「どうやら、こち亀は2週間に1冊のペースで増え続けているらしい」
そう気がついたのは4年前、私が都内の病院に入院していた時のことだ。
入院中、やることもなく暇だった私は食堂に置いてあったこち亀を読みふけっていた。
2024年現在に発売されているコンビニコミックのこち亀
当時私が読んでいたこち亀は単行本ではなく、コンビニ専用に刊行されていた「コンビニコミック」と呼ばれるモノだ。
出典:【がっちりマンデー】コンビニの分厚いマンガは、実は「コンビニ専用コミック」だった!
コンビニコミックはカバーは付いておらず分厚いのが特徴で、過去に販売された単行本からいくつか選ばれたエピソードが読み切りとして再収録されている事が多い。要するに安くてボリューム満点のお徳用マンガといった具合の商品だ。
コンビニで手軽に買えることもあり、待ち時間や休憩時間の暇つぶしアイテムとして、タクシーやトラック運転手などから今も根強い人気があるらしい。
こち亀は2016年に最終話が収録された単行本200巻が発売され、「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」としてギネス世界記録に認定されたが、この200巻とは「ジャンプコミックス」の単行本の話であって、コンビニコミックは含まれていない。
入院中、こち亀のコンビニコミックを読んでいた私は、ふと思う。
「このコンビニコミックも含めたら、こち亀のコミック総冊数っていったい何冊になるんだろう……?」
とりあえず、どのくらいのペースで発売されているのか確認しようと思い、こち亀のコンビニコミックを販売している集英社ジャンプリミックスの公式サイトで発売予定スケジュールを見た。
2020年当時にスクショしていたジャンプリミックス公式サイトの発売スケジュール
隔週だった。
なんと、こち亀のコンビニコミックは、2週間に1冊のペースで発売されていたのだ。
「こち亀のコミックって、2週間に1冊のペースで増え続けてたの……???」
「それがどうした」と思うかもしれないが、私にとってはかなりの衝撃だった。
普段からよく利用するコンビニという日常の延長線の空間で、何年も前に連載が終了したはずのこち亀のコミックが、実は2週間に1冊というハイペースで発売されていたなんて。
自分の知ってる場所で自分の知らないことが黙々と行われていた衝撃。
驚きとともに、それまで親しみしか抱いていなかった『こち亀』に突然、「畏怖」のような感情が芽生える。
ドラえもんのひみつ道具『バイバイン』のエピソードを読んだときのような、「人知れず勝手に増殖する得体のしれなさ」みたいなものを感じる。
「2週間に1冊のペースでこち亀のコミックスが増え続けている」という事実が、シンプルに面白すぎる。 pic.twitter.com/lam6c4t7ZX
— シュゴウ (@shugou17) April 7, 2020
「ジャンプが2回発売されると、こち亀のコミックが1冊新たに誕生する」
そんなの、なんかちょっと怖くない……?
怖いと感じるかは人それぞれだと思うが、連載が終了したこち亀のコミックが、ゼクシィの2倍のスピードで発売され全国のコンビニの棚に並ぶなんて、とんでもなくすごいことだと思う。
隔週連載の『みなみけ』がヤンマガに掲載されるのと同じ間隔でコミック1冊が新たに発売されるって、ちょっとすごすぎる。
この発売スケジュールは2024年の今も変わっていない。おそらくお盆休みの影響で8月16日の刊行が行われていないが、それ以外は今も2週間に1冊のペースでこち亀のコンビニコミックが発売されている。
最寄り駅前のコンビニに行くと、こち亀のコンビニコミック『こち亀 スーパースター列伝!! 2024年6月』『秋本治のナイス!なチョイス こち亀 ⑩』の2冊が並んでいた。どうやら2つのシリーズが2週間毎に交互に刊行されているようだ。
試しに購入してみる。『秋本治のナイス!なチョイス こち亀 』は毎号特定のテーマに沿った話が収録され、『こち亀 スーパースター列伝!!』は毎号ピックアップされたキャラに関係する話が収録されている。
登場するキャラが多く、扱うテーマも膨大なこち亀ならではのオムニバス形式だなと思う。
ちなみに『秋本治のナイス!なチョイス こち亀 』のテーマは「住めば都!マイホーム物語」「明日天気になぁれ!」の2つ。こんな突飛なテーマでも10本以上の作品を収録できてしまうこち亀。やはりカバー範囲の広さがすごい。
「2週間に1冊のペースで増え続けるこち亀のコミック総冊数って、一体何冊なの……?」
4年前のあの日から、私の頭の中にはそんな疑問がインストールされてしまった。一体何冊になるのか分からないが、とにかくヤバい。2週間に1冊のペースで増え続けるのは流石にヤバすぎる。
洗濯物を洗濯機から乾燥機に移し替える時。炊飯ジャーからしゃもじでご飯をよそう時。友達と酒を飲み、涙が出るほど笑い一息ついた時。
この4年間、ふとした瞬間に、私の頭の中で湧き上がってくる強迫観念じみた疑問。
もう、数えずにはいられなかった。
こち亀のコミック総冊数を調べる
ということで、こち亀のコミック総冊数を調べます!!!!!
こち亀は単行本のジャンプコミックスの他にコンビニコミックや文庫本が発売されているので、「単行本の冊数」「コンビニコミックの冊数」「その他の文庫本などの冊数」を調べ、最終的にすべてを合算しこち亀コミックの総冊数を確定させます。
<こち亀コミック カウントレギュレーション>
●大部分がマンガで構成されている本が対象
→少なくとも半分くらいはマンガで構成されてる本を対象とする。エッセイ本やガイドブックなどは含めない。
●ISBNコードのない本(雑誌)は含めない
→週刊少年ジャンプの増刊である『こち亀ジャンプ』『コミックカメダス』『JUMP MAX』などは雑誌扱いでISBNコードがないため、今回の対象には含めない。
●秋本治先生以外が著者のマンガ本は含めない
→学習マンガやアンソロジー本など、秋本治先生が描いていないこち亀マンガは対象外。
●2024年6月末までに発売されたコミック
→調査を行ったのが2024年6月だったため、2024年7月以降のコミックは対象外。
今回は、「秋本治先生が描いたISBNコードがあるこち亀マンガ本」を対象としカウントすることにしました。
おそらく秋本治先生や集英社ですら把握してなさそうなこち亀コミックの総冊数を、頑張って明らかにします!!!!