4人目:ダ・ヴィンチ・恐山

続いてのプレゼンターは、ダ・ヴィンチ・恐山。

ゲームが好きなだけでなく、実際にゲーム作りの経験もあるそうです。
中学生の頃は街の人全員に罵倒されるRPGを作ったり、攻撃ボタンを押すと10秒かけてゆっくりとキャラの首が360°回転する格闘ゲームを作ったりして過ごしたとか。

 

私が考えたのは脱出ゲームです

実現性の高そうなジャンルだ

脱出ゲームといえば、何らかの理由で部屋に閉じ込められた主人公が、様々な謎を解いて部屋から抜け出すというもの

 

そして、クリア後に「魔王魂」というクレジットが表示されるゲームです

インディーゲーム好きにしか伝わらないことを言うな

 

【魔王魂とは】

ゲームで使えるフリー音源を大量に配布しているサイト。フリーゲームをプレイすると、このサイトのBGMを一度は聞くことになる。

 

脱出ゲームとは基本的に「この部屋から出たい!」という目的でプレイします。でも、私は思うんです

 

別に部屋から出たくない

 


元も子もないことを…

ゲーム好きにとってあるあるだと思うのですが、クリア直前になると途端に熱が冷めちゃうことありません?

それはわかる。ラスボス前で急にやる気が失せちゃったりするよね

私はずっとゲームをしていたいので、別にクリアなんて求めていないんです

脱出ゲームでそれを言っちゃいけないのでは?

 

恐山が考えたゲーム
「ESCAPE FROM SAFETY ROOM」

直訳すると「安全な部屋からの脱出」?

ゲームの舞台は自分の部屋。従来の脱出ゲーム通り、部屋から外に出たらクリアです。ただ、ドアには鍵がかかっておりません

もう脱出ゲーム終わってるじゃん!

その通り。その気になればゲーム開始1分でドアを開けて脱出し、エンディングを見ることができます

 

ただし、このゲームの主人公はただの人間ではなく……

 

 


ゲームのイメージ

心身が弱っている貧弱な男。今のまま外に出ても社会に適合できずバッドエンドにしかならないんです

メンタルの問題で脱出できないってことか

部屋の中には様々なものが置いてあり、ここで自由に過ごすことができます。体力・ストレス・社会性の3つのステータスをうまく調節し社会復帰しましょう

現実世界でもダルいことをなぜゲーム内でもやらなきゃいけないんだ

部屋の中にはPCが置いてあります。そこで社会復帰プログラムというミニゲームをやれば社会性をあげることができるんです

 

 

ミニゲームのイメージ

画面に浮かび上がる単語に合わせてボタンを淡々と押していくゲームです

つまんなそっ

社会性を獲得するミニゲームなのでクソつまんなくていいんです。ちなみにこのゲームをプレイすると、社会性だけでなくストレスのステータスもぐんぐん上がっていきます

 

その代わり、ストレス解消するための娯楽ミニゲームはめちゃくちゃ楽しいものになっています。プレイした分だけストレス値は減っていきますが、同時に社会性も失われていきます

性格の悪いゲームバランス……

社会性を取り戻して部屋を出るのか、毎日ゲームをして過ごすのか…全てプレイヤーの自由です

 

あなたの生活観の通りにこのゲームは展開していきます。そう、つまり……

 

この部屋にいるのはあなたなんです!

急に熱くなっちゃった

そういう意味では、これはナラティブなゲームと言えるでしょう…

ナラティブ?

【ナラティブとは】

プレイヤーが物語を作りあげるような濃密な体験ができるゲーム…みたいな感じの言葉。

誰もよく理解してない概念だが、ゲームオタクが良ゲーの説明をするときに好んで使う。

 

普通に誘惑に負けて外に出ずにずーっとミニゲームしちゃう気がするけど…

それでもいいんですよ。ただ、引きこもっている間は夕方に外から学校のチャイムの音が聞こえてきたり、ドアの向こうから両親の呼ぶ声がしたり…と、気がはやり主人公を追い詰めるような演出がランダムで発生します

そんなほんのりとした鬱ゲーやりたくないよ

ちなみに壁ドンすると両親の声は止まります

やめてくれ

引きこもり期間が長くなると、次第に体内時計がおかしくなり1日があっという間にすぎるようになります

そのまま社会性も取り戻さず、部屋の中にい続けると最終的には……

 

部屋のドアが消えてしまいます

怖っ!

