ドサッ

すでにめっちゃ入れてる!

面白そうな本が多すぎて…僕、普段もタイトルや表紙が面白そうだったら、気軽にじゃんじゃん買っちゃうんです。例えば…

 

『水上バス浅草行き』
(岡本真帆・ナナロク社)
 
ほんとうにあたしでいいの?ずぼらだし、傘もこんなにたくさんあるし

この『水上バス浅草行き』は歌集なんですが、作者の岡本さんと恐山が対談してて、面白そうだな、どんな人なんだろうな、って気になって。

作者の方から入るのもいいですよね。カゴの一番上の『ラーメンの誕生』は?

これは….

 

『ラーメンの誕生』
(岡田哲・筑摩書房)
中国のめんは、いかにして「中華風の和食めん料理」へと発達を遂げたか。丼ぶりの中の壮大なドラマに迫る。

朝まで閉じ込められると思ったら、腹が減ってきて。

本当に気軽だ。

あと、大学の時に、ちくま学芸文庫を読んでたら、頭良く見えるんじゃないかと思っていて。その名残もあります。

それはわかるかも。

 

『構造と力』
(浅田彰・中央公論新社)
シラケつつノリ、ノリつつシラケる――。最先端の知の位相を、縦横に、そして軽やかに架橋する。40年にわたり読みつがれてきた名著、待望の文庫化!

それで言うと、この『構造と力』もそうですね。今年初めて文庫化されたらしいんですが、大学生のころに興味があって、読めるとかっこいいんじゃないかと思って….もう一度読んでみようかなと、手に取りました。

かっこよく見えるんじゃないか…って下心でとった本って、その時は大体読めないんですけど、時間が経ってからもう一度手に取りたくなりますよね。だからそんな下心も悪くないというか。

建築系の本もたくさん取ってますね。

 

『復興建築 モダン東京をたどる建物と暮らし』
(栢木まどか ・トゥーヴァージンズ])
「復興建築」を通して、近代東京の成り立ち、人々の暮らしをたどります。

僕、大学の時に建築学部で。2回留年したんですが、今でも建築が好きなんです。これはレトロな建物がいっぱい載ってそうで、いいなって思いました。

 

『台湾 路地裏名建築さんぽ』
(鄭開翔,杉浦佳代子・エクスナレッジ)
台湾の街なかにある、一見なんの変哲もない建物「街屋」100軒をイラストとともに紹介。

こっちは台湾の建物を集めた本で…先日、初めての海外で台湾に行ったんですよね。すごく良かったから、また行きたいなと思って。

さっきの「むかし手に取った」って話もそうでしたが、過去の経験が、いま手に取る本に自然と影響を与えてますよね。

そうかもしれない。だいぶ満足したので、残りはテントで本読んでます。

まだあと90分あります。

じゃあちょっと、「本屋でやってみたかったこと」をやっても良いですか?

なんでしょう?

(ゴソゴソ…)

スッ…

わかる!!!

アニメでよく見るこの光景、一度やってみたかったんです。

これで立ち読みしてる客を追い払ったりするんですよね。

お店ではどれくらいの頻度でやってるんですか?

日常的に、はたきでパタパタというのはやらないですね。

え!?

気付いたときに、モップでさっと掃除するくらいです。

憧れてたのに…

気を取り直して本を見ましょう。

 

日本古典文学の棚、ここはすごい。古い屋敷に忍び込んでるような気持ちになります。どれかカゴに入れようかな…

 

これもいいなあ…

 

『夜を着こなせたなら』
(山階基・短歌研究社)
いちどきりピアスは耳を突き抜ける別の星から呼ばれるように

なんて素敵なタイトルの歌集なんだ。入れよう。

 

あとこれも…

すごいペースでとっていきますね。

あとランタンが似合いすぎ。

でも正直、暗いのは普通にちょっと不便です。探してる本が見つからなくて。

そこでお助けアイテムです!

 

一番高性能なライトです。

照らしてみよう。

 

明るっっっっ!!

昼みたいになった。

これなら、さらに本を入れられるので、もっと回りたいと思います。

 

マンスーンがカゴに本を入れまくっているころ….

みくのしんは最上階から、1階まで降りてきていました。

 

9階のデザインの棚から、急降下しましたね。

僕、自分で同人誌作ってて、デザインの参考にしたくて。9階でデザインの専門書を読んでみですけど、ちょっと難しそうだったから….じゃあ実物をみた方がいいな!って。

それで1階に来たんですね。ここはリトルプレスのコーナーなので、個人制作の同人誌もたくさんあります!

こんだけでかい本屋で、こんないい立地に同人誌があるなんて、すごいな〜。

勇気あるな、って正直自分達でも思います。

どれも可愛くておしゃれだ!!!

 

『北欧ライフスタイルマガジン a quiet day』
北欧のクリエイターたちに、どのように物事を捉え、アウトプットし、考えているかをインタビュー。

これは海外の本かな?

北欧がテーマではありますが、日本のインディペンデントマガジンですね!

