こんにちは。ライターのたかやです。いきなりですが皆さん「インスタ映え」させていますか?

 

世は、誰も彼もがフォトジェニックさを追い求める「インスタ映え」時代。

 

「インスタ映えする」代表的な食べ物といえば、パンケーキやパフェですよね?

このようなカラフルキラキラしてオシャレな被写体は多くのinstagramユーザーに好まれる傾向にあります。

(ちなみにinstagramで「♯パンケーキ」と検索するとヒット数は約3.3万件)

 

 

…しかし、

お気づきでしょうか? 「インスタ映えする物」があるということは…

 

光射すところに影が生まれるように「インスタ映えしない物」もあらゆるジャンルで存在しています

例えばインスタ映えする食べ物の代表格が「パンケーキ」とするなら、インスタ映えしない食べ物は…

 

『もんじゃ焼き』ではないでしょうか?

鉄板焼き屋ではおなじみの「もんじゃ」。

具材のバリエーションも豊富で、かつ手軽に作れるもんじゃ焼き。子どもから大人まで幅広く愛される粉もんメニューです。

料理としてはハイパー美味なフードですが…

 

いいですか? もう一度「パンケーキ」の写真を見てください

 

映えるねぇ~~~~~☆

ピンクや黄色がとてもキラキラして、めちゃ×②映えるヨネ!!

可愛い!!!! パンケーキすっごく可愛い!! ベスト・映えフード確定!!!!!

んも~~~~~!!!!

 

対してもんじゃは…

 

映えないねぇ~~~~~?

写真映えしない色合い。びしゃびしゃすぎてスタイリッシュさの欠片もない。錬成過程で失敗したミュータントかお前は。

勿論! もんじゃ焼きには何ひとつ罪はありません。 もんじゃ最高! もんじゃ美味しい! 生まれてきてくれてありがとう!

 

しかしながら、もんじゃが「インスタ映え」の対象として選ばれにくいこともまた事実…

 

それでも、もんじゃだって一度くらいは映えさせてあげたい! 「映えない物」にもスポットライトは当たるってことを証明したい!

 

そんな切なる願いを叶えるべく、オモコロから3人の精鋭が集結しました。

 

▼メンバー紹介

オモコロ編集長。一児の父。28歳まで実家暮らしの無職だった

Webディレクター。30歳まで無職だった

ライター。現在絶賛無職(25歳)

 

「時間が空いていた」という理由で集まったこの3人ですが、偶然にも無職の経験者ばかりが揃いました。

しかし、無職という最高に映えない人生を歩んできた彼らだからこそ、「映えない物」への共感も半端ありません!

 

前置きが長くなりましたが、今回はこのメンバーで

 

「インスタ映えしない物」を映えさせてみたいと思います!

 

 

「インスタ映えする」もんじゃを撮る

早速、もんじゃの写真撮影に取り掛かります。

 

さ~て、いっちょ軽く“映え”させてやりますか…

甘味ばかりがアップされるインスタグラム。真の強者はもんじゃを映えさせてこそですよ

所詮もんじゃも料理の1つ。この世に映えない料理は存在しない!

 

なぜか自信に溢れている一同。

しかし10秒後ー

 

…あれ? おかしいな。なんか良い写真にならない

もんじゃってどの角度から撮影すればいいんだ? 真上? 斜め上? 横? 

もっとカメラを鉄板に近づけたらいいんじゃ…熱(あ)っづい!!

 

想像以上に難しかったようです。これまでもんじゃを食べる機会はあっても、意識して撮影することはなかったので正解がわからない…。

 

とりあえず撮れました。どうでしょうか…

 

▼たかや撮影「もんじゃ」

 

映えてねぇ~~~

食べ物の写真に青色のフィルターをかけるのがありえない

インスタって大体青のフィルターがかかってるイメージだったから…

全然美味しそうに見えない…。もんじゃが可哀想

もんじゃさんに謝れ。あと下町の子どもたちにも謝ってほしい

こんなボロカスに言われる? じゃあ二人が撮影したもんじゃはどうなんですか!

