20代最後の夏が終わっちまう

 

あ~~~~~~。

あ゛~~~~~~~~~。

 

7月下旬

いよいよ本気を出してきた夏の暑さとは裏腹に、僕の心は冷え切っていた。

あ・あ・あ…。終わっちまうよ…。ラスト・トゥエンティーズ・サマーがよ。

 

夏が来たなんて言いますが、特に予定はございません。

 

イカれちまった自律神経。昼過ぎ起床。

カップ焼きそば買いにコンビニへ行き、進捗0の記事の下書き画面を開きながら「もう少しッス!」と担当編集に返信し、まとめサイトを見てたら、あっという間に深夜すぎ。

 

窓の外から聞こえるDQNの笑い声に「殺すぞ…」と呟き。

なんとか寝るべく焚火の動画を再生するも、陽キャTik Tokerの広告が流れて「殺すぞ」と呟く。

 

そんな毎日。ヤバすぎ。

 

ハハ…。ハハハ…(泣)殺すぞ。

 

子どものころ、僕が想像してた夏ってこんなだっけ…。

 

あのころの夏はよかった。

12歳。小学生。

起きたらラジオ体操に行って、朝ごはんを食べる。

涼しい午前中にスイカ食べて…。

午後から友達とプールにいって思いっきり遊ぶ。

 

そんな希望しかない夏が、僕にもたしかに存在した。

 

あんな夏をもう一度手に入れたい。

 

タイムマシンを開発すればいい? ふざけんな、こっちは本気なんだよ。

本気で小学生になりたいんだ。しっかりしてくれ。

 

しっかりしている僕は考えた末に、当時のように「水泳マント」を羽織ってプールから帰ってみることを思いついた。

 

曳舟駅 集合

8月2日。決行日。

ライター仲間に声をかけ、墨田区の「曳舟駅」に集まってもらった。

 

今回は区民プールで遊泳後、水泳マントを羽織って、東京スカイツリーまで歩きます(疑似下校)。

ゴールまでの距離は徒歩18分。距離にして2.7㎞。

文部科学省の「公立小学校、中学校の適正規模・適正配置などに関する手引き」によると、小学生の適正な通学距離は4㎞以内とされているので、この会もそれに準じます。

 

まずは駅最寄りのデパートでタオルを調達した後…

 

区民プールに到着!

今回は「小学生のころのプール帰りを再体験」なので、メンバーには2時間たっぷり泳いでもらいます。

 

~ 遊 泳 中 ~

 

プール完了!

 

マントお披露目

メンバーのマントスタイルを紹介。

 

No.1 原宿

まずは編集長・原宿さん。

 

40歳を超え、初老に片足を突っ込んだ編集長だが、あえての「マイメロ」でガーリーなマントをチョイス。

一見、アンバランスかのように思えるファンシー系のマントと、ボタニカル系のシャツ・パンツを違和感なく纏め上げることができるのは、「ウンチとしっことゲボのごった煮メディア・オモコロ」の編集長だからこそなせるわざだろう。

6歳の娘さんを持つ編集長。もしかしたら、企画終了後、このマントをプレゼントするのかもしれない。

良きパパとしての役割も忘れていない、「パパ水泳マントスタイル」を披露してくれた。

 

No.2 野田せいぞ

続いては野田せいぞさん。

 

右肩を出しての「帝王(カイザー)スタイル」

どうしても主張が強くなりガチなキャラ物デザインも、「野田せいぞ」の手腕にかかれば“こなれ感”を演出できる。全体的に青色で統一しているのも、上級者としての「格」を見せつけてくれる。

──ファッションを意識するのではなく、ファッションを意識させる。

もはや一つのブランドとして確立された「野田せいぞ」。水泳マントコーデでもしっかりと「野田せいぞモード」を感じさせてくれる仕上がりだ。

 

No.3 たかや

この企画の発起人・たかや。

 

腰まで届くマントの長さでAラインを意識。当時の小学生のシルエットに出来る限り近づけてみた。同時に、今年トレンドのビビッドカラーも重視。

過去と現在をフューチャーさせる。それがこの企画の主旨な以上、発案者として、しっかりとその役目を果たしたい。

三十路目前Webライター。座右の銘は「いつだって現実はクソ」。今日は小学生に戻らせていただきます!

 

No.4 彩雲

ラストは彩雲さん。

 

「青・水色・グレー」のトリコロールのマントをチョイス。

オモコロライターとしてはまだ歴も浅く、フレッシュ溢れる最年少であるが、どことなく上品さと重さを感じるキレイめ水泳マントコーデだ。

マントと靴下をボーダーで合わせているのもポイントが高い。下校に限らず、デイリーユースとしても活用できそう。

 

また、彼は「夏の小学生っぽいから」と『ダイの大冒険の水筒』を持参してくれた。アイテムにも気を遣えるあたり、新人ながらも確かな地力の高さがうかがえる。彩雲さん、絶対ダイ大の世代じゃないだろうけど。

 

以上、紹介終わり

メンバーには、この水泳マントを羽織ってもらい、小学生のころのように下校をしてもらいます。

 

目指すは東京スカイツリー!

 

プール終わりに、歩く。

 

それだけのことだが、それ以上のことが起こると信じている。

 

今日だけは堅苦しいスーツも、自分の首を絞めるネクタイも…。

 

「大人の衣服」を何もかも脱ぎ捨てよう。マントを羽織って駆け抜けよう。

 

戻ろう。自分たちがどこに向かおうとしているのか分かっていたあの頃に。

 

わが名は小学生。

 

われらは、小学生だ!

 

ひと夏の冒険が始まった!!!

 

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