

 

 

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●マシュマロ

●なげわ

●さきいか

●コアラのマーチ

●ポッキー

●ココナッツサブレ

 

 

 

リックェ

「菓子盆はステルス。談笑の中で気がつけば消えているのが理想。木の菓子盆の温かみに合わせて、茶系の色味の菓子を配すことでカモフラージュ率をアップ。また、けっして高級ではないですが、おなじみの甘味と塩味の菓子を選ぶことで、お客様にも自宅のように、気兼ねなく無意識的に手に取ってもらえる菓子盆を目指しました」

 

 

 

言ってることはよくわかりませんが、これは思ったよりも抑制の効いたよい菓子盆ではないでしょうか。会場の評価は?

 

 

 

 

~ 会場の反応 ~

 

「バランスがいい! どこからでも入って行けるし、無駄がなくていい感じ。『なげわ』というチョイスが心憎い」

 

「色味が少ないことが、逆に菓子盆の木目を引き立たせ、格調を高めている。ハイレベル」

 

「これは中学の時やってたでしょ。菓子盆部、所属してたでしょ」

 

 

 

 

ということで、顔面下馬評を覆す高評価に会場が湧きました。この結果、審査員はどう見る?

 

 

 

 

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パッと見はこれといって特徴のない菓子盆に見えるかもしれません。しかし「この菓子盆を改良しろ」と言われたら困りませんか? そう、よく見るとこの菓子盆、全方位に隙がないのです。

 

菓子を放射状に並べることで前後の概念を捨て、「どこからでも手が伸びる」ことが可能に。しょっぱいものと甘いもののバランスもちょうどいい。手にこびりつくリスクの低い「なげわ」や、「ココナッツサブレ」といった安打製造機が盆上をさりげなく確かな空間にしています。あくまで目立たず、それでいてもてなしの心は十分に感じ取ることができる。リックェさんの作品は、菓子盆のひとつの完成形だと思います。

 

 

これは素晴らしい評価が出ました! 今のところ優勝争いは、永田とリックェということになるでしょうか? 残す出場者はあと一名です。

 

 

 

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