 

▼原宿撮影「もんじゃ」

 

写真もコメントもパッとしないなぁ

「もんじゃ…だ。」という感想しか出てこない空虚な一枚

ジジイが経営してるさびれた定食屋のメニュー写真にありそう

もんじゃを上手く撮影するのめちゃくちゃ難しいんだって! 引けばいいのか、寄ればいいのか、ベストな距離がわからん!

 

▼マンスーン撮影「もんじゃ」

 

???????

なんだこれ???

宇宙から見た地球の光ってキレイですよね

いや、もんじゃは?

超至近距離で鉄板を撮影したらそれっぽくなったので

だから何だよ

もんじゃって分かるように撮ってくれ

 

▼たかや撮影「もんじゃ②」

 

instagramで最も人気のハッシュタグは「♯love」らしいです。なのでハート型のもんじゃを撮影してみました

寒気のするコメントを添えるな

明太子もんじゃとハートの形は相性が悪いのでは?

たかやは「インスタ映え」以前に、いろんなオシャレのセンスが欠落している

ハート型にしても、もんじゃは映えないのか。…難しい

 

▼マンスーン撮影「もんじゃ②」

 

夕日が当たる水面ってキレイですよね。タイトルは『夕方の水面』です

だからド至近距離で撮らずに、もんじゃと分かるように撮れって

 

その後も撮影を試みるメンバーでしたが…

 

だぁ~~~~~~~!!! もんじゃ、クソ難しい!

なんで?! なんでここまで「映え」てくれないのもんじゃ!! ねぇ?!

料理の本懐は“食べられる”こと。映える写真が撮れたところで果たして料理が喜ぶのかって話ですよ

「映えさせよう」と躍起になる、その心こそが浅ましく映えていない事実にみんな気付くべき

インスタなんて夏に「♯ビキニ」で検索することしかせんわ

 

自分の技術の未熟さを棚に上げて、企画の趣旨をディスり始める一同。

 

プロのカメラマンに助けて貰います

このまま続けても素人の力では限界あるので…

 

プロのカメラマンをお呼びしました!!!!

 

yansuKIM (やんす)さん

1992年奈良県生まれ。2015年amanaグループ株式会社acubeにて シズル専門の静止画・動画撮影チームを経験後に独立。 透明感のある世界観で静止画動画問わず広告・web・雑誌を中心に活動中。

 

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大葉たっぷり鶏つくね

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やんすさんがご自身のinstagramに投稿されている料理の写真。身近な料理なのに、やんすさんの手にかかればこんなにもお洒落な写真に。

 

 

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夏!

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その他にも、どの写真もウットリするほど綺麗。

とてつもなく頼れる人がきてくれました。この人ならもんじゃも映えさすことが可能なのでは?!

 

本日はよろしくお願いします!

僕達の力では、もんじゃは手に負えませんでした…ッ!

そもそも食べ物ってどの角度・構図で撮影すれば良いのやら…

そうですね。料理を撮影する場合は基本カメラを寄せた方がいいです

 

例えば先ほど原宿さんが撮影されたもんじゃ。もんじゃ以外にも鉄板やヘラも全て写っているので、全体的にゴチャついた印象を感じてしまいます

たしかに改めてみると情報量の多い写真だ…

料理によりますが、①基本寄り気味 ②食べ物に対して斜め45° の角度だとまず失敗はないと思います

 

それと、食べ物の写真に青や緑色のフィルターをかけるのはNGです。寒色系の色は食欲を下げさせる効果があるからです。

食べ物の場合は赤や黄色の暖色系のフィルターをかけるのが鉄則ですね

 

インスタに元からあるフィルターだったら、「Ludwig(暖色系のフィルター)という加工が丁度いいかもしれません

本当だ! 一気に美味しそうになった!! スゲー!