かっこいい!僕、海外の本のデザインを参考にしてるんですよね。自分の表紙のにも、アルファベットを書いてます。

なんて書いてるんですか?

konnitiha!って。

 

『はこんでころぶ』
(岡田悠)
免許合宿で同居人が逮捕されながら取った免許が期限切れで失効し、
35歳で人生二度目の教習所通いを始める運転エッセイ。

あ、岡田さんの本もある!

こちらも個人制作の本で、文学フリマで発売されていましたよね。こんなふうに、文フリ発の本も最近は増えています。

本の出し方も色々なんだなあ。

 

『dm No.3 希望と未来』
「2050年への3歩」を考えるための、未来と希望。

これ!可愛いしおしゃれだ!ピンクと青がいい味してる!

見本誌なので、めくって読んでいただいていいですよ。

うわ、紙がすごい!違うサイズの紙が混在してる。それなのに不思議と統一感がある!全部真似したい。

 

これは「いいの選んだな!」ってみんなに言われちゃうな…

 

みくのしんがリトルプレスを見ていた頃、原宿も同じ1階にいました。

 

やっぱ池袋本店名物の「タワー」は面白いな…。

いろんなジャンルの担当者によって、厳選された本が並んでいます。

あ〜!これは最近ネットで話題になってて読んだんですが、面白かったな!

『日下を、なぜクサカと読むのか』
(筒井功 ・河出書房新社)
日下」と書いて「クサカ」と読むことは知られている。ではなぜその漢字をあてるのか。そうした古代にまで遡られるとみられる言葉の謎を、地名のフィールド調査から解明する。

タイトル通り、日下という地名をなぜ「クサカ」と読むか、を探るフィールドワークの研究なんですが、一つ一つ著者が自分の足で論拠を積み上げていく過程がわくわくするし、同時に「日下をクサカと読む理由を探すためには、ここまでしなきゃいけないんだな」という大変さも感じます。これ、冒頭にある「日下の語源はこれだ!」と閃く瞬間の話が面白くて、なんか北関東の道の駅でポスターに書かれた「コサ」という現地の方言を見て、「いや、これが日下の“元”じゃん!」って急に閃くんですよね。もちろん今までの知識の蓄積があったからこそ、「コサ」を見た瞬間に閃くわけですけど、こういう瞬間ってある日突然来るんだなという面白さがありました。日本の地名の由来って結構あやふやらしいんですけど、この本では「クサカ」以外の地名の由来についても触れられてて、どれも結構興味深いお話でした。

あとこれもいいですね。

 

『「怠惰」なんて存在しない』
(デヴォン・プライス,佐々木寛子・ディスカヴァー・トゥエンティワン)
 
全米各紙で絶賛!社会心理学者が解き明かす「怠惰」の誤解。

存在しないんですか!?

そうなんですよ。昔から「休む」とか「無駄」とか「暇」を悪いことのように扱う雰囲気に反感を持っていたというか、「そうはいくかよ」と思っていたんで、この本に書かれていることは膝を打ちながら読みました。「怠惰バンザイ! 何もしなくてオッケー!」まで行っちゃうと、それはそれでつまんないことになりがちだと思うんですけど、「怠惰」的なものも自分の一部として愛しておけるような抵抗力を養うというのが大事だと思うんですよね。

これもテーマが気になるな。

『ルポ「ふつう」という檻』
(信濃毎日新聞社編集局 ・岩波書店)
増え続ける発達障害の周辺を、地方新聞の記者たちが丹念にルポ。人が自分らしく生きることを阻む、生きづらい令和時代の日本を深掘りした大反響の連載を書籍化!

ふつうということは物凄く特権的で、かつふつうって実はふつうっていう名の異常なんじゃないのか?ということも最近思っているので、この本は読んでおきたいと思います。

1階はやっぱり面白い。1階で寝たい。

 

 

残り時間はあと半分。

ここで再び恐山の様子を覗いてみましょう。
開始直後に地下でドクロを置き去った恐山は、4階で寝床を作っていました。

我が家が完成しました。

 


 


これは…

 

段ボール?

お店に本の納品に使われた段ボールがたくさん余っているということで、お借りしました。

取次(※書店に本を卸す会社のこと)のトーハンさんの段ボールですね。

トーハンハウスです。


制作風景

寝袋みたいにすっぽり入るんだ。

ウナギの寝所みたいで気に入っています。何より、哲学書に囲まれているのがいいなと。

どんな夢をみられるか楽しみですね。

さて、歩くか…

 

今回は時間があるから油断してたけど、もうちょっとペース上げて見ていかないと。漫画以外だと、『コード・ブッダ』しかとってません。

『コード・ブッダ』はどこが気になったんですか?

