■松屋のメニューに「うどん」なんかあったっけ?という方……

あります。

 

ただ、期間限定・一部店舗限定だと思いますので、詳しくは松屋の公式HPなどを参照ください。

https://www.matsuyafoods.co.jp/matsuya/whatsnew/menu/45008.html

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ日、

同じ時間に、

違う場所で松屋のうどんを食べてみて。

わかったことは一つ。

 

人はみな一人。

だが、俺たちは同じ空の下にいる。

 

 

以上。

 

 

 

特別付録・それぞれのあの日

【ヤスミノ】

・朝起きて、牛丼屋に向かう。いろんな仕事がある、と思った。

・そもそもあまり牛丼屋さんに行かない。なので「あの松屋にうどんが!?」という気持ち自体が希薄だった。

・牛丼屋は、あの有名コピペじゃないけど、不思議な緊張感が漂っている気がする。それと同時に客同士の連帯感も感じる。矛盾してるけど、そう感じる。特に深夜や早朝だとその感覚は顕著になる。

・見た目はけっこういい感じ。想定よりお肉がいっぱい乗ってて牛丼屋としての矜持を感じた。

・味は……優しいうどん。よくよく考えたら牛丼もあまり食べないだけでなく、「暖かいうどん」もあまり食べないことに気が付いた。だからあまり他のうどんとの比較はできないが、普通においしかった。コシはあまりないが、むしろそれが嬉しいパターンもある。

・ただネギたっぷりじゃなくていいのかな~~~~~~~とも思わなくはなかった。青いネギの強い風味と、優しい出汁との相性が……。でも貶すほどでもない。ちゃんと普通にうどん。

・はっきり言って繰り返し食べたくなるような魔力はないが、その半端さも含めて憎めない商品だと思う。

 

 

【みくのしん】

・前日から不安だった。なんか底しれぬ不安。明日うどんを食べに行くというカレンダーに入っている予定。コレ。コレがなんか前日怖かった。別にうどんを食べに行くだけなのに、ざわざわする。当日の朝も7時には起きて、ドキドキする。

・今回行ったお店は不動前店。家を出る前は小雨が降っていたけど、それが止んだのは本当に心底良かった。本当に心底良かった。なんで小雨の中自転車に乗らないと行けないんだ。という苛立ちが絶対あったから。だから小雨が止んで本当によかった。でも、コレはプラスではないからな。とだけ一応言っておきたい。0がマイナスになって0に戻っただけだぞ。と。

・20分程前についた。寒い。松屋の前に20分前に一人で待つのは人生で初めてかもしれない。福袋や初売りに並んでないのに、なんで俺は松屋の前に一人で待ってるの?時計を見るとトイ・ストーリーのハムが笑ってる。

・11時になっていざ!と入店したら、取り扱い店舗なのに、取り扱いしていなかった。は?なぞなぞ?なんでだよ。なんで買えないんだよ。こんな事あるのかよ。コレか。不安の正体!なにちゃんと表してんだよ。表すなよ!表すな!ばーか!

・急いで隣駅の五反田店に行った。なんか涙ちょちょぎれるかと思ったよ?こんなに寒くて一人でチャリに乗って急ぐ先はうどんのある松屋。職質されたら俺は大丈夫だったのか?というか、一回「取り扱いをしていません」を体験している身からしたら、取り扱い店舗の情報も怖くなっている。五反田店でも無かったら?おれは?おれは……?

・あった。思わずガッツポーズが出た。おれ、松屋の食券機でガッツポーズ出せるんだ。

・着丼。見た目はめちゃくちゃいい。美味しそう。というか、嬉しい。やっと会えた。セーーーーフセフセフ(笑)と調子も乗ってきた。はぁ、よかった。

・うん!うん!美味しい!あ!美味しいです!サイトによると、「スープは牛バラ肉を丸ごと煮込んでおりますので、一部すじが残る場合がございます。」との注意書きがあり、なるほどスープはそういうこだわりがあるのかという感じで繊維質のお肉がホロホロと転がっていて、スープも美味しかった。うどんはコシがあまりない柔めのうどん。上に乗っているお肉もおそらく牛丼のものと同じ。ただ、スープはやっぱり少しとろみがあってそこだけが想像の範疇から超えていたので、僕は美味しいなぁと思いました。

・いや、本当に美味しかったのかな。いや、美味しかったのは正しい。そこに間違いはない。体も温まったしね。でも、ちょっと出来ないかも。正しい判断。前日からのざわざわするイメージから現れた結果にドキッとしたけど、そこから五反田店で食べれた安心。その安心の味だった気がする。あと、これは全然関係ないんですけど、なんか牛丼の大盛りを喉詰まらせながら食べたくなりました。

 

【恐山】

・松屋のうどんは元々かなり好きで何度か食べていた。しかし、今回は香川県に行って本場のうどんを何杯も(累計5杯)食べてから臨んだため、恐ろしい緊張感があった。香川で牛丼チェーン店のうどんを食べ、それで一食を、潰す。

・店内に他の客はひとりだけ。地元の人だろうか。当然食べているのはうどんではなく牛めしだ。当たり前だ。この地では本場のうどんが290円で食べられるのだから。それでもメニューとして用意されているうどん。普段誰が食べているのだろう。

・ほどなくしてうどんが運ばれてきた。一口すする。うん。そうだ。これが松屋のうどんだ。

・実はここに来る直前に別のうどん店でかけうどんを食べていた。それに比べると、やはり麺のコシに遜色がある。

・意図的にコシを作りましたという僅かな不自然さを、香川で肥えた舌は捉えてしまう。それでも不思議な満足を感じる。「うちはこれが専門じゃないんで」というエクスキューズの入った麺をすすっていると、自分がいま遠い地にいることを忘れそうになる。かつおだしをずずっと啜り、店を出た。

・別のうどん屋をそのあと2件ハシゴしてから帰った。めちゃくちゃうまかった。

 

【マンスーン】

・麺は柔らかめだった。風邪の時にお母さんが作ってくれるうどんみたいだ。

・出汁はあっさりめだけど少し煮詰まったような風味を感じた。もしかしたら時間や店舗ごとによるブレかもしれない。

・肉は牛めしのやつを使用してるから脂身も沢山あってジューシーで美味しい!

・気になるのがうどんとセットにした白米。お好み焼きでご飯を食べる文化は知っているし焼きそばでご飯も食べたことはある。でもうどんと白米の組み合わせは初めてだった。

・肉を絡ませたうどんを口に入れ、白米をかき込む。優しい出汁がホカホカのごはんと合わさって口の中が優しさで満たされていく。でも優しすぎる。
この包み込まれるような優しさがありがたい日もあるが、今日は僕の中でうどんと白米が出会う初めての日。そんなハレの日にこの低刺激じゃ満足できない。昔、友人と恋愛の話をしていた時に「優しいだけじゃだめだ」と言われた事をふと思い出した。

・この白米をどうすればいいんだと考えて、肉をご飯に乗せ、紅生姜を添えてミニ牛丼にしてみたけど、肉の味がうどんの出汁で薄まってるから、やはり物足りない。

・完全に詰んだか?と思ったけど、麺を食べ終わった器にご飯を入れておじや風にしてみたら全てのバランスが良くなった。ライスセットはこれが正解かもしれない。

・自分は正直そこまでハマらなかったけど、どこにでもあっていつでも開いている松屋で温かいうどんが食べれるという事には正直に感謝するべきかもしれない。