犬、好きです。
ふさふさの毛、きゅるんとした瞳、ぴょこぴょこと振れるしっぽ…。
…だけじゃない。
ゴムパッキンみたいな唇…香ばしい芳香の肉球…かかとの皮と骨しかない部分…
ネットの動画などだけでは満たされない生き物の良さ、ありますよね。
特に鼻
やわらかくてひんやりしてちょっとヌチョペとした元気の証、
寝起きのカラカラ状態もそれはそれでいい。
(常に乾いている場合は体調をチェックしてね)
犬が手の匂いを嗅ぐ際に0.6秒ほど触れるあの冷たさ。
ちょっと指先が濡れて困っちゃうけど嬉しいやつ。
生犬(なまいぬ)でしか味わえない緊張感と多幸感。
犬の鼻、触れたいな!
しかし犬の鼻は大変デリケートな部分、自分で飼っている犬でもベタベタ触れていい物ではない。ましてや他人の犬の鼻なんて滅多に触ってはいけない*¹のです。
*¹犬が望んだ場合を除く
なので、人工的に作ります。
犬の鼻を作る
①湿ってる
②柔らかい
③指を少しだけ濡らすことができる
今の私に必要な要素をまとめると「スーパーの袋詰め台にある指濡らすやつ」と非常に近いことがわかりました。
指の乾燥でレジ袋が開けられないとき、でかいゴールデンレトリバーに濡れた鼻を貸してもらえる生活を妄想しつつ「犬鼻の指濡らし」をまず作ってみます。
【材料】
- ぬいぐるみ用の犬の鼻パーツ
- 型取り用ねんど
- 発泡ウレタン
- 黒顔料
- 指濡らしのケース
- アクリル蓋
ぬいぐるみ用の鼻パーツを粘土で型取りし、
混ぜるとスポンジ状に膨らむ発泡ウレタン樹脂を流し込みます。
入れすぎました。想像を超えて膨張してる。怖い。
自分の作った生命体が暴走している博士の擬似体験だ。
暴走もおさまったところで型から剥がします。
離型したては温泉まんじゅうの外皮のようにやわやわでほんのり暖かく、生命をわずかに感じます。
化学反応による熱なのにすでに愛おしい…。
これをケースに嵌め込んで、切り抜いた蓋を重ねたら完成ってワケ。
スポンジ状の鼻に水を含ませ…、
あっ…
これ……
元気な犬の鼻です!!!
しっとりとしつつひんやりとしてふんにゃりと柔らかい、期待以上の犬の鼻ができました。
指の乾燥で袋が開かないときも…
チョンチョン…
これからの時期、指の水分量がどれほどマイナスを更新しようが私にはイマジナリー・ゴールデンレトリバーがそばについているので問題ないです。
ありがとうございました。
違う!
これは果たして「犬」なのか?
私は指を湿らせたかったんじゃない、
犬の鼻を通じて犬に触れたかったの!
「犬の鼻を買いに来た人が欲しいのは鼻ではなく『犬』である」
-犬の鼻理論-
犬がこちらに鼻を差し出す時、果たして指に対して垂直に上を向くでしょうか。
そんなことはない、
遠慮そうにこちらを見つつ指を嗅ぎ、2、3回鼻先がちょんと触れるあの感じを再現したいのです。
もう少し理想に近づけてみましょう。
なんとか「犬が手の匂いを嗅ぐ時、少しだけ触れる鼻を愛でる装置」にアレンジできないでしょうか。
目の部分にセンサーを埋め込み、手を差し伸べると前進して鼻を触れさせてくれる犬のロボットです。
ロボットを作ったことは一度もないのですが、頑張ればなんとかなるでしょう。
いざ、制作!