『コード・ブッダ』
(円城塔 ・文藝春秋)
ある時、コードが仏陀を名乗った。上座部、天台、密教、禅……人が辿ってきた仏教史を、人工知能が再構築する、壮大な”機械救済”小説。

元々好きな作家である円城塔さんの本というところ。あと仏教とAI技術の掛け合わせというテーマが興味を引きました。そして表紙もかっこいい。

暗くとも、表紙が「気になる判断基準」になるのは昼間と同じですね。

 

哲学書エリアはかなり暗いですね…

普通に怖い。お助けアイテムも併用しながらやっていきます。

 

こっちの方が怖くない。

 

ユングの精神分析を照らすのって、いいな。

さっき表紙を見るのは同じ、という話をしましたが…昼間の本屋とは違う部分はありますか?

表紙をみるという点では同じなのですが、普段だと、たくさんの本が視界に入って、どうしても目立つ本に目が行きがちですよね。でも暗いと視界が狭いから、ただ目に入った本を手に取る。より平等に、ランダムに棚を眺められる気がします。

暗いと、特定の本を探す難易度も上がりますね。

常に本屋が暗いと、誰も目的買いしなくなって面白いかも。

 

『現代民俗学入門』
(島村恭則・創元社)
なぜトイレにはスリッパがあるの?火葬場で箸わたしをするのはどうして? そのヒントは、民俗学にありました。

あ、このカバーイラスト….これ描かれてる方、たぶん漫画家のzinbeiさんですよね。

そうですね。こちら特別版のダブルカバーになっています。

タイトルは堅そうなのに、イラストが可愛くて目に留まってしまいました。内容も面白そうだな….。「なぜハンコを押すの?」「なぜトイレにはスリッパがあるの?」だって。現代民俗学ってそういう意味か。日常的な風習の由来が知れそうで興味あるので、これは入れておきます。

このまま3階に降りよう。

 

びっくりした….

これはびっくりする。

 

そのまま恐山は3階へ移動し、文芸コーナーを歩き回ります。

 1 冊ぐらい、ミステリーを買いたいなと思ってるんですよね…あ、これ!

 

『エレファントヘッド』
(白井智之・KADOKAWA)
謎もトリックも展開もすべてネタバレ禁止!前代未聞のストーリー、尋常ならざる伏線の数々。多重解決ミステリの極限!

白井智之先生は今一番脂が乗っているというか、この『エレファントヘッド』がとにかくヤバかったですね。読んでて「一体何考えてんだ!?」ってドン引きするくらいのことが連発されて、素晴らしいんです。間違いなく天才。映像化とか不可能そうな面白さというか…とにかく本で読んで欲しい作品ですね。

 

『爆弾』
(呉勝浩・講談社)
自称・スズキタゴサク。取調室に捕らわれた冴えない男が、突如「十時に爆発があります」と予言した。怪物級ミステリ-!

あと、この『爆弾』も最高でした。世間でも話題になってますが、とにかく面白い。『法廷占拠 爆弾2』という 続編も出ていて、爆弾2ってサブタイトルもすごいんですが、本当に夢中になって読んじゃいました。おすすめです。

 

結構溜まってきましたね。

ん?いま人の気配を感じたような…

 

実は同じ頃、原宿も同じく3階へと上がってきていました。

 

『往復書簡 初恋と不倫』
(坂元裕二 ・リトル・モア)
メールや手紙、二人の男女が綴るやりとりのみで構成された、息を飲む緻密なストーリー展開。

あ! この本、ananの撮影をしてる時にヘアメイクの方に「いいですよ!」と薦められた本だ!

ananの撮影をしてる時に。

地の文がなくて、メールや手紙の文章だけでストーリーが展開するんですよね。すぐ読めちゃいそうだし、坂元裕二さんは『最高の離婚』とか『カルテット』とか大好きだし、読んでみたいと思います。

 

『さかさ星』
(貴志 祐介・KADOKAWA)
数百年続く、凄惨なる呪いの戦い――。至高の恐怖と異形の謎に挑め。数百年続く「呪い」の恐怖を描く特級長編ホラー。

え!? 貴志祐介先生の新作が出てる!? しかも呪物がテーマなんて面白いに決まってるな。これも読みたいです。

 

あ!!!

 

そしてキャンプ場の周りをうろつき続けていたマンスーンも…

 

エッセイもいいな…

 

あ!!!

みんな集まっちゃった。

この棚は引力がありますね

 

ホラーの棚ですね。

真夜中だから吸い寄せられる。

あ、これ読みました?

 

『口に関するアンケート』
(背筋 ・ポプラ社)
口に関するアンケート。

これすごいよね。このサイズは革命的。

実物持つとめっちゃ小さいですよね。

胸ポケットに入るサイズの本に、ホラー小説が一本載ってる。

気軽に読めていいですね。

私も読んだのですが、この形式、今後みんな真似するんじゃないかなって。中断せず、一気に読み終えられるのがいい。

ホラーブームが、いろんな新しい試みを切り開いてるんですね。

ただ、この本は見た目の話になりがちだけど、内容もしっかり嫌なホラーで良いんです。

そう。ちゃんと最悪。そこがいい。

 

3人はホラー談義で盛り上がります。残されたみくのしんはというと….

 

>>次ページ:残り時間あとわずか!