歳を重ねるにつれ、お腹周りが非常にプニプニしてきた。

脂肪をなんとかしたいけれど、運動はしたくない。食事内容も変えたくないし、食事制限もしたくない。あと税金も払いたくないし、確定申告もしたくない。

ということで、「なにかいい方法はないか……」とあれこれ探してみたら、こんなものを見つけました。

 

(腹八分目茶碗 )

 

なぜ太らない?! 山盛りご飯の秘密とは…

腹 八 分 目 茶 碗

メタボ予防や、ダイエットに最適!

 

腹八分目茶碗……????

 

こんな感じの茶碗です (腹八分目茶碗 )

なるほど、茶碗の底が上げ底形状になっています。「山盛り食べたつもりで、実は食事制限できてる」というコンセプトの茶碗らしい。

確かに、食事制限の為にこじんまりと盛られた少なめのごはんを我慢して食べ続けるというのは、なかなかしんどそうです。

対してこの茶碗なら、見た目は大盛りのまま。

本当に見た目だけ大盛りにして満腹感が得られるの?という気もしますが…

 

パッケージのオヤジが「だまされてたけど腹八分目で大満足だよ。」と言っているので、おそらく大満足なのでしょう。

だましたであろう右のタンクトップ女性との関係性は少し気になるところですが、この茶碗を使ってダイエットするのも悪くなさそうです。

ただ、この茶碗が減らせるのはあくまで米の摂取量だけ。私は麺類をかなり頻繁に食べるので、茶碗では普段の食事でポテンシャルを活かしきれません。

どんなメニューにも対応する「腹八分目食器」があればいいのですが……

 

………………………………

………………

……

 

「いま世間を騒がせている、アイツを使えばいんじゃね?」

 

そう、普段は嫌われ者の最強の腹八分目食器。そいつの名は……

 

~コンビニ界の嫌われ者 上げ底容器~

 

「見た目は山盛り」「実は上げ底してて内容量をこっそり削減」という消費者を悪い意味で騙してくる上げ底容器ですが、この性質はまさに腹八分目茶碗と同じもの。

 

つまり、毎日の食事の食器を「上げ底容器」に変えてしまえば、すべてのメニューを腹八分目にできる最強の腹八分目食器が誕生するはず。

これなら食事制限に苦しむことなく、見た目はボリューム満点の食事に満足しながらみるみる痩せられるのでは……???

 

 

なんということ……

まさか上げ底容器に感謝するかもしれない日が来るなんて…………

 

 

ということで、今回は上げ底容器を4種購入。

ネット上で売られているありとあらゆる弁当容器を時間をかけて調べまくり、上げ底容器の中でも凶悪な上げ底スペックを誇る「上げ底四天王」を選び抜きました。

今回はこれらの上げ底容器を1ヶ月使用し、体重に変化が現れるのか検証します。

 

「1ヶ月上げ底容器ダイエット」検証ルール

検証ルールは以下の通り。

 

 

「毎日一食を上げ底容器に盛り付けて食べる」基本はこれだけ。

「食器を上げ底容器に変えたら痩せるか?」を検証する為、これまで通り外食も飲酒もOK。特別な運動や食事内容の見直しもしません。

ただ、上げ底容器に盛り付ける量は蓋をして収まる範囲内とし、おかわりは禁止とします。

 

ちなみに、検証を開始した時点(2月10日)の私の体重は66kgでした。

実は企画を考えた段階の体重は69kgだったのですが……

 

マイコプラズマ肺炎にかかり体調を崩した結果、2週間で3.1kgもやせてしまいました。

記事的には体重が減ってくれたほうがいい感じの結末になる気がするのですが、検証開始時点で既に-3kgの状態。

もう、0日目の時点で3キロも痩せちゃってるんですよ。

 

 

だから温かい目で見てね。

 

「1ヶ月上げ底容器ダイエット」検証開始!!

ということで、検証開始。

いつもと同じような食事メニューを自炊し、「上げ底四天王」のいずれかの容器に盛り付けます。

例えば、こんな感じの食事が……

 

 

上げ底容器に盛り付けるとこの通り。

食器からプラ弁当容器に変わった瞬間、「スーパーで買ってきた弁当感」がすごい。

いつも通り自炊しただけなのに、容器が変わっただけでなんかちょっと贅沢な感じがします。(スーパーで買ってきた弁当=ちょっと贅沢という感覚に共感できなかったとしたら。それはおかしいのは私の方なのか、それともあなたの方なのか。一緒に考えてみませんか?)