食べ物には暖色系のフィルターをかけるべし…と

たぶんだけど、俺たちここまで写真撮る上で基礎のことしか指摘されてない

 

僕の「宇宙」はどうでしょうか…?これがもんじゃのインスタ映えにおける”正解”だと思うんですけど

いや、もんじゃだと分かるようにしてください

なぜこれでイケると思えるんだ

 

料理の写真撮影に大事なポイントを教えてもらったところで、いよいよプロカメラマンのやんすさんの撮影ターン

 

若干偉そうなことを言いましたが、実は僕も仕事として「もんじゃ」を撮影するのは初めてです。上手く撮れるかな…

おやおや…。これで映えさせることができなかったらかなり恥ずかしいですよ~?

あなたにもんじゃの壁を超えることができて?

なんでお前らが偉そうなんだ

 

どんどん鉄板に近づいていくやんすさん

そんなに近づいて熱くないんですか?

先ほども言った通り、料理の写真は寄った方がいいので出来るだけ近づ熱(あ)っづい!

言わんこっちゃない

「映える写真」のためにここまで…。これがプロの覚悟

みんなも火傷には気を付けてね!

…撮れました! 「もんじゃの一番美味しそうな瞬間」をクローズアップしてみました!

 

やんすさんが撮影したもんじゃがコチラ!

▼やんす撮影「もんじゃ」

うわーーーーーーー!!!!!!

 

凄っっっっっっっっっっっっげ!!!

グルメ雑誌の表紙を飾ってもおかしくない完成度だ…

同じもんじゃを撮影したとは思えない…

料理に限らず、写真に共通して一番大事な要素はなんです。光源の位置をどう意識するかで、その写真の印象が全く変わります。料理の写真の場合は、『半逆光』が重要ですね

『半逆光』…? 逆光は知っていますが、半逆光とは…?

 

通常、完全な逆光だと被写体(料理)が暗み掛かってしまい、順光の場合は色がクリアになり立体感が生まれにくくなります。  

半逆光はその中間(若干逆光より)から光が当たっている状態のことです

 

▼やんす撮影「もんじゃ②」

例としてもう一枚撮影してみました。半逆光は左斜め上から当たっていますよね。光源と被写体を挟んでその真正面にカメラを構えると、立体感のある写真が撮れるんです

 

あとは切り取って完成です!

この汁をそのまま飲みたいと思ってしまうほどに美味そう…

 

凄く簡単に言うなら、被写体の影が生まれている位置にカメラを構えると、立体感のある美味しそうな写真が撮れます

わっっっかりやすい!

専門の知識も無い僕達にとって、なんてありがたい説明

 

それと、「もんじゃを持ち上げる手」や「生地を流し込む」動作を撮影するっていう発想は、目から鱗だ…

今までもんじゃ焼き単体をどう映えさせようか…としか考えてなかったです

どの料理にも「美味しそう」と感じる瞬間があるのでそこがシャッターチャンスです。

鉄板焼き系のメニューは焼く工程が美味しそうに見えますよね? 良い場面を観察して切り取ることが大事です。

なるほどなぁ~。…でも、ちょっと待ってくださいよ! やんすさんは撮影に一眼レフを使われているじゃないですか。

大抵の人はスマホで撮影するし、一眼レフなんて貧乏人の僕には手に入らない代物ですよ!

やっぱり機材のハンデは生まれる! ズルい!ズルい!!ズルい!!!!!ムキ~~ッ!

見苦しい嫉妬を出すなって

 

たしかに僕は仕事上一眼レフを使うし、自分のinstagramにも一眼で撮影した写真を投稿しています。

だからといって高い機材で確実に良い写真を撮れるかと言ったらそうでもないと思います。あくまで幅や確率があがるだけです。

 

だから僕自身、いつも意識しているのは光源的な部分であったり「被写体が映えるポイントはどこか」なんです。

名言だ…

パチパチパチパチ!!!

 くっ…。すいませんでした…。たしかにやんすさんのアドバイスを参考にお好み焼きを撮影してみたんですが…

 

▼たかや撮影「お好み焼き」

ポイントを押さえたら格段に「映える」写真になりました!!

最初に撮ったもんじゃと全然違う!

 

 

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