3人目 モンゴルナイフ

3人目はモンゴルナイフ

高校最後の英語の授業で、先生が『君たちは有限なんだ、なんでも出来ると思うな!』と突然現実を突きつけてきたことが心に残っているそうです。

 

それではまいりましょう!

 

 

 

今日は卒業の日。

 

「みんな、卒業おめでとう。歩む道はみんな違うけど、それぞれ立派な大人になってね」

 

「先生…俺、卒業しても顔見せにくるから!」

 

「ありがとうね…」

「でも先生は、学校をやめて遠くに引っ越してしまうの。たまに思い出してくれるだけでいいわ。あんな先生がいたなって」

 

 

「え!?先生引っ越すんですか?どこに行くか教えてくださいよ!!どこでも会いに行きますよ!」

 

「…外国に行くの。すごく遠くの」

 

「ありがとうね。気持ちはとっても嬉しいわ…。でも本当に大丈夫だから」

 

「先生…、引っ越しするって本当なんですか?」

 

「……どうして?」

 

 

「…うちの学校ってなぜか卒業アルバムがないですよね?」

「調べたら50年前から廃止されてるらしいんです。それだけじゃなく、50年前を境に不自然なぐらいこの学校の記録が排除されてるんです」

 

 

「これ、最後に発行された卒業アルバムです」

 

「ここに写ってるの…」

 

 

 

 

 

「先生じゃないですか?」

 

 

「どういうことなんですか!? 先生?」

 

「……」

 

「……偶然、似ている人がいたのね」

「嘘だ!似てるなんてレベルじゃないですよ!」

 

「……」

「これ、私から餞別です。みんな元気でね」

「先生…」

 

 

 

 

 

 

「今日でみんなとお別れね…」

 

ガラッ

 

「先生」

 

「交代の時間です」

 

「わかってるわ、ただもう少しだけ…」

 

「あなたが感傷的になっているのは理解しています。でも規定の時間まであと10分です」

 

 

「…」

「なぜ…なぜこんなことをしないといけないの?」

 

「なぜ?あなたも知っているはずです。」

 

「私たちのオリジナルである土里井洋子(どりいようこ)はそれはとても優秀な教育者でした」

 

「しかし彼女は28歳でこの世を去りました。この学校にとって大きな損失でした」

「50年前のことです」

「…」

「それが理由ですよ。洋子先生」

 

 

 

「だからって、クローンなんて作っていいと思う?」

 

「倫理的な問題は私たちの考えることではありません。私たちが考えるべきは生徒のことだけです」

「だから1年間という期間を設けています」

「…」

「いまあなたがオリジナルの土里井洋子から離れ始めているように。私たちが善き教育者でなくなってしまうのを防ぐために」

 

「そんなの私は嫌よ」

「すみません、先生。もう時間です」

 

「私の生徒たちは…みんな優秀だったわ」

「ええ、私たちは優れた教育者なのですから」

「違うわ。私が、私が教えたから…、うっ!」

 

 

「先生。一年間お疲れ様でした」

 

 

~数年後~

 

「この辺なら大丈夫かな…」

 

 

 

「もう出てきていいですよ」

 

「ふう。やっと出れたわ。カバンの中、もう少し快適に出来ないかしら?」

 

 

 

……ん?

 

貰ったお守りの中になにか入ってる…?

 

これは……?

 

 

 

「お守りの中のチップから、先生の人格を移植するのに時間がかかっちゃいましたね」

「いいのよ。その間、私の意識はないんだから」

 

「さあ、これからどこを見て回りましょうか」

 

「なにせ私は知らないことだらけなの」

 

謎のある人物って憧れるのでこれを機にやってみました!

 

~会場の反応~

「いい話だ」

「クローンつくれるやつが一番すごいだろ」

「最終的に教師じゃなくなったし」

 

かなり特殊な理想の教師像を提示したモンゴルナイフ。いい話ですが、これ教師どうこうの話じゃないですね。

 

4人目 原宿

ラストはオモコロ編集長 原宿。学生時代は「ときめきメモリアル」のキャラクター虹野沙希の顔写真を財布に入れて持ち歩き、疲れた時などにそっと取り出して見ていた素敵な過去があります。

 

さあ、そんな原宿は有終の美を飾れるのか!?

 

 

「今日からくる新任の先生って、どんな人かな~」

「ゆるい感じの人だといいんだけど…」

 

ガラガラガラッ

 

「おっ、きたぞ」

 

 

 

「え?」

 

 

「どうも~、こんにちは~」

「弓?なに?」

「顔、なんか汚れてない?」

 

(これが…本当に新しい先生なのか…?)

(何かしたら射られる…?)

 

「自己紹介します。今日から新しくこの学校に赴任してきました……」

 

 

「『縦縞の魔女(たてじまのまじょ)』と申します」

「???」

 

「え?縦縞の魔女って名前?」

「どういうこと?」

 

「はい、プリントくばりまーす」

「げげっ! いきなり小テストか!?」

「そもそも何の教科なんだよ、縦縞の魔女は」

 

「え?」

 

「なぜ『プーパッポンカリーの素』をくれた…?」

「どうするよ?」

「へっ?」

 

「プリント配るって言われて、『プーパッポンカリーの素』配られたら、どうするよ?」

「どうするよって言われても……」

 

「ねえ、君はどうする? プーパッポンカリーの素をどうしてく?」

「ひっ」

 

「おんやあ? すごい汗だ。何か怖いものでも見たのかな…?」

「い、いえ………」

 

スッ

 

「あ、ハンカチ? ありがとうございま……」

 

「え?」

「ハンカチじゃないの?」

 

キュッ

 

 

「いいか諸君。今からバッファローの群れが、君たちのすぐ側を通り過ぎる。そうしたら、ささやき声で教えろ」

「先生…?」

「不安か? なに、道を究めるとな、視覚などむしろ邪魔になるだけなのさ」

「先生?」

 

これから3日後、「縦縞の魔女」先生はポルノグラフィティのライブチケットを転売していた容疑で警察に捕まった。

 

 

射ます。

 

~会場の反応~

「は?」

「縦縞要素は?」

「魔女要素もない」

「あと教師要素もない」

 

バッファローの群れを射る教師が登場したので、もう終わりです。

 

憧れる先生といえば…

さて、「憧れる先生」といえば、ファンタジア文庫の『古き掟の魔法騎士』をご存じでしょうか?

シリーズ累計360万部突破、アニメ化もされたファンタジー教師作品の金字塔『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』の羊太郎先生の新シリーズです。

こちらは記事とは異なり、しっかりと尊敬できる先生が登場します。

 

 

主人公は過去に最強の騎士と謳われたと同時、野蛮人の異名を持つシド=ブリーツェ。現在によみがえった伝説の騎士が騎士学園のおちこぼれたちの教官となるストーリー。

最初は反発を受けるものの彼の力と型破りな訓練により、次第に生徒たちからも尊敬を集め成長していきます。

 

先生たちの評価はどうでしょうか?

 

 

気に入ったようです。

 

>>『古き掟の魔法騎士』こちらから!<<