 

ちなみに食材を入れていない状態はこんな感じ。

上げ底容器というと、おかずやごはんを入れるエリアが不自然に盛り上がっていることが多いですが、今回の容器の底面は平らです。

 

 

「いや…これ別に上げ底容器じゃなくない……???」

 

 

はい。そう思ったそこのあなた。

 

 

 

 

 

 

 

「上げ底四天王」擬人化イメージおじさん

残念ながらあなたはもう「上げ底四天王」の術中にハマっています。

 

 

この記事を読んでいなかったら、この先も何度も上げ底容器に騙される人生を歩んでいたことでしょう。

先ほども言った通り、今回の記事で登場する上げ底容器はみな、「ハイレベルな上げ底スペック」「オリジナリティあふれる上げ底トリック」を持ち合わせているんです。

油断した瞬間に上げ底容器の餌食となる昨今を生き抜くためにも、まずはこの上げ底容器の仕掛けについて、じっくり見ていきましょう。

 

 

上げ底四天王 その①

「グランド・イリュージョン」

 

一見しただけでは”上げ底容器感”があまり感じられない「グランド・イリュージョン」ですが、販売ページの商品説明を見てみると……?

 

「驚きのボリューム感を演出するフランジデザインと上げ底形状。別売りの蓋は中身を大きく綺麗に見せる広い天面の立体的なデザイン」

(引用:https://www.packstyle.jp/item/00302799-BARA.html

 

そうなんです…。彼もまた、人間の醜い思惑によって誕生させられてしまった上げ底容器の一人だったのです………。

 

このとおり、上から見る分には”上げ底”だとわからないのですが、

 

容器を横から見ると、

 

まさにグランド・イリュージョン。

 

弁当の底が、本来の位置から約1cm浮上しています。

ちなみに、この浮上した底から測った弁当の深さも約1cmでした。本来なら2cmの深さがあるべきなのですが、1cm浮上させることで弁当の深さを50%カットすることに成功しているわけです。

 

当然、こんな形状なので米をよそうと……

 

まるでヤンキーのリーゼントが如く、米が浮く。

 

「いいか…お前ら! 卑怯な真似だけはするんじゃねぇよ!」

思わず私の中のヤンクミが叫ぶ。こんなの、あんまりだもん。

 

しかし、今回はこのステルス上げ底っぷりを利用しようという企画なのでむしろ好都合。

ごはんを毎回炊くのが面倒な私は、一度に大量のごはんを炊いてタッパーで冷凍保存し、次回はそれを食べるという食習慣を送っているのですが……

 

いつも食べている冷凍ごはんタッパーの約半分の量で、ご覧の通り弁当容器のごはんエリアが埋まってしまいました。すごい……。

この容器を使えばごはんの摂取量をいつもの半分ほどに抑えることができちゃうわけです。

しかも、ごはんエリアのサイズはタッパーのサイズと比較してもそんなに小さいわけではないので、ビジュアル的にはご飯が半分に減っているとはとても思えません。

 

これなら腹八分目茶碗と同じようにひもじい思いをせず、脳をうまく騙しながら食事量を減らせそう……!

 

と思ったものの、やはりごはん層、極薄。

 

弁当深さ1cmとの邂逅。ごはんがススム君もビックリのスピードで米が減る。

「今回は上げ底容器を利用してやるぜ」と息巻いていたものの、はたして脳を騙しきれるのか、不安になってきました。

 

ちなみに、食事の量に関しては「弁当容器に収まる範囲内」「おかわり禁止」という制約がありますが、食事内容はこれまでと同一なため、

 

基本的に肉や揚げ物が中心の茶色多め系メニューを食べ続けています。

はたして、こんなに色数が少ない弁当を食べ続けて痩せられるのか……!?

 

今度の上げ底容器は深皿タイプ……!?

脳をうまく騙し続けるためにも、今回は4種の上げ底容器を用意しています。

一人目の上げ底四天王「グランド・イリュージョン」は薄~い形状でしたが、今度の上げ底四天王は真逆の丼タイプ。

はたして、どんな上げ底トリックが繰り出されるでしょうか……!!