こうなってしまうと、ゲームを終わらせることもできなくなり、無為な時間を過ごすだけになります。巷ではZエンドと呼ばれているルートですね

どこで呼ばれているんだ

無事に社会復帰できるというグッドエンドもありますが、ただ規則正しく生活させるだけの心底つまらないルートになってます。社会に出ることが本当にグッドかどうかはわかりませんから

部屋での過ごし方次第でいろんなエンディングに分岐するってことか〜

部屋の中には様々なアイテムがあり、それを自由にいじることでいろんなフラグが発生します。プレイヤーの一挙一動がエンディングに繋がっていくんです

 

ある日PCをつけると「世界がゾンビウイルスに侵された」という事実が分かる…みたいな展開はありますか?

ありがちだけど、それは世界観が違うんじゃない?

「実は人類は絶滅し、部屋の中の自分だけが生き残っていた」というエンディングなんですけど…

 

あります

あるんだ

一応ね。数十パターンのエンディングがあるので、中にはそんな展開があってもバチは当たらないかと

 


実は隣にもう一つドアが消された部屋があって、そこに白骨死体があるというエンドは…?

 

あります

どんどん採用するじゃん

ゲーム内で全ては語らないけど、何かしらの裏設定を匂わすルートですね

まとめページ見ないと理解できないタイプのエンディングだ

 

実はゲームのキャラクターは役者が演じていて、ゲームが終わると部屋を模したスタジオから「お疲れ様でした〜」と帰っていくメタ的なエンドは…?

 

ありません

これはないんだ

よく見る展開だし、私はあまり好みじゃないので…

最後、主人公が鏡を見るとゲーム画面が真っ暗になり、そこにプレイヤーの顔が映るという演出は!?

鼻につくからナシ!

このプロデューサー、我が強いなあ

 

実は全て宇宙人による実験だったのだ!というどんでん返しの展開は…?

アリ!

ある日起きたら真っ白の病室。実は今まで見た部屋は精神世界のイメージだったというエンドも?

あるに決まってるでしょう。実は心象風景だったという展開はみんな好きなんだから

 

部屋にはえたキノコを食べると頭がおかしくなって、部屋が180度反転した状態でゲームが進む!

 

キミ、面白いねえ!!

気に入られた

ステージが部屋一個分しかありませんからね。制作時間が抑えられる分、エンディングを作り込む工数に割くことができるんです

ちゃっかりゲームの実現度も見込んでる

全エンディングを見るためにやり込んじゃいそうだな

ゲーム全体のトーンは暗いけど、気づいたらなんか起動しちゃう…そんなゲームを目指しています

 

 

5人目:ARuFa

最後のプレゼンターはARuFa。
ゲーム中は馬鹿みたいにデカい声でリアクションするので近所迷惑になるんじゃないかとビビっているそうです。

 

今回のテーマは「絶対にウケる」ゲーム。なので、誰もが共感できる「日常のピンチ」をテーマにしたゲームを考えました

本気でゲーム化を狙ってるな

まずは皆さんに見てもらいたいものがあるんですが……

 

なにこれ?

空きペットボトル・観葉植物・脱ぎ捨てたシャツ・フライパンです

それをわかった上で聞いてるんだけど…

急にガラクタ市を始めるな

 

実はこの4つにはある共通点があるんですけど、わかりますか?

共通点?

どれも、僕が考えたゲームでは重要アイテムなんです

 

家にあるものとか?

いいえ。違います

捨てるときの分別法がわかりにくいもの?

ゴミ分別ゲーム?

違う違う!

 

実はこれ…全部……

 

オシッコができるんです

???

 

え? できないよ?

