こんにちは。ヨッピーです。
今日はとある若造をブチ殺しに来ました。
それがこいつ。オモコロライターのリトル田中です。
「おい。何やってんだよ」
「何って、XVIDEO見てますけど……」
「XVIDEOは無修正のAVもバンバンあるし、お手軽にエロ動画が死ぬほど見られるのでサクッとヌきたい時にちょうどいいんです」
「テメーこの野郎……!」
「何が『サクッとヌきたい』だ!! ああぁ!?
テメーはオナニー舐めてんのかコラ!?殺すぞ!!
『お手軽で便利なりぃ~!』ってお前のチンポは富士そばかよ!なあ!
富士そばなのかって聞いてんだよ!
違うだろ!?オナニーはもっとこう、孤高で、誇り高いもののはずだろうがよ!?
『お手軽でサクッと』のオナニーのどこに『ワビサビ』があるんだよ!?
いっぺん地獄見て来るかコラ!」
「いいか!?オナニーは過程にこそ意味があるんだよ!!
ヌける環境を整え、オカズを探し、その過程に一喜一憂してこそのオナニーってもんだろ!!
結果ばっかりすぐ求めやがって!スポーツ速報かよ!なあ!スポーツ速報かって聞いてんだよ!!
そうじゃないだろ!? 便利さを追求したことによって歪んでしまった日本社会の叫び声が聞こえないのかよ!?
死ね!!今すぐ死んでオナ神(※オナニーの神様)に詫びろや!」
「言い過ぎですよ」
「全然言い過ぎじゃない。大体ね、お前らみたいな若造は物心がついた時からネットだのなんだのってエロに恵まれすぎてるんよ」
「ヨッピーさんの頃は違ったんですか」
「全然違うよ。もっとこう、オナニーって孤立してて、誇り高いものだったから」
「『誇り高いオナニー』がよくわかりません」
「よし、僕について来なさい。本物のオナニーを教えてあげよう」
「美味しんぼみたいな展開になってきたな……」
「わざわざレンタカー借りてどこまで行くんですか?」
「まあまあ。来ればわかる」
「あったーーー!あそこだーーー!」
「なんですかここ?」
「エロ本の自動販売機よ。まだ生き残ってて良かった……!」
「くっせ!変な匂いがするしなんなんですかここ」
「ここが思春期の中学生にとっての聖地なんよ」
「聖地?わざわざこんな所でエロ本買う人なんているんですか?」
「あのね、まず中学生くらいの時にエロに目覚めたら、オカズをどこで入手するかっていう問題があるんよ。今はネットに繋げばいくらでも転がってるのかも知れないけど、本屋さんにしろレンタルビデオにしろ、中学生にはエロ本を売ってくれないしエロビデオだって貸してくれないんよ。だから夜中にこっそりと、こういう所に来てエロ本を買うんよ」
「ほら、これちょっと見てみ」
「裏流出スペシャルって書いてありますね。つまり、無修正の裏ビデオってことですか?」
「こればっかりは買ってみんとわからんのよね。美しい痴女優って書いてあるけど買ってみたらババアが出て来るなんてこともよくあるから」
「よし、買ってみよう」
「これ3000円もしますよ。ネットで見ればタダなのに」
「黙れ。殺すぞ」
「パッケージ開けたらめっちゃ臭い。生ゴミみたいな匂いがする」
「大丈夫なんですかほんとに……」
「あとはこういう、何が入ってるかわからないお楽しみBOXも買おう」
「無駄使いしすぎ」
※エロ本も買いました
エロ本の自動販売機を雑巾で丁寧に磨く田中
「そうそう。そうやってね。オカズに対する感謝の気持ちを忘れずに心を込めて拭くわけよ」
「ほんとに中学生の時もこんなことしてたんですか?」
「これはまあ嘘だけど」
「ウフフフ。ほんとに裏モノが入ってるのかなー!もし裏だったら明日学校でヒーローだなー!とかそういうのを想像しながらエロビデオ抱えて帰る時が人生で一番楽しかった」
「嫌な人生ですね」
そんなわけで本日5000円を使ってゲットしたエログッズはこちら。
お楽しみBOXに入ってたのはチンポにつける輪っかが2個、誰が履くんだっていう男性用のパンツ、
開けるとビョーンって飛び出してくるしょうもないオモチャの4つ。まあゴミですね。
ちなみにAVもしっかりモザイクが入ってました。
「思いっきり騙されてるじゃないですか。このAVだってDMM見たら1000円で買えるみたいだし」
「それが良いんよ。エロに対するハードルが現代は下がりすぎてるから、これくらいのハードルがあった方がワビサビも生まれるっちゅうことや」