 

 

上げ底四天王 その②

「ポップアップステーション」

 

なんということでしょう……!

「ボトム」と「サイド」、それぞれに仕掛けが施されたデュアルトリック仕様です!!!!!

 

販売ページの商品説明では……

 

「底面の底上げ形状と側面の絞り形状でボリューム感アップ!」

(引用:https://www.packstyle.jp/item/00302799-BARA.html

 

やはり、Wの上げ底トリックは意図的に仕込まれていたようです。それどころか、「ボリューム感アップ!」とビックリマーク付きでアピール。

人の心があったとしたら……。この文を書いた人に人の心があったとしたら、「ボリューム感アップ!」とビックリマークなんか到底つけられないはずなので、もう既に心を失ってしまったのかも知れません。

そういった意味では彼もまた、上げ底容器の犠牲者の一人と言えるでしょう……。

 

そんな「上げ底四天王」二人目のポップアップステーションですが、ご覧の通りのポップアップっぷりによって、なんか数学の教科書の表紙に描かれてそうなくらい複雑な形状になっちゃってます。

 

裏から見たらこんな感じ。

 

う~ん、キモイ。

 

せっかくなのでみなさんも、生まれて初めて見たであろう「四つ足丼容器」のキモさ、噛み締めてってくださいね。

 

試しに容器に食材を盛ってみます。

上から見たら普通の弁当容器にも見えますが……

 

横から見たら、「奇抜だけど後世になって再評価されるタイプのポストモダン建築」みたいな造形美が、そこにはありました。

 

なんかもう奇抜すぎてワクワクしてきちゃったので、早速ごはんをよそってみましょう!

こんな感じで、一見するとかなりごはんが詰まって見えますが……?

 

ごはん、半分くらいがポップアップでかさ増しされてる……(泣)

 

説明文の「底面の底上げ形状と側面の絞り形状でボリューム感アップ!」という言葉の通り、Wの仕掛けがボリュームアップに大貢献。

特に側面の絞り形状が強烈で、容器の端部分は絞りの上にご飯が乗っかっているだけの状態になるため、箸が全然突き刺ささりません。

本来あるべき底部分までご飯が入っているのは四隅の支柱部分だけだし、この支柱に詰まったご飯が非常に食べにくいし、アリクイみたいに米をほじくりだす羽目になるし……

 

改めて何この形????

 

あ~もう~、クソハッシュタグつけちゃお。

#逆人間工学デザイン #美女と野獣の世界なら四足歩行してるタイプの食器 #ジェフ・クーンズ丼 #意味不明すぎて海原雄山が見ても逆にキレない #この画像ずっと見てると錯覚でへこんでるみたいに見えない!?

 

とんでもない上げ底ポテンシャルを見せつけてくれたポップアップステーションですが、一体どれくらいのボリュームアップ効果があるのか?

上から見た場合のサイズ・形状がほぼ同一の容器と比較してみたいと思います。

左がスーパーで買ってきた通常容器の焼きそば、右がポップアップステーションです。(一応言っておくと、「ポップアップステーション」とかの名称は勝手に私が名付けてるだけの奴です。楽しんでね。)

左が通常容器・右が上げ底容器

左側の、スーパーで買ってきた通常容器はご覧の通り。底は真っ平らでほぼ浮き上がっていません。

対して右側の上げ底容器、ポップアップステーションは造形の特異っぷりが際立ちます。

 

試しに、通常容器に入っていた320gの焼きそばを、半分の160gづつそれぞれの容器に入れてみると……

 

どちらも同じ160gの焼きそば

ポップアップステーションの方は、上げ底効果によって食材がかなり上へと押し上げられていることがわかります。

 

左:320gの焼きそば   右:160gの焼きそば

ちなみに、半分にする前の320gの焼きそば(左側・通常容器)と、半分の160gしか入っていない焼きそば(右側・上げ底容器)を比較してみるとこんな感じ。

通常容器に2倍の焼きそばを盛って、ようやく上げ底容器と同じ高さになりました。ぱっと見た感じでは、2倍もの容量差があるとは思えません。

コイツを野放しにして実現する正義など、はたしてあるのでしょうか……。

 

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