こんにちは。オモコロ編集部です。

みなさんにとって「憧れの教師」はいますか?

 

……それは多感な時期に接触する大人。良くも悪くも生徒に大きな影響を与える重要な仕事です。だからこそ、教師は憧れる人も少なくありません。

一般的なオモコロ読者はしょうもない学生時代を過ごしてきたでしょうが、1人ぐらいは好きだった教師がいたはずです。

 

ああ…

 

 

ググったら教職課程を経て、教員採用試験に受かればなれるそうです。

まあ、そうなんですけどね。そうなんだけど……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな怠惰な魂を抱えた教員免許を持たない3人と、なぜか教員免許を持っていた1人(ARuFa)が集まりました。

というわけでこのメンバーで…

 

生徒に尊敬されるような、理想の教師を実演していきます!

 

ちなみに人材不足のためアラサーが学生役を務めますが、何卒ご容赦ください。

それでははじめて参りましょう!

 

 

1人目 ダ・ヴィンチ・恐山

1人目はダ・ヴィンチ・恐山

高校生の時は演劇部に入り充実した学生生活を送りましたが、大学生の時は落研に入り大学生全員を心の底から憎むようになってしまって1ヶ月でバックレたそうです。

 

さあ、トップバッターはどんな理想の教師像を見せてくれるのでしょうか!?

 

 

「聞いたか? 体育の敷島、事故で大ケガして入院らしいぜ」

「なんかアイスピックみたいなので刺された? って聞いたけど」

 

 

「マジ? でもアイツ体罰みたいなことやってたし、正直スカッとしたわ!」

「バチが当たったんじゃね~?」

 

ガヤガヤ…

 

 

(くだらない学校。くだらない大人)

 

(世の中クソばっかだな……)

 

 

ガラッ

 

「うーい、席つけ~。授業始めんぞ~」

 

 

 

 

「何ページからだっけか……教科書ちょっち見して」

 

 

「え~と、つまり加法定理っつうのはだな……ふわ~あ」

 

 

「ツガイちゃん寝不足? もしかしてカノジョと朝まで……?」
「ツガイちゃんに彼女なんかいるわけねーじゃん!」

 

「二日酔いだよ、ほっとけ。次のテスト難しくしてやんぞ」

 

アハハ……

 

(くだんねぇ……)

 

 

「お、それSSレアじゃん。俺課金したのに出なくてさぁ~」

「!」

 

 

「つーわけで、赤点の贄川は放課後に補習な~」

「……………」

 

 

~放課後~

 

 

「贄川、理解は完璧だけど、ちょっち応用が弱いねぇ~」

「はぁ……っていうか、こんな公式覚える必要あります?  数学なんて、将来なんの役にも立たないじゃないですか」

「それはどうかなぁ~?」

 

「わかりますよ。僕は僕の力だけで生きていきますから」

「ほぉー」

 

 

「その『力』で、敷島先生を襲ったのかな?」

 

「……は?」

 

「まあ俺も正直スカッとしたけども……でも、ああいう力の使い方はいかんでしょー」

 

 

「……僕がやったって言いたいんですか?」

 

「だって敷島のケガ、あれ明らかに常人の仕業じゃないし。お前は授業中も『力』がダダ漏れだもん。簡単な帰納法だよ」

「……僕が」

 

「僕がやったとしたら……」

 

 

どうだっていうんだ!!

 

 

 

 

「……! し、しまった。つい我を忘れて……。まさか、殺……」

 

 

 

「……”而孔”が開いて2週間ってとこか。うん、センスは申し分ない」

 

 

「でも演算の経路がエレガントじゃない。力がブレて、描出にムダが多い」

 

 

「だから殺せない」

 

 

「力を使うなら。もっと理論を抑えないとさ」

 

 

 

「こうやって指先に集中して……」

 

 

グ……グググ……

 

 

ゴポッ

 

 

「こんなふうに……」

 

 

「”最短経路”を選べば、短時間でここまで育成(そだ)つ」

 

 

(半端じゃないエネルギー量……この距離でも立ってるのがやっとだ……!)

 

 

「ふぃ~……俺もトシだな。昔は3倍くらいあるのをすぐ作れたんだけど。ま、こんなふうに理論を学べば『原理』を制御できる」

 

 

「これが枢学(すうがく)だよ」

 

 

 

「早めに覚えておいたほうが身のためだぜ。もし力に溺れてコントロールを失うとこんなふうに……」

 

シュル…

 

「力に食われるぞ」

「……!」

 

 

「以上。補講終わり! 次までに復習しとけ~。あ、そうだ」

 

 

 

「フレンドID教えてくんない? レイドボスの攻略手伝ってよ」

「……嫌です」

「あっそ」

 

 

「……なんだよ、アイツ」

 

「なんなんだよ……」

 

 

 

やはり教師といえば最も身近なオトナですから、「大人ってすげえ」とあこがれられるような存在になりたいものです。そこで、普段はちょっとだらしなくて友達感覚なんだけど、実はすごい死線をくぐり抜けてきた先生になりました。

 

~会場の反応~

「良い教師の引き出しが少年漫画しかないのかよ」

「最初からめちゃくちゃフィクションでいいの?」

「『これが枢学(すうがく)だよ』のところで一回休憩挟まないと読み切れない」

 

かなりしんどめの妄想を披露した恐山。確かにかっこいい教師ではあるのですが、この企画こういう主旨だっけ?

