プラレールはいい。
シンプルで無駄がなく、それでいて凝るところはしっかり凝っている。
ハイテクすぎないのもいい。
たとえばこの踏切。
すごく頑張れば子供でも真似して作れるような、基礎的な技術だけでつくられている。遊びながら勉強にもなるのだ。
現実にこんな不意打ちの踏切があったら人が死んで死んでしょうがないけど。
私が毎日プラレールで遊んでいても飽きない理由がもうひとつある。
顔
顔だ。電車の顔はどれも個性豊かで、見ていてとても楽しい。
私はよく、顔からその電車の性格を考える遊びをやる。
たとえば…
「EF81 トワイライトエクスプレス」
「トワイライトエクスプレス」という華奢な名前に反して、見た目はごつくて男らしい。
「山男の熊五郎」という感じだ。いびきがうるさそう。
これを擬人化したらどうなるだろうか。
紙粘土で顔を作ってみた。むっすりしている。
色を塗ってみよう。
「俺の名は熊五郎。よろしくな」
熊というより鬼だ。鬼みたいな熊五郎。人面電車の完成だ。
ひとつだけではさみしい。仲間を増やそう。
「電気機関車EF66」
見た感じいい奴そうだ。誰に対してもとりあえず頭を下げる、子分肌という感じがする。(勝手なことを言って申し訳ない)
また粘土で顔を作る。
こんな深海魚がいた気がする。
「どうも、矢助と申しやす。」
ほほ!かわいいやつめ。口まわりが荒れてしまった。胃腸が弱いのでしょう。
この調子でどんどん人面電車を量産していこう。
「189系 あさま」
個人的なイメージだけど、この電車を見るとおばあさんに会ったような気持ちになる。私の中のおばあさんのイメージとぴったり合っている。高野豆腐の煮物が匂ってきそう。
ということで、おばあさんにしてみた。
「あたしがお富ばあさんだよ。あんた、うまそうな顔してるね~?」
優しそうなおばあさんを作ろうと思ったはずなのになぜ…。今にも舌なめずりしそうだ。
おばあさんがいるなら、おじいさんも作らなくちゃ。
「ぬぅっふっふ……種吉じじいじゃ。ぬぅううっふっふっふっふ……」
なにをそんなに笑うことがあるのか。
どんどんいこう。
江ノ電だ。
ライトが真ん中についているので一つ目の妖怪みたいだ。
「見える、見えるぞ!おぬしの業が見える」
妖怪 一目入道
日本の妖怪を作ろうと思ったのに、アメリカのモンスターみたいなものができてしまった。
ところで妖怪といえば…
この電車も妖怪っぽい。
目が4つあるし、感情が読み取れない顔をしている。
思いっきり妖怪にしてみた。
全部で6台の人面電車ができた。
こんなに作ったのだから、芝居をやりたくなる。
はじめに舞台を作ろう。土と背景の写真を拡大コピーして貼る。
背景と地面のつなぎめには私の服(私は黒い服しかもっていない)を置く。
うしろのほうをご覧いただきたい。黒いうねうねしてるのが私の服だ。こうすると砂利の山みたいに見える。(見えますか…?)
レールと100円ショップで買った工芸用の草を置く。
最後に月の上に電球を取り付ける。
電球で照らすと写真の月が光って見える。
完成した!月、見えないじゃないか。
次に沼を作る。
ポリバケツに水をはる。絵の具で色をつけている。
段ボールで作った沼のほとりをかぶせる。水面が見えるように穴をあけてある。
レールと電車を置く。明かりを消すと…
こうなる。暗いところで撮影するとリアリティが増すけど、よく見えなくなるので注意が必要だ。
こうしてプラレール劇『沼』は完成した。
ありがとうございました。
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