「もうすぐ着きます。はい、申し訳ございません」
今日はグッドウィルで軽作業のアルバイトだ。
急がないと、集合時間に遅れるぞ。
「ごめん、ちょっと遅れた」
「あんたバカぁ!? レディーを何分待たせたら気が済むのよぉ!」
遅れてしまってごめん。 |
あんたなんか大っ嫌い!
もう顔も見たくないわ! 絶交よっ!!! |
「急がないと間に合わないわ。行くわよ」
「チャゲ、アスカ、遅かったな」
チャゲが遅れたからよ。
で、今日はどんな軽作業をすればいいの? |
「この公園にはゴミがたくさん落ちている。
チャゲ、アスカ。お前たちにはゴミ拾いをやってもらう」
「……ゴミ拾い!? 無理だよそんなの。
ゴミ拾いなんて見た事も聞いた事もないのに出来る訳ないよ!」
お前には失望した。
……アスカ、あれを見てみろ! |
あんな拾いにくいところに……空き缶が…… |
拾え。 |
無茶よ! だって、あんな拾いにくいところにあるのよ! |
ぼくが……ぼくが拾いますっ!!! |
「…………」
「クソ、ダメだ。届かない。
草が生い茂っており、それがぼくの邪魔をするから届かないよっ!」
「あたしが支えるからがんばれ」
「アスカありがとう! 支えてくれたら拾えるかもしれないっ!」
「手が届いたっ! 拾うことができたっ!!!」
「よくやったな、チャゲ」
「アスカ、あそこを見てみろ!」
「あんな急な斜面に……軍手が落ちているっ!!!」
「拾え」
「拾えるわけがないじゃないか……あまりにも斜面が急すぎるよ…」
「あたしが行くわ」
「……アスカ」
「チャゲなんかいなくったってお茶の子さいさいよ」
「こんちくしょぉおお――――――――っ!!!!!」
「あっ……!!!」
「わぁ――――――――――――っ!!!」
「わぁ――――――――――――っ!!!」
「わぁ――――――――――――っ!!!」
大丈夫か――――!?
アスカァ――――――――ッ!!!!!! |
アスカの魂が……!!!!! |
……魂が抜けてしまったぁ―――――っ!!!!! |
アスカが死んでしまった……
ぼくは何のためにゴミを拾うのか。
なんでこんな悲しい目に遭わなきゃならないのか……
「見ろ、アスレチックの高いところにペットボトルが落ちている」
「…………」
「拾え」
……ぼくはもう、ゴミは拾いません。 |
お前には失望した。もう会うこともないだろう。 |
はい、そのつもりです。 |
……ペットボトルが落ちて子どもに当たったらどうする? |
…………。 |
お前が拾わなかったら、
誰かが怪我してしまうかもしれないな。 |
ぼくが……ぼくが拾いますっ!!! |
「…………」
「くそっ、普段の生活で登ることなんてないから、なかなかうまく登れないっ!!!」
「チャゲ!ギター忘れてるっ!!!」
……その声はっ!? |
「ギターを忘れてるわっ!!!」
……アスカ?……アスカなのかっ!? |
「チャゲ! ギターを受け取って!!! 忘れてるわっ!!!!!」
「アスカか? 生きてたのかアスカ―――――ッ!!!!!」
「そうこうしてる間に手が届いたっ!!!」
「やった! ゴミを拾うことができたぞっ!!!」
「おめでとう」
「おめでとう」
【脚本】
アインツワッパ(30歳)
【出演】
アスカ・・・アインツワッパ(30歳)
【友情出演】
C H A G E・・・村上くん(34歳)
碇ゲンドウ・・・長濱くん(37歳)