「なんかわかったようなわからないような……」
「まだまだ、お世話になったものへの感謝が足りてへんわ。じゃあちょっとついておいで」
「またどこかに行くんですか……」
■伝説の「あの人」にお礼を言いに行こう
そんなわけでリトル田中を連れてとある場所に移動したのですが、
僕が「昔お世話になった、とある伝説の方にお礼を言いに行く」とオモコロのメンバーに伝えた所、
みんなが「僕も行きたい」と言い出したので急遽選抜メンバーで来ました。
左からヨッピー、柿次郎、セブ山です。
ヨッピー、大阪出身の34歳。
「ギルガメッシュナイト」「おとなの絵本」が性のバイブル。
中学校にエロ本を持ち込んで3回くらい没収されたことがある。
好きだったAV女優は氷高小夜、三浦あいか
柿次郎、大阪出身の32歳。
「無料のXVIDEOを観るな!作り手に還元しろ!」「スマホの小さな画面でシコるな!人間まで小さくなる!」などの価値観を飲み会で啓蒙している。
好きなAV女優の遍歴→小室友里、加納瑞穂、川島和津実、川奈まり子、彩名杏子、南波杏、吉沢明歩、夏目ナナ、喜多村麻衣、竹内あい、かすみりさ、板垣あずさ、横山美雪、瑠川リナ、やまぐちりこ、さとう遙希、前田かおり、小倉ゆず、鈴村あいり(New!)
セブ山、和歌山出身の31歳。
好きなティッシュはネピア。
「いやー、まさかあのお方にお会いできる日が来るなんてね。今日のためにDMMで人間廃業シリーズを落として予習してきました。これこれ」
「そのシリーズは良いですね。ほんと、この仕事やってて良かったわ……」
「あーやばい。めっちゃ緊張してきた……」
「さっきから全然ついていけてないんですけど、どなたがいらっしゃるんですか?
「まあまあ、来ればわかるから。それではご登場いただきましょう!」
伝説のAV女優、小室友里さんだーーーーー!
小室友里
元AV女優。レンタルビデオ時代最後のAVアイドルとも言われる。
1996年のデビューから2000年の引退まで4年間にわたって「ナンバーワンAV女優」として君臨。
当時思春期の男性から絶大な支持を集めた。
引退後の現在は女優、歌手、ライターなどマルチに活躍中。
「夜の性活相談員」としてセクシャルアドバイザーもこなす。
Twitterはこちら。
https://twitter.com/yuriwan0728
「えっ。ほんとに誰なんですか?」
「失礼な事言うなコラ!殺すぞ!!!」
「お前誰に向かって言ってるかわかってんのか!小室友里さんやぞ!!それこそ当時の中学生と高校生は死ぬほどお世話になったんやから!」
「いやーほんと、こんな事を直接言うのはあれなんですが、本当にお世話になりました」
「いやいや、こちらこそわざわざお越しいただいてありがとうございます!」
「いや、実はですね。インターネットとか技術の発達によって、今だと簡単にエッチな画像とか見れちゃうじゃないですか。それがめっちゃ腹立つんですよ。逆に勿体ないなと思って」
「あー、そういう喜びを知らないっていうのが?」
「そうそう。河原で落ちてるエロ本を見つけた時の喜びとか、友達とエロ本をまわしあいする事で生まれる友情とか。リトル田中はわかんないでしょ?先輩から受け継いだエロ本の重みとかさ」
各中学に必ずひとつはあった先輩から受け継ぐエロ本。「ペンギンクラブ」「デラぺっぴん」などが多かった。
「さっきから何の話をしてるんですか?むしろ先輩のエロ本とか手垢とかついてそうで嫌です。良いものを見つけたら『これいいよ』ってURL送る感じです」
「出た!デジタル世代!死ね!」
■柿次郎のこだわり
「僕はずっと『エロにいたるまでの助走が長ければ長いほど良いものになる』って思ってるんですよ。だから僕は今でもTSUTAYAに行って、パッケージをちゃんと見て、調べて、家に持って帰って、奥さんが寝静まるのを待って、ようやく夜中にスーッとリビングに移動して再生するんです。その時の喜びとか、そういうのはスマホとかパソコンで手軽に見ちゃうと生まれないんですよ」
「あーなるほど。今だとね。無修正の女性器も簡単に見れちゃいますもんね」
「そうです。それによって想像力が減るんじゃないかと思ってます」
