こんにちは。オモコロ編集部です。
我々はインターネットをメインとした活動してることからも分かる通り、陰鬱でジメジメとした人間が大多数を占めています。
しかし、意外にも思われるかもしれませんが、編集部には「ヒップホップが好き」という人間が多くいるのです。
堂々とした出で立ち、マイクひとつを武器に観客を魅了するパフォーマンス。自分にない魅力を持つラッパーたちに、憧れや畏敬の念を抱いているのかもしれません。
『陰気な自分が大好き』
そんな悲しい自己愛を後生大事に抱え込んでいる我々ですが…
ラッパーのように、堂々とクールに振る舞いたい…。いや、我々にだってできるはず…
※いままでの活動の一部
無理だ。
それなら…
そんな、見下げ果てた想いを叶えるために考案した方法があります。
ラッパーがよく着用している…
こういうネックレス。個性的なこれを作って身に着けたら、憧れのラッパーに近づけるのではないか…?
そう、つまり………
「第1回 ブリンブリン選手権」を開催します!
「ブリンブリン選手権」とは
「ブリンブリン」とは英語で表記すると「bling bling」。
「キラキラ光るもの」という意味から転じて、ヒップホップファッションにおける派手なジュエリーの総称を指すことが多いです。
伝統的なジュエリーとは異なり、正直に言って「そんなのあり?」と言いたくなるような個性的なデザインも少なくないのです。
これに習い、それぞれが考える「自分なりのブリンブリンネックレス」の出来栄えを競ってもらいます!
恐れを知らぬ挑戦者はこちら!
集まったのは、ヒップホップ好きオモコロライター5名。
【メンバー】
永田:日本語ラップ以外の音楽を聞かない。人生で初めて買ったアルバムはDABOの『PLATINUM TONGUE』。
山口:N.E.R.D.のファレル・ウィリアムスを見てからヒップホップが好きになり、ストリートファッションにドハマリした。
原宿:90年代にスチャダラパーの『ヒマの過ごし方』というリリックに大きな影響を受け、「暇」というサイトを作った。
マンスーン:大学生の頃に友達の家で大五郎の4リットルペットを飲みながらよくキミドリの1stを聴いていた。
ヤスミノ:S.L.A.C.K.『My Space』から日本語ラップを聞き始めた。MPC1000を持ってるが全く使いこなせてない。
そして最終的に、それぞれが作ったブリンブリンの出来栄えを本物のラッパーの方に審査していただきます。
審査してくれるのは、なんと……
ACEさんだ!!!!
フリースタイルダンジョンのモンスターとしても活躍中の超有名ラッパー! ラップスクールの講師や、「ラッパーに噛まれたらラッパーになるドラマ」の監修など、幅広く活動中!
めちゃくちゃ恐れ多い…。本当に大丈夫なのか…?
不安でいっぱいですが、メンバー達はどんな「ブリンブリン」を披露するのでしょうか?
ブリンブリン選手権、スタートです!
※この記事は「ラッパーに噛まれたらラッパーになるドラマ」の提供でお送りします。記事の終わりではプレゼント企画も開催中!
1人目:ヤスミノ
ヒップホップが好きでファッションも好きだが、「身につけてると誰かから怒られそう」という謎の自意識から、ブリンブリンはもちろん一切の装飾品を普段はつけないそうです。
いわゆるブリンブリンってメイクマネーのシンボルだと思うのですが、僕はその逆をいきます。
『洗濯干しブリンブリン』です。
は?
どういう意図?
もはやラッパーって従来の一元的な捉え方は出来ないと思うんですよね。
昔は「マッチョでいかつい不良」というステレオタイプがあって、それは決して全部が間違いというわけでもなかったのですが、やっぱりそれだけではない。
たしかにラッパーのそういう面だけをフィーチャーするのも違うよね。
「洗濯干し」はつまり「生活」のシンボル。ゴージャスな宝石であるブリンブリンと、「生活」の象徴である洗濯干しを組み合わせることによって、現代におけるラッパーの多様性を表現しました。
「表現しました」って言われても、「首から洗濯物ぶらさげてる人だな」としか思えない。
めちゃくちゃかっこつけてるけど、洗濯物、床についてるし。
洗濯物を首からかけた奴がどんなラップをするんだ。
あ、これ、MC部屋干しの1stアルバムです。
『IN MY ROOM』…。それっぽいけどさあ。
MC部屋干しって言うんだ。
そんな奴はいない。
昭和レコードのZORNさんも「洗濯物干すのもヒップホップ」って『My life』のリリックで言ってましたよ?
確かに言ってたし、名曲だけど、そういう意味で言ってたんじゃないと思うよ。
しかも、これ着用したまま歩けば、洗濯物が乾きやすいというメリットもあるんですよ?
ご近所付き合いを考えたらデメリットのほうがでかいだろ。
売れてない便利グッズ。
乾燥機買え、カス。
そんなに言わなくてもよくないですか?
…トップバッターから「ブリンブリン」と「生活感」を組み合わせ、裏をかいてきたヤスミノ。しかし、結果として売れてない便利グッズの様相を呈すことに。
ちなみに金ピカにした洗濯干しは自室で普通に使用してるそうです。
2人目:山口
20代のころはストリートファッションにのめり込んでおり…
パーティグッズみたいなサングラスを5万円で購入していた過去を持ちます。
R-E-S-P-E-C-T(リスペクト)の精神が重要だと思います。そこをストレートに表現しました。
カラフルな遺影?
なんかわかんないけど「メキシコの葬式」という言葉が浮かんだ。
遺影じゃないです。とある人物の写真ではありますが。
誰? This Man?
僕が尊敬する人物ですよ。分かりませんか?
This Man?
This Manを尊敬してる奴やばすぎる。
違います。これは『お父さんブリンブリン』です。
一番尊敬するのは自分の父。ですので、父をbling blingなネックレスにすることにしました。
これは僕が父の日に送った、シャケの粕漬けが食卓に出たところです。
「シャケの粕漬け」ってブリンブリンになることあるんだ。
こうして常に父親を身につけることによって、尊敬の念を忘れないようにします。
それがMC父親。
MC父親て。
それはもう父親の方がラッパーなのでは?
いや、まあ、コンセプトは悪くないんだけど…。いかんせんブリンブリンのクオリティがさ…。
素人が勝手に修復した文化遺産みたい。
だって手作業で地道にbling blingにしたから…
お父さんを手作業で地道にbling blingにしないで。
ブリンブリンから最も遠い行為だろ。
全体的に小学生の娘のほっこりエピソードみたいでいいですね。
…最も尊敬する父親をブリンブリンに仕上げた山口。
試み自体は悪くなかったものの、クオリティの低さと写真のサイズ感も相まって「派手な遺影」という評価を下されることに…。
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