こんな感じで続きますのでおおらかな気持ちでお読みください。

 

2人目 ARuFa

2人目はARuFa。大学では教育学部に通っていたが、教育実習中に児童に「先生ってARuFaでしょ?」とバレて教師の夢を諦めた過去があります。

 

教師というものを最も知っているはずのARuFaはどんな先生になるのでしょうか!?

 

 

「あ~、次は化学の時間か~」

「おい、そういえば今日から化学の先生が新しくなるらしいぞ」

「どんな先生が来るんだろうな~」

 

キーンコーンカーンコーン♪

 

 

イ゛ィーーーーーン

 

カッカッカッカ

 

「わたくし、化学教師の『馬場母坊(ばば ぼぼ)』と申します」

 

????????

 

「あ~、ロケット乗ると喉乾くんだよな……」

 

「喉は教師の命だってのにな!みんなもそう思うだろ?」

 

「えっ先生、急にその薬品は何なんですか?」

 

ジョボボボボボボボボボボボボ

 

「えっ先生!? 何ですかそれ? なに入れたんですか先生!?」

 

ボゴボゴボゴボゴボゴボゴ!!!!!

 

「先生!?えっ先生!?えっえっ先生えっ!?!?」

 

チュ~~~~~~~~

 

「先生!?先生!?先生!?先生!?先生!?」

 

「うめ~」

 

「先生~~~!先生!!先生!?先生~~~~!?先生!?先生~~~!!先先!!!生生~~~~!!!先生先生先生!!!先生先生~~~~~!!!先生先生~~~!?!?!?

 

「……ん~? なにキミ、そんなに実験が好きなの?」

「いや、別にそういうわけでは……」

 

「じゃあこれあげちゃう」

「え?」

 

「何ですかこれ……ただのフィルムケー…」

 

ボゴォッ!!!!

「あああああああああああああ!!?!?」

 

「……おい!!何なんだコイツ!!!」

「めちゃくちゃヤバい教師来ちゃってんじゃん!!」

「教育委員会に連絡したほうがいいんじゃない!?」

「コラ!君たち!!私語厳禁だぞ!!!」

 

「そんなうるさい奴等にはなぁ……」

「何だぁ!?チョークでも飛ばすつもりか!?」

 

(スッ……)

「うわあああああああああああああああ!!!?」

 

「粛清ロケット発射!!!!」

 

ぶねっ……!!

「なんつって(笑)まあ当てませんわな(笑)」

「マジで何なんだコイツ」

「本当にビビったときって声出ないんだね」

「ごめんって(笑)」

 

 

「じゃあお詫びに……そうね、教室にあるチョークで出来る面白い実験を見せてあげましょうかね」

「えっ?えっ?」

 

「はい小皿に液体、ドン」

「待って! これ何!? 先生手袋してない?!怖い怖い怖い!」

 

「そんでこの黒い液体を用意して……」

「おい!! 絶対ヤバいマークじゃねーか!!!」

 

「チョークを一周するように、黒い液体をぬりぬりしたら…」

 

「チョークを小皿の液体に浸けて……キミ、このままチョークに指を置いててね」

「え、あっ、はい!」

 

「えっ、マジで何が起きるかわからないんですけど……」

「チョークに塗った黒い液体の線をよく見ておくんだよ~」

 

 

ギャン

 

「やばい!!なんか毒素みたいのが上がってきた!!これ素手で大丈夫なやつ!?怖い怖い怖い怖い!!」

 

「……はい、というわけで、先生のほう注目~!」

「せ、先生!?」

 

「皆さんもいま体感したと思いますが、『わからないこと』というのは、非常に恐ろしく感じたと思います」

 

「でも実は、お皿に入っているのはただの水で、黒い液体は水性インクだったんです」

「そうだったんだ……」

「で、これは混合物をわける『クロマトグラフィー』という方法で、今はインクの色成分が分離されて上に登ってきた訳ですね。わかると怖くないでしょ?」

 

「…このように、『わからないこと』『わかる』にするのが授業なわけです。怖いものが減れば少しは日常も過ごしやすくなると思いませんか?」

「確かに……」

 

「なのでみなさんには、私の授業で是非『わからない』を消していってほしいものですね!」

「……先生、1ついいですか?」

「どうぞ」

 

「先生が最初にストローで飲んでたものは結局何なんですか?」

「あれはクエン酸重曹と、あと絵の具洗剤を混ぜたものですね」

「え、じゃあ普通に飲んじゃダメなんじゃ……」

 

うるせ~~~~~~~~~~~!!!!!!

 

サイエンスバズーカを食らえ!!!

 

 

????????

 

「帰っていった……」

「え、これって残された俺達はどうすればいいの? 」

「いや……俺もわからない……あっ!」

 

「(みなさんには、私の授業で是非『わからない』を消していってほしいものですね!)」

 

『わからないを消す』ってまさか……」

 

キュッキュッ……

 

「自習だ……」

 

……この後、生徒たちは自主的な勉学に励み、ノーベル賞を一人13個ずつ受賞したという。

 

一方、馬場母坊は、興味本位でアンモニアを動脈に注射し死亡した。

 

 

 

子どもたちは科学実験が好きなので、実験の数で勝負する先生を目指しました。

 

~会場の反応~

「バズーカ撃っちゃってるじゃん」

「失敗作のでんじろう先生」

「最後いい感じでまとめてるけど、全然リカバーできてない」

 

理想がこれだとしたら、我々は彼が教員にならずに済んだこの世界に感謝すべきかもしれません。

 

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