ARuFaさんはこれらが便器に見えている…?

この4つはどれも「オシッコが漏れそう〜!」という緊急事態に、最悪オシッコして助かることができるアイテムなんです

緊急時とはいえコレで用を足すのは無理よ

いやいや。できるでしょ

 

急に尿再現を始めたARuFa

よしなさい!みっともない!

空きペットボトルは言わずもがなですし、観葉植物もホットスポットですよね

脱ぎ捨てた服は?

染み込ませれば一発でしょ

思ったより大胆な処理をするね

 

フライパンは、オシッコした後に火にかければ蒸発するので証拠隠滅まで可能です

調理すんな

 

ということで! 僕が考えてきたのは、周りの人にバレないようにこっそりオシッコをするゲーム

対象年齢が低すぎる

 

その名もDBOG!

PUBGみたいに言うな

D(どこでも)B(バレずに)O(オシッコする)G(ゲーム)! DBOG!

 

今にも漏れそうな主人公を操作して、いろんなものにこっそりオシッコをして生き延びろ! というシンプルなゲームです

違う意味で爽快なゲームですね

画面にはオシッコメーターが表示されていて時間とともにだんだん溜まっていきます。それがバーストするとGAMEOVERです

可視化された膀胱じゃん

 

ゲームステージは例えば今いる会議室など、日常の一場面です。ここでバレないようにオシッコを決めていきます

なんて汚いスニーキングミッション

ちょっと実践しますよ? 例えば、会議室ステージだったら…

 

こう、キャラを操作して、バレないように観葉植物にオシッコを……

バレバレじゃねえか!

おい! アイツ会議室で放尿しようとしてるぞ!

 

CAUTION!CAUTION!

CAUTION!CAUTION!

CAUTION!CAUTION!

 

マンマミ〜ア〜〜〜!!!

 

はい。失敗

 

なんそれ

今のように見つかるとお説教されて、その間動けずにオシッコメーターだけが上がり続けるというペナルティをくらいます

それを聞くとたしかにゲームっぽいけど……

アイテム「エナジードリンク」を使うと、通常の倍のスピードで動けるようになるんですが、その代わりオシッコメーターもガンガン上がるようになります

ちゃんとゲーム性まで考えてるんだ

 

ゲーム画面には敵キャラの視線が表示されるので、それをかいくぐってオシッコを小分けに放っていくとバレずにクリアできます

匂いという肝心の要素を無視してる

難易度が上がると、他人に見られながらでもオシッコしないといけない時はあります。そうなると多少テクニックが必要かもしれません

テクニックでどうにかなる問題じゃないよ

いやいや…できるんですって

 

ていうか、今してますから。オシッコ

???

こんな恐ろしい告白があるかよ

オシッコ狂人?

これがゲームだったらぐんぐんオシッコメーターが減ってるところです

 

まさか…今その手に持っているもので…?

 

ご名答! 実はホワイトボードクリーナーにコッソリ染み込ませてたんです

誰かこいつを止めてくれ

こうやってステージに散らばるアイテムを上手く使ってバレないようにオシッコをしましょう

普通にトイレでやればよくない?

このゲームにトイレは存在しません。全部封鎖されています

なんでよ

トイレットウイルス、いわゆる『Tウイルス』によって世界中のトイレがぶっ壊れたからです

上手いこと言ったつもりか

 

 

ちなみに観葉植物にオシッコすると、草木が急成長します。それを登ると今まで行けなかった空ステージにいけたりします

空ステージってなんだ

こういうゲームらしいギミックも満載なんですよ

 

他にも、フライパンでオシッコを蒸発させると、蒸気でスプリンクラーが発動して、オシッコし放題のボーナスタイムに突入します。濡れてるとバレないしね

ARuFaさんは人前でオシッコできる時間をボーナスタイムって呼んでるんですか?

ステージを駆け回って鮮やかにオシッコを決めましょう!目指せ!ベストオシッカー!!

 

 

 

 

これで全員のゲームアイデアが出揃いました!

果たして、ゲーム化されるのはどのアイデアなのか!?

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