ライターの彩雲と申します。

 

 

今回の特集ですが、「座談会」をやらせていただきたいと思っています。

 

 

座談会記事といえば、Web記事の形式の中でも代表的なものの一つ。みなさんも一度は読んだことがあるのではないでしょうか。

僕も曲がりなりにもWebライターなので、一度くらい座談会記事を書いてみたかったのです。座談会をやるのっていかにもライターの仕事っぽくてかっこいいし、座談会を通していろいろな人と交流ができるとしたら一石二鳥ですからね。

というわけで、早速座談会の準備に取りかかるとしましょう。

 

 

…………

 

 

……そうか、座談会をやるにはまず人を集めなきゃいけないのか。でも誰を? 特に親しい人もいないのにどこでどうやって参加者を募ればいいんだ?
それに仮に人が集まったとしても、そこから日時の調整をしたり、事前に参加者に当日の流れをしっかり説明したりしないといけないのか……考えただけでもめんどくさいな。

 

 

それで当日は、座談会の主催者として議論が活発かつ円滑に進むように場をうまく仕切らないといけないのかな。あとから記事にすることも考えて見せ場を作ったりとか。でもそんなのって素人に可能なの? こちとら大物司会者じゃあないんだが?

 

 

で、座談会が終わったら、ようやく記事を書き始められるわけか。でもまずテープ起こしがめちゃくちゃ面倒臭いらしいからなあ。数十分はあるような録音を全部聞き返すだけでも大変なのに、それを文字に起こすのってどれくらい時間がかかるんだろう。その上そこから記事に使える部分を抜き出して、読みやすいように編集して…………

 

 

すみません、座談会記事を書くことは「不可能」だったようです。今世に出回っている座談会記事は全て何らかのインチキで書かれているものと思われます。「富岳」などのスパコンならともかく、人間の脳の処理能力でこれだけのタスクをこなせるとは到底思えません。

 

 

でも編集部には「次の特集は座談会記事でいきます!」って言っちゃったしなあ……一体どうすれば……

 

 

……え?

今誰か何か言った?

 

 

 

 

 

そうか……
確かに一人でやるなら誰かの協力を仰がなくていいし、話術や司会力もいらないし、記事もあとから好き勝手に書けるので録音や文字起こしの必要もありません。つまり、座談会記事における面倒な手順を全てショートカットできるということ。なぜこんな優れたやり方に気付かなかったのでしょう。

 

 

一人で座談会をやりましょう。それしかありません。

 

座談会の参加者を作ろう!

 

座談会を行う以上、自分以外の参加者の存在は不可欠です。しかし、それが生きた人間でなければならないという決まりはないはず。そこで今回は、発泡スチロール製のマネキンヘッドを三つ用意しました。

 

 

これだけでも十分にリアルな造形ですが、せっかくなのでより人間らしさを高めるため少々の加工を施しましょう。

 

 

まずはスプレー塗料で全体を見目よく着色していきます。

 

 

これだけで無機質なマネキンがポップで親しみやすい印象に変わりましたね。ちなみになぜ紫色なのかというと、僕にとって他者は常に恐怖と猜疑の対象なのでそれにふさわしい色に塗るべきだと思ったからです!

 

 

続いて爪を切り、それをマネキンの頭に埋め込みます。

 

 

「ひとりかくれんぼ」のような降霊術では髪の毛や爪など自分の体の一部を人形に詰めますが、それと同じことです。こうすることで、マネキンに一種の人間性を与えるというわけです。

 

 

最後に、彼らに名前をつけてあげましょう。命名とは文字どおり命を吹き込む行為。これによって彼らは座談会の参加者としてこの世に生を受けるのです。

 

 

今回は、彼らがあくまで仮構の人間であることから「存在しない人偏の漢字」を名前にあてることにしました。こうしておかないと、彼らが自分のことを本物の人間だと勘違いしてしまうかもしれませんからね。

 

 

さあ、これで座談会の参加者が完成しました。これなら本当の人間と見比べても遜色ありませんね。みなさんもぜひ真似してみてください。

 

あとは彼らとの親睦を深めつつ、座談会当日を待ちましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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