「それなのにね、このクズ男は『ネットで簡単にタダで見れるから』とか言ってXVIDEOとか見るんですけど、それだとAV女優さんとかコンテンツを作ってる人達に対価が産まれないじゃないですか。それって文化を殺す行為なんですよ」
「ネットでエロ動画見てるだけでえらく大きな話になってきた」
「結婚とかするとスマホでね、それこそ無料のエロ動画をトイレに持ち込んでコソコソ抜いたりするんですけど、そんな小さい画面で、無料の動画でこそこそシコるような男になるなって僕は思うんですよ。器が小さいじゃないですか」
「それで男の器が決まっちゃうんだ!でも柿次郎さんはご結婚されてるんですよね?」
「そうですよ。でも僕はトイレで無料の動画を見るんじゃなくて、DMM動画でお金を払って50インチの大画面で見るようにしてます。ダウンロードコンテンツでもDVDとブルーレイの間くらいの画質でちゃんと見れるんで。音にもこだわりたいのでビームっていう疑似体験出来るすごい技術の音響を使ったやつで見ます」
「それってヘッドホンとかじゃだめなんですか?」
「ヘッドホンをつけてオナニーするっていうのは、それこそ中学生くらいの時にイヤホンを片耳につけて、物音がしたらすぐパッと体勢を整えられるようにした時の思い出があるんで、やっぱり大人になった今はそういうのに縛られたくないんですよ。オナニーを自由にするっていうのは大人になった事の証なんで」
「なるほど。そういう風に階段を登る喜びがあるんですね」
「そうなんです。それなのにリトル田中はいきなり家でXVIDEOの無修正じゃないですか。そこには何の感動もないペラッペラの人生ですよ。こうはなりたくない」
「オナニーひとつでここまで言われるんだ」
■手癖のオナニーとは
「まあ僕も良くないなと思ってるんですけど、僕は独身なんでオナニーって今はすごく自由に出来ちゃうんですよ。それこそ手癖でオナニーしちゃう。別にムラムラしてるわけでもないのにやっちゃうので、これを手癖のオナニーと言うんですけど、これも良く無いなって。本来であればオナニーってもっと真正面から捉えるべきものなんですよ。例えば中学生の頃なんて、AV見てがっつりオナニーをしたいと思ったら学校を休まなきゃいけなかった」
「え!?そこまで!?オナニーのためにわざわざ!?」
「そうです。母親は夕方になるとパートから帰ってくるし、兄も居るので家で一人になりたいと思ったら学校をサボるしかないんですよ」
「わかる」
「わかるんだ!?オナニーのためにみんな学校を休むってこと!?」
「ヨッピーさんの言う通りで、僕もそうです。オナニーってそれくらい高尚で、尊いものだったんですよ。僕も兄貴と同じ部屋だったんで、兄貴のエロ本とかをこっそり持ち出すんですけど、やっぱり兄貴にバレないように元に戻さなくちゃいけないじゃないですか。だから、机の引き出しからエロ本の配置を一回エンピツでスケッチしてから持ち出すんですよ」
「爆笑。今みたいに写メールで簡単に写真撮れないからね!」
エロ本のレイアウトを必死でスケッチする柿次郎。エロ本ひとつとってもそこにはドラマがあった
「そうなんです。どの本がどういう角度だったか、とか綿密にスケッチして、気付いたら30分くらい経ってるんですよ。それくらい苦労するからこそ良いオナニーが生まれるんです」
「流石にそこまでするのは柿次郎くらいだと思う」
「それこそ僕は、妹と同じ部屋でエロ本とかが見つかるのも嫌だったんで、コンビニとかでエロ本の表紙を覚えて帰るっていう技を使ってましたね」
「覚えるんだ……!でも、エロ本の配置をスケッチするにしても、エロ本の表紙を覚えて帰るのも、集中力が大事ですよね。ある意味エロが集中力を鍛えてくれたんですね」
「そうなんですよ。エロはあらゆるものの原動力になるんで。それこそ僕がパソコンを覚えたのもエロいのが見たかったからですからね。ほっそいナローバンドで8時間とかかけて落とした動画がおっさん同士のホモ動画だったり、偽装とか結合とかそういうのをかき分けてスキルを身に付けてきたんだから。ラブマとからるちーていうツールとか知らないでしょ!?」
「なるほど……。僕が物心ついたころにはクリック一発でしたね……」
「それは逆に可哀想なんよ。あの感動を知らないっていうのは。集中力も無いしこらえ性も無いでしょ。僕らなんて耐えて耐えてエロにたどり着いてたのに。リトル田中が書く記事にもそれが現れてて記事に粘りがない」
「オナニーひとつで書く記事まで否定されるんだ」
■当時のAVと今のAV
「ちなみに、今のAVと昔のAV、どっちが好きなんですか?」
「それがね、不思議と昔のやつなんですよ。ピンクファイルシリーズっていう昔のAVの復刻版みたいなのがあるんですけど、それをDMMで落として見たりしますね。画質とかは今の方が断然良いはずなのに、不思議とそっちの方がヌけたり……」
「やっぱり思い入れみたいなのが違うんでしょうね。僕も学生の頃は夜中にTSUTAYAに行って3時間くらいかけて選ぶんですよ。店出たら夜が明けてたりするんですけど、明け方に誰もいない道を、エロビデオがカゴに入った自転車で『イエーイ!』って走るんです。それが妙に爽やかでほんとに青春って感じなんですね」
「セールとかやってると10本とか一気に借りるよね」
「そうそう。でも当時はVHSだから10本てめちゃくちゃかさばるんで隠し場所に困ったり」
「AVの隠し場所問題もありますけど、シコティッシュの処理問題もあるね」
「ありますね。僕も当時はシコったティッシュがバレるのが嫌で、そっとお菓子の箱みたいなやつに綺麗に折り畳んでしまってたんですよ」
「それは流石に柿次郎だけやと思うわ。なんで折り畳むの!?」
「そうしないとあんまり入らないから効率を考えて」
「さっきから出て来るすべての話に1ミリも共感出来ない」
■AVのサンドイッチの話
「よくこう、AVを借りる時に、真面目な映画と真面目な映画でサンドイッチにしてバレないようにする、とかもあるんですか?」
「いや、何せ10本全部AVですから。パン無しで全部具ですね」
パン一切無しのエロサンドイッチ。思春期のリビドーはとどまることを知らない。
「なるほど。じゃあトマトとかチーズとかを選ぶ感じですか?」
「それも、何せ3時間かけて選んでるんでトマトとかチーズとかもいらないんですよ。全部肉です。小室さんの作品もその肉の中に完全に入ってましたよ」
「わーありがとうございます!」
「人間廃業シリーズがほんとに良かった」
「僕もそのシリーズ全部持ってる」
※人間廃業シリーズ
女優さんが男優さん10人相手に暴れまくるシリーズ
「最近復活しましたよねあのシリーズ」
「そうそう。そうなんですけど、最近のやつはカメラワークとかが上手くなりすぎててあんまりリアリティがないんですよ」
「リアリティって?」
「なんかね、昔の人間廃業シリーズは、出て来る男優さんがなんかこう、ダラッとしてるんですよ」
「あーそうそう!良く見てますね!」
「最近のやつはダラダラしてなくて、作品としてはカチッと出来てるのかも知れないけど、そのせいでリアリティとか女優さんの素顔とかが見えてこなくてちょっと寂しいんです」
「わーすごい。実際あの現場って結構ダラッとしてて、私も普通の飲み会状態から入って酔っぱらったまんま撮影してたんですよね」
「でしょう。男優さん同士とかも仲良くて和気藹々としてるんですよ。舐めだるま師匠とかね。最近の人間廃業シリーズはそういうのが無いから……」
「すいません、この会話って読者の人はついて来れるんですかね」
「そんなものはほっとけば良いんよ」
延々と続く僕らのオナニー談義を笑いながら聞いてくれる小室さん。
天使はいつになっても天使のままなのかも知れない。
「これを見ている人達に、何か伝えたい事とかありますか?」
「出ていた私が言うのもあれだけど、やっぱり『AVの真似しちゃダメ』ってことです。答えをすぐに求めようとするのもダメですね。潮を吹かせたい、とか。お互いに高め合って、その結果に出るのが答えなんだと思います」
「ほら。答えをすぐに求めようとするのはダメって小室さんも言ってる!」
「勉強になります」
そんなわけで本日のオナニー談義、はいかがだったでしょうか。
左上のリトル田中だけが唯一表情が固いままですが、僕、柿次郎、セブ山の3人にとっては最高に楽しい企画となりました。
「中学生の頃のオナニーの思い出」はおっさん同士が盛り上がるには最高のテーマなのかも知れません。
この機会に、皆さんも思春期の思い出に花を咲かせてみてはいかがでしょうか。
「僕、ここに居た意味ありました?」
「うるさい」
(おしまい)